JPS6145695B2 - - Google Patents
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- JPS6145695B2 JPS6145695B2 JP56134501A JP13450181A JPS6145695B2 JP S6145695 B2 JPS6145695 B2 JP S6145695B2 JP 56134501 A JP56134501 A JP 56134501A JP 13450181 A JP13450181 A JP 13450181A JP S6145695 B2 JPS6145695 B2 JP S6145695B2
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Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
- C22C—ALLOYS
- C22C30/00—Alloys containing less than 50% by weight of each constituent
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- Chemical & Material Sciences (AREA)
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- Metallurgy (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Heat Treatment Of Steel (AREA)
- Manufacture Of Alloys Or Alloy Compounds (AREA)
- Reduction Rolling/Reduction Stand/Operation Of Reduction Machine (AREA)
- Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
Description
この発明は、特に耐熱衝撃性、高温耐酸化性、
および高温耐摩耗性にすぐれ、これらの特性が要
求される継目無鋼管製造用熱間傾斜圧延機のガイ
ドシユーとして使用するのに適した鋳造合金に関
するものである。 一般に、熱間傾斜圧延機は、上下位置に配した
2個の樽形傾斜ロール、左右位置に配したガイド
シユー、および前面中心位置に配したプラグを備
え、この間に1150〜1250℃に加熱された丸ビレツ
トを供給し、前記樽形傾斜ロールとプラグにより
熱間穿孔圧延して継目無鋼管を製造するものであ
る。この場合、この素管は楕円形を呈しながら成
形されることになるが、この素管の外径および肉
厚を一定に調整するために設けられたのがガイド
シユーである。 したがつて、素管は螺旋状に回転前進しながら
ガイドシユーの表面と摺動するため、高温に加熱
された素管と接触するガイドシユーは、熱伝導に
よる急速加熱と冷却水による急冷の繰返し、並び
に大きな応力負荷状態での転がり摺動摩擦にさら
されることになる。 従来、このような苛酷な条件下で使用に供され
るガイドシユーの製造には、Fe−23%Cr−3%
Ni系やFe−26%Cr−2%Ni系などの高Cr低Ni耐
熱耐摩耗性合金鋼や、Fe−1%C−20%Cr−7
%Ni−5%Co−5%Cu系やNi−1%C−15%Cr
−5%Mo系などの鋳造合金等が使用されている
が、これらの合金のあるものは、高温耐酸化性不
足が原因で高温加熱された素管の表面に発生した
スケールや鋼片がその表面に焼付き、これが原因
で鋼管の表面に疵がついて製造歩留を悪くした
り、また、あるものは局部的高温加熱と水冷の繰
返しによる熱衝撃に耐えられず、割れが生じた
り、さらに、あるものは高温における耐摩耗性不
足が原因で短い使用寿命しか示さないなど、これ
らのガイドシユーに要求される耐熱衝撃性、高温
耐酸化性、および高温耐摩耗性を兼ね備えた合金
は未だ開発されていないのが現状である。 本発明者等は、上述のような観点から、継目無
鋼管製造用熱間傾斜圧延機のガイドシユーに要求
される特性をすべて兼ね備えた鋳造合金を得べく
研究を行なつた結果、C:0.55〜1.9%、Si:0.1
〜3%、Mn:0.1〜2%、Cr:28〜39%、Ni:25
〜46%、Co:1〜8%、Ti:0.01〜3.5%、Al:
0.01〜3.5%、W:1〜8%、Mo:0.5〜9%を含
有し、さらに必要に応じてN:0.005〜0.2%と、
Nb:0.01〜1.5%およびTa:0.01〜1.5%のうちの
1種または2種と、B:0.001〜0.2%およびZr:
