JPS5844156Y2 - カウンタウエイト脱着装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 自走式クレーン等において作業場所を変更する場合には
、道路走行上の車輛重量制限等の問題からブームやカウ
ンタウェイト等を取外して走行させるようにしている。

しかしこれらの脱着作業は非常に大変な作業であり、特
に重量が大きいカウンタウェイトの脱着にはそのための
特別な種々の装置を必要としていた。

即ち、従来においては別のクレーンを前記カウンタウェ
イト脱着のために特別に用意して脱着作業を行うように
しており、従ってその脱着のためのクレーンを準備する
手数及びそのクレーンが脱着のために他の自己の作業を
休まなければならないこと、並びに該クレーンの使用手
配がつかない場合はカウンタウェイトの脱着を行うこと
ができず作業を停止せねばならなくロスタイムが大きく
なり工期の延長を来す、等の問題がある。

またこのために自走式クレーン自体に設けられているブ
ーム及びフレームや新たに設けた装置により自己の動力
を用いてカウンタウェイトの揚げ降しを行うようにする
ものが考えられているが、単に揚げ降しを行うのみであ
るために、カウンタウェイトを上部旋回体のビーム後端
上に引込み装着、及びビーム上から押し出し離脱を行う
ことができず、このために高強度のボルトによるカウン
タウェイトを上部旋回体に取付けるようにしたり、また
カウンタウェイトをビーム上に載置させる場合にはカウ
ンタウェイトの引き込み或いは押出しを行うための特別
の装置を備える必要があり、いずれの方式においても装
置が高価となりまた操作が面倒で時間が掛る等の問題点
を有していた。

本考案は、上記従来技術のもつ問題点を解決すべくなし
たもので、クレーンにおける上部旋回体のビーム上に載
置するカウンタウェイトの脱着装置において、クレーン
に備えたブームとホイストロープを介してクレーンの構
成部材の一つであるところのＡフレームを起伏自在に横
取し、更に該Ａフレームに対しその一端を取付は可能で
且つその他端に対しカウンタウェイトの吊り下げ部にそ
の吊り下げ長さを調整可能に連結し得るリンクを設けた
吊上用ペンダントワイヤを装備してなることを特徴とす
るカウンタウェイト脱着装置、に係るものである。

以下図面について本考案の実施例を説明する。

第１図及び第２図は台車１上の上部旋回体２にカウンタ
ウェイト３を装着しようとする状態を示すもので、上部
旋回体２に対しブームにおけるインナーブーム４を取付
け、且つ該インナーブーム４の先端部と台車１の前端と
の間を所定の長さを有するアンカー用ワイヤ５にて連結
し、且つ前記インナ−ブーム４先端部と上部旋回体２に
備えられているＡフレーム６のヨーク７との間をイコラ
イザー８を有するブームホイストロープ９にて接続し、
また前記インナーブーム４のはね返り揺動を防止するブ
ームリミットストップ１０を取付ける。

図中１１はホイストロープ９用のウィンチ、１２は上部
旋回体２のビームを示す。

第３図はカウンタウェイト３を吊上げ下げするための吊
上用ペンダントワイヤ１３を示すもので、一端に対し、
Ａフレーム６のヨーク７部に設けてなるワイヤ取付ピン
１４に連結できるようにした取付金具１５を有し、他端
に対し、カウンタウェイト３の上面に設けた吊下げ部例
えば固定ブラケット１６に離脱用連結ピン１７を介して
取付けるように形成した連結金具１８を有すると共に、
該連結金具１８に対し一端が前記離脱用連結ピン１７を
中心に回動可能に連結され且つ他端に前記固定ブラケッ
ト１６に連結可能な装着用連結ピン１９を備えてなる長
さ調整リンク２０を有している。

本考案により、カウンタウェイト３を上部旋回体２のビ
ーム１２上に装着する場合は、まず第１図の状態におい
て、Ａフレーム６上のワイヤ取付ピン１４と吊上げ用ペ
ンダントワイヤ１３の取付金具１５を連結し、また長さ
調整リンク２０の装着用連結ピン１９をカウンタウェイ
ト３の固定ブラケット１６に連結する。

この際、第１図に示す如く吊上用ペンダントワイヤ１３
を前記ワイヤ取付ピン１４に連結し、Ａフレーム６に沿
わせて常時装備させておくことにより、この連結操作を
容易にすることができる。

