JPS6340120Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、刈取装置の前方に横回し式引起し装
置を左右方向に並設し、この並設引起し装置の前
方に配置した縦回し式強制掻上げ装置を、前後方
向に沿う２つの軸芯周りでの回動により、前記並
設引起し装置間の中央部に位置する第１姿勢と一
方の引起し装置の横外側部に位置する第２姿勢と
に切換え自在に構成してある刈取機に関する。

この種の刈取機では、例えば、左右方向に大き
く倒伏している植立茎稈群を刈取る場合、前記強
制掻上げ装置を前記の第２姿勢とすることによ
り、刈取対象茎稈をこれに隣接する非刈取対象茎
稈との絡み付きをほぐし乍ら引起し装置の引起し
作用範囲内に確実、スムーズに掻上げ移送するこ
とができ、また、機体側に向かつて倒伏している
植立茎稈群を刈取る所謂向い刈り時には、前記強
制掻上げ装置を前述の第１姿勢に切換えることに
より、引起し途中の先行茎稈からこれに凭れかか
り状態にある後続茎稈を分離して、後続茎稈が先
行茎稈と同時に引起し作用を受けることに起因す
る脱粒や引抜きなどを回避し乍ら確実、スムーズ
に引起すことができるといつた具合に、一つの強
制掻き上げ装置をもつて、植立茎稈の倒伏方向や
刈取形態などに応じた適切な引起し形態を現出す
ることができて、実用上頻る有用であるが、従来
は、前記強制掻上げ装置に対する伝動機構を、前
記の両軸芯周りで回動自在な状態で前記引起し装
置後部の伝動ケースから引起し装置の横側部を通
して前方に延出していたため、前記伝動機構を構
成するに当つて多くの部品が必要で、伝動構造全
体が大型化、複雑化し易い構造面での欠点があつ
た。

本考案は、上述の実情に鑑み、前記引起し装置
を利用した合理的な改良をもつて、前記強制掻上
げ装置への伝動構造を簡単、コンパクトに構成す
ることができるようにせんとする点に目的を有す
る。

即ち、本考案による刈取機は、冒記したもので
あつて、前記一方の引起し装置の前面から前方に
向かつて、前記一方の回動軸芯上に位置する状態
で前記強制掻上げ装置への伝動軸を突設してある
ことを特徴とするものであるから、前記強制掻上
げ装置への伝動機構の一部を、前記引起し装置へ
の伝動機構及びこの引起し装置内の伝動部品を利
用して兼用構成することが可能で、このような兼
用化に伴なう部品点数の削減により、冒述のよう
な勝れた引起し作用を行なえるものを、全体とし
て構造簡単かつコンパクトに構成し得るに至つ
た。

また、前記伝動軸が前記一方の引起し装置の駆
動軸を前方に延出して構成されたものである場合
には、この引起し装置から専用の伝動軸を延出す
る場合に比して、これを支承するための軸受け部
材や引起し装置内の伝動機構に連動させるための
部品が不要で、前述の伝動構造の簡素化、コンパ
クト化を促進することができる。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
ると、脱穀装置１を備えた本機Ａに対して刈取部
Ｂを駆動昇降自在に構成してあるコンバインにお
いて、前記刈取部Ｂは次の如く構成する。

即ち、バリカン型刈取装置２の前部に、２条の
植立茎稈を後方上方に引起す一対の横回し式引起
し装置３，３を、それらの引起し爪３ａ，３ａの
先端同志が互いに対向する状態で左右横方向に並
設し、この並設引起し装置３，３と前記脱穀装置
１との間に、刈取茎稈を漸次横倒れ姿勢に変更し
乍ら脱穀フイーツチエーン４に搬送供給する縦搬
送装置５を架設するとともに、前記刈取装置２直
後方の刈取伝動ケース６から前記並設引起し装置
３，３間の中央部及び並設引起し装置３，３の横
外側部を夫々通して前方に分草デバイダー７…の
支持杆８…を延設し、かつ、前記分草デバイダー
７…と並設引起し装置３，３との間に、その係止
爪９ａ，９ａを機体進行方向に沿つて前方下方か
ら後方上方に突出移動させるべく構成してある縦
回し式強制掻上げ装置９，９を配設している。