0.001〜0.2%のうちの1種または2種とからなる
群から選んだ少なくとも1種を含有し、残りが
Feと不可避不純物からなる組成(以上重量%)
をもつた鋳造合金は、すぐれた耐熱衝撃性、高温
耐酸化性、および高温耐摩耗性を兼ね備え、した
がつてこれらの特性が要求される熱間傾斜圧延機
のガイドシユーとして使用した場合に、きわめて
長期に亘つてすぐれた性能を安定的に発揮すると
いう知見を得たのである。 この発明は上記知見にもとづいてなされたもの
であつて、以下に成分組成範囲を上記の通りに限
定した理由を説明する。 (a) C C成分には、高温で素地中に固溶する一方、
Cr,W,Mo,Ti,NbおよびTaなどと結合して
M7C3,MC、およびM23C6型などの炭化物を形成
し、もつて強度と硬さの向上をはかり、この結果
としてすぐれた耐摩耗性のほか、溶接性および鋳
造性を確保する作用があるが、その含有量が0.55
%未満では前記作用に所望の効果が得られず、一
方1.9%を越えて含有させると、炭化物の析出が
多くなるばかりでなく、その粒径が粗大化して靭
性が低下し、急熱急冷による熱衝撃に耐えられな
くなることから、その含有量を0.55〜1.9%と定
めた。 (b) Si Si成分には、Crと共に耐熱性を向上させる作
用があるほか、脱酸作用並びに溶湯の流動性を改
善して鋳造性を向上させる作用があり、さらに高
温強度も改善する作用があるが、その含有量が
0.1%未満では前記各作用に所望の効果が得られ
ず、一方3%を越えて含有させると、Crとの関
連において靭性および溶接性が低下するようにな
ることから、その含有量を0.1〜3%と定めた。 なお、Si成分は、これを脱酸剤として使用した
場合など不可避不純物として0.1%未満の範囲で
含有する場合があるが、この場合には、不可避不
純物含有量を含め、全体含有量が0.1%以上にな
るようにすればよい。 (c) Mn Mn成分には、Niと共に素地に固溶してオース
テナイトを安定化させ、また耐熱衝撃性および高
温耐摩耗性を向上させる作用があり、かつ脱酸作
用も合せもつが、その含有量が0.1%未満では所
望の作用効果を確保することができず、一方2%
を越えて含有させると、高温耐酸化性が劣化する
ようになることから、その含有量を0.1〜2%と
定めた。 なお、Mn成分も、Si成分と同様に不可避不純
物として0.1未満の範囲で含有する場合がある
が、この場合も不可避不純物含有量を含め、全体
含有量が0.1%以上になるように成分調整すれば
よい。 (d) Cr Cr成分には、その一部が素地に固溶し、残り
の部分が炭化物を形成して合金の硬さを向上さ
せ、もつて高温耐摩耗性を改善するほか、高温耐
酸化性をも向上させる作用があるが、その含有量
が28%未満では所望の作用効果が得られず、一方
39%を越えて含有させると耐熱衝撃性が低下する
ようになることから、その含有量を28〜39%と定
めた。 (e) Ni Ni成分には、オーステナイト地を安定にして
耐熱衝撃性および靭性を高めるほか、Alおよび
Tiと結合して金属間化合物{Ni3(Al,Ti)}を
形成し、合金の高温強度よび高温耐摩耗性を改善
し、さらにCrと共に高温耐酸化性を向上させる
作用があるが、その含有用が25%未満では前記作
用に所望の効果が得られず、一方49%を越えて含
有させてもより一層の改善効果は見られず、経済
性をも考慮して、その含有量を25〜49%と定め
た。 (f) Co Co成分には、素地に固溶して、これを強化
し、高温強度を改善するほか、高温耐摩耗性およ
び耐熱衝撃性を向上させる作用があるが、その含
有量が1%未満では所望の作用効果が得られず、
一方8%を越えて含有させてもより一層の改善効
果が見られず、むしろ前記作用効果の減少すら見
られるようになることから、その含有量を1〜8
%と定めた。 (g) Ti Ti成分には、素地の結晶粒の成長を抑制する
ばかりでなく、むしろこの結晶粒を微細化し、か
つMC型の炭化物および窒化物、さらに上記のよ
うにNi3(Al,Ti)の金属間化合物を形成して、
高温強度および高温耐摩耗性を向上させる作用が
あるが、その含有量が0.01%未満では前記作用に
所望の効果が得られず、一方3.5%を越えて含有
させると、高温における炭化物形成が促進され
て、合金の靭性が低下し、さらに高温での酸化物
の生成も顕著となつて高温耐酸化性の劣化をまね
くようになることから、その含有量を0.01〜3.5
%と定めた。 (h) Al Al成分には、Crとの共存において高温での耐
酸化性および耐食性を改善し、さらに上記のよう
にNiおよびTiと結合してNi3(Al,Ti)の金属間
化合物を形成するほか、窒化物を形成して高温強
度および耐摩耗性を一段と高め、かつ耐熱衝撃性
および靭性を向上させる作用があるが、その含有
