JPH0455027Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、移動式クレーンの伸縮ブームの先
端部に継ぎ足されるラフイングジブ装置に関する
ものである。

（従来の技術） 伸縮ブームを有する移動式クレーンにあつて
は、伸縮ブームの先端部に、トラス構造のジブセ
クシヨンを継ぎ足してなる起伏自在なラフイング
ジブ装置を取り付け、高揚程並びに広作業範囲の
クレーン作業に対処するようにしている。

この種ラフイングジブ装置の従来例を第４図に
基づいて説明する。

第４図において、１は車輌２上へ旋回駆動自在
に搭載した旋回台、３は旋回台１に起伏駆動自在
に取り付けた伸縮ブームである。Ａは、ラフイン
グジブ装置である。ラフイングジブ装置Ａは、 伸縮ブーム３の先端部４へ、その基端部を連結
手段５を介して着脱自在に連結することにより伸
縮ブーム３の先端部４の前方へ突出状態に取り付
けられるジブ取付ブラケツト６、 基ジブセクシヨン７、中間ジブセクシヨン８、
および先端ジブセクシヨン９とからなり、基ジブ
セクシヨン７の基端部を前記ジブ取付ブラケツト
６の先端部に起伏自在に枢着連結されたジブ本体
１０、 前記基ジブセクシヨン７の基端部背面位置にそ
の基端部を起伏自在に枢着連結したマスト１１、 ジブ本体１０における先端ジブセクシヨン９の
先端部とマスト１１の先端部間を連結するための
テンシヨンワイヤー１２、および、 マスト１１の先端部に定長ワイヤーロープ１３
を介して取り付けられた上部シーブブロツク１
４、伸縮ブーム３の適所に取り付けられた下部シ
ーブブロツク１５、およびこれら上部シーブブロ
ツク１４と下部シーブブロツク１５間に懸回され
旋回台１に設けられたウインチ１６により巻取り
繰り出し操作されるジブ起伏用ワイヤーロープ１
７とからなる起伏装置１８、 を備えている。

前記マスト１１は、第４図のものでは、互にそ
の基端部を枢着連結すると共にその先端部間を折
畳み自在なステー１１ｃを介して連結した前部マ
スト１１ａおよび後部マスト１１ｂで構成されて
いる。１９は、ジブ本体１０の先端にワイヤーロ
ープ２０を介して吊下したフツクブロツクであ
る。ワイヤーロープ２０は、フツクブロツク１９
からジブ本体１０の先端滑車２１、マスト１１の
滑車２２，２３（前部マスト１１ａに配設した滑
車２２および後部マスト１１ｂに配設した滑車２
３）を経て旋回台１上に配したウインチ２４に巻
取られている。ラフイングジブ装置は、ジブ起伏
装置１８を操作（ウインチ１６によりジブ起伏用
ワイヤーロープ１７を巻取り繰り出し操作）する
ことで、伸縮ブーム３の先端部上で起伏駆動する
と共に、フツクブロツク１９を巻上げ巻下げ駆動
してラフイングジブ装置によるクレーン作業をす
るものである。

ところで、上述の如く構成したラフイングジブ
装置は、第４図に示す使用状態からこれを伸縮ブ
ーム３先端部４から取り外す場合、伸縮ブーム３
を縮小すると共に倒伏し、ジブ本体１０を地上又
は地上に配置した適当な基台（図示せず）上に略
水平状態で載置した上で、先端ジブセクシヨン
９、中間ジブセクシヨン８，８、基ジブセクシヨ
ン７を別途用意したクレーン等を用いて夫々分離
した後、ジブ取付ブラケツト６を伸縮ブーム３の
先端部４から外すようにしている。この場合、マ
スト１１はこれを基ジブセクシヨン７の背面上へ
倒伏して基ジブセクシヨン７と一体的に取り外す
ようにし、また上部シーブブロツク１４はマスト
１１の先端部から取り外すようにしている。勿
論、テンシヨンワイヤー１２、ジブ起伏用ワイヤ
ーロープ１７、定長ワイヤーロープ１３、ワイヤ
ーロープ２０は、適宜取り外されるものである。
したがつて、伸縮ブーム３先端部４から取り外さ
れたラフイングジブ装置は、各種ワイヤーロープ
およびフツクブロツク１９を別とすれば、先端ジ
ブセクシヨン９、中間ジブセクシヨン８，８、基
ジブセクシヨン７（マスト１１を含む）、ジブ取
付ブラケツト６、および上部シーブブロツク１４
に分解される。

