JPS6241030Y2

JPS6241030Y2 -

Info

Publication number: JPS6241030Y2
Application number: JP1982147741U
Authority: JP
Priority date: 1982-09-29
Filing date: 1982-09-29
Publication date: 1987-10-20
Also published as: JPS5950989U

Description

【考案の詳細な説明】本考案はトラツククレーン或はクローラクレー
ン等の移動式クレーンにおけるカウンタウエイト
に関するものである。

従来のカウンタウエイトはクレーンに設けたそ
の脱着専用のシリンダ或いは巻取ドラム等を有す
る脱着装置により脱着せざるを得なかつた。また
カウンタウエイトをピン等で吊下げ固定する構造
上、あまり嵩ばると吊下げられず、カウンタウエ
イトは全高が低く構造の複雑なものとせざるを得
ず、材質も比重が大きく、しかも比較的任意の形
状に加工可能な鋳物（比重7.2）とする必要があ
つた。

ところで近時、原価低減の目的で高価な鋳物製
カウンタウエイトに比して容積が大きく全高が高
くなるきらいは免れないが製作コストが大巾に安
くて済む内部充填溶接構造のカウンタウエイトを
採用することが検討されているが、かかるカウン
タウエイトは容積が大きく嵩ばるため、脱着固定
を従来のクレーンの標準設備だけで確実かつ容易
に行なえず安定状態で固定できると共に簡易に脱
着可能なものは未だ開発されていない。

本考案は前記従来の問題点を解決するために創
案されたもので、その特徴は上部旋回体の後部に
突設されたフツクにピンを介してカウンタウエイ
トを支持すると共に、該カウンタウエイトと上部
旋回体とを伸縮限で止着可能なスライド式伸縮機
構を有するカウンタウエイト倒れ防止用の伸縮リ
ンクにより連結し容易に固定、脱着可能にしたも
のである。

以下本考案を図示する実施例により説明する。

カウンタウエイト１は左右の立壁２を分厚い連
結壁３により連設した凹状の形をなしており、該
連結壁３の端部には後面及び上下面に開口する溝
部４が左右に各１つ設けられている。カウンタウ
エイト１の連結壁３の溝部４内にはピン５が横架
され、かつブラケツト６が突設され、該連結壁３
の中間部上面と端部後面にはそれぞれ左右に各１
個のブラケツト７とブラケツト８が突設されてい
る。

他方、クレーン９の上部旋回体１０の後部には
左右に各１本のフツク１１がカウンタウエイト１
に設けた溝部４に挿入可能でかつピン５と係合可
能に突設され、該フツク１１の外側部にはピン孔
１２がカウンタウエイト１に設けたブラケツト８
の孔部と合致可能に設けられると共に、上部には
左右に各１本のブラケツト１３が突設されてい
る。

前記カウンタウエイト１はこの上部旋回体１０
に設けたフツク１１にピン５を介して支持される
と共に、該ピン５の上方にて、次に述べる伸縮リ
ンク１４により上部旋回体１０の後部（フツク１
１、ブラケツト１３）と連結されており、さらに
該カウンタウエイト１はブラケツト８とピン孔１
２を介してピン１５により上部旋回体１と連結さ
れて上部旋回体１０に取付けた時そのガタ付きが
防止されている。

前記伸縮リンク１４はＵ状片１６ａの平行片先
端側部間にストツパ１７ａを跨設すると共に、該
ストツパ１７ａ間を通りＵ状片１６ａ内を摺動可
能に、板状片１６ｂを嵌入し、かつ該板状片先端
側部にストツパ１７ｂを設け、Ｕ状片１６ａと板
状片１６ｂの重なり合つた一端部には、ストツパ
１７ａ，１７ｂが互に当るリンク伸長状態で合致
するピン孔１８ａ，１８ｂと、リンク短縮状態で
合致するピン孔１９ａ，１９ｂを設け、他端にヨ
ークエンド２０を設けたものであり、前記ピン孔
１９ａ，１９ｂにストツパピン２１を挿着してリ
ンク短縮状態に保持されている。そして該伸縮リ
ンク１４はヨークエンド２０をそれぞれカウンタ
ウエイト１に設けたブラケツト７と上部旋回体１
０の後部に設けたブラケツト１３とにピン止着す
ることにより水平状態でカウンタウエイト１と上
部旋回体１０間を連結している。

以上の構成において、クレーン９の道路上走行
等のためカウンタウエイト１を上部旋回体１０か
ら地面２３或は図示しない車体の上に降ろす場合
次の〜の手順で行なう。

上部旋回体１０を下部走行体２４の側方に向
けた後、図示しないブームホイストドラムの巻
下げ作動によりブーム２５の先端を接地させる
（第１図参照）。

Ａフレーム２６のバツクステイ２７からスト
ラツトピン２８を抜き該バツクステイ２７を短
縮可能とした後、アツパヘツドシヤフト２９を
支える油圧シリンダ３０の短縮作動により該ア
ツパヘツドシヤフト２９を下降させてこれに装
着してある支持ロープ３１をカウンタウエイト
１に設けたブラケツト６と連結する（第８図の
ポイントａの状態）。

油圧シリンダ３０の伸長作動によりアツパヘ
ツドシヤフト２９に装着した支持ロープ３１を
介してカウンタウエイト１を吊下げる。この結
果、カウンタウエイト１をピン５を介してフツ
ク１１に支持していた時に発生したカウンタウ
エイト１の転倒モーメント等によつて伸縮リン
ク１４に作用していた伸縮力が働かないから、
ストツパピン２１は容易に抜ける。