量が0.01%未満では前記作用に所望の効果が得ら
れず、一方3.5%を越えて含有させると、溶湯の
流動性および鋳造性が低下して製造が困難となる
ばかりでなく、靭性および溶接性も低下して実用
的でなくなることから、その含有量を0.01〜3.5
%と定めた。 (i) W W成分にも、素地中に固溶すると共にCと炭化
物を形成して高温硬さおよび耐摩耗性を改善する
作用があるが、その含有量が0.5%未満では所望
の作用効果が得られず、一方8%を越えて含有さ
せると、耐摩耗性は向上するようになるが、靭性
および耐熱衝撃性が劣化するようになることか
ら、その含有量を0.5〜8%と定めた。 (j) Mo Mo成分には、Wと同様に、特に高温耐摩耗性
を向上させる作用があるが、その含有量が0.5%
未満では所望のすぐれた高温耐摩耗性を得ること
ができず、一方9%を越えて含有させると、Wと
同様に靭性および耐熱衝撃性が劣化するようにな
ることから、その含有量を0.5〜9%と定めた。 (k) N N成分には、その一部がオーステナイト素地に
固溶して、これを安定化すると共に、残りの部分
が金属窒化物を形成して高温強度を一段と向上さ
せる作用があるので、特に高温強度が要求される
場合に必要に応じて含有されるが、その含有量が
0.005%未満では、より一層の高温強度改善効果
が見られず、一方0.2%を越えて含有させると、
窒化物量が増大するばかりでなく、窒化物粒子の
粗大化が起つて脆化し、耐熱衝撃性が劣化するよ
うになることから、その含有量を0.005〜0.2%と
限定した。 (l) NbおよびTa これらの成分には、特に素地の結晶粒の成長を
抑制し、かつMC型の炭化物および窒化物を形成
して、高温強度および高温耐摩耗性をさらに一段
と向上させる均等的作用があるので、これらの特
性が特に必要とされる場合に必要に応じて含有さ
れるが、その含有量がそれぞれ0.01%未満では前
記向上作用に所望の効果が得られず、一方1.5%
を越えてそれぞれ含有させると、高温での酸化物
の生成が著しくなるなどの高温耐酸化性の劣化を
もたらし、さらに炭化物の形成が多くなり過ぎて
靭性および耐熱衝撃性の劣化をもたらすことか
ら、それぞれの含有量を0.01〜1.5%と定めた。 (m) BおよびZr これらの成分には、高温強度、高温耐摩耗性、
耐熱衝撃性、および高温耐酸化性をより一層向上
させる均等的作用があるので、必要に応じて含有
されるが、その含有量がそれぞれ0.001%未満で
は所望の向上効果が得られず、一方0.2%を越え
て含有させると、靭性、耐熱衝撃性、さらには鋳
造性および溶接性の劣化をきたすようになること
から、それぞれの含有量を0.001〜0.2%と定め
た。 つぎに、この発明の鋳造合金を実施例により比
較例と対比しながら説明する。 実施例 通常の高周波溶解炉を用い、それぞれ第1表に
示される通りの成分組成をもつた溶湯を大気中溶
解し、ついで砂型に鋳造することによつて、本発
明鋳造合金1〜32、比較鋳造合金1〜12、および
従来鋳造合金1,2の各種試験片をそれぞれ製造
し、これらの試験片を用いて、硬さ測定試験、常
温シヤルピー衝撃試験、大越式金属間摩耗試験、
および実機の急速加熱および急速冷却の繰返しに
近い条件での熱衝撃試験をそれぞれ行なつた。 なお、硬さ測定試験は常温、900℃、および
1000℃におけるビツカース硬さを測定することに
より行ない、また大越式金属間摩耗試験は、相手
材:SUJ−2(TRC:57以上)、荷重:18.2Kg、
摩擦速度:0.083m/secの条件で、か
および高温耐摩耗性にすぐれ、これらの特性が要
求される継目無鋼管製造用熱間傾斜圧延機のガイ
ドシユーとして使用するのに適した鋳造合金に関
するものである。 一般に、熱間傾斜圧延機は、上下位置に配した
2個の樽形傾斜ロール、左右位置に配したガイド
シユー、および前面中心位置に配したプラグを備
え、この間に1150〜1250℃に加熱された丸ビレツ
トを供給し、前記樽形傾斜ロールとプラグにより
熱間穿孔圧延して継目無鋼管を製造するものであ
る。この場合、この素管は楕円形を呈しながら成
形されることになるが、この素管の外径および肉
厚を一定に調整するために設けられたのがガイド
シユーである。 したがつて、素管は螺旋状に回転前進しながら
ガイドシユーの表面と摺動するため、高温に加熱
された素管と接触するガイドシユーは、熱伝導に
よる急速加熱と冷却水による急冷の繰返し、並び
に大きな応力負荷状態での転がり摺動摩擦にさら
されることになる。 従来、このような苛酷な条件下で使用に供され
るガイドシユーの製造には、Fe−23%Cr−3%
Ni系やFe−26%Cr−2%Ni系などの高Cr低Ni耐
熱耐摩耗性合金鋼や、Fe−1%C−20%Cr−7