（従来技術の問題点） ラフイングジブ装置の伸縮ブーム３先端部４か
らの取り外し時において、ジブ本体１０の各セク
シヨンである先端ジブセクシヨン９、中間ジブセ
クシヨン８，８、および基ジブセクシヨン７に分
解することは、これら各セクシヨンの搬送時の寸
法的な制約から必要なことであるが、基ジブセク
シヨン７とジブ取付ブラケツト６は、これを分割
せずとも搬送可能な寸法であるため、出来ること
ならこれらを分割することなく一体的に伸縮ブー
ム３先端部４から取り外したいところである。ま
た上部シーブブロツク１４についても、マスト１
１の先端部との定長ワイヤーロープ１３を介して
の連結を外すことなく、基ジブセクシヨン７、マ
スト１１、およびジブ取付ブラケツト６と共に一
体的に取り外したいところである。

ところが、上記の如き構成のラフイングジブ装
置において、基ジブセクシヨン７、マスト１１、
ジブ取付ブラケツト６、および上部シーブブロツ
ク１４を一体的に取り外そうとしても、マスト１
１およびジブ取付ブラケツト６が基ジブセクシヨ
ン７に対して揺動すると共に上部シーブブロツク
１４がマスト１１先端に対して定長ワイヤーロー
プ１３を介して連結されているのみであるから、
その取り外し作業が極めて困難であり且つ危険を
伴うという問題があつた。

本考案のラフイングジブ装置は、基ジブセクシ
ヨン７、マスト１１、ジブ取付ブラケツト６およ
び上部シーブブロツク１４の伸縮ブーム３先端部
４からの一体的な取り外しを、容易且つ安全に行
いうる新規なラフイングジブ装置を提供しようと
するものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案のラフイングジブ装置は、上記目的を達
成するため、上述せる従来のラフイングジブ装置
に対し、下記の構成を異にしている。

(1) 従来技術において、基ジブセクシヨン７の基
端部背面に起伏自在に枢着連結しているマスト
１１を、本考案にあつては、ジブ取付ブラケツ
ト６の基端部背面に起伏自在に枢着連結すると
共に、マスト１１と基ジブセクシヨン７間に、
マスト１１を基ジブセクシヨン７の背面上へ倒
伏させた状態で両者を連結する連結装置を配設
したこと。

(2) ジブ取付ブラケツト６の基端部背面位置又は
マスト１１の基端部に、上部シーブブロツク１
４を止着するための取付ブラケツトを設け、上
部シーブブロツク１４をマスト１１の先端部に
取り付けた定長ワイヤーロープ１３の長さを、
マスト１１を基ジブセクシヨン７の背面上へ倒
伏させたとき上部シーブブロツクが前記取付ブ
ラケツト上に位置するように設定した。

（作用） 上記の(1)の如く構成することにより、マスト１
１を基ジブセクシヨン７の背面上に倒伏しマスト
１１と基ジブセクシヨン７を連結装置で連結し、
これにより基ジブセクシヨン７、ジブ取付ブラケ
ツト６およびマスト１１の各部材で以つて三角形
状のリンク構成を形成できるので、基ジブセクシ
ヨン７に対しジブ取付ブラケツト６およびマスト
１１の揺動が阻止されるのである。

また上記(2)の如く構成することにより、マスト
１１を基ジブセクシヨン７の背面上へ倒伏させる
と、自動的に上部シーブブロツク１４が、ジブ取
付ブラケツト６の基端部背面位置又はマスト１１
の基端部に設けた取付ブラケツト上にもたらせら
れるので上部シーブブロツク１４のジブ取付ブラ
ケツト６又はマスト１１への止着を極めて容易に
なしうるのである。

したがつて、ラフイングジブ装置の伸縮ブーム
３先端部４からの取り外し時に基ジブセクシヨン
７、ジブ取付ブラケツト６、マスト１１および上
部シーブブロツク１４を一体的且つ互に揺動不能
に固定できるので、これらを一括して伸縮ブーム
３先端部４から容易且つ安全に取り外すことがで
きるのである。

（実施例） 以下本考案のラフイングジブ装置の実施例を、
第１図〜第３図に基づいて説明する。本考案のラ
フイングジブ装置は、第４図に示し上述した従来
のラフイングジブ装置に比し、上記（問題点を解
決するための手段）の項で示したとおりの差異を
有しているものであるから、従来技術の説明で用
いた１〜２４の符号は、マスト１１の取付位置の
構造を除いて、全て同義のものとして以下の説明
においてもこれを援用する。

