JPS6014360Y2 - 刈取機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、刈取対象茎稈が圃場に這うような状態にまで
大きく倒伏している場合でも、これを確実に引起すこと
ができるようにすることと、左右横方向で隣接する刈取
対象および非対象の植立倒伏茎稈同志の絡み付きをほぐ
し乍ら両者を左右にスムーズに分草することができるよ
うにすることを指向して開発されてもので、横回し型式
の強制引起し装置の刈取装置への茎稈導入経路側とは反
対側の側部に倒伏茎稈を機体進行方向に沿った面内にお
いて前方下方から後方上方に向かって移動する係止爪に
よって掻上げ移送すべく構成した縦回し型式の強制分草
装置を設けた刈取機に関する。

従来、刈取機の強制引起し装置と強制分草装置には、縦
回し型式の強制引起し装置の係止爪に強制分草用の係止
爪を一体に連設して強制分草装置を兼用するように構成
した型式のもの（例えば、実公昭４４−２８２５ｆｆ公
報）と、本考案におけるように、横回し型式の強制引起
し装置と縦回し型式の強制分草装置とを別個に設ける型
式のものとがあるが、これらの型式にはそれぞれ一長一
短がある。

すなわち、前者の型式のものは、刈取機全体の機長を短
くできるが、強制引起し用の係止爪の作用範囲が強制引
起し用の係止爪を枢着しである無端チェーンの回動面の
一側に限定されるために、植立殻稈が株元部で前記作用
範囲とは反対側に大きく倒伏しているような場合、充分
な引起しができないという欠点があるのに対して、後者
の型式のものは、前記作用範囲を機体進行方向に向って
左右方向に大きく設定できるため、植立殻稈が株元部で
機体進行方向に向って左右いずれの方向に大きく倒伏し
ていても充分な引起しができる反面、強制引起し装置と
強制分草装置との爪移動速度、爪の配設間隔が互いに異
なるものであったため、両装置を機体前後方向及び左右
横方向で近接配置すると、強制引起し装置の係止爪と強
制分草装置の係止爪とが相互干渉し、種々のトラブルを
誘発する恐えがあり、前記強制引起し装置と強制分草装
置とを機体進行方向で近接させて、機長を短かくするこ
とができないという欠点と、この強制引起し装置と強制
分草装置とを機体進行方向に対する左右横方向でも近接
配置することができないために、前記強制引起し装置の
係止爪先端移動軌跡と地面とで形成される前面視はぼ三
角形状の非引起し領域を減少することができないこと、
および、両者間での茎稈受は渡しスペース（寄せ代）を
減少することができないという欠点がある。

本考案は横回し形式の強制引起し装置と縦回し型式の強
制分草装置とを別個に設ける型式の刈取機における上述
のような二つの欠点を、簡単な工夫をもって何らのトラ
ブルをも惹き起すことなく解消することを目的とするも
のであって、冒記したものにおいて、前記強制分草装置
の係止爪移動速度と前記強制引起し装置の係止爪移動速
度、ならびに、画体止爪各々の配設間隔を等しくすると
ともに、画体止爪をどうしの位相をその移動方向の前後
にずらし、かつ、画体止爪６Ａ、２Ａの作用範囲を部分
的に重複させて構成しであることを特徴とする これによって、前記強制引起し装置と強制分草装置とを
機体進行方向で近接させるとともに、前記強制分草装置
の係止爪移動軌跡と強制引起し装置の係止爪移動軌跡と
が前面視において重複する状態にまでこれら両装置を左
右方向で近接配置したとしても、この強制分草装置の係
止爪と強制引起し装置とが相互干渉して破損などを生ず
る心配がなく、従って、爪の移動速度、および、配設間
隔を一致させるといった構造的に簡単な工夫を施すのみ
で冒述の二つの欠点を何らのトラブルを惹き起すことな
く解消し得るに至った。