%Ni−5%Co−5%Cu系やNi−1%C−15%Cr
−5%Mo系などの鋳造合金等が使用されている
が、これらの合金のあるものは、高温耐酸化性不
足が原因で高温加熱された素管の表面に発生した
スケールや鋼片がその表面に焼付き、これが原因
で鋼管の表面に疵がついて製造歩留を悪くした
り、また、あるものは局部的高温加熱と水冷の繰
返しによる熱衝撃に耐えられず、割れが生じた
り、さらに、あるものは高温における耐摩耗性不
足が原因で短い使用寿命しか示さないなど、これ
らのガイドシユーに要求される耐熱衝撃性、高温
耐酸化性、および高温耐摩耗性を兼ね備えた合金
は未だ開発されていないのが現状である。 本発明者等は、上述のような観点から、継目無
鋼管製造用熱間傾斜圧延機のガイドシユーに要求
される特性をすべて兼ね備えた鋳造合金を得べく
研究を行なつた結果、C:0.55〜1.9%、Si:0.1
〜3%、Mn:0.1〜2%、Cr:28〜39%、Ni:25
〜46%、Co:1〜8%、Ti:0.01〜3.5%、Al:
0.01〜3.5%、W:1〜8%、Mo:0.5〜9%を含
有し、さらに必要に応じてN:0.005〜0.2%と、
Nb:0.01〜1.5%およびTa:0.01〜1.5%のうちの
1種または2種と、B:0.001〜0.2%およびZr:
0.001〜0.2%のうちの1種または2種とからなる
群から選んだ少なくとも1種を含有し、残りが
Feと不可避不純物からなる組成(以上重量%)
をもつた鋳造合金は、すぐれた耐熱衝撃性、高温
耐酸化性、および高温耐摩耗性を兼ね備え、した
がつてこれらの特性が要求される熱間傾斜圧延機
のガイドシユーとして使用した場合に、きわめて
長期に亘つてすぐれた性能を安定的に発揮すると
いう知見を得たのである。 この発明は上記知見にもとづいてなされたもの
であつて、以下に成分組成範囲を上記の通りに限
定した理由を説明する。 (a) C C成分には、高温で素地中に固溶する一方、
Cr,W,Mo,Ti,NbおよびTaなどと結合して
M7C3,MC、およびM23C6型などの炭化物を形成
し、もつて強度と硬さの向上をはかり、この結果
としてすぐれた耐摩耗性のほか、溶接性および鋳
造性を確保する作用があるが、その含有量が0.55
%未満では前記作用に所望の効果が得られず、一
方1.9%を越えて含有させると、炭化物の析出が
多くなるばかりでなく、その粒径が粗大化して靭
性が低下し、急熱急冷による熱衝撃に耐えられな
くなることから、その含有量を0.55〜1.9%と定
めた。 (b) Si Si成分には、Crと共に耐熱性を向上させる作
用があるほか、脱酸作用並びに溶湯の流動性を改
善して鋳造性を向上させる作用があり、さらに高
温強度も改善する作用があるが、その含有量が
0.1%未満では前記各作用に所望の効果が得られ
ず、一方3%を越えて含有させると、Crとの関
連において靭性および溶接性が低下するようにな
ることから、その含有量を0.1〜3%と定めた。 なお、Si成分は、これを脱酸剤として使用した
場合など不可避不純物として0.1%未満の範囲で
含有する場合があるが、この場合には、不可避不
純物含有量を含め、全体含有量が0.1%以上にな
るようにすればよい。 (c) Mn Mn成分には、Niと共に素地に固溶してオース
テナイトを安定化させ、また耐熱衝撃性および高
温耐摩耗性を向上させる作用があり、かつ脱酸作
用も合せもつが、その含有量が0.1%未満では所
望の作用効果を確保することができず、一方2%
を越えて含有させると、高温耐酸化性が劣化する
ようになることから、その含有量を0.1〜2%と
定めた。 なお、Mn成分も、Si成分と同様に不可避不純
物として0.1未満の範囲で含有する場合がある
が、この場合も不可避不純物含有量を含め、全体
含有量が0.1%以上になるように成分調整すれば
よい。 (d) Cr Cr成分には、その一部が素地に固溶し、残り
の部分が炭化物を形成して合金の硬さを向上さ
せ、もつて高温耐摩耗性を改善するほか、高温耐
酸化性をも向上させる作用があるが、その含有量
が28%未満では所望の作用効果が得られず、一方
39%を越えて含有させると耐熱衝撃性が低下する
ようになることから、その含有量を28〜39%と定
めた。 (e) Ni Ni成分には、オーステナイト地を安定にして
耐熱衝撃性および靭性を高めるほか、Alおよび
Tiと結合して金属間化合物{Ni3(Al,Ti)}を
形成し、合金の高温強度よび高温耐摩耗性を改善
し、さらにCrと共に高温耐酸化性を向上させる
作用があるが、その含有用が25%未満では前記作
用に所望の効果が得られず、一方49%を越えて含
有させてもより一層の改善効果は見られず、経済
性をも考慮して、その含有量を25〜49%と定め
