JP2516985Y2 - 自動車のクレーン搭載装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、トラックに簡易なクレ
ーンを搭載して設置する自動車のクレーン搭載装置、さ
らに詳しくは、トラックに装脱自在に装設し、比較的軽
量（一人では積み降ろし作業が困難な程度の重量、大き
さ）の荷物の積み降ろし用に使用するための小型のクレ
ーンを搭載して設置する自動車のクレーン搭載装置に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より、トラックに簡易なクレーン装
置を装備する技術は広く知られているが、従来の、この
種のクレーン装置は、荷台上にクレーンを直接搭載して
設置したり、或いは荷台上に機枠を前後方向に走行自在
に設置し、この機枠の上端側に捲上機を装着して構成し
た方式のもの等が一般に採用されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】上記従来装置には次の
ような問題を有している。すなわち、従来のクレーン設
備は、クレーン自体、或いはクレーン装着用の機枠によ
り荷台を占領するため、積荷スペースが必然的に狭くな
る問題を有していた。

【０００４】本考案は上記実情に鑑みてなされたもの
で、トラックの荷台面積を狭くすることなく、すべて有
効的に使用できるようになして、クレーンを安定かつ整
然と搭載して設置し得る自動車のクレーン搭載装置を提
供することを目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本考案に係る自動車のクレーン搭載装置は、杆体の
一端をトラックの車体フレームの前端に固定すると共に
他端をトラックの荷台の前フレームの上端に固定して構
成した支持主杆と、トラックのキャビンの屋根部の上方
部に位置させて上記支持主杆上に載置固定して水平に配
設した固定台盤と、この固定台盤上に水平方向に回転自
在に支持させて配設した旋回台盤とを有して成り、上記
支持主杆は上記キャビンの前方部における両側部から屋
根部に沿わせて設けてあり、上記旋回台盤上にクレーン
を搭載して設置するように構成したことを特徴とするも
のである。

【０００６】

【作用】上記のように構成した本考案によれば、クレー
ンはキャビンの屋根上に設置されるので、荷台は通常の
トラックと全く同様に、全面積を積荷スペースとして有
効に使用することが可能になる。

【０００７】

【実施例】以下、本考案に係る自動車のクレーン搭載装
置の１実施例につき、図面を参照して説明する。図１
は、この実施例による自動車のクレーン搭載装置の側面
図であって、クレーンを設置した状態を示すもの、図２
は同上平面図、図３は同上装置の要部を示す斜視図、図
４は同上装置の旋回台盤の取付け部分を拡大して示す側
面図である。

【０００８】上記図１〜図４において、Ａはトラックを
示し、１はキャビン（運転室）、２は荷台、３は車体フ
レーム、４は荷台２の前フレーム（鳥居と称されてい
る）、５は前輪、６は後輪、７はハンドルであり、この
トラックは一般に市販されているものである。

【０００９】本考案に係るクレーン搭載装置は上記のよ
うなトラックＡに装備して使用するもので、次にその具
体的構成につき説明する。この実施例装置は、トラック
Ａに固定して支持ベースを構成する支持主杆Ｂと、この
主杆Ｂに支持させて設置する固定台盤Ｃと、この台盤Ｃ
上に設置する旋回台盤Ｄを設けて成っている。

【００１０】支持主杆Ｂは、適当な径及び長さの金属パ
イプ等で造り、一対の縦杆１１ａ、１１ｂの上端部を横
杆１１ｃで連結して一体に形成した、概略門型状の杆体
１１を有し、この杆体１１の両縦杆１１ａ，１１ｂをキ
ャビン１の前方部における両側部から屋根部に沿わせる
よう、両縦杆１１ａ，１１ｂの上端側をキャビン１の形
状に合わせて折曲し、両縦杆１１ａ，１１ｂの下端側を
車体フレーム３の前端に、また、杆体１１の上端側を荷
台２の前フレーム４の上端に固定して成っている。実施
例では、杆体１１の両縦杆１１ａ，１１ｂの下端に固定
具１２を固着し、この固定具１２をボルト等１３で車体
フレーム３に固定し、また、杆体１１の横杆１１ｃに複
数本（図示では３本）の連結杆１４の一端を熔着等で固
定して水平に配設し、これら各連結杆１４の他端を取付
具１５により、ボルト等１６でフレーム４の上端に固定
して、トラックに取外し自在に装着してある。そして、
上記横杆１１ｃおよび各連結杆１４により水平の台載置
部を構成してある。なお、上記杆体１１は、これをトラ
ックに装着した際、両縦杆１１ａ，１１ｂが運転者の視
界の妨げにならないように配慮して形成するものであ
る。

