JPS6230525Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、荷台の前部にクレーンを配置したク
レーン付貨物自動車に関し、さらに詳しくはその
ような貨物自動車の荷台上に取付けられるウイン
チ装置の取付構造に関するものである。

従来からこの種のクレーン付貨物自動車では、
荷台上にクレーンとは別にたとえばシヨベルカー
等を荷台上に引上げるためのウインチ装置が取付
けられることがあるが、この従来のウインチ装置
取付構造にあつては、ウインチ稼動時の引張荷重
が全て巻取ドラムを介してウインチ取付台にかか
るようになつているため、ウインチ取付台及び該
ウインチ取付台を固定するための固定部分を高強
度に設計しなければならず、しかもウインチ装置
又はウインチ取付台固定部分の強度より大きい荷
重がかかるウインチ作業はできなかつた。

又、この従来のウインチ装置取付構造では、ウ
インチ装置を使用するたびにウインチ荷重の全て
がウインチ取付台及びその固定部分にかかるた
め、ウインチ装置及びその固定部分の耐用期間が
短かくなるという問題があつた。

本考案は、上記の如き従来のクレーンとウイン
チ装置付きの貨物自動車におけるウインチ装置取
付構造の問題点に鑑み、ウインチ引張荷重をウイ
ンチ取付台側とクレーン本体側に分割して支持し
得るようにしたウインチ装置取付構造を提案する
ことを目的とするものであつて、荷台の前部にク
レーンを装着しさらに前記荷台上における前記ク
レーンの本体より後側位置に巻取ドラムから引出
されたワイヤロープをシーブつき吊荷用フツク部
材のシーブに掛回してなるウインチ装置を設置し
たクレーン付貨物自動車において、前記ワイヤロ
ープの先端部に作用する張力を前記クレーン本体
に支持させるようにしたことを特徴とするもので
ある。

以下、本考案のクレーン付貨物自動車における
ウインチ装置取付構造を第１図及び第２図に示す
第１実施例、第３図に示す第２実施例、第４図に
に示す第３実施例、第５図に示す第４実施例を参
照して説明すると、第１図ないし第５図において
符号１は貨物自動車の荷台、２は荷台１の前部に
配置したクレーン、３はクレーン本体、４はウイ
ンチ装置を示している。

ウインチ装置４はクレーン本体３より後側の荷
台１上であつてしかも荷台鳥居６の後側近接位置
に取付けられている。

このウインチ装置４は、ウインチ取付台５に架
設した巻取ドラム１３、該巻取ドラム１３を回転
せしめるための油圧モータ１２及び減速機１１及
びシーブ１６つきの吊荷用フツク部材１５を有し
ている。

尚、このウインチ装置４は、第１、第２、第４
各実施例においては固定シーブ１４が使用されて
いるが、第３実施例においては固定シーブは使用
されていない。

ウインチ取付台５は、荷台１上に載置した状態
で該取付台５の底部５ａを固定用ボルト２１，２
１によつてシヤシフレーム７に固定するとともに
取付台５の前部５ｂを別のボルト２２，２２によ
つて荷台鳥居６に固定させている。

第１、第２各実施例においては固定シーブ１４
は長さ微調節自在なターンバツクルつきのタイロ
ツド２３によつてクレーン本体３によつて引張方
向に支持されている。このタイロツド２３はその
基端部２３ａをクレーン本体３に固着し且つ先端
部２３ｂを荷台鳥居６を貫通させてウインチ取付
台５の後部５ｃ付近まで延出させており、該タイ
ロツド先端部２３ｂに固定シーブ１４を軸支させ
ている。又、この固定シーブ１４はその軸２４を
両側に延長させて該軸２４の両端部２４ａ，２４
ｂをウインチ取付台５の両側板２５，２５に形成
した軸載置部２６，２６上に載置させることによ
りタイロツド２３が上下方向に傾動しないように
している。なお、この固定シーブ１４の軸２４は
ウインチ取付台側板２５，２５の軸載置部２６に
単に載置させているだけなので、固定シーブ１４
に作用する引張力はウインチ取付台５に対して作
用しない状態となつている。尚、第４実施例（第
５図）の固定シーブ１４はウインチ取付台５に直
接固定されているが、このように固定シーブ１４
をクレーン本体３に連結しないかわりに、ターン
バツクルつきのタイロツド２３′によつてウイン
チ取付台５をクレーン本体３に連結している。

