JPS6237791Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はクレーンのローダー装置に関するもの
である。

近年、クレーン付トラツクにおいて、クレーン
に本来の荷役作業のみでなく、クレーンのアウト
リガーを利用して、このアウトリガーでトラツク
の前方を持上げて荷台を後方に傾斜させ、荷台に
ブルドーザ等の建設用自走機械を引込む、いわゆ
るローダー機能をもたせたものが増加している。

ところで、この建設用自走機械等を積み込むに
際し、その自走機械に自力で登攀させるだけでな
く、安全上の見地より、荷台前方適所にウインチ
を設け、このウインチのワイヤロープで建設用自
走機械を引き込みながら積込んでいる。

さて、このウインチであるが、従来は、それ専
用のウインチを配設したり、又は第１図に示すよ
うにクレーンのウインチを兼用したりしている。
しかしながら、前者においては、ウインチ装置自
体の価格が非常に高いばかりでなく、重量が重
く、そのためその重量分だけトラツクの積載重量
が減じられ、またそれ専用の動力源を必要とする
ため据え付け工事等が面倒である等の問題があ
る。一方、後者においては、合理的ではあるが、
クレーンのワイヤロープ長さがそのクレーンの最
大吊上揚程から決められているため、第１図に示
すように、ブーム先端の滑車集合体、荷台上に設
けた滑車を介してフツクを車両後方に持つてくる
となると、どうしても引込み長さくが短かくな
り、有効に利用できない。またワイヤーロープが
ブーム先端側から引出されているので、クレーン
自体にブーム長さｌに相当する曲げモーメントが
余計に作用し、強度上好ましくない等の問題があ
つた。

従つて、本考案においては、クレーンのウイン
チを利用しつつ上述の欠点をなくしたローダー装
置を提供しようとするものである。

第２図に本考案の一実施側を示す。図におい
て、ブーム先端部にあり、フツク３を吊下するた
めの滑車集合体２は、そのブーム先端部に着脱自
在となつており、この滑車集合体２をブーム先端
部から取りはずした際には、荷台前方適所に設け
たブラケツト４に取り付けられるようになつてお
り、またこのブラケツト４にも着脱自在となつて
いる。一方、ブーム基端側下部適所にガイド滑車
５を取りつけ、滑車集合体２をブラケツト４に取
り付けた際に、クレーンのウインチからのワイヤ
ロープは、このガイド滑車５を介して滑車集合体
２に至るよう構成する。このガイド滑車５を取り
付ける位置は、ブラケツト４に滑車集合体２を取
り付けた際のこの滑車集合体２のほぼ真上に来る
位置が望ましい。なお、積載物が大きく、クレー
ンのブームが邪魔になるような場合にはブームを
第２図の位置より起こせばよい。

従つて、ローダー作業の場合には、ブーム先端
から滑車集合体２を取りはずしてこの滑車集合体
２をブラケツト４に取り付ければ、第２図の状態
である。またローダー作業状態からクレーン作業
状態にするには、この逆に、ブラケツト４から滑
車集合体２を取りはずしてこの滑車集合体２をブ
ーム先端部に取り付ければよい。

なお、前述のブラケツト４の取り付け位置は、
第２図において荷台前方上に設けた例を示した
が、トラツクによつては、トラツク自体のシヤー
シフレーム又は鳥居、さらにはクレーンの下方適
所に取り付けてもよい。

本考案は、以上のように構成したので、クレー
ン状態からローダー作業状態に、又はこの逆に簡
単に行い得ると共に、ローダー作業の際には従来
のものと比らべ、引き込み長さを十分長くとれる
と共に、クレーン自体にも余分な負荷をかけない
でその分だけ引き込み荷重を増すことができる等
使用範囲が一段と広がる等格別の効果を有するも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のローダー作業の説明図、第２図
は本考案によるローダー作業の説明図である。 １……クレーン、２……滑車集合体、３……フ
ツク、４……ブラケツト、５……ガイド滑車。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 荷台付トラツクに塔載したクレーンであつて、
   このクレーンのブーム先端部の滑車集合体を脱着
   自在に構成する一方、この滑車集合体をクレーン
   基部又はクレーン近傍のトラツクの適所に着脱自
   在に取り付けられるよう構成し、またブーム適所
   にガイド滑車を設け、クレーンのウインチからの
   ワイヤーロープを前記ガイド滑車、クレーン基部
   又はクレーン近傍のトラツクの適所に取り付けた
   前記滑車集合体、フツクと掛け回して、このフツ
   クを介してトラツク荷台上に荷を引込むよう構成
   したことを特徴とするクレーンのローダー装置。