JPS6228820Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、刈取部の対地高さ検出センサーと、
この検出結果に基いて、刈取部を一定の対地高さ
に昇降制御する自動制御装置と、人為的な操作に
基いて刈取部を昇降制御する人為制御装置と、人
為制御装置による制御を前記自動制御装置による
制御に優先させる優先機構とを備えた刈高さ制御
装置付き刈取収穫機に関する。

上記の刈高さ制御装置付き刈取収穫機によれ
ば、通常の刈取作業時には、何ら特別な操作を要
することなしに予め設定された適正な刈高さを維
持でき、しかも、自動制御装置に優先して刈取部
の高さ位置を人為操作できるが故に、諸々の条件
に応じて、自動制御を停止して一時的に刈高さを
調節したい場合に便利に使用できる。

本考案が解決しようとする問題点は、人為操作
による刈高さの昇降制御が終了すると、直ちに自
動による刈高さ制御を再開させていた従来技術の
欠点に関することである。すなわち、例えば大き
な土塊などの突起物の存在を操縦者が知つたとき
には、人為的な操作による刈取部を前もつて上昇
させておくのであるが、機体の進行に伴つて前記
突起物は刈取部の下部に隠れてしまいその位置が
不明になる。そこで従来では、隠れてしまつた突
起物の位置を操縦者が予測し、刈取部の下部を通
過し終えたと思える事点に人為制御を解除して自
動による刈高さ制御を再開させていたのである。
そのために従来では、突起物が刈取部の下部を通
過し終えるまでその存在に注意し続ける必要があ
つて煩わしく、また前記の予測を誤ると、対地高
さ検出センサーと突起物との相対的な位置関係い
かんによつては、刈取部が突起物に衝突すること
もあつた。本考案は、以上のような衝突を生じる
ことなく、しかも簡単な操作で突起物を回避でき
る刈高さ制御装置付き刈取収穫機を提供しようと
するものである。

問題解決のために案出した本考案の構造上の特
徴は、前記従来の刈高さ制御装置付き刈取収穫機
において、前記人為制御終了後の自動制御の再開
を設定時間遅らせる遅れ機構を設けた点にある。

上記特徴構成を備えた本願考案によれば次の作
用効果が得られる、すなわち、前記遅れ機構の作
用により刈高さ自動制御の再開を設定時間だけ遅
らせたので、前述の予測を多少誤つても、刈取部
と突起物との衝突と言う最悪の事態を回避でき
た。またこれによつて、突起物が刈取部の下部を
通過し終えることに対して注意を払い続ける必要
がなくなり、粗雑な判断でも充分に突起物を回避
できるようになつた。

以下本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図は、左右一対のクローラ走行装置１ａ，
１ｂ及び脱穀装置２等からなる本機の前部に、刈
取部が連結装備されたコンバインを示しており、
進行い伴い刈取処理した穀稈を、脱穀装置２にお
いて順次扱処理すべく構成されている。

前記刈取部は、第２図に示す如く、横方向一定
間隔おきに並置したデバイダ３…の間に４つの植
立穀稈導入径路Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄを形成し、各径路
Ａ…に導入されてくる穀稈を引起こし装置４…に
て立姿勢に引起こし、引起こされた穀稈の株元を
刈取装置５にて切断し、補助搬送装置６にて合流
された刈取穀稈を後方搬送装置７にて後部脱穀装
置２のフイードチエーン３へ搬送すべく構成され
ている。

又、刈取部が、前記本機に対して上下揺動自在
に枢支された支持フレーム９に支持されるととも
に、この支持フレーム９が油圧シリンダ１０にて
強制昇降されるようになつており、刈取部の上下
揺動により刈高さの調節が行われるべく構成され
ている。

又、前記後方搬送装置７が、その終端側を支点
にして油圧シリンダ１１にて強制上下揺動される
ようになつており、この上下揺動により刈取穀稈
に対する支持位置を桿長方向に変更して、結果的
に脱穀装置２内への穀桿挿入両を変更する扱深さ
調節が行われるべく構成されている。