第１、第２、第４の各実施例においては、巻取
ドラム１３に巻回されているワイヤーロープ２０
の先端２０ａ側は、吊荷用フツク部材１５に設け
たシーブ１６に掛回しさらに固定シーブ１４に巻
掛けした状態でフツク部材１５に固定されてい
る。

この場合、第１及び第４の各実施例では固定シ
ーブ１４に掛巻けされるワイヤロープ２０は一重
であるが、このワイヤーロープは第２実施例（第
３図）に示すように、固定シーブ１４とフツク部
材用シーブ１６との間で二重又はそれ以上に巻掛
けすることができる。

図示の各実施例のウインチ装置取付構造では、
ウインチ作業時にフツク部材１５にかかるウイン
チ引張荷重Ｐは、ワイヤーロープ先端２０ａ側に
かかる張力P₁と巻取ドラム１３側にかかる張力P₂
とに分割される。そしてワイヤーロープ先霜２０
ａ側に負荷された張力P₁は、第３実施例（第４
図）の場合は直接に、第１実施例（第１図、第２
図）及び第２実施例（第３図）の場合はタイロツ
ド２３を介して、又第４実施例（第５図）の場合
はウインチ取付台５及びタイロツド２３′を介し
てそれぞれクレーン本体３側で支持され、又巻取
ドラム１３側に負荷された張力P₂はウインチ取付
台５を介して荷台１（シヤシフレーム７及び荷台
鳥居６）で支持されるようになつている。

続いて本考案の効果を説明すると、本考案のク
レーン付貨物自動車におけるウインチ取付構造
は、ワイヤーロープ先端２０ａ側に作用する張力
P₁をクレーン本体３に支持せしめ、ウインチ作業
時にフツク部材１５にかかる引張荷重をクレーン
本体３側と、ウインチ取付台５側とに分割し得る
ようにしているので、ウインチ取付台５及び該ウ
インチ取付台５を固定するための固定部分にかか
る荷重が軽減されるためウインチ装置取付部の軽
量化を図ることができるとともにウインチ取付台
５及びその固定部分の耐用期間も延長させること
ができ、さらにウインチ取付台５の取付強度をこ
えた大きい引張荷重のかかるウインチ作業も行う
ことができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１実施例にかかるウインチ
装置取付構造を備えたクレーン付貨物自動車の一
部側面図、第２図は第１図の平面図、第３図は本
考案の第２実施例における吊荷用フツク部材と固
定シーブ部分の平面図、第４図は本考案の第３実
施例にかかるウインチ装置取付構造説明図、第５
図は本考案の第４実施例にかかるウインチ装置取
付構造説明図である。 １……荷台、２……クレーン、３……クレーン
本体、４……ウインチ装置、５……ウインチ取付
台、１３……巻取ドラム、１４……固定シーブ、
１５……フツク部材、１６……シーブ、２０……
ワイヤロープ、２０ａ……ワイヤロープ先端。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 荷台１の前部にクレーン２を装着しさらに前記
   荷台１上における前記クレーン２の本体３より後
   側位置に巻取ドラム１３から引出されたワイヤロ
   ープ２０をシーブ１６つき吊荷用フツク部材１５
   のシーブ１６に掛回してなるウインチ装置４を設
   置したクレーン付貨物自動車において、前記ワイ
   ヤロープ２０の先端２０ａ側に作用する張力P₁を
   前記クレーン本体３に支持させるようにしたこと
   を特徴とするウインチ装置取付構造。