JPH047351Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 『産業上の利用分野』 本考案は扉と扉開口部とにわたつて取りつけら
れる蝶番において、その蝶番のマウンテイングプ
レートを所定の位置に取りつけるための取付座に
関する。

『従来の技術』 周知のとおり、キヤビネツトなどで代表される
収納家具の開口部に家具用扉を取りつけるとき、
蝶番が用いられる。

かかる蝶番としては、容器型をなすソケツトと
溝型をなすマウンテイングプレートとが、二つの
アームを介して相対回転自在かつ相対屈伸自在に
連結されたものが広く用いられている。

このような蝶番を家具用と家具開口部とにわた
つて取りつけるとき、たとえば、ソケツトを扉に
ビス止めし、マウンテイングプレートを開口部に
止めするとき、取付座を介してマウンテイングプ
レートの取付位置すなわち扉の取付位置を調整す
るのが一般である。

その一例として、実公昭59−7976号公報に開示
されたものでは、第１図〜第４図に略示する手段
で、マウンテイングプレートの取付位置を調整し
ている。

上記従来技術について、第１図〜第４図を参照
して説明する。

第１図〜第４図にに示す蝶番は、容器型をなす
ソケツトｉと溝型をなすマウンテイングプレート
ｈとが、二つのアームｊ，ｊを介して相対回転自
在かつ相対屈伸自在に連結されたものである。

マウンテイングプレートｈの上面には、後述す
る調節ビスｅ、取付ビスｆの捩じこみ位置に対応
して、取付ビスｆの頭部よりも大きい広幅開口部
L₁と、取付ビスｆの頭部よりも小さい細幅開口
部L₂とが形成されている。

第１図〜第４図において、取付座ｋは、ベース
プレートｂと、ベースプレートｂの上に配置され
た回動プレートｃと、ベースプレートｂ、回動プ
レートｃ相互をこれらの後端部において枢着して
いる支点ピンｄと、回動プレートｃの前端部側上
面に前後間隔をおいて捩じこまれた調節ビスｅ、
取付ビスｆとを備えている。

この場合、調節ビスｅは、その下端部がベース
プレートｂに係合されて軸方向の動きを拘束され
ているが、自由に回転することができる。

上述した蝶番を介して扉ｇを開口部ａに取りつ
けるとき、はじめ、ソケツトｉが扉ｇにビス止め
され、取付座ｋが開口部ａの内面にビス止めされ
る。

その後、マウンテイングプレートｈが回動プレ
ートｃ上に被せられたとき、取付ビスｆが広幅開
口部L₁内に嵌りこむ。

この状態のとき、マウンテイングプレートｈを
前後方向（第１図、第２図の右方向から左方向）
に移動させてマウンテイングプレートｈの前後方
向の取付位置を調整し、当該調整後、細幅開口部
L₂内にネジ部が嵌りこんだ取付ビスｆを介して
マウンテイングプレートｈをベースプレートｂに
ビス止めする。

ついで、細幅開口部L₂から工具を差しこんで
調節ビスｅを回す。

こうした場合、支点ピンｄを支点として回動プ
レートｃの前端部（自由端部）が第４図の上下方
向に回動するので、開口部ａの内面に対するマウ
ンテイングプレートｈの取付高さが調整される。

かくて、扉ｇが所定の二方向に調整され、開口
部ａに対して正確に取り付けられる。

『考案が解決しようとする課題』 上述した従来技術において、調節ビスｅを回し
たとき、調節ビスｅがその軸線方向へ移動するの
に対し、回動プレートｃは支点ピンｄを支点とす
る軌跡円の方向へ移動する。

すなわち、調節ビスｅと回動プレートｃとの移
動方向が相違するので、ベースプレートｂと回動
プレートｃとにわたる調節ビスｅに曲げ荷重が作
用する。

それゆえ、従来技術では、このような荷重に起
因して、金属製ベースプレートｂ、金属製回動プ
レートｃ、金属製調節ビスｅなどに変形、破損が
起こりがちとなる。

なお、このような曲げ荷重を緩和すべく、ベー
スプレートｂに対して調節ビスｅの下端部をルー
ズに係合した場合は、調節ビスｅによる上下方向
に調整が正確さを期さない。

