JPH0132848Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、稈身方向に並設した複数個の稈長検
出センサーからの穀稈検出情報を基にして扱深さ
制御装置を自動制御する機構を設けたコンバイン
に関する。

圃場単位における稈長格差は一般的に余り大き
く変動するもので無いが、或る長さを基準にして
それよりも長いものと短かいものとが連続して存
在する状況にある。

そのために、前記或る基準長さの穀稈をセンサ
ーが検出する制御状態において、そのセンサーが
穀稈の存否を短時間のうちに繰返し検出し、それ
に追従して扱深さ制御装置が頻繁に上下動を繰返
す事となり、穀稈の搬送姿勢が乱れたり、自動制
御機構からの制御信号がチヤタリング状態になつ
て制御上のトラブルを起しやすい欠点があつた。

そこで、この欠点を解消するのに、センサーを
稈長方向に位置変更させて、実長よりもやや長い
あるいはやや短い穀稈を基準穀稈として扱深さ制
御を行わせ、扱深さ制御の性能をほとんど損なう
ような事の無い状態で、制御のチヤタリング現象
や穀稈の搬送乱れを生じさせないようにするとい
う手段が考えられ、このような従来例として実開
昭55−131630号公報や、実開昭54−132637号公報
が挙げられる。

前者の従来技術ではセンサーの稈長方向へ複数
段位置変更でき、後者の従来技術では無段階に位
置変更できるものではあるが何れもその位置変更
操作は手動式であるので、常に刈取穀稈を注視し
なければならないという煩わしさを伴うととも
に、センサーの位置変更のタイミングも総て操縦
者が判断するものであるから、稈長変化に対応し
てその都度タイミングの変更および位置変更量を
設定するのは、初心者等では極めて困難なことで
あつて、誰でも運転操作できるというものではな
かつた。

本考案は、上述の実情に鑑みて、極めて簡単な
改良によつてセンサーの稈長方向への位置変更を
自動化するとともに、その位置変更のタイミング
および位置変更量の設定・移動も自動的に行える
ようにする事を目的とする。

次に、本考案の実施の態様を例示図に基いて詳
述する。

脱穀機１を搭載したクローラ走行装置２の前部
に、横軸まわりで駆動揺動操作な前処理フレーム
３を取付け、このフレーム３に、引起し装置４、
刈取装置５、刈取穀稈を合流搬送する装置６、合
流された穀稈を脱穀フイードチエーン７に供給す
る搬送装置８を設けると共に、前記搬送装置８を
それの後部側を中心にして穀稈の受継ぎ始端を稈
身方向に揺動させるシリンダ９を設けて扱深さ制
御装置１０を構成し、そして、前記扱深さ制御装
置１０に対する自動制御機構１１を設けると共
に、前記フレーム３の横一側に操縦部１２を配置
して、植立穀稈を刈取脱穀するためのコンバイン
を構成してある。

前記扱深さ自動制御機構１１を構成するに、前
記引起し装置４の背部に、引起し穀稈の稈長を検
出する接触型の３個のセンサー１３を稈長方向に
間隔をへだてて、かつ、それの取付けステー１４
に連動連結の駆動装置１５により全てのセンサー
１３…を稈長方向に位置変更固定自在に設け、全
てのセンサー１３…が穀稈の存在を検出する事に
よつて長稈を、下側２個のセンサー１３，１３に
よる穀稈存在検出によつて中稈を、下側１個のセ
ンサー１３による穀稈検出によつて短稈を、全て
のセンサー１３…の穀稈非存在検出によつて極短
稈を、夫々検出させるようにしてある。

そして、前記搬送装置８の穀稈挟持始端位置を
検出するポテンシヨメータ１６を設けると共に、
前記シリンダ９の制御弁Ｖを切換え制御する機構
１７に、前記ポテンシヨメータ１６による位置検
出情報とセンサー１３…からの稈長検出情報を入
力させ、もつて、両検出情報の差が無くなるま
で、即ち、検出稈長に対応した位置に搬送装置８
の挟持始端が位置するまで搬送装置８の始端を稈
長方向に位置変更させるようにしてある。

