JPS6011024Y2 - 補助ジブつき伸縮ブ−ム式クレ−ンにおける補助滑車装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は補助ジブつき伸縮ブーム式クレーンにおける補
助滑車装置に関するものである。

補助ジブを装着した伸縮ブーム式クレーンにおいては、
大荷重吊下げ用の主フックと軽荷重吊下げ用の補助フッ
クとを有しており、主フックは伸縮ブームの先端ブーム
頭部に設けられたシーブブロックと主フックを取付けた
フォーリングブロックとの間に主ワイヤーを通して使用
されるが、補助フックはその作業特性に応じて２種類に
使い分けされる。

即ち、軽荷重且つ低揚程のクレーン作業を行うときには
先端ブームの頭部に設けられた補助滑車に補助フック用
のワイヤロープを通して使用する一方、軽荷重且つ高揚
程のクレーン作業を行うときには、補助ジブを先端ブー
ムの頭部に装着し、補助ジブ先端に設けられたジブ滑車
に補助フック用のワイヤロープを通して使用する。

ところが、従来の補助ジブつき伸縮ブーム式クレーンに
おいては、先端ブームの頭部に取付けられる前記補助滑
車を先端ブーム頭部の前方に突出させて固定するように
していたため、補助滑車不使用時にも該補助滑車が先端
ブームの頭部に装着されたままとなり、転倒モーメント
の増大によりクレーン全体の安定性能が悪化したり、前
方に壁等の障害物がある場合には補助滑車が邪魔になっ
て伸縮ブームの有効伸出し長さが短くなりクレーン自体
の作業性能が低下するという問題があった。

さらに先端ブームの頭部に取付けられる補助滑車にワイ
ヤロープをかけて作業を行う場合、該補助滑車が先端ブ
ーム頭部に接近しているところから、特に大起仰角での
作業時には該補助滑車から垂下されるワイヤロープが先
端ブーム頭部に接触し易く、その結果、該ワイヤロープ
の損傷により作業上の安全性が損なわれる懸念がある。

本考案は上記の如き問題に鑑み、先端ブーム頭部に設け
られる前記補助滑車を補助ジブに一体的に取付けること
により該補助滑車を補助ジブとともに伸縮ブームの基端
ブームの側方に格納したり、又、先端ブーム頭部に前方
に向けて突出させて装着することができるようにした補
助ジブつき伸縮ブーム式クレーンの補助滑車装置を提案
することを目的としてなされたものである。

以下、本考案を第１図ないし第５図に示す実施例に基づ
いて説明すると、図中符号１は多段伸縮ブームの基端ブ
ーム、２は先端ブーム、３は先端ブーム２の頭部（以下
、ブームヘッドという）、６はブームヘッド３に装着さ
れる継足し用の補助ジブを示している。

本考案における補助ジブ６は、先端側のジブ本体４とブ
ームヘッド３への取付台となるジブ基台５の２分割構造
とされている。

図示の実施例ではシフ基台５は上側位置の一対の上部桁
材２８，２８と下側位置の一対の下部桁材３０，３０と
を下部継ぎ材３２，３３、上部継ぎ材３４及び縦継ぎ材
３５，３５，３５，３５によって連結して構成されてね
り、上部、下部各桁材２８，２８及び３０．３０の基端
側に設けられた枢支部３７，３Ｂ、３９．４０を前記ブ
ームヘッド３の側方に設けられたブラケット２０，２１
，２２，２３にビス２４，２５，２６．２７によって連
結せしめることによってブームヘッド３の前方に取付け
られるようにしている。

又、ジブ基台５の先端側には前記ジブ本体４が上下方向
に傾動調整自在に取付けられるようになっている。

即ち、ジブ基台５の下側位置においては前記下部桁材３
０，３０の先端側に設けた枢支部４１，４１をジブ基台
本体４の基端側下部４ａに設けた一対のブラケット４３
．４３にピン４５．４５によって上下方向に回転自在に
取付ける一方、ジブ基台５の上側位置においては、ジブ
基台５の前記２８，２８に形成した中空筒部４７，４７
とジブ本体４の基端側上部４ｂに設けた一対のブラケッ
ト５１．５１とを後述の中継部材４９．４９を介してピ
ン５３．５３及びピン５５，５５，５６．５６によって
連結している。

中継部材４９．４９はその一端４９ａ側にピン穴５９を
、他の一端４９ｂ側には前記上部桁材２Ｂ、２８の中空
筒部４７，４７に設けた一対のピン穴６０．６１間の距
離とほぼ等しい長さをもつ長穴６２を形成してなる直棒
体で構成されている。

