JPS6232221Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案はエレベータの乗りかご室の扉に取付け
られる扉安全装置に関する。

〔考案の技術的背景〕

一般に用いられているエレベータにおいては、
乗りかご室の扉に扉安全装置が設けられていて、
扉の閉動作中に、扉が乗客や荷物に当つた場合
に、扉の動きを止めるか、または扉を開くように
して扉の閉動作時の安全を確保している。

上記扉安全装置は、第１図に示すように、扉１
の一側上部および下部に設けた座部２ａ，２ｂに
固設される受け金３ａ，３ｂと、この受け金３
ａ，３ｂに突設される軸４ａ，４ｂと、この軸に
中間部を枢着されるレバー５ａ，５ｂと、このレ
バー５ａ，５ｂの突出端に取付けられる接触棒６
と、レバー５ａ，５ｂの回動を止める止め金７
ａ，７ｂを有して構成されるものであつて、接触
棒６の扉１に対する張り出し量S₁と接触棒６の扉
１に対する平行性を受け金３ａ，３ｂに設けた長
孔８ａ，８ｂにより受け金３ａ，３ｂの座部２
ａ，２ｂへの取付位置を調節することで調整して
いる。そして接触棒６に乗客等が当つた時に生じ
るレバー５ａの動きを検出するために安全スイツ
チ９が設けられている。

〔背景技術の問題点〕

しかし上記形式の扉安全装置では、接触棒６の
張り出し量および平行性を受け金３ａ，３ｂの取
付位置で行なうため、受け金３ａ，３ｂを座部２
ａ，２ｂに対して長孔８ａ，８ｂに沿つて動かさ
なければならず、軸４ａ，４ｂの正確な位置決め
に多くの時間を必要とし、そのため装置の設置が
面倒であり、かつ取付け時の各部材の関係位置の
位置決めが難かしいという欠点がある。

〔考案の目的〕

本考案は上記した点に鑑みてなされたもので、
扉への取付けが容易でかつ接触棒に連結したレバ
ーの回動中心となる軸の位置決めを簡単に行ない
得るようにしたエレベータの扉安全装置を提供す
ることを目的とする。

〔考案の概要〕

本考案の目的は、エレベータの扉の一側上部お
よび下部に設けた座部に偏心軸を回動自在に取付
け、この偏心軸に接触棒と連結したレバーを枢着
し、偏心軸の回動により、レバーの回動中心とな
る軸の位置決めを簡単に行ない得るとともに部品
点数の削減を図り得るようにしたエレベータの扉
安全装置によつて達成される。

〔考案の実施例〕 以下本考案の一実施例を図面につき説明する。

なお、第３図において第１図と同一部材につい
ては同一符号を付す。

第３図において符号１０ａ，１０ｂは、エレベ
ータの扉１の一側上部および下部に設けられる座
であつて、これら座１０ａ，１０ｂは、従来のも
のに比べて小形となつている。そしてこれら座１
０ａ，１０ｂにそれぞれ偏心軸１１ａ，１１ｂが
回動自在に取付けられている。上記偏心軸の偏心
量は、接触棒６の扉１に対する張り出し量S₂の調
節量に応じて決められている。

上記偏心軸１１ａ，１１ｂは、第５図に示すよ
うに、基部１２に対して一面に取付ねじ１３が他
面に軸１４を突設して形成されていて、取付ねじ
１３を座１０ａ，１０ｂに設けた孔（図示せず）
に挿通し、ナツト１５を螺着することで固定され
るようになつている。また軸１４の先端部には溝
１６が形成されていて、この溝１６に挿着した工
具（（図示せず）を回わすことで軸１４の位置決
めを調節し得るようになつている。

しかして扉安全装置を扉１に取付けるには、ま
ず座１０ａ，１０ｂに設けた孔に偏心軸１１ａ，
１１ｂの取付ねじ１３を挿通し、ナツト１５を板
止めした後、工具を溝１６に挿着し、工具を回わ
すことで軸１４が垂直方向一線上に位置するよう
にする。ついでナツト１５をしめてその位置で固
定する。

次に接触棒６を連結したレバー５ａ，５ｂを上
記軸１４に挿着し、ナツトで止める。これにより
レバー５ａ，５ｂが軸１４に枢着されることにな
る。この場合接触棒６の張り出し量S₂および接触
棒６の平行性を調整するには、偏心軸１１ａ，１
１ｂを回わすことで行なわれる。

接触棒６の取付けが完了したら、止め金７ａ，
７ｂおよび安全スイツチ９がセツトされることに
なる。

次に作用を説明する。

扉１の閉動作中に、乗客の体または荷物に接触
棒６が当ると、接触棒６は扉１の方向に押し下げ
られる。すると、レバー５ａ，５ｂは軸１４を中
心にして第３図において時計方向に回動し、安全
スイツチ９がレバー５ａから離れる。これにより
安全スイツチ９が作動し、その信号が電動機（図
示せず）に送られ、電動機が停止または反転し、
閉じかけていた扉が停止または開く方向に作動す
る。これにより乗客または荷物は安全に乗りかご
室に出入りできることになる。

次に接触棒６が何らかの軸で動き、その動作が
不調になつた場合には、偏心軸１１ａ，１１ｂを
動かすことで軸１４の位置の微妙な調整ができ、
これにより接触棒の動作不調を解消できることに
なる。

なお上記実施例では横開き式扉に適用したもの
について説明したが、これを上開き扉、または上
下開き扉に適用しても同じ効果を得ることができ
るのはもちろんである。

〔考案の効果〕

以上述べたように本考案によれば、座部に設け
た偏心軸を回動するという簡単な作業で接触棒の
取付位置の調整ができ、しかも装置を構成する部
品の点数も少なくなるから装置全体の重量が軽く
なり、コスト的にも安価になるという効果を奏す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の扉安全装置を組み込んだエレベ
ータ乗りかごの側面図、第２図は第１図の−
線に沿う断面図、第３図は本考案による扉安全装
置を組み込んだエレベータ乗りかごの側面図、第
４図は第３図の−線に沿う断面図、第５図は
偏心軸の断面図である。 １……扉、５ａ，５ｂ……レバー、６……接触
棒、９……安全スイツチ、１０ａ，１０ｂ……
座、１１ａ，１１ｂ……偏心軸、１４……軸、S₂
……張り出し量。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. エレベータの扉の一側上部および下部に偏心軸
   を支持するための座部を設け、これら座部に偏心
   軸を回転自在に取付け、上記偏心軸にレバーを枢
   着し、このレバーを接触棒に連結して位置調整可
   能としたことを特徴とするエレベータの扉安全装
   置。