JPS6121297B2 - - Google Patents
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- JPS6121297B2 JPS6121297B2 JP56078863A JP7886381A JPS6121297B2 JP S6121297 B2 JPS6121297 B2 JP S6121297B2 JP 56078863 A JP56078863 A JP 56078863A JP 7886381 A JP7886381 A JP 7886381A JP S6121297 B2 JPS6121297 B2 JP S6121297B2
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Description
この発明は、特に耐熱衝撃性、耐熱性、高温耐
摩耗性にすぐれ、これらの特性が要求される継目
無鋼管製造用熱間傾斜圧延機のガイドシユーとし
て使用するのに適した鋳造合金に関するものであ
る。 一般に、熱間傾斜圧延機は、上下位置に配した
2個の樽形傾斜ロール、左右位置に配したガイド
シユー、ガイドシユーおよび前面中心位置に配し
たプラグを備え、この間に1150〜1250℃に加熱さ
れた丸ビレツトを供給し、前記樽形傾斜ロールと
プラグにより熱間穿孔圧延して継目無鋼管を製造
するものである。この場合、この素管は楕円形を
呈しながら成形されることになるが、この素管の
外径および肉厚を一定に調整するために設けられ
たのがガイドシユーである。 したがつて、素管は螺旋状に回転前進しながら
ガイドシユーの表面と摺動するため、高温に加熱
された素管と接触するガイドシユーは、熱伝導に
よる急速加熱と冷却水による急冷の繰返し、並び
に大きな応力負荷状態での転がり摺動摩擦にさら
されることになる。 従来、このような苛酷な条件下で使用に供され
るガイドシユーの製造には、Fe−23%Cr−3%
Ni系やFe−26%Cr−2%Ni系などの高Cr低Ni耐
熱耐摩耗性合金鋼や、Fe−1%C−20%Cr−7
%Ni−5%Co−5%Cu系やNi−1%C−15%Cr
−5%Mo系などの鋳造合金等が使用されている
が、これらの合金のあるものは、耐熱性不足が原
因で高温加熱された素管の表面に発生したスケー
ルや鋼片がその表面に焼付き、これが原因で鋼管
の表面に疵がついて製造歩留を悪くしたり、ま
た、あるものは局部的高温加熱と水冷の繰返しに
よる熱衝撃に耐えられず、割れが生じたり、さら
に、あるものは高温における耐摩耗性不足が原因
で短い使用寿命しか示さないなど、これらのガイ
ドシユーに要求される耐熱衝撃性、耐熱性、およ
び高温耐摩耗性を兼ね備えた合金は未だ開発され
ていないのが現状である。 本発明者等は、上述のような観点から、継目無
鋼管製造用熱間傾斜圧延機のガイドシユーに要求
される特性をすべて兼ね備えた鋳造合金を得べく
研究を行なつた結果、C:0.55〜1.9%,Si:0.1
〜3%,Mn:0.1〜2%,Cr:28〜39%,Ni:25
〜46%,Co:1〜8%,Ti:0.01〜2%,W:
1〜8%,Mo:0.5〜9%を含有し、さらに必要
に応じてN:0.005〜0.2%と、Nb:0.01〜1.5%
およびTa:0.01〜1.5%のうちの1種または2種
と、B:0.001〜0.2%およびZr:0.001〜0.2%の
うちの1種または2種とからなる群から選んだ少
なくとも1種を含有し、残りがFeと不可避不純
物からなる組成(以上重量%)をもつた鋳造合金
は、すぐれた耐熱衝撃性、耐熱性、および高温耐
摩耗性を兼ね備え、したがつてこれらの特性が要
求される熱間傾斜圧延機のガイドシユーとして使
用した場合に、きわめて長期に亘つてすぐれた性
能を安定的に発揮するという知見を得たのであ
る。 この発明は上記知見にもとづいてなされたもの
であつて、以下に成分組成範囲を上記の通りに限
定した理由を説明する。 (a) C C成分には、高温で素地中に固溶する一方、
Cr,W,Mo,Ti,Nb,およびTaなどと結合し
てM7C3,MC,およびM23C6型などの炭化物を形
成し、もつて粒界の強化と硬さの向上をはかり、
この結果としてすぐれた耐摩耗性のほか、溶接性
および鋳造性を確保する作用があるが、その含有
量が0.55%未満では前記作用に所望の効果が得ら
