JP2745646B2 - 熱間加工性のすぐれた高温耐摩耗性Co基合金の製造法 - Google Patents

熱間加工性のすぐれた高温耐摩耗性Co基合金の製造法

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、熱間加工性にすぐれ、したがって熱間加
工による板材や棒材、さらに各種部材への成形を、短か
い工程で、かつきわめて高い歩留りで行なうことができ
る高温耐摩耗性Co基合金の製造法に関するものである。
〔従来の技術〕
従来、一般に、重量%で(以下%は重量%を示す)、 C:0.05〜2%、Cr:15〜35%、 WおよびMoのうちの1種または2種:2〜20%、 Si:0.01〜2%およびMn:0.01〜2%のうちの1種また
は2種、 を含有し、さらに必要に応じて、 NiおよびFeのうちの1種または2種:1〜25%、 を含有し、残りがCoと不可避不純物からなる組成を有す
るCo基合金が、すぐれた高温耐摩耗性を有することか
ら、これらの特性が要求される各種の分野で広く実用に
供されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
一方、上記の従来Co基合金は、溶解鋳造後、分塊鍛造
(分塊圧延)、熱間鍛造(熱間圧延)、冷間圧延、およ
び熱処理のうちの必要な工程を経て板材や棒材、さらに
各種の部材に製造されるが、熱間加工性の劣るものであ
ることから、分塊鍛造や分塊圧延、さらに熱間鍛造や熱
間圧延などの熱間加工工程においては、高温の非常に狭
い温度域での加工とならざるを得ず、したがって低い加
工率での加工となり、この結果加工と加熱の繰り返しと
なることから、生産性が著しく悪く、かつ割れが発生し
易いことから、歩留りの点でも問題がある。
〔課題を解決するための手段〕
そこで、本発明者等は、上述のような観点から、上記
の従来Co基合金に着目し、これの熱間加工性を改善すべ
く研究を行なった結果、これの溶製時にCaとMgとを併用
複合添加して溶精すると、この結果のCo基合金は、すぐ
れた熱間加工性をもつようになり、熱間加工工程での加
工率を高くしても割れなどの発生がなく、高い歩留りで
の熱間加工が可能になるという知見を得たのである。
この発明は、上記知見にもとづいてなされたものであ
って、 C:0.05〜2%、Cr:15〜35%、 WおよびMoのうちの1種または2種:2〜20%、 Si:0.01〜2%およびMn:0.01〜2%のうちの1種また
は2種、 を含有し、さらに必要に応じて、 NiおよびFeのうちの1種または2種:1〜25%、 を含有し、残りがCoと不可避不純物からなる組成を有す
るCo基合金溶湯を、添加量で、 0.001〜0.3%のCaと0.001〜0.2%のMg(ただしCaとMg
の合量:0.35%以下)、 の複合添加により処理することにより熱間加工性のすぐ
れた高温耐摩耗性Co基合金を製造する方法に特徴を有す
るものである。
つぎに、この発明の方法において、Co基合金溶湯の成
分組成およびCaとMgの添加量を上記の通りに限定した理
由を説明する。
A.成分組成 (a) C C成分には、Cr,W,およびMo成分と結合して炭化物を
形成し、耐摩耗性を向上させる作用があるが、その含有
量が0.05%未満では所望の耐摩耗性を確保することがで
きず、一方その含有量が2%を越えると、加工性が低下
するようになることから、その含有量を0.05〜2%と定
めた。
(b) Cr Cr成分には、素地に固溶して、これの耐熱性を向上さ
せるほか、上記のように炭化物を形成して耐摩耗性を向
上させ、かつこの総合効果として高温耐摩耗性を向上さ
せる作用があるが、その含有量が15%未満では前記作用
に所望の向上効果が得られず、一方その含有量が35%を
越えると、脆化し、加工性が低下するようになることか
ら、その含有量を15〜35%と定めた。
(c) WおよびMo これらの成分には、素地に固溶して、これを強化する
ほか、上記の通り炭化物を形成して、耐摩耗性を向上さ
せる作用があるが、その含有量が2%未満では前記作用
に所望の効果が得られず、一方その含有量が20%を越え
ると、同様に脆化するようになって塑性加工が困難にな
ることから、その含有量を2〜20%と定めた。
(d) SiおよびMn これらの成分には、脱酸作用があるので、脱酸剤とし
て用いられるが、その含有量が0.01%未満では溶湯の脱
酸が不十分であり、一方2%を越えて含有させても脱酸
作用が飽和し、より一層の脱酸効果は発揮されないこと
から、その含有量をそれぞれSi:0.01〜2%およびMn:0.