上記状態において、ブームホイストロープ９をウィンチ
１１に巻込むようにすると、まずインナーブーム４が第
２図に起き上る。

続いて更にブームホイストロープ９を巻込むと、Ａフレ
ーム６が徐々に起き上り、カウンタウェイト３が第４図
及び第５図のように吊り上げられながら上部旋回体２側
に引き込まれ、ついには第６図のようにカウンタウェイ
ト３がビーム１２上に乗るようになるので、この状態で
カウンタウェイト３が移動しないようにボルト２１等に
て固定する。

次にカウンタウェイト３を離脱させる際は、前記第６図
の状態から単にカウンタウェイト３を吊り下げようとし
てもカウンタウェイト３はビーム１２上に載置されてい
るので該ビーム１２上から下方に降すことができないの
で、まず第７図に示すようにカウンタウェイト３の固定
ブラケット１６に対し離脱用連結ピン１７を連結して吊
上用ペンダントワイヤ１３の全体長さが長さ調整リンク
２０分だけ短かくなるようにして、前記と同様にブーム
ホイストロープ９の巻込みを行う。

するとまず第７図のようにＡフレーム６が起き上り、吊
上用ペンダントワイヤ１３にカウンタウェイト３の荷重
が作用すると続いてインナーブーム４が起き上って第８
図の状態になる。

この状態かられずかに吊上げるとカウンタウェイト３は
ビーム１２上から外方に振り出されて第９図力ように吊
下げ支持されることになる。

これは前記吊上用ペンダントワイヤ１３が短かくなった
ことによりＡフレーム６のヨーク７部が外方に移動した
位置でカウンタウェイト３を吊上げるようになることに
よるものである。

上記第９図の状態からブームホイストロープ９を繰り出
すことにより、第１０図のようにカウンタウェイト３を
吊下げると同時に外方に振り出しながらビーム１２に何
等干渉することなく地上に吊り降すことができる。

第１１図は前記実施例におけるアンカー用ワイヤ５に代
えて主巻ドラム２２の主巻ワイヤ２３を料量し、台車１
の前端部にシーブ２４を設は且つ主巻ワイヤ２３の先端
にフック２５を設けてインナーブーム４に固定するよう
にしている。

またこの実施例においては補巻ドラム２６の補巻ワイヤ
２７を利用してカウンタウェイト３を引寄せできるよう
にしているので、カウンタウェイト３がある程度離れた
位置にあっても引き寄せた後、前記実施例と同様に吊上
げて装着することができる。

尚、本考案は上記実施例にのみ限定されるものではなく
、吊上用ペンダントワイヤの構造は種々変更できること
、本考案は種々の自走式クレーンに適用できること、そ
の他事考案の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更
を加え得ること、等は勿論である。

上述した本考案のカランクラエイト脱着装置によれば、
吊上用ペンダントワイヤを用いることにより、クレーン
に値えられている装備を利用して自己の動力により容易
にカウンタウェイトの引き込み装着及び振り出し離脱を
行うことができ、カウンタウェイトの脱着作業を短時間
に行い得られて機動性の向上、工期の短縮を図り得ると
共に安価に実施できる等、種々の優れた効果を発揮する
。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を適用した自走式クレーンの一例を示す
側面図、第２囮はその作動説明図、第３図は本考案の吊
上用ペンダントワイヤの説明図、第４図、第５図、第６
図は夫々カウンタウェイトの装着作動状態を順を追って
示す説明図、第７図、第８図、第９図、第１０図は夫々
カウンタウェイトの離脱作動状態を順を追って示す説明
図、第１１図は本考案の別の使用実施例を示す説明図で
ある。 １は台車、２は上部旋回体、３はカウンタウェイト、４
はインナーブーム、５はアンカー用ワイヤ、６はＡフレ
ーム、９はブームホイストロープ、１１はウィンチ、１
２はビーム、１３は吊上用ペンダントワイヤ、２０は長
さ調整リンクを示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. クレーンにおける上部旋回体のビーム上に載置するカウ
   ンタウェイトの脱着装置において、クレーンに備えたブ
   ームとブームホイストロープを介してＡフレームを起伏
   自在に構威し、更に該Ａフレームに対しその一端を取付
   は可能で且つその他端に対しカウンタウェイトの吊り下
   げ部にその吊り下げ長さを調整可能に連結し得るリンク
   を設りた吊上用ペンダントワイヤを装備してなることを
   特徴とするカウンタウェイト脱着装置。