JPS63710Y2

JPS63710Y2 -

Info

Publication number: JPS63710Y2
Application number: JP1981160246U
Authority: JP
Priority date: 1981-10-29
Filing date: 1981-10-29
Publication date: 1988-01-08
Also published as: JPS5867886U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は、クレーン本体とブームまたはタワー
との間に、ブームまたはタワーの後方転倒防止用
ストツパを介在させた移動式クレーン（特に移動
式タワークレーン）において、ストツパアウタと
ストツパインナおらなるストツパをその取付け時
に伸長させる装置に関する。

まず従来技術を移動式タワークレーンに例をと
り第１図ないし第３図により説明する。第１図は
移動式タワークレーンを作業姿勢にて示してお
り、クレーン本体１の前部には、ジブ３およびス
イングレバー４を矢印ａ，ｂで示すように連動す
るように回動可能に取付けたタワー２が起伏自在
に取付けられている。クレーン本体１とタワー２
との間には、タワー２の後方転倒を防止するスト
ツパ５が介在させてある。該ストツパ５は、第１
図に示すタワー２の起立状態における長さｌと、
第２図に示すようにタワー２を地上に倒した状態
の長さl₁とを変えなければならない（即ちl₁＞ｌ）
ので、該ストツパ５はストツパアウタ５ａとこれ
に対して引出し可能に挿入されたストツパインナ
５ｂとからなる伸縮可能な構造を有しており、一
方（ストツパアウタ５ａ）をタワー２にピン付け
し、他方（ストツパインナ５ｂ）をクレーン本体
１にピン付けしてある。６はクレーン本体１上に
設置されたＡフレーム、７は該Ａフレームの頂部
に軸を介して組付けてあるハンガ、８はハンガ７
との間で起伏ロープ９を掛け回したブライドル、
１１は該ブライドル８とタワー２の頂部との間を
連結するタワー支持ロープ、１０はクレーン本体
１上に設置され、前記起伏ロープ９を巻取りある
いは繰り出しする起伏ウインチである。

この移動式タワークレーンにおいて、前記タワ
ー２、ジブ３およびスイングレバー４等でなるタ
ワーフロントを組立てる場合、第３図に示すよう
に、タワー２を地上に倒した状態でタワー２のブ
ラケツト２ａにストツパアウタ５ａをピン付けし
た後、ストツパインナ５ｂをチエーンブロツク等
を用いて人力により引出すか、あるいは補助クレ
ーン（図示せず）のフツク１３に吊られる玉掛用
ロープ１２をストツパインナ５ｂに掛け、補助ク
レーンの旋回動作によつてフツク１３を破線で示
す方向に移動させることにより、ストツパインナ
５ｂを引出し、ストツパを伸長させていた。

しかしながら、クレーンが大型化してくると、
ストツパインナ５ｂの重量が増大するため、チエ
ーンブロツク等を用いて人力によりこれを引出す
方法では時間と労力がかかる上、高所作業となる
ので危険であるという問題点がある。また、補助
クレーンでストツパインナ５ｂを引出す場合、横
引き作業となるため、補助クレーンの安全性やブ
ーム強度上好ましくなく、危険であるという問題
点がある。

本考案は、上記問題点に鑑み、ストツパ組付け
時の作業の安全性が向上され、かつ能率向上が達
成できる構成の移動式クレーンのストツパ伸長装
置を提供することを目的とする。

本考案は、補助クレーンの旋回動作ではなく単
なる巻上げ動作でストツパの伸長が可能となるよ
うに、前記ストツパの前記クレーン本体ピン付け
側に、前記玉掛用ロープを掛けるブラケツトを設
けると共に、前記クレーン本体上に設置されるＡ
フレームの前脚に、前記ブラケツトに接続された
玉掛用ロープの中間部を掛けてその縦方向の吊上
げ力を横方向のストツパ伸長力に変換するガイド
ローラ（シーブを含む）を取付けたことを特徴と
するものである。

以下本考案を移動式タワークレーンに例をとり
第４図により説明する。１６はクレーン本体１上
に設置されたＡフレーム６の前脚１４に取付けら
れた玉掛用ロープ１２のガイドローラ、１７はス
トツパ５のストツパインナ５ｂのピン付け側端部
に設けられたブラケツトであり、これは前記玉掛
用ロープ１２の一端を接続するものである。

