JPS6337Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、横向き突出姿勢の茎稈係止爪を地面
近くから上方に移行させる茎稈引起し装置を機体
横方向に並置するとともに、前向き突出姿勢の茎
稈係止爪を前記引起し装置の前方箇所において地
面近くから上方に移行させる茎稈梳き上げ装置
を、前記並置した引起し装置の横外側端位置と横
中間位置とに付替可能に構成した刈取収穫機の引
起し処理装置に関し、茎稈梳き上げ装置の付替作
業を容易、迅速に行なえるようにせんとするもの
である。

上記引起し処理装置は、圃場に植えられている
茎稈を前向き突出姿勢の爪を備えた梳き上げ装置
にて予め梳き上げることによつて、茎稈引起し装
置の横向き突出姿勢の爪にては係止し難い倒伏状
態の茎稈をも良好に引起すことができるようにし
たものであり、しかも、茎稈梳き上げ装置を、並
置した引起し装置の横外側端位置と横中間位置と
に付替可能にすることによつて、機体の前方相当
箇所に位置する刈取るべき茎稈群と機体の横側部
に位置する未刈茎稈群との絡み合いを分離させる
作用を発揮させる状態と、刈取るべき茎稈群を所
望の姿勢で適確に引起し装置に受渡す作用を発揮
させる状態とに作業条件によつて使い分けること
ができるようにして、一層良好な引起し処理を行
なえるようにしたものであるが、茎稈梳き上げ装
置を異なる位置に付替える作業が容易、迅速に行
ない難いものになつていた。

つまり、梳き上げ装置を支持するには、その上
端部とその下端部との２点を支持して全体として
丈夫に支持することになる。そして、梳き上げ装
置の上端部は、刈取るべき茎稈群の穂先部を迂回
させる状態で設ける案内支持機構を用いて、容
易、迅速に付替え操作を行なえる形態で横移動調
節可能に支持できるものであるが、その下端部
は、刈取茎稈群の通過を許す状態で異なる位置
夫々に設けた固定枠に連結させることになる。

そして、従来では、異なる位置夫々に梳き上げ
装置下端部の直下方に位置させて設けた固定枠
と、梳き上げ装置下端部とを、ボルト等を用いて
分離可能に連結させるようにしているが、この場
合、梳き上げ装置下端部を固定枠から分離させ
て、梳き上げ装置上端部を横方向に案内移動させ
ながら梳き上げ装置を異なる位置に付替えるに、
梳き上げ装置下端部と固定枠との接当干渉を回避
させながら、梳き上げ装置を横移動操作しなけれ
ばならないものとなり、未熟練者等では扱い難い
ものとなつていた。

本考案は、上記実状に留意して為されたもので
あつて、冒記構造の刈取収穫機の引起し処理装置
において、前記梳き上げ装置を異なる位置で支持
するに、梳き上げ装置の上端部を横方向に移動調
節可能に案内支持する機構を設け、梳き上げ装置
よりも後方で前記異なる位置夫々に設けた固定枠
に梳き上げ装置の下端部を連結する機構を設ける
とともに、この連結機構を、梳き上げ装置の下端
部に前後動可能にスライド支承されたデバイダ支
持杆と、デバイダ支持杆を前記固定枠に固定する
固定具とから構成したことを特徴とする。

すなわち、梳き上げ装置下端部を、これよりも
後方に位置する固定枠に連結支持させるものであ
るから、梳き上げ装置を、その上端部を横方向に
案内移動させる際に、梳き上げ装置下端部と固定
枠とが接当干渉する冒記問題を解消できるのであ
り、梳き上げ装置の付替作業を未熟練者等でも容
易、迅速に行なうことが可能となつた。

しかも、茎稈梳き上げ装置の付替に、デバイダ
支持杆という既存の構成を有効に利用しているの
で、構成簡単で経済的に有利であるとともに省ス
ペースを実現でき、刈取茎稈の移動通路を確保し
なければならないこの種の刈取機において極めて
有益である。

もつて、全体として一層便利に使用することが
可能な刈取収穫機の引起し処理装置を得るに至つ
た。

以下本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図は、刈取収穫機の一例としてのコンバイ
ン前部の側面を示し、圃場に植えられた稲麦等の
茎稈を引起し処理する装置１、引起し茎稈の株元
を切断する刈取装置２、刈取茎稈を合流させる補
助搬送装置３、合流茎稈を後部脱穀装置４のフイ
ードチエーン５に搬送する後方搬送装置６等が装
備されている。そして、進行に伴い茎稈を引起し
刈取処理し、刈取茎稈を順次扱脱穀する作業を自
動的に連続して行なうべく構成されている。