伸縮リンク１４からストツパピン２１を抜
く。するとカウンタウエイト１を上部旋回体１
０に係止していた拘束がなくなり、カウンタウ
エイト１の昇降が可能となるので、伸縮リンク
１４が伸び切るまで、つまりそのストツパ１７
ａ，１７ｂが当たるまで、油圧シリンダ３０を
伸長作動した後、伸縮リンク１４が縮まないよ
うそのピン孔１８ａ，１８ｂにストツパピン２
１を挿着する（第８図のポイントｂの状態）。

次に、伸縮リンク１４が水平になるまで油圧
シリンダ３０の短縮作動を行なう。これによつ
てカウンタウエイト１は下降するが、下降軌跡
は伸びた伸縮リンク１４の上部旋回体１０側ピ
ン着部を中心とした回動軌跡となり、カウンタ
ウエイト１は上昇時よりも後方に押出されて下
降するので、該カウンタウエイト１がフツク１
１と干渉することはない（第８図のポイントｃ
の状態）。

伸縮リンク１４をカウンタウエイト１から外
して油圧シリンダ３０をさらに短縮作動する
と、カウンタウエイト１はそのまま下降して地
面２３上或は図示しない車体上に載置される
（第８図のポイントｄの状態）。

その後支持ロープ３１をカウンタウエイト１か
ら外し、かつバツクステイ２７をストラツクピン
２８の挿着で低くしておくことは従来と同じであ
る。

逆に、カウンタウエイト１を上部旋回体１０の
後部に装着する場合前記と逆の手順で行なう。

即ち支持ロープ３０をカウンタウエイト１に連
結し、かつバツクステイ２７からストラツトピン
２８を外した後、油圧シリンダ３０の伸長作動に
より、伸縮リンク１４を水平に装着可能な位置ま
でカウンタウエイト１を吊上げる。次いで伸縮リ
ンク１４をカウンタウエイト１に連結した後、さ
らに油圧シリンダ３０を伸長作動してピン５をフ
ツク１１と係合可能な干渉しない位置まで上昇さ
せてから伸縮リンク１４のストツパピン２１を抜
く。次いで油圧シリンダ３０の短縮作動により伸
縮リンク１４を縮めつつカウンタウエイト１を下
降してフツク１１に載置し、かつ該伸縮リンク１
４のピン孔１９ａ，１９ｂにストツパピン２１を
挿着して、その取付けを完了する。フツク１１に
装着したカウンタウエイト１がガタ付かないよう
ブラケツト８をフツク１１にピン連結する。支持
ロープ３１はカウンタウエイト１から外す。バツ
クステイ２７は油圧シリンダ３０の伸長作動によ
り元の状態に伸長した後ストラツトピン２８を挿
入する。

なお、アツパヘツドシヤフト２９の上げ下げは
ブーム２５の先端が上下しないよう固定できれば
ブームホイストドラムによつてもできるから、油
圧シリンダ３０に代えて該ブームホイストドラム
等を使用しても良いことは言うまでもない。

以上の通り本考案は上部旋回体後部に設けたフ
ツクでピンを介してカウンタウエイトを引掛け支
持すると共に、該カウンタウエイトと上部旋回体
とを伸縮リンクで連結したため、その取付け状態
は輸送限界に達する程高くなつても安定したもの
とできる。また、クレーンに備えたカウンタウエ
イト吊上げ用の支持ロープとアツパヘツドシヤフ
ト上下機構、及び、伸縮リンクに備えたスライド
式伸縮機構によりそれぞれカウンタウエイトを昇
降に関連して前後動が自在にできる構成であるた
め、カウンタウエイトの脱着作業が確実かつ容易
にできる。

よつて本考案によれば、内部充填溶接構造の比
重が小さく容積の大きなカウンタウエイトを採用
することが可能となり、特別なカウンタウエイト
脱着装着を設けずに済むことと相俟つて製作コス
トの大巾な低減ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例をカウンタウエイト固
定状態にて示した全体概要図、第２図は第１図の
部分拡大図、第３図はカウンタウエイト脱作業中
の状態を示す第１図の左側面図、第４図は第３図
の斜視図、第５図、第６図はそれぞれ伸縮リンク
を短縮状態、伸長状態にて示す正面図、第７図は
上半分、下半分をそれぞれ第６図のＡ〜線断面、
Ｂ〜線断面で示した断面図、第８図はカウンタウ
エイト脱作業におけるアツパヘツドシヤフトとピ
ンの移動軌跡を示す概要図である。１……カウンタウエイト、４……溝部、５……
ピン、６，７，８，１３……ブラケツト、９……
クレーン（上部旋回体１０，下部走行体２４，ブ
ーム２５，Ａフレーム２６，バツクステイ２７，
ストラツトピン２８，アツパヘツドシヤフト２
９，油圧シリンダ３０，支持ロープ３１，ストラ
ツト３２，シヤフト３３）、１１……フツク、１
４……伸縮リンク（Ｕ状片１６ａ，板状片１６
ｂ，ストツパ１７ａ，１７ｂ，ピン孔１８ａ，１
８ｂ，１９ａ，１９ｂ，ヨークエンド２０，スト
ツパピン２１）、１５……ピン。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

上部旋回体の後部にブーム起伏用ワイヤの巻取
り、巻戻しにより起伏可能なＡフレームと、着脱
可能なカウンタウエイトとを設け、該カウンタウ
エイトを前記Ａフレームの起伏により支持ロープ
により吊上げ、又は吊下げうるように構成したク
レーンにおいて、上部旋回体の後部に突設された
フツクにピンを介して前記カウンタウエイトを支
持すると共に、該カウンタウエイトと上部旋回体
とを伸縮限で止着可能なスライド式伸縮機構を有
するカウンタウエイト倒れ防止用の伸縮リンクに
より連結したことを特徴とするクレーンにおける
カウンタウエイト。