また、前記強制掻上げ装置９，９のうち、操縦
部１０側に位置する一方の強制掻上げ装置９を、
機体前後方向に沿う又はほぼ沿う二つの軸芯P₁，
P₂周りでの回動により、前記並設引起し装置３，
３間の中央部に位置する第１姿勢と一方の引起し
装置３の横外側部に位置する第２姿勢とに切換え
ならびに固定自在に構成するとともに、他方の強
制掻上げ装置９を、前記並設引起し装置３，３後
部の横向き伝動ケース１１の一端部に固着の伝動
ケース１２と脱穀フイードチエーン４側の最横側
部に位置するデバイダー支持杆８とに亘つて位置
固定状態で取付けている。

而して、前記可動強制掻上げ装置９の伝動機構
を構成するに、前記操縦部１０側に位置する一方
の引起し装置３の前面から前方に向かつて、前記
一方の回転軸芯P₁上に位置する状態で伝動軸１
３を突設し、この伝動軸１３と前記強制掻上げ装
置９の入力軸１４とを、左右方向に沿う第１中間
伝動軸１５及び前記他方の回動軸芯P₂上に位置
する前後方向姿勢の第２中間伝動軸１６を介して
連動させるとともに、前記一方の引起し装置３の
構成部材で、前記横向き伝動ケース１１に内装の
伝動軸１７に連動された駆動軸１８を前方に延出
して前記の伝動軸１３を兼用構成している。

また、前記伝動軸１３及び両中間伝動軸１５，
１６を内装するクランク状の第１ケース１９を、
前記引起し装置３に対して前記の一方の回動軸芯
P₁周りで回動自在に連結支持させるとともに、
前記入力軸１４の突出端部を覆う状態で前記強制
掻上げ装置９に固定連結された第２伝動ケース２
０を、前記第１伝動ケース１９に対して他方の回
動軸芯P₂周りで回動自在に外嵌支持させている。

前記可動強制掻上げ装置９の下端部を、前記の
第１状態及び第２状態において前記デバイダー支
持杆８，８に固定するに、その掻上げケース９Ａ
の下端部に、前記デバイダー支持杆８，８の上方
から嵌合可能なほぼ逆Ｕの字状の連結部材２１を
固着するとともに、前記の嵌合状態にある連結部
材２１とデバイダー支持杆８又は８に対して横側
方から差込みならびに抜出し自在な固定連結ピン
２２を設け、かつ、前記分草デバイダー７，７の
後端部を、前記強制掻上げ装置９を前記デバイダ
ー支持杆８又は８に固定するときの位置決め用当
り部２３，２３に構成している。

また、前記強制掻上げ装置９，９の掻上げケー
ス９Ａ，９Ａ内上部で、前記係止爪９ａ，９ａを
枢着してあるチエーン９Ｂの外周部に、茎稈掻上
げ経路に沿つて起立突出姿勢で移動してきた係止
爪９ａ，９ａに弾性的に接当してこれを戻り経路
側に倒伏移行案内する複数個の突起付き第１緩衝
ゴム２４，２４と扁平な当り面を有する第２緩衝
ゴム２５，２５とを、ケース側からの打出し舌片
への差込みといつた適宜手段で設けるとともに、
前記の戻り経路側で、前記チエーン９Ｂ，９Ｂの
内周部には、前記係止爪９ａ，９ａの基端部に摺
接して該係止爪９ａ，９ａをチエーン移動方向に
沿う姿勢に修正する補強兼用のガイド板２６，２
６を設け、かつ、このガイド板２６，２６の上端
部を、その先端ほど茎稈掻上げ経路側に位置する
ような傾斜姿勢に構成している。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る刈取機の実施の態様を例示
し、第１図はコンバイン前部の側面図、第２図は
正面図、第３図は要部の伝動系統を示す平面図、
第４図は強制掻上げ装置の拡大側面図である。 ２……刈取装置、３……引起し装置、９……強
制掻上げ装置、１３……伝動軸、１８……駆動
軸、P₁，P₂……回動軸芯。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 刈取装置２の前方に横回し式引起し装置３，
   ３を左右方向に並設し、この並設引起し装置
   ３，３の前方に配置した縦回し式強制掻上げ装
   置９を、前後方向に沿う２つの軸芯P₁，P₂周
   りでの回転により、前記並設引起し装置３，３
   間の中央部に位置する第１姿勢と一方の引起し
   装置３の横外側部に位置する第２姿勢とに切換
   え自在に構成してある刈取機であつて、前記一
   方の引起し装置３の前面から前方に向かつて、
   前記一方の回動軸芯P₁上に位置する状態で前
   記強制掻上げ装置９への伝動軸１３を突設して
   あることを特徴とする刈取機。 前記伝動軸１３が前記一方の引起し装置３の
   駆動軸１８を前方に延出して構成されたもので
   ある実用新案登録請求の範囲第項に記載の刈
   取機。