本実施例において、ストツパ５をタワー２とク
レーン本体１間に組付ける場合は、図示のよう
に、起伏ウインチ１０によつて起伏ロープ９を繰
り出しておくことにより、タワー２を倒伏させた
状態にしてストツパアウタ５ａをピン１８により
タワー２のブラケツト２ａにピン付けしておき、
玉掛用ロープ１２の一端を前記ブラケツト１７に
接続し、該ロープ１２をガイドローラ１６に掛け
回して補助クレーンのフツク１３に掛け、補助ク
レーンによつてフツク１３を巻上げる。フツク１
３を巻上げると、ガイドローラ１２の作用によつ
てストツパインナ５ｂは矢印Ｃに示すように横方
向に引出され、ストツパインナ５ｂをクレーン本
体１上のピン付け位置まで移動させることができ
る。従つて補助クレーンの旋回動作を行うことな
く、巻上動作だけでストツパインナの引出しを行
うことができる。

なお、移動式タワークレーンにおいては、第５
図に示すように、Ａフレーム６の前脚１４に、ク
レーン移動時に起伏ロープ１９を受けるガイドロ
ーラ１９を備えたもの（即ち、移動時にはクレー
ンの全高を底くするために、伸縮式の後脚１５を
縮め、ブライドル８をピン２０によりタワー２の
ブラケツト２ａに連結し、起伏ウインチ１０によ
り起伏ロープ９を若干巻取つてタワー２を水平に
浮かせるようにして移動するクレーン）がある
が、このようなガイドローラ１９を有する場合に
は、該ガイドローラ１９を前記玉掛用ロープ１２
のガイドローラとして兼用するようにしてもよ
い。

なお、本考案は、第６図に示すように、クレー
ン本体１にブーム２１を起伏自在に取付け、かつ
ブームの後方転倒防止用ストツパ５を備えた一般
的な移動式クレーンにも勿論適用可能であり、ま
た、ストツパ５のストツパインナ５ｂがタワー２
またはブーム２１にピン付けされ、ストツパアウ
タ５ａがクレーン本体１にピン付けされるものに
も適用でき、この場合にはストツパアウタ５ａに
前記玉掛け用ロープ１２を接続するブラケツト１
７を設ければ前記同様に実施可能である。

以上述べたように、本考案によれば、補助クレ
ーンの巻上げ動作によつてストツパの伸長を行う
ことができるから、不安全作業である補助クレー
ンによる旋回横引き作業や人力による高所での危
険な作業が不要となり、安全性が向上する。ま
た、チエーンブロツク等の段取セツトが不要とな
り、短時間でストツパのクレーン本体への取付け
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の移動式タワークレーンを作業姿
勢にて示す全体側面図、第２図はその組立時の全
体側面図、第３図は該クレーンにおけるストツパ
伸長作業状態を示す側面図、第４図は本考案の一
実施例の移動式タワークレーンをストツパ伸長作
業状態にて示す側面図、第５図は起伏ロープ受け
用ガイドローラを有する移動式タワークレーンを
走行姿勢にて示す側面図、第６図は本考案を一般
的な移動式クレーンに適用した例を示す側面図で
ある。１……クレーン本体、２……タワー、５……ス
トツパ、５ａ……ストツパアウタ、５ｂ……スト
ツパインナ、６……Ａフレーム、１２……玉掛用
ロープ、１３……補助クレーンのフツク、１４…
…前脚、１６，１９……ガイドローラ、１７……
ブラケツト。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

クレーン本体とブームまたはタワーとの間に、
ストツパアウタとこれに挿入されたストツパイン
ナとからなる伸縮可能なストツパを、両端をピン
付けして介在させることにより、ブームまたはタ
ワーの後方への転倒を防止する構造を有し、前記
ストツパ取付け時には、倒伏状態の前記ブームま
たはタワーに一端をピン付けした前記ストツパ
を、補助クレーンにより巻上げられる玉掛用ロー
プによつて該ストツパの他端が前記クレーン本体
へのピン付け部に到るまで伸長させてピン付けす
る移動式クレーンにおいて、前記ストツパの前記
他端側に、前記玉掛用ロープを接続するブラケツ
トを設けると共に、前記クレーン本体上に設置さ
れるＡフレームの前脚に、前記ブラケツトに接続
された玉掛用ロープの中間部を掛け回してその縦
方向の吊上げ力を横方向のストツパ伸長力に変換
するガイドローラを取付けたことを特徴とする移
動式クレーンのストツパ伸長装置。