次に、自動操向制御装置について説明する。

すなわち、前記径路Ａ…の内の左端の径路Ａの
両側脇に、導入穀桿によつて後方に押圧揺動され
る左右センサー１２ａ，１２ｂが弾性復帰可能に
設けられるとともに、両センサー１２ａ，１２ｂ
夫々にて押圧操作される電気スイツチSa，Sbが
設けられている。第３図に示す如く、走行用ミツ
シヨンケース１３内に装備された左右一対の操向
クラツチ１４ａ，１４ｂを操向する一対の油圧シ
リンダ１５ａ，１５ｂが設けられるとともに、前
記両電気スイツチSa，Sbが、第４図のブロツク
線図に示す如く、前記シリンダ１５ａ，１５ｂの
電磁式制御弁１６の一対のソレノイド１６ａ，１
６ｂと接続されている。

そして、左側のセンサー１２ａが押圧されると
機体を左方に旋回させ、右側のセンサー１２ｂが
押圧されると、右方に旋回させるようにして、両
センサー１２ａ，１２ｂの間を穀稈を通すように
自動操向すべく構成されている。

以上の構成を備えた刈取収穫機において圃場に
存在する土塊などの突起物を簡単な操作で回避さ
せるために、この実施例は図面の第４図に示す次
の構成を備えている。すなわち、刈取部昇降用の
前記油圧シリンダ１０の作動を制御するソレノイ
ドバルブに付設された、上げ操作用及び下げ操作
用のソレノイド１６ａ，１６ｂに、刈取フレーム
の下部に設けた接地センサー２０からの高さ検出
信号と、人為制御のために設けた電気スイツチ１
７ａ，１７ｂからの信号を入力してあり、特に前
記接地センサー２０からの信号は、述述するスイ
ツチ機構１８を介して入力してある。スイツチ機
構１８は、前記電気スイツチ１７ａ，１７ｂを用
いた人為的な昇降制御を、前記対地高さ検出セン
サー２０の検出結果に基づく自動制御に優先させ
る優先機構である。前記電気スイツチ１７ａ，１
７ｂは、押圧操作されている間だけ、対応するソ
レノイド１６ａ，１６ｂを通電作動させるととも
に、前記スイツチ機構１８にも通電して、前記刈
高さ検出センサー２０からの上昇操作信号や下降
操作信号の各ソレノイド１６ａ，１６ｂへの伝達
を遮断する。電気スイツチ１７ａ，１７ｂからス
イツチ機構１８へのこの操作回路中には、電気ス
イツチ１７ａ，１７ｂによる人為的な刈取部昇降
操作の終了後も、自動制御の再開を設定時間遅ら
せるための遅れ機構として、前記終了後もスイツ
チ機構１８に設定時間だけ通電する通電状態保持
回路１９が設けてある。したがつて、突起物を回
避するために電気スイツチ１７ａ，１７ｂを用い
て刈取部を上昇操作すると、その操作の終了後も
一定時間の間に亘つて自動制御による下降作動が
阻止される。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対
照を便利にする為に符号を記すが、該記入により
本考案は添付図面の構造に限定されるものではな
い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図はコンバ
イン前部を示す側面図、第２図は穀稈の導入径路
部分を示す平面図、第３図は操向クラツチ操作構
造を示す平面図、第４図はブロツク線図である。 １８……優先機構、１９……遅れ機構、２０…
…対地高さ検出センサー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 刈取部の対地高さ検出センサー２０と、この検
   出結果に基いて、刈取部を一定の対地高さに昇降
   制御する自動制御装置と、人為的な操作に基いて
   刈取部を昇降制御する人為制御装置と、人為制御
   装置による制御を前記自動制御装置による制御に
   優先させる優先機構１８とを備えた刈高さ制御装
   置付き刈取収穫機において、前記人為制御終了後
   の自動制御の再開を設定時間遅らせる遅れ機構１
   ９を設けた事を特徴とする刈高さ制御装置付き刈
   取収穫機。