前記引起し処理装置１について第１図乃至第３
図に基づいて説明すると、左右一対のケース７
ａ，８ａから横内方に向けて突出される横向き突
出姿勢の左右一対の茎稈係止爪７ｂ，８ｂをその
先端同志を対向させた状態で上方に移行させる左
右一対の茎稈引起し装置７，８が設けられるとと
もに、ケース９ａ，１０ａから前方に突出する前
向き突出姿勢の茎稈係止爪９ｂ，１０ｂを前記左
右引起し装置７，８の前方箇所において地面近く
から上方に移行させる左右一対の第１、第２茎稈
梳き上げ装置９，１０が設けられている。前記第
１茎稈梳き上げ装置９が、機体が通常の回り刈り
作業を行なう時、並びに中割作業を行なう時に未
刈茎稈群が隣接位置することになる左右引起し装
置７，８の左横側端位置に固定されるとともに、
前記第２引起し装置１０が、機体が中割作業を行
なう時にのみ未刈茎稈群が隣接位置することにな
る左右引起し装置７，８の右横側端位置と横中間
位置とに付替可能に構成されている。

そして、圃場に植えられた茎稈を、左右第１第
２梳き上げ装置９，１０にて予め梳き上げ、その
のち左右引起し装置７，８にて所望の立姿勢に引
起すべく構成され、且つ、回り刈り作業や中割作
業等の作業形態に応じて第２梳き上げ装置１０を
異なる位置に付替えることにより、第２梳き上げ
装置１０にて、機体前方相当箇所に位置する刈取
るべき茎稈を梳き上げたのちその姿勢で引起し装
置７，８に適確に受渡す作用を発揮させるように
する状態（回り刈り作業）と、刈取るべき茎稈群
と機体横側部に位置する未刈茎稈群との絡みを分
離させる作用を発揮させる状態（中割作業）とに
使い分けることができるようになつている。

次に、第２茎稈梳き上げ装置１０を異なる位置
に付替可能に支持する構造について、第２図乃至
第４図に基づいて説明する。

すなわち、梳き上げ装置１０の上端部を、横方
向に移動調節可能に案内支持する機構１１が設け
られるとともに、梳き上げ装置１０の下端部を、
異なる位置夫々にこれよりも後方に位置させて設
けた固定枠１２，１２に分離可能に連結する機構
１３が設けられている。

前記案内支持機構１１は、前記引起し装置７，
８の上端背部箇所に設ける横架姿勢の引起し駆動
ケース１４の右横端部から前方に延設した固定ケ
ース１５の延出端に、前後方向軸心X¹周りに揺
動可能に揺動ケース１６を枢支し、このケース１
６の遊端と、前記梳き上げ装置１０から横側方に
延設した連結ケース１７とを前後方向軸心X²周
りに相対回動自在に枢支して構成されている。
尚、各ケース１５，１６，１７内には、前記引起
し駆動ケース１４からの出力を梳き上げ装置１２
に伝達するベベルギヤ伝動機構が内装されてい
る。

前記連結機構１３は、梳き上げ装置下端部に前
後動可能にスライド支承させた軸状デバイダ支持
杆１８と、この支持杆１８を前記固定枠１２，１
２に挿入した状態で固定する固定具としての締付
ボルト１９とから構成されている。尚、図中２０
は、前記支持杆１８の前端に支持したデバイダで
ある。又、図中２１は、梳き上げ装置１０が取付
けられない固定枠１２に挿入して固定するデバイ
ダ２１ａの支持杆である。

尚、本案を実施するに、案内支持機構１１とし
ては、例えば横架姿勢で架設した軸状部材に沿つ
て横スライドさせる等、種々の構造が考えられる
もので如何なる構造で実施してもよい。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対
照を便利にする為に符号を記すが、該記入により
本考案は添付図面の構造に限定されるものではな
い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る刈取収穫機の引起し処理装
置の実施例を示し、第１図はコンバイン前部の側
面図、第２図は引起し処理装置の正面図、第３図
は案内支持機構の切欠き平面図、第４図は連結機
構の一部切欠き側面図である。 ７，８……引起し装置、７ｂ，８ｂ……茎稈係
止爪、９，１０……梳き上げ装置、９ｂ，１０ｂ
……茎稈係止爪、１１……案内支持機構、１２，
１２……固定枠、１３……連結機構、１８……デ
バイダ支持杆、１９……固定具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 横向き突出姿勢の茎稈係止爪７ｂ，８ｂを他面
   近くから上方に移行させる茎稈引起し装置７，８
   を機体横方向に並置するとともに、前向き突出姿
   勢の茎稈係止爪１０ｂを前記引起し装置７，８の
   前方箇所において地面近くから上方に移行させる
   茎稈梳き上げ装置１０を、前記並置した引起し装
   置７，８の横外側端位置と横中間位置とに付替可
   能に構成した刈取収穫機の引起し処理装置におい
   て、前記梳き上げ装置１０を異なる位置で支持す
   るに、梳き上げ装置１０の上端部を横方向に移動
   調節可能に案内支持する機構１１を設け、梳き上
   げ装置１０よりも後方で前記異なる位置夫々に設
   けた固定枠１２，１２に梳き上げ装置１０の下端
   部を連結する機構１３を設けるとともに、この連
   結機構１３を、梳き上げ装置１０の下端部に前後
   動可能にスライド支承させたデバイダ支持杆１８
   と、デバイダ支持杆１８を前記固定枠１２に固定
   する固定具１９とから構成したことを特徴とする
   刈取収穫機の引起し処理装置。