本考案はかかる技術的課題に鑑み、部材相互の
変形、破損を回避して正確な取りつけを期すこと
のできる蝶番用マウンテイングプレートの取付座
を提供しようとするものである。

『課題を解決するための手段』 本考案は所期の目的を達成するため、溝型をな
す蝶番用マウンテイングプレートを取りつけるた
めの取付座が、ベースプレートと、ベースプレー
ト上に配置された回動プレートと、ベースプレー
ト、回動プレート相互をこれらの後端部において
枢着している支点ピンと、回動プレートの前端部
側上面に前後間隔をおいて形成された二つのネジ
孔と、その前側のネジ孔に捩じこまれて立ち上が
る調節ビスと、その後側のネジ孔に捩じこまれて
立ち上がる取付ビスとを備えており、上記マウン
テイングプレートの上面には、上記調節ビス、取
付ビスの捩じこみ位置に対応して、取付ビスの頭
部よりも大きい相対的に後側の広幅開口部と、取
付ビスの頭部よりも小さい相対的に前側の細幅開
口部とが形成されており、当該マウンテイングプ
レートが上記回動プレート上に被せられて、上記
細幅開口部内に取付ビスのネジ部が嵌めこまれ、
かつ、その取付ビスを介して当該マウンテイング
プレートがベースプレートにビス止めされるもの
において、上記ベースプレートの下面に凹所が形
成され、かつ、その凹所内に横板部を有する撓み
板が内装されており、上記調節ビスの下端部が、
上記ベースプレートと撓み板の横板部とをルーズ
に貫通しているとともに、その撓み板の横板部下
へ突出している当該調節ビスの下端部には、該横
板部を介して軸方向の動きが拘束される抜止部が
形成されており、上記取付ビスの下端部が、上記
ベースプレートと撓み板の横板部とをルーズに貫
通し、かつ、該取付ビスの下端部が撓み板の横板
部に形成された前後方向の長孔と密接係合してい
ることを特徴とする。

『作用』 本考案に係る取付座を介して、マウンテイング
プレートを所定の位置に取りつけるとき、従来例
と同様に二方向の調整を行なう。

すなわち、はじめに、マウンテイングプレート
を回動プレート上に被せて取付ビスを広幅開口部
内に嵌めこみ、この状態において、マウンテイン
グプレートを前後方向に移動させつつこれの前後
方向の取付位置を調整し、当該調整後、細幅開口
部内にネジ部が嵌りこんだ取付ビスを介してマウ
ンテイングプレートをベースプレートにビス止め
し、つぎに、調節ビスを回すことにより、支点ピ
ンを支点として回動プレートの前端部を上下方向
に回動させ、扉開口部の内面に対するマウンテイ
ングプレートの取付高さを調整する。

本考案に係る取付座の場合、調節ビスの軸方向
の動きが、該調節ビス下端の抜止部とベースプレ
ート凹所内の撓み板とを介して拘束されている
が、回動プレートの上下回動にともなつて調節ビ
スが傾いた際に撓み板が弾性変形するので、その
傾きを無理なく許容する。

したがつて、調節ビスによる回動プレートの調
整（マウンテイングプレートの取付高さ調整）に
際し、ベースプレート、回動プレート、調節ビス
などに変形、破損が生じない。

さらに、本考案に係る取付座の場合、取付ビス
の下端部が上記撓み板の長孔内に密接して係合し
ているので、取付ビスのガタツキが生じがたい。

『実施例』 本考案に係る蝶番用マウンテイングプレートの
取付座の実施例を、図面に基づいて説明する。

第５図において、取付座１は、ベースプレート
２、回動プレート３、支点ピン４、調節ビス７、
取付ビス８など、金属製の部材を主たる構成部品
としており、これにプラスチツク製の撓み板９が
組み合わされている。

ベースプレート２は、前端部側の上面に前後に
隣接する二つの凹所２ａ，２ｂ、前端部側の下面
に両凹所２ａ，２ｂに対応した大きさの凹所２ｅ
を有するほか、両凹所２ａ，２ｅの境界部には通
孔２ｃが形成され、両凹所２ｂ，２ｅ境界部には
通孔２ｄが形成されている。