更に、前記センサー１３…の夫々における設定
時間当りの穀稈存否検出状態の切換わり回数を予
め任意に設定でき、かつ、刈取走行による実際の
切換わり回数を検出する機構１８を設け、この検
出機構１８からの設定回数以上の検出情報、つま
り、実際の切換わり回数が予め設定した切換わり
回数よりも多くなつたとき、例えば、設定切換わ
り回数が10回／分に対して、実際の切換わり回数
が11回／分になつたという情報によつて、それが
中稈あるいは長稈の検出域Ａにおける情報で前記
センサー１３…を株元側に、かつ、それが短稈あ
るいは極短稈の検出域Ｂにおける情報で前記セン
サー１３…を穂先側に、夫々設定量だけ位置変更
させるべく前記駆動装置１５を自動的に操作する
機構１９を設け、もつて、センサー１３…による
稈長検出において、設定時間内における穀稈存否
検出回数が設定回数以上の時にセンサー１３…を
所定の設定量だけ移動させて、実際の基準長さよ
りもやや長いあるいはやや短かい穀稈を基準長さ
と見做す扱深さ制御を行なわせるようにして、制
御信号のチヤタリングや穀稈の姿勢乱れを生じさ
せないようにしてある。

そして、検出機構１８を、例えば、10回／分、
15回／分、20回／分という３段階設定とし、実際
の切換わり回数が10回／分以上15回／分未満では
２cm、15回／分以上20回／分未満では３cm、20
回／分以上では４cmセンサーを稈長方向へ移動す
るというように操作機構１９と連係させる自動制
御も行えるのであり、この多段階設定数を増やす
程稈長変化に対応する正確さが増し、脱穀性能を
向上させることができる。

以上要するに本考案は、冒記したコンバインに
おいて、前記複数個のセンサー１３…を一体的に
稈身方向に位置変更固定操作する駆動装置１５を
設けると共に、前記センサー１３…夫々における
設定時間当りの穀稈存否検出状態の切換わり回数
を予め任意に設定でき、かつ、実際の切換わり回
数を検出する機構１８を設け、前記検出機構１８
からの設定回数以上の検出情報によつて前記駆動
装置１５を自動的に操作する機構１９を設けてあ
る事を特徴とする。

即ち、或る基準となる穀稈を何れかのセンサー
１３が検出する制御状態において、そのセンサー
１３が設定時間内で予め設定された切換わり回数
以上の穀稈存否検出状態の切換わり回数を検出す
ると、そのセンサー１３を自動的に稈長方向に位
置変更させて、実長よりもやや長いあるいはやや
短かい穀稈を基準穀稈として扱深さ制御を行なわ
せるもので、扱深さ制御の性能をほとんど損うよ
うな事の無い状態で、制御のチヤタリング現象や
穀稈の搬送乱れを生じさせないようにするのを自
動化できるようにし得たので、従来のような手動
による煩わしさを解消できたとともに、センサー
の位置変更のタイミングおよび位置変更量の設
定・移動も予め検出機構へ選択設定しておくこと
で自動化が可能になり、初心者でも運転操作でき
るようになつた。

しかも、そのための連係手段は公知技術に過ぎ
ないものであるから、比較的簡単な改良によつて
所期する目的を達成できる実用上価値の高いもの
にできた。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対
照を便利にする為に符号を記すが、該記入により
本考案は添付図面の構造に限定されるものではな
い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るコンバインの実施例を示
し、第１図はコンバイン前部の側面図、第２図は
扱深さ自動制御機構の形態図である。 １０……扱深さ制御装置、１１……自動制御機
構、１３……センサー、１５……駆動装置、１８
……回数検出機構、１９……操作機構、Ａ……長
稈検出域、Ｂ……短稈検出域。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 稈身方向に並設した複数個の稈長検出センサー
   １３…からの穀稈検出情報を基にして扱深さ制御
   装置１０を自動制御する機構１１を設けたコンバ
   インであつて、前記複数個のセンサー１３…を一
   体的に稈身方向に位置変更固定操作する駆動装置
   １５を設けると共に、前記センサー１３…夫々に
   おける設定時間当りの穀稈存否検出状態の切換わ
   り回数を予め任意に設定でき、かつ、実際の切換
   わり回数を検出する機構１８を設け、前記検出機
   構１８からの設定回数以上の検出情報によつて前
   記駆動装置１５を自動的に操作する機構１９を設
   けてある事を特徴とするコンバイン。