れず、一方1.9%を越えて含有させると、炭化物
の析出が多くなるばかりでなく、その粒径が粗大
化して靭性が低下し、急熱急冷による熱衝撃に耐
えられなくなることから、その含有量を0.55〜
1.9%と定めた。 (b) Si Si成分には、Crと共に耐熱性を向上させる作
用があるほか、脱酸作用並びに溶湯の流動性を改
善して鋳造性を向上させる作用があり、さらに高
温強度も改善する作用があるが、その含有量が
0.1%未満では前記各作用に所望の効果が得られ
ず、一方3%を越えて含有させると、Crとの関
連において靭性および溶接性が低下するようにな
ることから、その含有量を0.1〜3%と定めた。 (c) Mn Mn成分には、Niと共に素地に固溶してオース
テナイトを安定化させ、もつて耐熱衝撃性および
高温耐摩耗性を向上させる作用があり、かつ脱酸
作用も合せもつが、その含有量が0.1%未満では
所望の作用効果を確保することができず、一方2
%を越えて含有させると、耐熱性が劣化するよう
になることから、その含有量を0.1〜2%と定め
た。 (d) Cr Cr成分には、その一部が素地に固溶し、残り
の部分が炭化物を形成して合金の硬さを向上さ
せ、もつて高温耐摩耗性を改善するほか、耐熱性
をも向上させる作用があるが、その含有量が28%
未満では所望の作用効果が得られず、一方39%を
越えて含有させると耐熱衝撃性が低下するように
なることから、その含有量を28〜39%と定めた。 (e) Ni Ni成分には、オーステナイト地を安定にして
耐熱衝撃性および靭性を高めるほか、高温強度お
よび高温耐摩耗性を改善し、さらにCrと共に耐
熱性を向上させる作用があるが、その含有量が25
%未満では前記作用に所望の効果が得られず、一
方46%を越えて含有させてもより一層の改善効果
は見られず、経済性をも考慮して、その含有量を
25〜46%と定めた。 (f) Co Co成分には、素地に固溶して、これを強化
し、高温強度を改善するほか、高温耐摩耗性およ
び耐熱衝撃性を向上させる作用があるが、その含
有量が1%未満では所望の作用効果が得られず、
一方8%を越えて含有させてもより一層の改善効
果が見られず、むしろ前記作用効果の減少すら見
られるようになることから、その含有量を1〜8
%と定めた。 (g) Ti Ti成分には、素地の結晶粒の成長を抑制する
ばかりでなく、むしろこの結晶を微細化し、かつ
MC型の炭化物および窒化物を形成して、高温強
度および高温耐摩耗性を向上させる作用がある
が、その含有量が0.01%未満では前記作用に所望
の効果が得られず、一方2%を越えて含有させる
と、高温における炭化物形成や促進されて、合金
の靭性が低下し、さらに高温での酸化物の生成も
顕著となることから耐熱性の劣化をきたすように
なる理由で、その含有量を0.01〜2%と定めた。 (h) W W成分にも、素地中に固溶すると共にCと炭化
物を形成して高温硬さおよび耐摩耗性を改善する
作用があるが、その含有量が1%未満では所望の
作用効果が得られず、一方8%を越えて含有させ
ると、耐摩耗性は向上するようになるが、靭性お
よび耐熱衝撃性が劣化するようになることから、
その含有量を1〜8%と定めた。 (i) Mo Mo成分には、Wと同様に、特に高温耐摩耗性
を向上させる作用があるが、その含有量が0.5%
未満では所望のすぐれた高温耐摩耗性を得ること
ができず、一方9%を越えて含有させると、Wと
同様に靭性および耐熱衝撃性が劣化するようにな
ることから、その含有量を0.5〜9%と定めた。 (j) N N成分には、その一部がオーステナイト素地に
固溶して、これを安定化すると共に、残りの部分
が金属窒化物を形成して高温強度を一段と向上さ
せる作用があるので、特に高温強度が要求される
場合に必要に応じて含有されるが、その含有量が
0.005%未満では、より一層の高温強度改善効果
が得られず、一方0.2%を越えて含有させると、
窒化物量が増大するばかりでなく、窒化物粒子の
粗大化が起つて脆化し、耐熱衝撃性が劣化するよ
うになることから、その含有量を0.005〜0.2%と
限定した。 (k) NbおよびTa これら両成分には、特に素地の結晶粒の成長を
抑制し、かつMCの炭化物および窒化物を形成し
て、高温強度および高温耐摩耗性をさらに一段と
向上させる均等的作用があるので、これらの特性
が特に必要とされる場合に必要に応じて含有され