以下本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

図面はコンバインを示し、機体後部に搭載した脱穀装置
１の前方に、その係止爪２Ａを機体進行方向に沿った水
平面に対して後方上方に傾斜した平面内で回動移動させ
るべく構成した左右一対の横回し型式の強制引起し装置
２，２と、これら両強制引起し装置２，２によって引起
された植立殻稈（植立茎稈）の株元部を切断するバリカ
ン型の刈刃３ならびに、刈取殻稈を漸次横倒れ姿勢に姿
勢変更し乍ら脱穀フィードチェーンＩＡの搬送始端部に
供給する縦搬送装置４からなる刈取装置５を配設すると
ともに、前記強制引起し装置２，２のうち脱穀フィード
チェーンＩＡが存在する側の機体横外側部に位置する強
制引起し装置２の刈取装置工への茎稈導入経路Ａ側とは
反対側の側部に、前記強制引起し装置２への茎稈導入経
路Ａに導入される植立殻稈を機体進行方向に沿った鉛直
又はほぼ鉛直面内で前方下方から後方上方に向かって移
動する係止爪６Ａによって掻上げ移送すべく構成した縦
回し型式の強制分草装置６を設けている。

そして、前記強制分草体装置６の係止爪６Ａ移動速度Ｖ
□と前記強制引起し装置２の係止爪２Ａ移動速度ｖ２、
ならびに、画体止爪６Ａ、２Ａ各々の配設間隔１□、１
２を等しくするとともに、画体止爪６Ａ、２Ａどうしの
位相をその移動方向の前後にずらし、かつ、画体止爪６
Ａ、２Ａの作用範囲を部分的に重複させて構成している
。

また、前記両強制引起し装置２，２間の中央部及び強制
引起し装置２，２の横外側部に配置されるデバイダ−７
Ｂ及び７Ａ、７Ｃのうち、前記強制分草装置６の下端前
方に位置するデバイダ−７Ａを、他のデバイダ−７Ｂ、
７Ｃよりも前方に突出位置させている。

前記強制分草装置６は次の如く構成されている。

即ち、分草支持杆８の先端部と伝動ケース兼用の刈取り
フレーム９前端部から上方に立設した伝動ケース１０の
上端部とに亘って架設した側面視はぼへの字形状の分草
枠６Ｂ内で、かつ、その上下両端部及びその屈曲部分に
夫々設けたスプロケット６Ｃ・・・に亘って、係止爪６
Ａを前記の間隔１□で起伏自在に枢着しである無端チェ
ーン６Ｄを掛張するとともに、前記分草枠６Ｂには、こ
の分草枠６Ｂの前後方向−側部で所定の掻上げ移送経路
Ｂとは反対側に前記係止爪６Ａを起立突出させたのち、
この係止爪６Ａを分草枠６Ｂの前端下方部において縦回
し移動させる爪起立用カム６Ｅと、係止爪６Ａを起立突
出姿勢のまま前記の掻上げ移送経路Ｂに沿って移行させ
る爪ガイドレール６Ｆならびに、前記の掻上げ移送経路
Ｂの終端まで移行したきた係止爪６Ａを分草枠６Ｂ内に
倒伏引退させるゴム製の爪引退用カム６Ｇとを設けてい
る。

尚、図中１１は、前記強制分草装置６の分草枠６Ｂに設
けた係止爪６Ａの作用範囲を規制する分草ガイド杆であ
り、前記の掻上げ移送経路Ｂに沿う軸芯周りでの揺動に
より作用状態と非作用状態とに切換可能に構成されてい
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る刈取機の実施例を示し、第１図はコ
ンバインの全体側面図、第２図は正面図、第３図は要部
の一部切欠側面図、第４図は要部の平面図である。 ２・・・・・・強制引起し装置、２Ａ・・・・・・係止
爪、５・・・・・・刈取装置、６・・・・・・強制分草
体装置、６Ａ・・・・・・係止爪、Ａ・・・・・・茎稈
導入経路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 横回し型式の強制引起し装置２の刈取装置５への茎稈導
   入経路Ａ側とは反対側の側部に、倒伏茎稈を体進行方向
   に沿った面内において前方下方から後方上方に向かって
   移動する係止爪６Ａによって掻上げ移送すべく構成した
   縦回し型式の強制分草装置６を設けた刈取機において、
   前記強制分草装置６の係止爪６Ａ移動速度と前記強制引
   起し装置２の係止爪２Ａ移動速度ならびに、画体止爪６
   Ａ、２Ａ各々の配設間隔を等しくするとともに、画体止
   爪６Ａ、２Ａどうしの位相をその移動方向の前後にずら
   し、かつ、画体止爪６Ａ、２Ａの作用範囲を部分的に重
   複させて構成しであることを特徴とする刈取機。