JPS5936989Y2 - 刈取機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、横回し型式の強制引起し装置を備えた刈取装
置への茎稈導入経路脇に、倒伏茎稈を機体進行方向に沿
った面内において前方下方から後方上方に向かって移動
する係止爪によって掻上げ移送すべく構成した縦回し型
式の強制分草装置を設けた刈取機に関する。

この種の刈取機は、刈取対象の植立茎稈で、横回し型式
の強制引起し装置によっては引起すことができない程に
倒伏している植立茎稈を縦回し型式の強制分草装置にて
補助的に引起して強制引起し装置に移行させることによ
り引起しを確実化すること、および左右横方向で隣接す
る刈取対象植立茎稈と非対象茎稈とが絡み付いている場
合は、両者を掻上げ移送し乍ら左右にスムーズに分草す
ることができるようにすることを目的として開発された
関係上、前記強制分草装置の係止爪が常時その掻上げ移
送経路の全域に亘って突出移動するように構成されてい
た。

そのため、分草作用及び予備的な引起し作用を必要とし
ない立毛状態にある植立茎稈や分草作用のみを必要そす
る倒伏塵の小さな植立茎稈、或いは、背丈の短かい植立
茎稈に対しても、強制分草装置の係止爪が倒伏塵の大き
な植立茎稈の場合と同様に作用し、この係止爪による茎
稈穂先部の不当な掻上げ作用によって脱粒や折損を招く
不都合があった。

本考案は、上述の実情に鑑み、植立茎稈の倒伏塵や成育
度などに応じて、適切、良好な分草および補助引起し作
用を行なうことができ、もって、前述のような不都合を
解消し得るようにせんとする点に目的を有するものであ
って、詳細な説明の冒頭で述べた刈取機において、前記
係止爪との相対姿勢を機体の前後方向で変更することに
よって係止爪の作用長さを規定するガイド部材を、前記
係止爪の掻上げ移送作用の始端から終端にわたる位置に
設けるとともに、前記ガイド部材の上下位置去々に前記
相対姿勢の調節部を形成しであることを特徴とする。

これによって、例えば、分草作用及び予備的な引起し作
用を必要としない立毛状態の植立茎稈や分草作用のみを
必要とする植立茎稈或いは、短尺な植立茎稈を引起す場
合には、前記強制分草装置の掻上げ作用面側に設けたガ
イド部材によって、前記係止爪が掻上げ移送経路の全域
に亘って全く作用しないように調整する、或いは、係止
爪が掻上げ移送経路の下方部においてのみ作用するよう
に調節することにより、この係止爪による茎稈穂先部の
不当な掻上げ作用に起因する脱粒や折損を確実に回避す
ることができる。

それでいて、圃場に這うような状態にある倒伏度の大き
な植立茎稈を引起す場合には、前記ガイド部材によって
係止爪が掻上げ移送経路の全域に亘って作用するように
調節することにより、強制分草装置による所期の分草掻
上げ移送作用を確実、良好に発揮させることができる。

つまり、ガイド部材の上下位置去々に形成した調節部の
うちの何れが一方を用いて、或いは画調節部の複合によ
ってガイド部材の傾斜姿勢と前後位置を自由に選択し、
前記係止爪の突出量を適宜調節することにより、植立茎
稈の倒状度合や成育度合に応じた適切、良好な分草およ
び補助引起し作用を行ない得るに至った。

また、前記ガイド部材を、非作用状態にある係止爪の側
面を覆う板状から構成しである場合には、非作用状態に
ある係止爪間に茎稈の一部が入り込むことがなく、この
ような茎稈の入り込みに起因する損傷を防止することが
できる利点がある。