【００１１】固定台盤Ｃは、適当な大きさの円盤状に形
成され、キャビン１の屋根部の上方部に位置させて、上
記杆体１１の横杆１１ｃおよび連結杆１４上に載置支持
させ、熔着１９等の手段により水平に固定して配設して
ある。

【００１２】旋回台盤Ｄは固定台盤Ｃとほぼ同大の円盤
状に形成されている。この旋回台盤Ｄは固定台盤Ｃ上に
水平方向に回転自在に支持させて配設するもので、この
実施例では、固定台盤Ｃの中心部に芯軸２０をベアリン
グ等２１により回転自在に支持させて立設し、この芯軸
２０の上端で旋回台盤Ｄの中心部を支持させると共に両
台盤Ｃ，Ｄ間に鋼球等の転動子２２を介在し、旋回台盤
Ｄを水平方向に正逆回転自在に構成してある。この場
合、旋回台盤Ｄの回転支持手段は実施例以外の任意の構
造に変更し得るものである。

【００１３】この実施例の自動車のクレーン搭載装置は
上記のように構成され、上記旋回台盤Ｄ上に任意構造の
クレーンを搭載して設置するもので、この実施例のクレ
ーンＥは、伸縮ビーム３１と、このビーム３１に装着し
た捲上機３２を有している。ビーム３１は複数本の杆体
３３，３４，３５を伸縮自在に嵌挿して構成され、ま
た、最先端側の杆体３５はＩ形鋼で構成されている。そ
して、上記伸縮ビーム３１は、その後端側を旋回台盤Ｄ
上の周縁近くに固設した軸受部材３６に枢軸３７で枢着
して起伏自在に設けてある。また、台盤Ｄ上の上記軸受
部材３６の対称側にはジャッキ等の昇降器３８を設け、
この昇降器３８の上端部でビーム３１を回動自在に支承
させ、昇降器３８の操作レバー３９を操作してビーム３
１を水平線に対して任意の角度に調整するようになって
いる。上記捲上機３２はチェーンブロック、ホイストそ
の他の電動式又は手動式の任意構造のものを自由に選択
して採用するもので、捲上機３２はトロリー４０によ
り、杆体（Ｉ形鋼）に走行自在に懸垂して配設してあ
り、４１は吊り下げ用のフック、４２は操作用のロープ
を示すものである。また、上記トロリー４０の走行手段
は動力式又は手押式等、任意の構造のものを採用し得る
ものである。なお、上記ロープ４２はビーム３１を旋回
（台盤Ｄを回転）する際の引張り操作用として使用する
と共に、トラックＡの走行中にあっては、ビーム３１を
適当部に縛り止めして固定するためのものである。

【００１４】本実施例ではクレーンＥとして、上記のよ
うに構成したものを図示したが、このクレーンＥは１例
として挙げたまでのもので、他の任意の構造のクレーン
を旋回台盤Ｄ上に搭載可能なことは勿論のことである。

【００１５】実施例のクレーン搭載装置は上記のように
構成したもので、旋回台盤Ｄを任意の方向に回転（手動
又は電動）し、クレーンＥの使用時には、ビーム３１を
荷台２側へ旋回して捲上機３２で荷物の積み降ろし作業
をなし、また、走行中等、クレーンの不使用時にはビー
ム３１をキャビン１の屋根上側へ旋回して適当な手段で
固定しておくものである。

【００１６】

【考案の効果】以上説明したように、本考案によれば、
クレーンＥはトラックのキャビンの屋根の上方部の旋回
台盤上に載置して設置するものであるから、荷台は全面
積を積荷スペースとして有効に使用することができる。
また、構成が簡単であるから安価に製作することが可能
である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る自動車のクレーン搭載装置の１実
施例を示す側面図であって、クレーンを設置した状態を
示す図である。

【図２】同上平面図である。

【図３】同上装置の要部を示す斜視図である。

【図４】同上装置の旋回台盤の取付部分を拡大して示す
側面図である。

【符号の説明】

Ａ トラック Ｂ 支持主杆 Ｃ 固定台盤 Ｄ 旋回台盤 Ｅ クレーン １ キャビン ２ 荷台 ３ 車体フレーム ４ 前フレーム １１ 杆体 １４ 連結杆 ２０ 芯軸

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 杆体の一端をトラックの車体フレームの
   前端に固定すると共に他端をトラックの荷台の前フレー
   ムの上端に固定して構成した支持主杆と、トラックのキ
   ャビンの屋根部の上方部に位置させて上記支持主杆上に
   載置固定して水平に配設した固定台盤と、この固定台盤
   上に水平方向に回転自在に支持させて配設した旋回台盤
   とを有して成り、上記支持主杆は上記キャビンの前方部
   における両側部から屋根部に沿わせて設けてあり、上記
   旋回台盤上にクレーンを搭載して設置するように構成し
   たことを特徴とする自動車のクレーン搭載装置。