JPS6122953Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、クローラクレーン、トラツククレー
ン、フローテイングクレーン等の移動式クレーン
に係り、さらに詳しくはブームに取り付けられた
マストの先端部に、ブライドルを連結した移動式
クレーンに関する。

第１図に移動式クレーンとしてのクローラクレ
ーンを示し、第２図にマストの先端部とブライド
ルとの接続作業を示す。

その第１図に示されるクローラクレーンは、ク
レーン本体１、ブーム２、Ａフレーム５とを備え
ている。前記ブーム２には、マスト３が取り付け
られ、該マスト３の先端部にはリンク４が設けら
れている。一方、Ａフレーム５の先端部にはハン
ガ６が取り付けられ、該ハンガ６を通じてマスト
３の先端部に向かつてロープ７が張り出され、こ
のロープ７にブライドル８が結びつけられてい
る。該ブライドル８は、前記マスト３の先端部に
設けられたリンク４に連結されている。

そして、前記マスト３の先端部とブライドル８
とを接続するには、従来次のように行つていた。

すなわち、第２図に示されるように、ブーム２
を地面Ｇに接地させ、その上面にマスト３を載置
し、補助クレーン（図示せず）に設けられた吊り
具９に接続されたロープ１０でブライドル８を空
中に吊り下げ、補助クレーンを旋回操作すること
によつてブライドル８を引き出した後、該ブライ
ドル８をマスト３の上面に降し、ブライドル８と
マスト３の先端部に設けられたリンク４とを接続
するようにしていた。

しかし、前記従来技術には次のような欠点があ
る。

(1) ブライドル８の引き出しを空中で行つている
ため、ブライドル８の引出量を決定するのが難
しく、空中におけるブライドル８の引出操作を
何回も繰り返して行わなければならず、マスト
３のリンク４とブライドル８との接続に長時間
を要する。

(2) 補助クレーンを旋回操作しながらブライドル
５の引き出しを行わなければならず、補助クレ
ーンが横引き状態になつて危険であり、補助ク
レーンの運転に熟練を要する。

本考案の目的は、前述の従来技術の欠点をなく
し、マストの先端部とブライドルとを簡単にかつ
短時間で接続でき、しかも接続作業に危険がな
く、熟練を要しない移動式クレーンを提供するに
ある。

この目的を達成するため、本考案はマスト先端
部とブライドルとの接続時に、地面に接地された
ブーム上面に載置されているマスト上に搭載され
たブライドルを、マストの上面に沿つて真つ直ぐ
にガイドしうるブライドル引出装置を備えている
ことを特徴とする。

以下、本考案の一実施例を図面に従つて説明す
る。

第３，第４図および第５図は、本考案の一実施
例を示すもので、マスト３の先端部とブライドル
８との接続時に、地面Ｇに接地されたブーム１の
上面に載置されているマスト３の上面搭載された
ブライドル８を、マスト３の上面に沿つて真つ直
ぐにガイドしうるブライドル引出装置を具備して
いる。

前記ブライドル引出装置は、ブーム２の上面に
載置されたマスト３の上面のリンク４側部分に取
り付けられたレール１１と、マスト３の上面に搭
載されるブライドル８の下面に取り付けられた山
形のレール受け１２と、ブライドル８のけん引手
段とを備えて構成されている。前記ブライドル８
のけん引手段は、２本平行に配置されたマスト構
成部材の先端部に掛け渡されたタイプレート３′
に取り付けられたブラケツト１３にシーブ１４を
設け、このシーブ１４に補助クレーンの吊り具に
接続されたロープ７を通してブライドル８に結び
付けるように構成されている。

前記実施例のブライドル引出装置は、次のよう
にして使用する。

すなわち、地面Ｇに接地されたブーム２の上面
に載置されたマスト３のレール１１上に、Ａフレ
ーム５にハンガ６とロープ７とを介して接続され
たブライドル８のレール受け１２を係合させて搭
載し、補助クレーンに設けられた吊り具９に接続
されたロープ１０を、シーブ１４に通してブライ
ドル８に結び付ける。

ついで、補助クレーンの吊り具９を徐々に巻き
上げると、ブライドル８はレール１１とレール受
け１２とを通じてマスト３の先端部に向かつて
徐々にかつ真つ直ぐに移動する。

そして、ブライドル８をマスト３の先端部に取
り付けられたリンク４に対応する位置まで引き出
した後、リンク４とブライドル８とを常法により
ピン結合するもので、これによりマスト３の先端
部とブライドル８とを簡単に接続することができ
る。

なお、本考案においてはブライドル引出装置は
図示の構成に限らず、マスト３の上端部とブライ
ドル８との接続時に、ブライドル８をマスト３の
上面に沿つて真つ直ぐにガイドしうる構成であれ
ばよい。

また、この実施例の他の部材の構成、作用は、
第１図，第２図について説明したところと同様で
ある。

しかし、本考案は第１図に示されるクローラク
レーンに限らず、移動式クレーン全般に適用でき
るものである。

本考案は、以上説明した構成、作用のもので、
本考案によれば、ブライドル引出装置を介してブ
ライドルをマストの上面に沿い、その先端部方向
に真つ直ぐにガイドできるので、マストの先端部
とブライドルとを簡単にかつ短時間で接続しうる
効果がある。

また、本考案によれば、ブライドルを空中に吊
り下げて行う方式とは全く違い、ブライドル引出
装置を通じてブライドルをマストの上面から離さ
ずに移動させるようにしているので、マストの先
端部とブライドルとの接続に際して危険が全くな
く、かつ接続作業が簡単であることとが相俟ち、
熟練を要せずに接続できる効果もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案で対象とする移動式クレーンと
してのクローラクレーンの側面図、第２図はマス
トの先端部とブライドルとを接続する従来技術を
示す側面図、第３図は第２図に対応させて示した
本考案の一実施例の側面図、第４図は第３図の
部分の拡大斜視図、第５図は第４図の−線で
切断した拡大断面図である。 １…クレーン本体、２…ブーム、３…マスト、
４…リンク、５…Ａフレーム、６…ハンガ、７…
ロープ、８…ブライドル、９…補助クレーンに設
けられた吊り具、１０…ロープ、１１…レール、
１２…レール受け、１４…シーブ、Ｇ…地面。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ ブームに取り付けられたマストの先端部に、
   Ａフレームの先端部からマストの先端部方向に
   張り出されたロープに結び付けられたブライド
   ルを連結した移動式クレーンにおいて、前記マ
   スト先端部ブライドルとの接続時に、地面に接
   地されたブーム上面に載置されているマスト上
   に搭載されたブライドルを、マストの上面に沿
   つて真つ直ぐにガイドしうるブライドル引出装
   置を備えていることを特徴とする移動式クレー
   ン。 ２ 前記ブライドル引出装置は、マストとブライ
   ドルのいずれか一方の部材に取り付けられたレ
   ールと、いずれか他方の部材に取り付けられた
   レール受けと、ブライドルのけん引手段とを備
   えて構成されていることを特徴とする実用新案
   登録請求の範囲第１項記載の移動式クレーン。 ３ 前記ブライドルのけん引手段は、補助クレー
   ンに取り付けられた吊り具からロープを、マス
   トの先端部に取り付けられたシーブを通してブ
   ライドルに結び付けるように構成されているこ
   とを特徴とする実用新案登録請求の範囲第２項
   記載の移動式クレーン。