第１図〜第２図において、マスト１１はその基
端を、ジブ取付ブラケツト６の基端部寄り背面位
置に起伏自在に枢着連結されている。本実施例で
は、マスト１１は、その基端部をジブ取付ブラケ
ツト６の基端部寄り背面位置に起伏自在に枢着連
結された後部マスト１１ｂと、この後部マスト１
１ｂの基端部に起伏自在に枢着連結した前部マス
ト１１ａ、および後部マスト１１ｂと前部マスト
１１ａの各先端間に介装された中折式のステー１
１ｃとから構成されている。マスト１１における
後部マスト１１ｂの先端と基ジブセクシヨン７の
適所間には、マスト１１を基ジブセクシヨン７の
背面上へ倒伏させた状態で両者を連結する連結装
置２５が設けられている（第２図参照）。この連
結装置２５は、この例ではマスト１１側および基
ジブセクシヨン７側に夫々設けたブラケツト２
６，２７とこれらブラケツト間を連結するターン
バツクル２８で構成している。２９は、上部シー
ブブロツク１４を止着するためにジブ取付ブラケ
ツト６における基端部背面位置に配設した取付ブ
ラケツトである。上部シーブブロツク１４をマス
ト１１（後部マスト１１ｂ）の先端へ連結する定
長ワイヤーロープ１３は、マスト１１を基ジブセ
クシヨン７の背面上へ倒伏した際、上部シーブブ
ロツク１４が前記取付ブラケツト２９上に位置す
るようその長さが設定されている（第２図参照）。
尚、図において、３０は、ジブ取付ブラケツト６
の基端部背面上に突設して設けたブラケツト３１
の上端に配設した滑車であつて、この滑車３０
は、マスト１１が前方に倒れたとき定長ワイヤー
ロープ１３の中間位置を支持するためのものであ
る。

次にラフイングジブ装置を、伸縮ブーム３の先
端部から取り外す場合について説明する。

第１図図示の状態から伸縮ブーム３を縮小する
と共に倒伏し、ジブ本体１０を地上又は地上に配
置した適当な基台（図示せず）上に略水平状態で
載置した上で、先端ジブセクシヨン９、中間ジブ
セクシヨン８，８を別途用意したクレーン等を用
いて取り外す。この際テンシヨンワイヤー１２お
よびワイヤーロープ２０はこれを適宜取り外す。
次いでマスト１１を、基ジブセクシヨン７の背面
上へ倒伏させ、マスト１１の先端部と基ジブセク
シヨン７の適所を連結装置２５にて連結する（第
２図参照）。この状態では、上部シーブブロツク
１４は、取付ブラケツト２９上に位置しているの
で、更にジブ起伏用ワイヤーロープ１７を緩める
ことで上部シーブブロツク１４は取付ブラケツト
２９上に載置される。この状態で、取付ブラケツ
ト２９と上部シーブブロツク１４を適宜の手段で
連結する。次いでジブ起伏用ワイヤーロープ１７
を上部シーブブロツク１４から外す。このように
して、基ジブセクシヨン７、ジブ取付ブラケツト
６、マスト１１および上部シーブブロツク１４
は、互に揺動不能に一体的に連結されるのであ
る。次いで、伸縮ブームを適宜操作して、基ジブ
セクシヨン７下面を運搬車上に載置した後、ジブ
取付ブラケツト６と伸縮ブーム３先端部４を連結
している連結装置５を外すのである。この際連結
装置２５におけるターンバツクル２８を調整する
ことで連結装置５の取り外しを容易に行うことが
できる。

このようにして、基ジブセクシヨン７、ジブ取
付ブラケツト６、マスト１１、および上部シーブ
ブロツク１４を、一体的に取り外すことができる
のである。ラフイングジブ装置の伸縮ブーム先端
への取付は上記操作の逆を行えば良い。

以上で、本考案の実施例の説明を終えるが、こ
こで、ラフイングジブ装置を伸縮ブーム先端部４
に取り付けた第１図の状態から、ジブ本体１０に
おける先端ジブセクシヨン９および中間ジブセク
シヨン８，８の新規な取り外し方法について説明
しておく。上記実施例では、これら先端ジブセク
シヨン９および中間ジブセクシヨン８，８を取り
外すに際し、伸縮ブーム３を倒伏しジブ本体を地
上に略水平に置いた状態にした後取り外すように
したが、このようにするとラフイングジブ装置の
取り外しに際し大きな地上スペースを必要とす
る。このため新規な取り外し方法では、第１図に
一点鎖線で示す如く、基ジブセクシヨン７の先端
とマスト１１の先端を連結するワイヤーロープ３
２を設けると共に、以下の手順で以つて先端ジブ
セクシヨン９および中間ジブセクシヨン８，８を
取り外すのである。

(1) 第１図の状態からジブ起伏用ワイヤーロープ
１７を緩め、ジブ本体１０をジブ取付ブラケツ
ト６に対し懸吊状態とする（第３図）。

(2) テンシヨンワイヤー１２の先端ジブセクシヨ
ン９先端部への止着を取り外すと共に、フツク
ブロツク１９用ワイヤーロープ２０を先端ジブ
セクシヨン９先端部から外す。

