JPH0132524Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、刈取装置の前方に設けた横回し式引
起し装置の横外側前方に縦回し式強制掻上げ装置
を配設してある刈取機に関する。

上記の刈取機は、前記縦回し式強制掻上げ装置
による茎桿掻上げ作用により、倒伏状態にある刈
取対象茎稈をこれに隣接する非刈取茎稈との絡み
付きをほぐし乍ら前記横回し式引起し装置の引起
し作用範囲内に確実、スムーズに移行させてミス
のない引起しを行なえるが、植立茎稈が立毛状態
にある場合では、前記強制掻上げ装置による不必
要な茎稈掻上げ作用によつて却つて脱粒や折損な
どを招来する不利がある。

このような不利をなくするために、例えば、実
開昭54−120416号公報に開示されたもののよう
に、従来、前記強制掻上げ装置を着脱式に構成し
たものが知られているが、これによる場合は、比
較的大なる重量を要する強制掻上げ装置を植立茎
稈の倒伏度合に応じて一々取外したり、取付けた
りしなければならず、実際問題として非常に不便
なものであつた。

本考案は、上述の実情に鑑み、前記強制掻上げ
装置に対する簡単な操作をもつて、立毛状態にあ
る植立茎稈の刈取作業時には、前記強制掻上げ装
置を非作用姿勢に切換えることができるようにす
る点に目的を有する。

上記目的を達成するために、本考案では、刈取
装置の前方に設けた横回し式引起し装置の横外側
前方に縦回し式強制掻上げ装置を配設してある刈
取機において、前記強制掻上げ装置の上端側を、
その強制掻上げ装置への動力伝達用の伝動ケース
に支持させるとともに、前記強制掻上げ装置の下
端側をデバイダー支持杆に支持させてあり、か
つ、前記デバイダー支持杆には、前記強制掻上げ
装置の掻上げ爪移動軌跡の前記引起し装置に対す
る姿勢を一定又はほぼ一定に保持した状態での前
後方向への移動により、掻上げ作用位置と非掻上
げ作用位置とに、強制掻上げ装置の下端側支持位
置を変更可能な複数の取付け部を設けてあり、さ
らに、前記伝動ケースは、強制掻上げ装置の上端
側との連結状態を維持したままで前記強制掻上げ
装置の前後方向移動を許すように、伸縮または強
制掻上げ装置に対して相対回動自在に構成したも
のであり、この構成を採用した結果、次の作用な
らびに効果を奏する。

つまり、倒伏状態にある植立茎稈の刈取作業時
には、前記強制掻上げ装置を引起し装置の前方に
突出する掻上げ作用位置とすることにより、この
強制掻上げ装置により茎稈掻上げ作用によつて冒
述のような引起し性能の向上を図りながらも、立
毛状態にある植立茎稈の刈取作業時においては、
前記強制掻上げ装置を前記の掻上げ作用位置から
前記引起し装置より後方に位置する非掻上げ作用
位置に切換えることにより、これによる不必要な
茎稈掻上げ作用に起因する脱粒や折損などを回避
することができる。

従つて、植立茎稈の状況に応じて、前記強制掻
上げ装置を前記の２位置に切換えるだけの簡単で
楽な操作を行うことのみをもつて常に適正な刈取
作業を行え、しかも、前記強制掻上げ装置を前述
の２位置に切換えるにあたり、強制掻上げ装置へ
の動力伝達用の伝動ケースを、横軸芯周りで揺動
自在に構成したり、或いは伸縮自在に構成すると
いつた具合に、構造的に簡単な構成を採り易い構
造によつて行えるようにしたので、目的の構造を
コスト面で有利に実施し得る利点を得られた。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
ると、脱穀装置１を備えた本機Ａに対して刈取部
Ｂを駆動昇降自在に構成してあるコンバインにお
いて、前記刈取部Ｂは次の如く構成する。

即ち、バリカン型刈取装置２の前部に、２条の
植立茎稈を後方上方に引起す一対の横回し式引起
し装置３，３を、それらの引起し爪３ａ，３ａの
先端同志が互いに対向する状態で左右横方向に並
設し、この並設引起し装置３，３と前記脱穀装置
１との間に、刈取茎稈を漸次横倒れ姿勢に変更し
乍ら脱穀フイードチエーン４に搬送供給する縦搬
送装置５を架設するとともに、前記刈取装置２直
後方の刈取伝動ケース６から前記並設引起し装置
３，３間の中央部及び並設引起し装置３，３の横
外側部を夫々通して前方に分草デバイダー７……
の支持杆８……を延設し、かつ、前記脱穀フイー
ドチエーン４側に位置する引起し装置３の横外側
前方には、その掻上げ爪９ａを機体進行方向に沿
つて前方下方から後方上方に突出移動させるべく
構成してある縦回し式強制掻上げ装置９を配設し
ている。