回動プレート３は溝型からなり、その前端部側
の上面には、前後間隔をおいて二つのネジ孔５，
６が形成されいる。

調節ビス７は、ネジ部７ａの上端に頭部７ｄを
有し、ネジ部７ａの下端には、そのネジ部外径よ
りも小径の杆部７ｂが一体形成されている。

調節ビス７の杆部７ｂ端には、後述する抜止部
７ｃが形成される。

取付ビス８は、ネジ部８ａの上端に頭部８ｃを
有し、ネジ部８ａの下端には、そのネジ部よりも
小径の杆部８ｂが一体形成されている。

撓み板９は、横板部９ｄと、横板部９ｄの下面
中央から垂下する縦板部９ｃとからなり、横板部
９ｄには、調節ビス７の杆部７ｂを通すための円
孔９ａと、取付ビス８の杆部８ｂを係合させるた
めの長孔９ｂとが形成されている。

杆部８ｂと長孔９ｂとの相対関係では、第６図
に示すように、杆部８ｂの外径Ｒが長孔９ｂの幅
Ｑよりもわずかに大きい。

上述した各部材を第５図のように組み立てたと
き、以下のようになる。

相対的に下位に配置されたベースプレート２と
相対的に上位に配置された回動プレート３とは、
これらの後端部側が支点ピン４を介して互いに枢
着されている。

調節ビス７は、回動プレート３のネジ孔５に捩
じこまれ、その下端の杆部７ｂがベースプレート
２の凹所２ａ、通孔２ｃを貫通して凹所２ｅ内に
進入している。

同様に、取付ビス８も、回動プレート３のネジ
孔６に捩じこまれ、その下端の杆部８ｂがベース
プレート２の凹所２ｂ、通孔２ｄを貫通して凹所
２ｅ内に進入している。

撓み板９は、縦板部９ｃを下向きにしてベース
プレート２の凹所２ｂ内に嵌めこまれており、そ
の円孔９ａ内に調節ビス７の杆部７ｂが通され、
その長孔９ｂ内に取付ビス８の杆部８ｂが密接係
合している。

上記において、撓み板９の円孔９ａ内に通され
た調節ビス７の杆部７ｂは、撓み板９の裏面に当
てがわれた座金１０をも貫通し、その座金１０よ
り突出した該杆部７ｂの下端に抜止部７ｃが形成
されている。

したがつて、回動プレート３からベースプレー
ト２にわたる調節ビス７の場合、回転自在である
が、軸方向の動きが拘束される。

上述した取付座１は、前記第１図、第２図に例
示した蝶番のマウンテイングプレートｈを取りつ
ける際に用いられる。

第１図、第２図に例示した蝶番は、既述のとお
り、容器型をなすソケツトｉと溝型をなすマウン
テイングプレートｈとが、二つのアームｊ，ｊを
介して相対回転自在かつ相対屈伸自在に連結され
たものであり、当該蝶番のマウンテイングプレー
トｈは、その上面に、広幅開口部L₁、細幅開口
部L₂を有している。

本考案における調節ビス７、取付ビス８の捩じ
こみ位置と、上記マウンテイングプレートｈの広
幅開口部L₁、細幅開口部L₂の位置とは、互いに
対応しており、かつ、広幅開口部L₁は取付ビス
８の頭部よりも大きく、細幅開口部L₂は取付ビ
ス８の頭部よりも小さい。

このマウンテイングプレートｈの取りつけに際
しては、たとえば、扉開口部ａの内面に取付座１
をビス止めしておき、以下は前述したとおり、は
じめ、マウンテイングプレートｈを回動プレート
３上に被せて取付ビス８を広幅開口部L₁内に嵌
めこみ、この状態において、マウンテイングプレ
ートｈを前後方向に移動させつつこれの前後方向
の取付位置を調整し、当該調整後、細幅開口部
L₂内にネジ部が嵌りこんだ取付ビス８を介して
マウンテイングプレートｈをベースプレートにビ
ス止めし、つぎに、調節ビス７を回すことによ
り、支点ピン４を支点として回動プレート３の前
端部を上下方向に回動させ、扉開口部ａの内面に
対するマウンテイングプレートｈの取付高さを調
整する。