以下本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

図面はコンバインを示し、機体後部に搭載した脱穀装置
１の前方に、その係止爪２Ａを機体進行方向に沿った水
平面に対して後方上方に傾斜した平面内で回動移動させ
るべく構成した左右一対の横回し型式の強制引起し装置
２，２と、これら両強制引起し装置２，２によって引起
された植立殻稈（植立茎稈）の株元部を切「するバリカ
ン型の刈刃３ならびに、刈取殻稈を漸次横倒れ姿勢に姿
勢変更し乍ら脱穀フィードチェーン１Ａの搬送始端部に
供給する縦搬送装置４からなる刈取装置５を配設すると
ともに、前記強制引起し装置２，２のうち、脱穀フィー
ドチェーン１Ａが存在する側の機体横夕ｌ−（！！！１
部に位置する強制引起し装置２の横夕雌ｌ脇に、前記刈
取装置５の茎稈導入経路Ａに導入される植立茎稈を機体
進行方向に沿った鉛直又はほぼ鉛直面内で前方下方から
後方上方に向がって移動する係止爪６Ａによって掻上げ
移送すべく構成した縦回し型式の強制分草装置６を設け
ている。

前記強制分草装置６は次の如く槽底されている。

即ち、分草支持杆７の先端部と伝動ケース兼用の刈取フ
レーム８前端部から上方に立設した伝動ケース９の上端
部とに亘って架設した側面視はぼへの字形状の分草枠６
Ｂ内で、かつ、その上下両端部及びその屈曲部分に夫々
設けたスプロケット６Ｃ・・・・・・に亘って、前記係
止爪６Ａを起伏自在に枢着しである無端チェーン６Ｄを
掛張するとともに、前記分草枠６Ｂには、この分草枠６
Ｂの前後方向−側脇で所定の掻上げ移送経路Ｂとは反対
側に前記係止爪６Ａを起立突出させたのち、この係止爪
６Ａを分草枠６Ｂの前端下方部において縦回し移動させ
る爪起立用カム６Ｅと、係止爪６Ａを起立突出姿勢のま
ま前記の掻上げ移送経路Ｂに沿って移行させるガイドレ
ール６Ｆならびに、前記の掻上げ移送経路Ｂの終端まで
移行してきた係止爪６Ａを分草枠６Ｂ内に倒伏引退させ
るゴム製の爪引退用カム６Ｇとを設けている。

そして、前記分草枠６Ｂの掻上げ移送作用面側の内側面
に、前記の掻上げ移送経路Ｂに沿って起立突出移動する
係止爪６Ａの内側面を覆うことが可能な板状のガイド部
材１０を、その上下両端部に形成した長孔［調節部］
１０ａ、 １０ａに挿通のボルト１１，１１を介して取
付けて、このガイド部材１０全体又は一端部を機体前後
方向に位置させることにより、前記係止爪６Ａの作用範
囲を調節可能に構成している。

尚、第４図イ９口、ハは前記ガイド部材１０による係止
爪６Ａの作用範囲調節の一例を示し、第４図イは、前記
係止爪６Ａが掻上げ移送経路の全域に亘って全く作用し
ないように調節した場合であり、第４図口は、前記係止
爪６Ａが掻上げ移送経路の下方部においてのみ作用する
ように調節した場合であり、第４図ハは、前記係止爪６
Ａが掻上げ移送経路全域に亘って作用するように調節し
た場合である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る刈取機の実施例を示し、第１図はコ
ンバインの全体側面図、第２図は正面図、第３図は要部
の一部切欠側面図、第４図イ乃至ハは係止爪の作用範囲
調節の一例を示す側面図である。 ２・・・・・・強制引起し装置、５・・・・・・刈取装
置、６・・・・・・強制分草装置、６Ａ・・・・・・係
止爪、１０・・・・・・ガイド部材、Ａ・・・・・・茎
稈導入経路。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ■ 横回し型式の強制引起し装置２を備えた刈取装置５
   への茎稈導入経路Ａ脇に、倒伏茎稈を機体進行方向に沿
   った面内において前方下方から後方上方に向かって移動
   する係止爪６Ａによって掻上げ移送すべく構成した縦回
   し型式の強制分草装置６を設けた刈取機において、前記
   係止爪６Ａとの相対姿勢を機体の前後方向で変更するこ
   とによって係止爪６Ａの作用長さを規定するガイド部材
   １０を、前記係止爪６Ａの掻上げ移送作用の始端から終
   端にわたる位置に設けるとともに、前記ガイド部材１０
   の上下位置去々に前記相対姿勢の調節部１０ａ、 １０
   ａを形成しである刈取機。 ■ 前記ガイド部材１０は、非作用状態にある係止爪６
   Ａの側面を覆う板状のものである実用新案登録請求の範
   囲第■項に記載の刈取機。