而して、前記強制掻上げ装置９を、前記引起し
装置３、後部の横向き伝動ケース１０との間に介
在した伝動ケース１１の左右方向に沿う又はほぼ
沿う二つの横軸芯P₁，P₂周りでの回動をもつて、
その掻上げ爪９ａ移動軌跡の前記引起し装置３に
対する姿勢を一定又はほぼ一定に保持した状態で
後方に平行又は平行に移動させることにより、掻
上げ作用位置から非掻上げ作用位置に切換えなら
びに固定自在に構成している。

また、前記強制掻上げ装置９のケース９Ａ下端
部を前記の２位置において前記デバイダー支持杆
８に固定するに、前記ケース９Ａの下端部に、前
記デバイダー支持杆８の上方から嵌合可能なほぼ
逆Ｕの字状の連結部材１２を固着するとともに、
前記の嵌合状態にある連結部材１２の貫通孔１２
ａ，１２ａとデバイダー支持杆８に形成した貫通
孔８ａ，８ａ又は８ａ，８ａとに亘つて横側方か
ら差込みならびに抜出し自在なＬ字形の固定連結
ピン１３，１３を設け、かつ、前記掻上げケース
９Ａの下端部近くには、前記固定連結ピン１３，
１３の他端部分１３ａ，１３ａを前記の差込み状
態で弾性的に挾持保持可能なほぼＵの字状の係止
部１４ａ，１４ａを有する係止部材１４を固着し
ている。つまり、前記デバイダー支持杆８に形成
された貫通孔８ａ…が、前記２位置において強制
掻上げ装置９の下端部を支持する複数の取付け部
を構成している。

前記伝動ケース１１の一端部は、前記横向き伝
動ケース１０の端部に前記の一方の横軸芯P₁周
りで回動自在に嵌合支持されており、かつ、この
伝動ケース１１の他端部には、前記強制掻上げ装
置９のケース９Ａを他方の横軸芯P₂周りで回動
自在に嵌合支持させている。

尚、強制掻上げ装置９への伝動ケース１１とし
ては、横軸芯P₁，P₂まわりで回動する構成のも
のを例として示したが、適宜周知の技術手段を用
いて、強制掻上げ装置９の掻上げ作用位置と非掻
上げ作用位置とにおける位置切換に伴つて伸縮す
るように構成しても良い。

尚、前記強制掻上げ装置９を前後方向へのスラ
イド移動により前記の２位置に切換え自在に構成
しても良い。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対
照を便利にする為に符号を記すが、該記入により
本考案は添付図面の構造に限定されるものではな
い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る刈取機の実施例を示し、第
１図はコンバインの全体側面図、第２図は要部の
一部切欠平面図、第３図は要部の側面図、第４図
は第３図における−線断面図である。 ２……刈取装置、３……引起し装置、９……強
制掻上げ装置、９ａ……掻上げ爪、１１……伝動
ケース。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 刈取装置２の前方に設けた横回し式引起し装置
   ３の横外側前方に縦回し式強制掻上げ装置９を配
   設してある刈取機において、前記強制掻上げ装置
   ９の上端側を、その強制掻上げ装置９への動力伝
   達用の伝動ケース１１に支持させるとともに、前
   記強制掻上げ装置９の下端側をデバイダー支持杆
   ８に支持させてあり、かつ、前記デバイダー支持
   杆８には、前記強制掻上げ装置９の掻上げ爪９ａ
   移動軌跡の前記引起し装置３に対する姿勢を一定
   又はほぼ一定に保持した状態で前後方向への移動
   により、掻上げ作用位置と非掻上げ作用位置と
   に、強制掻上げ装置９の下端側支持位置を変更可
   能な複数の取付け部８ａ，８ａを設けてあり、さ
   らに、前記伝動ケース１１は、強制掻上げ装置９
   の上端側との連結状態を維持したままで前記強制
   掻上げ装置９の前後方向移動を許すように、伸縮
   または強制掻上げ装置９に対して相対回動自在に
   構成してあることを特徴とする刈取機。