るが、その含有量がそれぞれ0.01%未満では前記
向上作用に所望の効果が得られず、一方1.5%を
越えてそれぞれ含有させると、高温での酸化物の
生成が著しくなるなどの耐熱性の劣化をもたら
し、さらに炭化物の形成が多くなり過ぎて靭性お
よび耐熱衝撃性の劣化をもたらすことから、それ
ぞれの含有量を0.01〜1.5%と定めた。 (l) BおよびZr これらの両成分には、高温強度、高温耐摩耗
性、耐熱衝撃性、および耐熱性をより一層向上さ
せる均等的作用があるので、必要に応じて含有さ
れるが、その含有量がそれぞれ0.001%未満では
所望の向上効果が得られず、一方0.2%を越えて
含有させると、靭性、耐熱衝撃性、さらには鋳造
性および溶接性の劣化をきたすようになることか
ら、それぞれの含有量を0.001〜0.2%と定めた。 つぎにこの発明の鋳造合金を実施例により比較
例と対比しながら説明する。 実施例 通常の高周波溶解炉を用い、それぞれ第1表に
示される通りの成分組成をもつた合金を大気中溶
解し、ついで砂型に鋳造することによつて、本発
明鋳造合金1〜30、比較鋳造合金1〜11、および
従来鋳造合金1,2の各種試験片をそれぞれ製造
し、これらの試験片を用いて、硬さ測定試験、常
温シヤルピー衝撃試験、大越式金属間摩耗試験、
および実機の急速加熱および急速冷却の繰返しに
近い条件での熱衝撃試験をそれぞれ行なつた。 なお、硬さ測定試験は常温、900℃、および
1000℃におけるビツカース硬さを測定することに
より行ない、また大越式金属間摩耗試験は、相手
材:SUJ−2(HRC:57以上)、荷重:18.2Kg、
摩擦速度:0.083m/secの条件で、かつ常温乾燥
状態で行ない、これらの結果から比摩耗量を算出
した、さらに熱衝撃試験は、一方端面の中心部に
直径:10mmφの球面凹みを形成した12mm
摩耗性にすぐれ、これらの特性が要求される継目
無鋼管製造用熱間傾斜圧延機のガイドシユーとし
て使用するのに適した鋳造合金に関するものであ
る。 一般に、熱間傾斜圧延機は、上下位置に配した
2個の樽形傾斜ロール、左右位置に配したガイド
シユー、ガイドシユーおよび前面中心位置に配し
たプラグを備え、この間に1150〜1250℃に加熱さ
れた丸ビレツトを供給し、前記樽形傾斜ロールと
プラグにより熱間穿孔圧延して継目無鋼管を製造
するものである。この場合、この素管は楕円形を
呈しながら成形されることになるが、この素管の
外径および肉厚を一定に調整するために設けられ
たのがガイドシユーである。 したがつて、素管は螺旋状に回転前進しながら
ガイドシユーの表面と摺動するため、高温に加熱
された素管と接触するガイドシユーは、熱伝導に
よる急速加熱と冷却水による急冷の繰返し、並び
に大きな応力負荷状態での転がり摺動摩擦にさら
されることになる。 従来、このような苛酷な条件下で使用に供され
るガイドシユーの製造には、Fe−23%Cr−3%
Ni系やFe−26%Cr−2%Ni系などの高Cr低Ni耐
熱耐摩耗性合金鋼や、Fe−1%C−20%Cr−7
%Ni−5%Co−5%Cu系やNi−1%C−15%Cr
−5%Mo系などの鋳造合金等が使用されている
が、これらの合金のあるものは、耐熱性不足が原
因で高温加熱された素管の表面に発生したスケー
ルや鋼片がその表面に焼付き、これが原因で鋼管
の表面に疵がついて製造歩留を悪くしたり、ま
た、あるものは局部的高温加熱と水冷の繰返しに
よる熱衝撃に耐えられず、割れが生じたり、さら
に、あるものは高温における耐摩耗性不足が原因
で短い使用寿命しか示さないなど、これらのガイ
ドシユーに要求される耐熱衝撃性、耐熱性、およ
び高温耐摩耗性を兼ね備えた合金は未だ開発され
ていないのが現状である。 本発明者等は、上述のような観点から、継目無
鋼管製造用熱間傾斜圧延機のガイドシユーに要求
される特性をすべて兼ね備えた鋳造合金を得べく
研究を行なつた結果、C:0.55〜1.9%,Si:0.1
〜3%,Mn:0.1〜2%,Cr:28〜39%,Ni:25
〜46%,Co:1〜8%,Ti:0.01〜2%,W:
1〜8%,Mo:0.5〜9%を含有し、さらに必要
に応じてN:0.005〜0.2%と、Nb:0.01〜1.5%
およびTa:0.01〜1.5%のうちの1種または2種
と、B:0.001〜0.2%およびZr:0.001〜0.2%の
うちの1種または2種とからなる群から選んだ少