た。 (f) Co Co成分には、素地に固溶して、これを強化
し、高温強度を改善するほか、高温耐摩耗性およ
び耐熱衝撃性を向上させる作用があるが、その含
有量が1%未満では所望の作用効果が得られず、
一方8%を越えて含有させてもより一層の改善効
果が見られず、むしろ前記作用効果の減少すら見
られるようになることから、その含有量を1〜8
%と定めた。 (g) Ti Ti成分には、素地の結晶粒の成長を抑制する
ばかりでなく、むしろこの結晶粒を微細化し、か
つMC型の炭化物および窒化物、さらに上記のよ
うにNi3(Al,Ti)の金属間化合物を形成して、
高温強度および高温耐摩耗性を向上させる作用が
あるが、その含有量が0.01%未満では前記作用に
所望の効果が得られず、一方3.5%を越えて含有
させると、高温における炭化物形成が促進され
て、合金の靭性が低下し、さらに高温での酸化物
の生成も顕著となつて高温耐酸化性の劣化をまね
くようになることから、その含有量を0.01〜3.5
%と定めた。 (h) Al Al成分には、Crとの共存において高温での耐
酸化性および耐食性を改善し、さらに上記のよう
にNiおよびTiと結合してNi3(Al,Ti)の金属間
化合物を形成するほか、窒化物を形成して高温強
度および耐摩耗性を一段と高め、かつ耐熱衝撃性
および靭性を向上させる作用があるが、その含有
量が0.01%未満では前記作用に所望の効果が得ら
れず、一方3.5%を越えて含有させると、溶湯の
流動性および鋳造性が低下して製造が困難となる
ばかりでなく、靭性および溶接性も低下して実用
的でなくなることから、その含有量を0.01〜3.5
%と定めた。 (i) W W成分にも、素地中に固溶すると共にCと炭化
物を形成して高温硬さおよび耐摩耗性を改善する
作用があるが、その含有量が0.5%未満では所望
の作用効果が得られず、一方8%を越えて含有さ
せると、耐摩耗性は向上するようになるが、靭性
および耐熱衝撃性が劣化するようになることか
ら、その含有量を0.5〜8%と定めた。 (j) Mo Mo成分には、Wと同様に、特に高温耐摩耗性
を向上させる作用があるが、その含有量が0.5%
未満では所望のすぐれた高温耐摩耗性を得ること
ができず、一方9%を越えて含有させると、Wと
同様に靭性および耐熱衝撃性が劣化するようにな
ることから、その含有量を0.5〜9%と定めた。 (k) N N成分には、その一部がオーステナイト素地に
固溶して、これを安定化すると共に、残りの部分
が金属窒化物を形成して高温強度を一段と向上さ
せる作用があるので、特に高温強度が要求される
場合に必要に応じて含有されるが、その含有量が
0.005%未満では、より一層の高温強度改善効果
が見られず、一方0.2%を越えて含有させると、
窒化物量が増大するばかりでなく、窒化物粒子の
粗大化が起つて脆化し、耐熱衝撃性が劣化するよ
うになることから、その含有量を0.005〜0.2%と
限定した。 (l) NbおよびTa これらの成分には、特に素地の結晶粒の成長を
抑制し、かつMC型の炭化物および窒化物を形成
して、高温強度および高温耐摩耗性をさらに一段
と向上させる均等的作用があるので、これらの特
性が特に必要とされる場合に必要に応じて含有さ
れるが、その含有量がそれぞれ0.01%未満では前
記向上作用に所望の効果が得られず、一方1.5%
を越えてそれぞれ含有させると、高温での酸化物
の生成が著しくなるなどの高温耐酸化性の劣化を
もたらし、さらに炭化物の形成が多くなり過ぎて
靭性および耐熱衝撃性の劣化をもたらすことか
ら、それぞれの含有量を0.01〜1.5%と定めた。 (m) BおよびZr これらの成分には、高温強度、高温耐摩耗性、
耐熱衝撃性、および高温耐酸化性をより一層向上
させる均等的作用があるので、必要に応じて含有
されるが、その含有量がそれぞれ0.001%未満で
は所望の向上効果が得られず、一方0.2%を越え
て含有させると、靭性、耐熱衝撃性、さらには鋳
造性および溶接性の劣化をきたすようになること
から、それぞれの含有量を0.001〜0.2%と定め
た。 つぎに、この発明の鋳造合金を実施例により比
較例と対比しながら説明する。 実施例 通常の高周波溶解炉を用い、それぞれ第1表に
示される通りの成分組成をもつた溶湯を大気中溶
解し、ついで砂型に鋳造することによつて、本発
明鋳造合金1〜32、比較鋳造合金1〜12、および
従来鋳造合金1,2の各種試験片をそれぞれ製造
し、これらの試験片を用いて、硬さ測定試験、常
温シヤルピー衝撃試験、大越式金属間摩耗試験、
および実機の急速加熱および急速冷却の繰返しに
近い条件での熱衝撃試験をそれぞれ行なつた。 なお、硬さ測定試験は常温、900℃、および
1000℃におけるビツカース硬さを測定することに