(3) 伸縮ブーム３を縮小あるいは倒伏し、先端ジ
ブセクシヨン９の先端を地上に押圧する。

(4) 先端ジブセクシヨン９と中間ジブセクシヨン
８を連結しているピンのうち、ジブ本体１０腹
部側のピンを抜き取る。同時にフツク１９吊上
用のワイヤーロープ２０の先端を先端ジブセク
シヨン９先端部へ連結する。

(5) ワイヤーロープ２０を巻上げ、先端ジブセク
シヨン９を略水平状態に吊り上げる（第３図一
点鎖線図示）。

(6) 伸縮ブーム３および旋回台１を適宜操作し、
先端ジブセクシヨン９を運搬車等の上へ降下さ
せ、先端ジブセクシヨン９と中間ジブセクシヨ
ン８を連結しているピンのうち、ジブ本体背面
側のピンを抜く。

(7) 最後に、ワイヤーロープ２０と先端ジブセク
シヨン９の連結を解く。

このようにして、中間ジブセクシヨン８に対し
先端ジブセクシヨン９を取り外すのである。中間
ジブセクシヨン８，８の取り外し方法は、上記先
端ジブセクシヨン９の取り外し方法に準じて行わ
れる。

中間ジブセクシヨン８，８および先端ジブセク
シヨン９の取り付け方法は、上記操作の逆を行え
ば良い。尚、マスト１１先端部と基ジブセクシヨ
ン７先端部を連結するワイヤーロープ３２は、テ
ンシヨンワイヤー１２を外した際、マスト１１が
伸縮ブームの背面側へ転倒しないようにするため
の控である。

（効果） 以上の如く構成し作用する本考案のラフイング
ジブ装置は、基ジブセクシヨン７、ジブ取付ブラ
ケツト６、マスト１１、および上部シーブブロツ
ク１４を、伸縮ブーム３先端部４から、一体的で
しかもこれら各要素が互に揺動不能な状態で脱着
できるので、その脱着操作を簡単且つ安全に行い
うるという効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案のラフイングジブ装置の使用
状態図、第２図は同ラフイングジブ装置取り外し
時の要部説明図、第３図は、ラフイングジブ装置
のジブ本体部分の分解方法の説明図、第４図は従
来のラフイングジブ装置の説明図である。 ３……伸縮ブーム、６……ジブ取付ブラケツ
ト、７……基ジブセクシヨン、１０……ジブ本
体、１１……マスト、１３……定長ワイヤーロー
プ、１４……上部シーブブロツク、２５……連結
装置、２９……取付ブラケツト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 旋回台に起伏駆動自在に取り付けた伸縮ブーム
   の先端部へ、その基端部を適宜の連結手段を介し
   て着脱自在に連結することにより伸縮ブームの先
   端部の前方へ突出状態に取り付けられるジブ取付
   ブラケツト、 基ジブセクシヨン、中間ジブセクシヨンおよび
   先端ジブセクシヨンとからなり、基ジブセクシヨ
   ンの基端部を前記ジブ取付ブラケツトの先端部に
   起伏自在に枢着連結されたジブ本体、 前記ジブ取付ブラケツトの基端寄り背面位置に
   その基端部を起伏自在に枢着連結したマスト、 前記ジブ本体における先端ジブセクシヨンの先
   端部と前記マストの先端部間を連結するテンシヨ
   ンワイヤー、および、 前記マストの先端部に定長ワイヤーロープを介
   して取り付けられた上部シーブブロツク、前記伸
   縮ブーム又は旋回台の適所に取り付けられた下部
   シーブブロツク、および、これら上部シーブブロ
   ツクと下部シーブブロツク間に懸回され旋回台上
   に設けられたウインチにより巻取り繰り出し操作
   されるジブ起伏用ワイヤーロープとからなるジブ
   起伏装置、 を備えてなるラフイングジブ装置において、前記
   マストと基ジブセクシヨン間に、マストを基ジブ
   セクシヨンの背面上へ倒伏させた状態で両者を連
   結する連結装置を設けると共に、前記ジブ取付ブ
   ラケツトの基端部背面位置又はマストの基端部
   に、前記ジブ起伏装置における上部シーブブロツ
   クを止着するための取付ブラケツトを設け、更
   に、上部シーブブロツクをマストの先端部に取り
   付けた前記定長ワイヤーロープは、前記マストを
   前記基ジブセクシヨンの背面上へ倒伏させたとき
   前記上部シーブブロツクが前記取付ブラケツト上
   に位置するようその長さを設定してあることを特
   徴とするラフイングジブ装置。