『考案の効果』 以上説明したとおり、本考案に係る取付座は、
ベースプレート下面の凹所内に内装された撓み板
により、調節ビスの軸方向の動きが拘束され、取
付ビスの下端部も保持されているから、つぎのよ
うな効果を奏する。

その一つは、撓み板を上記のごとく介在させた
ことにより、ベースプレート、回動プレート、調
節ビス、取付ビスなどの部材相互にガタツキが生
ぜず、蝶番用マウンテイングプレートの取付が正
確に行なえる。

他の一つは、調節ビス操作による回動プレート
の上下回動にともなつて調節ビスが傾いた際、撓
み板が弾性変形してその傾きを無理なく許容する
ので、回動プレート調整（マウンテイングプレー
トの取付高さ調整）に際し、ベースプレート、回
動プレート、調節ビスに変形、破損が生じない。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は従来の取付座を用いた蝶番取
付例を略示した側面図と平面図、第３図、第４図
は従来の取付座を示した平面図と側面図、第５図
は本考案に係る取付座の一実施例を示した縦断面
図、第６図は第５図の取付座における長孔と取付
ビスとの関係を略示した平面図である。 １……取付座、２……ベースプレート、３……
回動プレート、４……支点ピン、５……ネジ孔、
６……ネジ孔、７……調節ビス、７ａ……調節ビ
スのネジ部、７ｂ……調節ビスの杆部、７ｃ……
調節ビスの抜止部、７ｄ……調節ビスの頭部、８
……取付ビス、８ａ……取付ビスのネジ部、８ｂ
……取付ビ取付ビスの杆部、８ｃ……取付ビ取付
ビスの頭部、９……撓み板、９ａ……撓み板の円
孔、９ｂ……撓み板の長孔、９ｄ……撓み板の横
板部、ｈ……マウンテイングプレート、L₁……
広幅開口部、L₂……細幅開口部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 溝型をなす蝶番用マウンテイングプレートｈを
   取りつけるための取付座１が、ベースプレート２
   と、ベースプレート２上に配置された回動プレー
   ト３と、ベースプレート２、回動プレート３相互
   をこれらの後端部において枢着している支点ピン
   ４と、回動プレート３の前端部側上面に前後間隔
   をおいて形成された二つのネジ孔５，６と、その
   前側のネジ孔５に捩じこまれて立ち上がる調節ビ
   ス７と、その後側のネジ孔６に捩じこまれて立ち
   上がる取付ビス８とを備えており、 上記マウンテイングプレートｈの上面には、上
   記調節ビス７、取付ビス８の捩じこみ位置に対応
   して、取付ビス８の頭部８ｃよりも大きい相対的
   に後側の広幅開口部L₁と、取付ビス８の頭部８
   ｃよりも小さい相対的に前側の細幅開口部L₂と
   が形成されており、 当該マウンテイングプレートｈが上記回動プレ
   ート３上に被せられて、上記細幅開口部L₂内に
   取付ビス８のネジ部８ａが嵌めこまれ、かつ、そ
   の取付ビス８を介して当該マウンテイングプレー
   トｈがベースプレート２にビス止めされるものに
   おいて、 上記ベースプレート２の下面に凹所２ｅが形成
   され、かつ、その凹所２ｅ内に横板部９ｄを有す
   る撓み板９が内装されており、 上記調節ビス７の下端部が、上記ベースプレー
   ト２と撓み板９の横板部９ｄとをルーズに貫通し
   ているとともに、その撓み板９の横板部９ｄ下へ
   突出している当該調節ビス７の下端部には、該横
   板部９ｄを介して軸方向の動きが拘束される抜止
   部７ｃが形成されており、 上記取付ビス８の下端部が、上記ベースプレー
   ト２と撓み板９の横板部９ｄとをルーズに貫通
   し、かつ、該取付ビス８の下端部が撓み板９の横
   板部９ｄに形成された前後方向の長孔９ｂと密接
   係合していることを特徴とする蝶番用マウンテイ
   ングプレートの取付座。