より行ない、また大越式金属間摩耗試験は、相手
材:SUJ−2(TRC:57以上)、荷重:18.2Kg、
摩擦速度:0.083m/secの条件で、か
【表】
【表】
【表】
【表】
つ常温乾燥状態で行ない、これらの結果から比摩
耗量を算出した。さらに熱衝撃試験は、一方端面
の中心部に直径:10mmφの球面凹みを形成した12
mm×12mm×30mmの角柱状験片を用い、この試験片
の球面凹みを、酸素−プロパンガスバーナにより
30秒間加熱して、その温度を900℃とした後、直
ちに噴霧水を20秒間吹付けて、その温度を約200
℃とする工程を1サイクルとし、これを繰返し行
ない、3回ごとに前記球面凹みを螢光探傷法を用
いて観察し、割れが発生するまでのサイクル数を
測定することにより行なつた。これらの試験結果
を第2表に合せて示した。なお、第2表の割れ発
生までのサイクル数の欄における「30以上」は、
30サイクルの繰返し熱衝撃試験でも球面凹みに割
れ発生が見られないものである。 第2表に示される結果から、本発明鋳造合金1
〜32は、いずれも従来鋳造合金1,2に比して、
きわめてすぐれた常温および高温硬さを有し、か
つ常温靭性、耐摩耗性、および耐熱衝撃性にもす
ぐれていることがわかる。このように本発明鋳造
合金1〜32は、いずれもすぐれた常温および高温
硬さ、靭性、耐摩耗性、耐熱衝撃性を兼ね備えて
いるのに対して、構成成分のうちのいずれかの成
分(※印表示)の含有量がこの発明の範囲から外
れた組成を有する比較鋳造合金1〜12において
は、これらの特性のうち少なくともいずれかの特
性が劣つたものになつている。 上述のように、この発明の鋳造合金は、特に、
すぐれた耐熱性、耐摩耗性、および耐熱衝撃性を
具備しているので、これらの特性が要求される継
目無鋼管製造用熱間傾斜圧延機(穿孔機も含む)
のガイドシユーとして使用した場合、きわめて長
期に亘つて安定的性能を発揮するなど工業上有用
な特性を有するのである。
耗量を算出した。さらに熱衝撃試験は、一方端面
の中心部に直径:10mmφの球面凹みを形成した12
mm×12mm×30mmの角柱状験片を用い、この試験片
の球面凹みを、酸素−プロパンガスバーナにより
30秒間加熱して、その温度を900℃とした後、直
ちに噴霧水を20秒間吹付けて、その温度を約200
℃とする工程を1サイクルとし、これを繰返し行
ない、3回ごとに前記球面凹みを螢光探傷法を用
いて観察し、割れが発生するまでのサイクル数を
測定することにより行なつた。これらの試験結果
を第2表に合せて示した。なお、第2表の割れ発
生までのサイクル数の欄における「30以上」は、
30サイクルの繰返し熱衝撃試験でも球面凹みに割
れ発生が見られないものである。 第2表に示される結果から、本発明鋳造合金1
〜32は、いずれも従来鋳造合金1,2に比して、
きわめてすぐれた常温および高温硬さを有し、か
つ常温靭性、耐摩耗性、および耐熱衝撃性にもす
ぐれていることがわかる。このように本発明鋳造
合金1〜32は、いずれもすぐれた常温および高温
硬さ、靭性、耐摩耗性、耐熱衝撃性を兼ね備えて
いるのに対して、構成成分のうちのいずれかの成
分(※印表示)の含有量がこの発明の範囲から外
れた組成を有する比較鋳造合金1〜12において
は、これらの特性のうち少なくともいずれかの特
性が劣つたものになつている。 上述のように、この発明の鋳造合金は、特に、
すぐれた耐熱性、耐摩耗性、および耐熱衝撃性を
具備しているので、これらの特性が要求される継
目無鋼管製造用熱間傾斜圧延機(穿孔機も含む)
のガイドシユーとして使用した場合、きわめて長
期に亘つて安定的性能を発揮するなど工業上有用
な特性を有するのである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 C:0.55〜1.9%、Si:0.1〜3%、Mn:0.1
〜2%、Cr:28〜39%、Ni:25〜49%、Co:1
〜8%、Ti:0.01〜3.5%、Al:0.01〜3.5%、
W:0.5〜8%、Mo:0.5〜9%を含有し、残り
がFeと不可避不純物からなる組成(以上重量
%)を有することを特徴とする継目無鋼管製造用
熱間傾斜圧延機のガイドシユー用鋳造合金。 2 C:0.55〜1.9%、Si:0.1〜3%、Mn:0.1
〜2%、Cr:28〜39%、Ni:25〜49%、Co:1
〜8%、Ti:0.01〜3.5%、Al:0.01〜3.5%、
W:0.5〜8%、Mo:0.5〜9%を含有し、さら
にN:0.005〜0.2%を含有し、残りがFeと不可避
不純物からなる組成(以上重量%)を有すること
を特徴とする継目無鋼管製造用熱間傾斜圧延機の
ガイドシユー用鋳造合金。 3 C:0.55〜1.9%、Si:0.1〜3%、Mn:0.1