そして前記ピン穴５９形成側の端部４９ａをピン５３，
５３によって前記ジブ本体４の基端側上部４ｂに設けた
ブラケット５１．５１に枢動自在に取付ける一方、長穴
６２形威側の端部４９ｂを前記中空筒部４７．４７内に
嵌入せしめ、該ピン５５．５５及び５６．５６によって
連結し、該ピン５５．５５及び５６．５６を抜き替え操
作することによってジブ本体４をジブ基台５に対して傾
動調整できるようにしている。

即ち、中継部材４９．４９を中空筒部４７．４７の奥部
まで進入せしめピン５５．５５及び５６．５６を中空筒
部４７，４７に設けたピン穴６０，６１内に嵌挿し、ピ
ン５５．５５及び５６．５６によって長穴６２の両端部
６２ ａ、 ６２ ｂを同時に係合せしめることによ
り補助ジブ６はブームヘッド３の前面に上向状態（ブー
ｌ、の伸縮軸線よりやや下向角度）で装着される（第２
図参照）。

一方、この状態から上部桁材２Ｂ、２８の基端側のピン
５６及び５６を抜き取ると中継部材４９．４９はともに
該中継部材４９．４９の長穴後端部６２ｂがもう一方の
ピン５５．５５と係合する位置まで、上部桁材２８，２
８の中空筒部４７．４７から抜き出され補助ジブ６は先
端ブーム２に対してチルトダウン状態で支持される（第
２図鎖線図示位置４′）。

又、ジブ基台５の前記下部継ぎ材３２．３３の下面には
、一対の支承ブラケット１２．１２に補助滑車１０を回
転自在に取付けてなる補助滑車装置１３が下部継ぎ材３
２．３３にまたがりしかも下方に突出する如くして取付
けられている。

この補助滑車装置１３は、補助フック６３（ジブ作業用
）用のワイヤロープ６４を通して補助フック６３による
クレーン作業（第４図参照）を行うためのものであり、
補助滑車１０はブームヘッド３の上部に設けられたワイ
ヤロープ案内用の案内滑車１１とともに軸心上に配置さ
れる。

又、この補助ジブ６には、該補助ジブ６の基端部に位置
するジブ基台５に設けられた上記補助滑車１０の外に、
該補助ジブ６の先端部にジブ滑車（図示省略）を設けて
おり、軽荷重・高揚程のクレーン作業時には前記内滑車
１１を介して引き出されたワイヤロー６４をジブ滑車に
かけ、れに対して軽荷重・低揚程のクレーン作業時には
該ワイヤロープ６４を案内滑車１１を介して補助滑車１
０にかけるようにしている。

即ち、作業状況に合わせてワイヤロープ６４のかけ方を
選択できるようになっている。

このようにして構成された補助ジブ６は更に、ブームヘ
ッド３の左右どちらか一方側のブラケット２２，２３の
ピン２６．２７を抜き取ることによって、他方側のブラ
ケット２０．２１に嵌挿せしめられたピン２４．２５を
中心として弧回動せしめられ（第３図参照）、基端ブー
ム１と補助ジブ６間に設けた連結固定装置１５，１５・
・によつて両者を連結固定した後、更に上記他方側のピ
ン２４．２５を抜き取って先端ブーム２から切離した状
態で基端ブーム１に沿ってその側方に格納することがで
きるようになっている。

続いて図示実施例の補助ジブつき伸縮ブーム式クレーン
における補助滑車装置の使用法並びにその作用を説明す
ると、この補助滑車装置１３は補助滑車不使用時（即ち
、補助滑車１０に補助フック用ワイヤロープ６４を通し
て補助フックによるクレーン作業を行う場合以外）には
第２図に示すように補助ジブ６とともにブームヘッド３
の前方に装着したり、第１図に示すように基端ブーム１
の側方に格納したりされる。

一方、補助滑車１０にワイヤロープ６４を通して補助フ
ックによるクレーン作業を行う場合には、まず第１図に
示した補助ジブ格納状態においてジブ本体４とジブ基台
５とを連結している上、下４本のピン５３．５３及び４
５．４５を抜き取りジブ本体４とジブ基台５とを切り離
す。

両者の切り離しが終わるとジブ本体４の基端側のブラケ
ット４３４３及び５１．５１とジブ基台５の枢支部４１
．４１及び中継部材４９．４９とがジブ基台５旋回方向
に係合しない位置まで先端ブーム２及びジブ基台５を前
方に突出せしめ、更に第４図に示す如くジブ基台５のみ
を一方側のピン２４゜２５を中心として旋回させ、該ピ
ン２４．２５及び他方側のピン２６．２７によって該ジ
ブ基台５をブームヘッド３の前面に装着する。