01〜2%と定めた。
(e) NiおよびFe これらの成分には、素地に固溶して延性を向上させ、
もって成形加工性を改善する作用があるので、必要に応
じて含有されるが、その含有量が1%未満では前記作用
に所望の効果が得られず、一方その含有量が25%を越え
ると耐摩耗性の低下が著しくなることから、その含有量
を1〜25%と定めた。
B.CaとMgの添加量 これら両成分の併用複合添加による溶湯処理によって
Co基合金はすぐれた熱間加工性をもつようになるもので
あり、したがって、Ca単独添加でも、またMg単独添加で
も所望のすぐれた熱間加工性を確保することができない
ので、CaおよびMgの併用複合添加は不可欠であるが、Ca
およびMgのいずれかの添加量が0.001%未満になっても
所望の熱間加工性は得られないものであり、一方その添
加量がそれぞれCa:0.3%およびMg:0.2%、さらにCaとMg
の合量で0.35%を越えると、かえって熱間加工性が低下
するようになることから、その添加量を、それぞれCa:
0.001〜0.3%、Mg:0.001〜0.2%(ただしCaとMgの合量
で0.35%以下)とする必要がある。
〔実 施 例〕
つぎに、この発明の方法を実施例により具体的に説明
する。
通常の真空溶解炉を用い、それぞれ第1表に示される
成分組成をもったCo基合金溶湯を調製し、ついで、溶湯
温度が1350〜1550℃の範囲内の所定温度で、同じく第1
表に示される添加量のCaおよびMgの両方、あるいはいず
れか一方を添加し、あるいは添加しないで直径:120mm×
長さ:200mmの寸法をもった重量:約20kgの鋳塊に鋳造す
ることにより本発明法1〜30、比較法1〜8、および従
来法1〜8をそれぞれ実施した。
つぎに、この結果得られた各種の鋳塊について、これ
に開始温度:1100〜1200℃の範囲内の所定温度、終了温
度:900〜1100℃の範囲内の所定温度の条件で分塊鍛造を
施して幅:120mm×厚さ:40mmのスラブとした状態で、こ
れより中央平行部の寸法が直径:8mm×長さ:30mmの試験
片を削り出し、この試験片を用いて、1150℃の温度で熱
間ねじり試験を行ない、破断に至るまでのねじり回数を 測定し、熱間加工性を評価した。また、熱間耐摩耗性を
評価する目的で、1100℃で30分間の溶体化処理後の800
℃でのビッカース硬さを測定した。これらの測定結果を
第1表に示した。
〔発明の効果〕
第1表に示される結果から、本発明法1〜30で製造さ
れたCo基合金は、CaおよびMgの併用複合添加によって、
これの添加処理を行なわない従来法1〜8によって製造
されたCo基合金に比して、高温硬さの低下なく、一段と
すぐれた熱間加工性を示すことが明らかであり、また比
較法1〜8で製造されたCo基合金に見られるように、Ca
およびMgのいずれか一方を添加しても、さらに両方を添
加しても、その添加量がこの発明の範囲を外れて少なす
ぎたり、あるいは多すぎたりしても所望の熱間加工性を
確保することができないことが明らかである。
上述のように、この発明の方法によれば、熱間加工性
のすぐれた高温耐摩耗性Co基合金を製造することがで
き、したがって、これに分塊鍛造や分塊圧延、さらに熱
間鍛造や熱間圧延などの熱間加工を施して板材や棒材、
さらに各種の部材を製造するに際して、加工率を高くし
ても割れなどの発生がないので、高い生産性と歩留を確
保することができるようになるなど工業上有用な効果が
もたらされるのである。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で、 C:0.05〜2%、Cr:15〜35%、 WおよびMoのうちの1種または2種:2〜20%、 Si:0.01〜2%およびMn:0.01〜2%のうちの1種または
    2種、 を含有し、残りがCoと不可避不純物からなる組成を有す
    るCo基合金溶湯を、添加量で、 0.001〜0.3%のCaと0.001〜0.2%のMg(ただしCaとMgの
    合量:0.35%以下)、 の複合添加により処理することを特徴とする熱間加工性
    のすぐれた高温耐摩耗性Co基合金の製造法。
  2. 【請求項2】重量%で、 C:0.05〜2%、Cr:15〜35%、 WおよびMoのうちの1種または2種:2〜20%、 Si:0.01〜2%およびMn:0.01〜2%のうちの1種または
    2種、 を含有し、さらに、 NiおよびFeのうちの1種または2種:1〜25%、 を含有し、残りがCoと不可避不純物からなる組成を有す
    るCo基合金溶湯を、添加量で、 0.001〜0.3%のCaと0.001〜0.2%のMg(ただしCaとMgの
    合量:0.35%以下)、 の複合添加により処理することを特徴とする熱間加工性
    のすぐれた高温耐摩耗性Co基合金の製造法。
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