〜2%、Cr:28〜39%、Ni:25〜49%、Co:1
〜8%、Ti:0.01〜3.5%、Al:0.01〜3.5%、
W:0.5〜8%、Mo:0.5〜9%を含有し、さら
にNb:0.01〜1.5%およびTa:0.01〜1.5%のうち
の1種または2種を含有し、残りがFeと不可避
不純物からなる組成(以上重量%)を有すること
を特徴とする継目無鋼管製造用熱間傾斜圧延機の
ガイドシユー用鋳造合金。 4 C:0.55〜1.9%、Si:0.1〜3%、Mn:0.1
〜2%、Cr:28〜39%、Ni:25〜49%、Co:1
〜8%、Ti:0.01〜3.5%、Al:0.01〜3.5%、
W:0.5〜8%、Mo:0.5〜9%を含有し、さら
にB:0.001〜0.2%およびZr:0.001〜0.2%のう
ち1種または2種を含有し、残りがFeと不可避
不純物からなる組成(以上重量%)を有すること
を特徴とする継目無鋼管製造用熱間傾斜圧延機の
ガイドシユー用鋳造合金。 5 C:0.55〜1.9%、Si:0.1〜3%、Mn:0.1
〜2%、Cr:28〜39%、Ni:25〜49%、Co:1
〜8%、Ti:0.01〜3.5%、Al:0.01〜3.5%、
W:0.5〜8%、Mo:0.5〜9%を含有し、さら
にN:0.005〜0.2%と、Nb:0.01〜1.5%および
Ta:0.01〜1.5%のうちの1種または2種を含有
し、残りがFeと不可避不純物からなる組成(以
上重量%)を有することを特徴とする継目無鋼管
製造用熱間傾斜圧延機のガイドシユー用鋳造合
金。 6 C:0.55〜1.9%、Si:0.1〜3%、Mn:0.1
〜2%、Cr:28〜39%、Ni:25〜49%、Co:1
〜8%、Ti:0.01〜3.5%、Al:0.01〜3.5%、
W:0.5〜8%、Mo:0.5〜9%を含有し、さら
にN:0.005〜0.2%と、B:0.001〜0.2%および
Zr:0.001〜0.2%のうちの1種または2種を含有
し、残りがFeと不可避不純物からなる組成(以
上重量%)を有することを特徴とする継目無鋼管
製造用熱間傾斜圧延機のガイドシユー用鋳造合
金。 7 C:0.55〜1.9%、Si:0.1〜3%、Mn:0.1
〜2%、Cr:28〜39%、Ni:25〜49%、Co:1
〜8%、Ti:0.01〜3.5%、Al:0.01〜3.5%、
W:0.5〜8%、Mo:0.5〜9%を含有し、さら
にNb:0.01〜1.5%およびTa:0.01〜1.5%のうち
1種または2種と、B:0.001〜0.2%およびZr:
0.001〜0.2%のうちの1種または2種とを含有
し、残りがFeと不可避不純物からなる組成(以
上重量%)を有することを特徴とする継目無鋼管
製造用熱間傾斜圧延機のガイドシユー用鋳造合
金。 8 C:0.55〜1.9%、Si:0.1〜3%、Mn:0.1
〜2%、Cr:28〜39%、Ni:25〜49%、Co:1
〜8%、Ti:0.01〜3.5%、Al:0.01〜3.5%、
W:0.5〜8%、Mo:0.5〜9%を含有し、さら
にN:0.005〜0.2%と、Nb:0.01〜1.5%および
Ta:0.01〜1.5%のうちの1種または2種と、
B:0.001〜0.2%およびZr:0.001〜0.2%のうち
の1種または2種とを含有し、残りがFeと不可
避不純物からなる組成(以上重量%)を有するこ
とを特徴とする継目無鋼管製造用熱間傾斜圧延機
のガイドシユー用鋳造合金。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP56134501A JPS5837160A (ja) | 1981-08-27 | 1981-08-27 | 継目無鋼管製造用熱間傾斜圧延機のガイドシユ−用鋳造合金 |
KR8203285A KR890001447B1 (ko) | 1981-08-27 | 1982-07-23 | 무계목강관 제조용 열간경사 압연기의 가이드슈용 주조합금 |
DE3248987T DE3248987C2 (de) | 1981-08-27 | 1982-08-26 | Verwendung einer Legierung für Führungsschuhe in Warmwalzwerken |
CH2396/83A CH657379A5 (de) | 1981-08-27 | 1982-08-26 | Bei erhoehten temperaturen hitzebestaendige, verschleissfeste und zaehe legierung. |
PCT/JP1982/000338 WO1983000703A1 (en) | 1981-08-27 | 1982-08-26 | Heat- and wear-resistant tough alloy |
