JPS6241029Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はトラツククレーンあるいはクローラク
レーンにおけるカウンタウエイトに関するもので
ある。

従来のカウンタウエイトはクレーンに設けたそ
の脱着専用のシリンダあるいは巻取ドラム等を有
する脱着装置により脱着せざるを得なかつた。ま
たカウンタウエイトをピン等で吊下げ固定する構
造上、あまり嵩ばると吊下げられず、カウンタウ
エイトは全高が低く構造の複雑なものとせざるを
得ず、材質も比重が大きく、しかも比較的任意の
形状に加工可能な鋳物（比重7.2）とする必要が
あつた。

ところで近時、原価低減の目的で高価な鋳物製
カウンタウエイトに比して容積が大きく全高が高
くなるきらいは免れないが製作コストが大巾に安
くて済む内部充填溶接構造のカウンタウエイトを
採用することが検討されているが、かかるカウン
タウエイトは容積が大きく嵩ばるため、脱着固定
を従来のクレーンの標準設備だけで確実かつ容易
に行なえず、安定状態で固定できると共に簡易に
脱着可能なものは未だ開発されていない。

本考案は前記従来の問題点を解決するために創
案されたもので、その特徴は上部旋回体の後部に
突設されたフツクにピンを介してカウンタウエイ
トを支持すると共に、該カウンタウエイトと上部
旋回体とをネジ式長さ調整機構を有するカウンタ
ウエイト倒れ防止用の調整リンクにより連結し、
容易に固定、脱着を可能にしたものである。

以下本考案を図示する実施例により説明する。

カウンタウエイト１は左右の立壁２を分厚い連
結壁３により連設した状の形をなしており、該
連結壁３の端部には後面及び上下面に開口する溝
部４が左右に各１つ設けられている。カウンタウ
エイト１の連結壁３の溝部４内にはピン５が横架
され、該連結壁３の中間部上面と端部上面と端部
後面にはそれぞれ左右に各１個のブラケツト６と
ブラケツト７とブラケツト８が突設されている。

他方、クレーン９の上部旋回体１０の後部には
左右に各１本のフツク１１がカウンタウエイト１
に設けた溝部４に挿入可能かつピン５と係合可能
に突設され、該フツク１１の外側部にはピン孔１
２がカウンタウエイト１に設けたブラケツト８の
孔部と合致可能に設けられると共に、上部には左
右に各１本のブラケツト１３が突設されている。

前記カウンタウエイト１はこの上部旋回体１０
に設けたフツク１１にピン５を介して支持される
と共に、該ピン５の上方にて、次に述べる調整リ
ンク１４により上部旋回体１０の後部（フツク１
１、ブラケツト１３）と連結されており、さらに
該カウンタウエイト１はブラケツト８とピン孔１
２を介してピン１５により上部旋回体１０と連結
され上部旋回体１０に取付けた時のガタ付きが防
止されている。

前記調整リンク１４は両端部に互いに逆ねじの
ネジ部１６ａ，１６ｂを有し、かつ中央部にナツ
ト状の回転操作部１７を有するネジ棒１８の該端
部にそれぞれ筒状体１９ａ，１９ｂを螺合し、該
筒状体１９ａ，１９ｂの先端にはヨークエンド２
０を固着したものであり、該ヨークエンド２０を
それぞれカウンタウエイト１に設けたブラケツト
７と上部旋回体１０の後部に設けたブラケツト１
３とにピン止着することによりカウンタウエイト
１と上部旋回体１０間を連結している。

以上の構成において、クレーン９の道路上走行
等のためカウンタウエイト１を上部旋回体１０か
らキヤリヤ２１上に移載する場合、次の〜の
手順で行なう。

上部旋回体１０をキヤリヤ２１の後方に向け
た後、ブームホイストドラム２２の巻上げ作動
によりブーム２３の先端を接地させる。カウン
タウエイト１のガタ付き防止用ピン１５を抜
く。

Ａフレーム２４のバツクステイ２５からスト
ラツトピン２６を抜き該バツクステイ２５を短
縮可能とした後、ブームホイストドラム２２の
巻下げ作動によりアツパヘツドシヤフト２７を
下降させてこれに装着してある支持ロープ２８
をカウンタウエイト１に設けたブラケツト６と
連結する（第２図、第３図参照）。

ブームホイストドラム２２の巻上げ作動によ
りフツク２９をキヤリヤ２１の牽引フツク３０
にワイヤロープ３１で固定する（第１図参
照）。

主巻ドラム３２をブレーキして、さらにブー
ムホイストドラム２２の巻上げ作動をする。こ
れによつてアツパヘツドシヤフト２７がアツパ
ストラツト３３を介してシヤフト３４を中心と
して図示時計回り方向に回動し上昇するため、
カウンタウエイト１は該アツパヘツドシヤフト
２７に装着してある支持ロープ２８により引上
げられる（第５図参照）。