このようにしてジブ基台５とともにブームヘッド３の前
方に装着された補助滑車１０にワイヤロープ６４を通し
該ワイヤロープ６４の先端に取付けられた補助フック６
３によってクレーン作業を行う。

従って、この場合、ジブ本体４が基端ブーム１の側方に
格納状態のまま保持されるため、該ジブ本体４の自重に
よってクレーンに負荷される転倒モーメントが、該ジブ
本体４をジブ基台５と一体的に先端ブーム２の前面側に
張り出させた状態で補助滑車１０にワイヤロープ４をか
けてクレーン作業を行う場合に比して小さく、それだけ
クレーンの安定性が良好となり、クレーン性能が向上す
ることになる。

さらに、この場合、補助滑車１０がジブ基台５の下側に
突出状態で装着されているため、伸縮ブームの起仰角が
大きくなっても該補助滑車１０から垂下されるワイヤロ
ープ６４とブームヘッド３との水平方向における相対間
隔を十分に確保することができる。

このため、吊り荷の揺動あるいは横引き作業等によって
ワイヤロープ６４が水平方向に振れるような場合であっ
ても、該ワイヤロープ６４がブームヘッド３と接触して
損傷するということがなくなり、それだけ作業上の安全
性が向上することになる。

作業終了時には前記手順と逆手順で補助滑車装置１３を
補助ジブ６とともに基端ブーム１の側方に格納する。

尚、図示実施例の補助滑車装置１３は、補助ジブ６をブ
ームヘッド３の前面に装着した状態においても使用する
ことができるので、作業揚程の変化に応じて補助フック
６３を補助滑車１０あるいは補助ジブ後端のジブ滑車に
掛は替えし、作業状況に応じたクレーン作業を行うこと
ができる。

次に本考案の効果を説明すると、本考案の補助ジブつき
伸縮ブーム式クレーンにおける補助滑車装置によれば、
補助滑車をジブ基台に取付けることにより、ブームヘッ
ド前面に着脱自在に装着される補助ジブとともに補助滑
車装置を必要に応じてブームヘッドの前方に装着したり
、基端ブームの側方に格納したりすることができるため
、補助ジブ格納状態で行うクレーン作業時においては転
倒モーメントの減少によりクレーン自体の安定性が向上
し、更にブームヘッドの前面に補助滑車装置が突出しな
いため、前方に壁等の障害物があっても補助滑車装置が
邪魔になることがなく、それだけ伸縮ブームの有効伸出
し長さを長くすることができクレーン自体の作業性能が
向上するという実用的効果を奏するものである。

さらに、補助滑車がジブ基台の下側に突出状態で配置さ
れているため、該補助滑車を使用してしかも大匙仰角で
クレーン作業を行う場合においても先端ブームとワイヤ
ロープとの相対間隔を大きくとることが可能であり、該
ワイヤロープの先端ブームとの接触による損傷を未然に
防止してその安全性の向上を図り得るという効果もある
。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例に係る補助滑車装置を取付けた補
助ジブつき伸縮ブーム式クレーンにおいて補助ジブを格
納した状態を示す伸縮ブーム先端部側面図、第２図は第
１図の補助シブつき伸縮ブ−ム式クレーンにおいて補助
ジブを伸縮ブーム先端部に装着した状態を示す伸縮ブー
ム先端部側面図、第３図は第１図の■−■矢視図、第４
図は第１図の補助ジブつき伸縮ブーム式クレーンにおい
て補助滑車装置を装着した状態を示す伸縮ブーム先端部
側面図、第５図は第１図の補助ジブつき伸縮ブーム式ク
レーンの要部分解斜視図である。 １・・・・・・基端ブーム、２・・・・・・先端ブーム
、３・・・・・・先端ブーム頭部、４・・・・・・ジブ
本体、５・・・・・・ジブ基台、６・・・・・・補助ジ
ブ、１０・・・・・・補助滑車、１２・・・・・・補助
滑車支承部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 先端ブーム２の頭部３に装着又は基端ブーム１に沿って
   格納される補助ジブ６を、前記先端ブーム頭部３への取
   付台となるジブ基台５と該ジブ基台５に対して上下方向
   に傾動調整自在に接続されるジブ本体４とに分ける一方
   、前記ジブ基台５の下側に適宜の支承部材１２によって
   補助フック吊下げ用の補助滑車１０を突出して装着した
   ことを特徴とする補助ジブつき伸縮ブーム式クレーンに
   おける補助滑車装置。