US07/142,284 US4832912A (en) | 1981-08-27 | 1987-12-29 | Thermal and wear resistant tough alloy |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP56134501A JPS5837160A (ja) | 1981-08-27 | 1981-08-27 | 継目無鋼管製造用熱間傾斜圧延機のガイドシユ−用鋳造合金 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5837160A JPS5837160A (ja) | 1983-03-04 |
JPS6145695B2 true JPS6145695B2 (ja) | 1986-10-09 |
Family
ID=15129794
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP56134501A Granted JPS5837160A (ja) | 1981-08-27 | 1981-08-27 | 継目無鋼管製造用熱間傾斜圧延機のガイドシユ−用鋳造合金 |
Country Status (6)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US4832912A (ja) |
JP (1) | JPS5837160A (ja) |
KR (1) | KR890001447B1 (ja) |
CH (1) | CH657379A5 (ja) |
DE (1) | DE3248987C2 (ja) |
WO (1) | WO1983000703A1 (ja) |
Families Citing this family (25)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5837160A (ja) * | 1981-08-27 | 1983-03-04 | Mitsubishi Metal Corp | 継目無鋼管製造用熱間傾斜圧延機のガイドシユ−用鋳造合金 |
US4727740A (en) * | 1981-09-04 | 1988-03-01 | Mitsubishi Kinzoku Kabushiki Kaisha | Thermal and wear resistant tough nickel based alloy guide rolls |
JPS5858259A (ja) * | 1981-10-03 | 1983-04-06 | Nippon Steel Corp | 継目無鋼管圧延用ガイドシユ− |
DE3718779A1 (de) * | 1987-06-04 | 1988-12-22 | Krauss Maffei Ag | Schnecke od. dgl. maschinenteil fuer kunststoffverarbeitende maschinen |
JPH072981B2 (ja) * | 1989-04-05 | 1995-01-18 | 株式会社クボタ | 耐熱合金 |
JPH0593239A (ja) * | 1991-09-30 | 1993-04-16 | Kubota Corp | 炭化水素類の熱分解・改質反応用管 |
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- 1981-08-27 JP JP56134501A patent/JPS5837160A/ja active Granted
-
1982
- 1982-07-23 KR KR8203285A patent/KR890001447B1/ko active
- 1982-08-26 CH CH2396/83A patent/CH657379A5/de not_active IP Right Cessation
- 1982-08-26 WO PCT/JP1982/000338 patent/WO1983000703A1/ja active Application Filing
- 1982-08-26 DE DE3248987T patent/DE3248987C2/de not_active Expired - Fee Related
-
1987
- 1987-12-29 US US07/142,284 patent/US4832912A/en not_active Expired - Fee Related
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