調整リンク１４のピン間長さｌをネジ棒１８
をスパナで回転することによつてl′まで伸長す
る。

ブームホイストドラム２２の巻下げ作動を行
なつて、アツパヘツドシヤフト２７をシヤフト
３４を中心として図示反時計回り方向に回動し
下降させる。この時、カウンタウエイト１が下
降する軌跡は調整リンク１４の長さがｌから
l′に長くなつているため、調整リンク１４の上
部旋回体１０側ピン着部を中心とした回動によ
る該カウンタウエイト１を後方に押出すことに
なる。従つて、カウンタウエイト１は該アツパ
ヘツドシヤフト２７に装着してある支持ロープ
２８に吊下げられてフツク１１と干渉すること
なくキヤリヤ２１上に下降して載置される（第
６図参照）。

その後支持ロープ２８をカウンタウエイト１か
ら外し、かつバツクステイ２５をストラツトピン
２６の挿着で低くしておくことは従来と同じであ
る。

逆に、キヤリヤ２１上のカウンタウエイト１を
上部旋回体１０の後部に装着する場合、前記と逆
の手順で行なう。

すなわちカウンタウエイト１に支持ロープ２８
を連結し、かつバツクステイ２５からストラツト
ピン２６を外した後ブームホイストドラム２２の
巻上げ作動によりカウンタウエイト１を上昇させ
る。次いで調整リンク１４をカウンタウエイト１
のピン５とフツク１１とが係合可能な長さに縮め
その直上位置に移動した後ブームホイストドラム
２２の巻下げ作動によりカウンタウエイト１をフ
ツク１１に降してその取付けを完了する。このカ
ウンタウエイト１がガタ付かないようブラケツト
８をフツク１１にピン連結する。支持ロープ２８
はカウンタウエイト１から外す。バツクステイ２
５はブームホイストドラム２２の巻上げ作動によ
り元の状態まで伸長した後ストラツトピン２６を
挿入する。

なお、アツパヘツドシヤフト２７の昇降はバツ
クステイ２５をシリンダ等で伸縮可能としブーム
ホイストドラム２２の巻上、巻下に置換しても良
いことは言うまでもない。

以上の通り本考案は上部旋回体後部に設けたフ
ツクでピンを介してカウンタウエイトを引掛け支
持すると共に、該カウンタウエイトと上部旋回体
とを連結したため、その取付け状態は輸送限界に
達するほど高くなつても安定したものとできる。
また、クレーンに備えたカウンタウエイト吊上げ
用の支持ロープとアツパヘツドシヤフト上下機構
（ブームホイストドラムあるいは油圧シリンダ）、
及び調整リンクに備えたネジ式長さ調整機構によ
りカウンタウエイトを昇降に関連して前後動が自
在にできる構成であるため、カウンタウエイトの
脱着作業が確実かつ容易にできる。

よつて本考案によれば、内部充填溶接構造の比
重が小さく容積の大きなカウンタウエイトを採用
することが可能となり、特別なカウンタウエイト
脱着装置を設けずに済むことと相俟つて製作コス
トを大巾に低減することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例をカウンタウエイト固
定状態にて示した全体概要図、第２図、第５図、
第６図は第１図の要部をカウンタウエイト脱作業
中の各状態に変えて示した拡大図、第３図は第２
図の左側面図、第４図は第３図の斜視図である。 １……カウンタウエイト、４……溝部、５，１
５……ピン、６，７，８，１３……ブラケツト、
９……クレーン（上部旋回体１０、キヤリヤ２
１、ブームホイストドラム２２、ブーム２３、Ａ
フレーム２４、バツクステイ２５、ストラツトピ
ン２６、アツパヘツドシヤフト２７、支持ロープ
２８、フツク２９、牽引フツク３０、ワイヤロー
プ３１、主巻ドラム３２、アツパストラツト３
３、シヤフト３４）、１１……フツク、１２……
ピン孔、１４……調整リンク（ネジ部１６ａ，１
６ｂ、回転操作部１７、ネジ棒１８、筒状体１９
ａ，１９ｂ、ヨークエンド２０）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上部旋回体の後部に、ブーム起伏用ワイヤの巻
   取り、巻戻しにより起伏可能なＡフレームと、着
   脱可能なカウンタウエイトとを設け、該カウンタ
   ウエイトを前記Ａフレームの起伏により支持ロー
   プを介して吊上げ、又は吊下げうるように構成し
   たクレーンにおいて、上部旋回体の後部に突設さ
   れたフツクにピンを介して前記カウンタウエイト
   を支持すると共に、該カウンタウエイトと上部旋
   回体とをネジ式長さ調整機構を有するカウンタウ
   エイト倒れ防止用の調整リンクにより連結したこ
   とを特徴とするクレーンにおけるカウンタウエイ
   ト。