なくとも1種を含有し、残りがFeと不可避不純
物からなる組成(以上重量%)をもつた鋳造合金
は、すぐれた耐熱衝撃性、耐熱性、および高温耐
摩耗性を兼ね備え、したがつてこれらの特性が要
求される熱間傾斜圧延機のガイドシユーとして使
用した場合に、きわめて長期に亘つてすぐれた性
能を安定的に発揮するという知見を得たのであ
る。 この発明は上記知見にもとづいてなされたもの
であつて、以下に成分組成範囲を上記の通りに限
定した理由を説明する。 (a) C C成分には、高温で素地中に固溶する一方、
Cr,W,Mo,Ti,Nb,およびTaなどと結合し
てM7C3,MC,およびM23C6型などの炭化物を形
成し、もつて粒界の強化と硬さの向上をはかり、
この結果としてすぐれた耐摩耗性のほか、溶接性
および鋳造性を確保する作用があるが、その含有
量が0.55%未満では前記作用に所望の効果が得ら
れず、一方1.9%を越えて含有させると、炭化物
の析出が多くなるばかりでなく、その粒径が粗大
化して靭性が低下し、急熱急冷による熱衝撃に耐
えられなくなることから、その含有量を0.55〜
1.9%と定めた。 (b) Si Si成分には、Crと共に耐熱性を向上させる作
用があるほか、脱酸作用並びに溶湯の流動性を改
善して鋳造性を向上させる作用があり、さらに高
温強度も改善する作用があるが、その含有量が
0.1%未満では前記各作用に所望の効果が得られ
ず、一方3%を越えて含有させると、Crとの関
連において靭性および溶接性が低下するようにな
ることから、その含有量を0.1〜3%と定めた。 (c) Mn Mn成分には、Niと共に素地に固溶してオース
テナイトを安定化させ、もつて耐熱衝撃性および
高温耐摩耗性を向上させる作用があり、かつ脱酸
作用も合せもつが、その含有量が0.1%未満では
所望の作用効果を確保することができず、一方2
%を越えて含有させると、耐熱性が劣化するよう
になることから、その含有量を0.1〜2%と定め
た。 (d) Cr Cr成分には、その一部が素地に固溶し、残り
の部分が炭化物を形成して合金の硬さを向上さ
せ、もつて高温耐摩耗性を改善するほか、耐熱性
をも向上させる作用があるが、その含有量が28%
未満では所望の作用効果が得られず、一方39%を
越えて含有させると耐熱衝撃性が低下するように
なることから、その含有量を28〜39%と定めた。 (e) Ni Ni成分には、オーステナイト地を安定にして
耐熱衝撃性および靭性を高めるほか、高温強度お
よび高温耐摩耗性を改善し、さらにCrと共に耐
熱性を向上させる作用があるが、その含有量が25
%未満では前記作用に所望の効果が得られず、一
方46%を越えて含有させてもより一層の改善効果
は見られず、経済性をも考慮して、その含有量を
25〜46%と定めた。 (f) Co Co成分には、素地に固溶して、これを強化
し、高温強度を改善するほか、高温耐摩耗性およ
び耐熱衝撃性を向上させる作用があるが、その含
有量が1%未満では所望の作用効果が得られず、
一方8%を越えて含有させてもより一層の改善効
果が見られず、むしろ前記作用効果の減少すら見
られるようになることから、その含有量を1〜8
%と定めた。 (g) Ti Ti成分には、素地の結晶粒の成長を抑制する
ばかりでなく、むしろこの結晶を微細化し、かつ
MC型の炭化物および窒化物を形成して、高温強
度および高温耐摩耗性を向上させる作用がある
が、その含有量が0.01%未満では前記作用に所望
の効果が得られず、一方2%を越えて含有させる
と、高温における炭化物形成や促進されて、合金
の靭性が低下し、さらに高温での酸化物の生成も
顕著となることから耐熱性の劣化をきたすように
なる理由で、その含有量を0.01〜2%と定めた。 (h) W W成分にも、素地中に固溶すると共にCと炭化
物を形成して高温硬さおよび耐摩耗性を改善する
作用があるが、その含有量が1%未満では所望の
作用効果が得られず、一方8%を越えて含有させ
ると、耐摩耗性は向上するようになるが、靭性お
よび耐熱衝撃性が劣化するようになることから、
その含有量を1〜8%と定めた。 (i) Mo Mo成分には、Wと同様に、特に高温耐摩耗性
を向上させる作用があるが、その含有量が0.5%
未満では所望のすぐれた高温耐摩耗性を得ること
ができず、一方9%を越えて含有させると、Wと
同様に靭性および耐熱衝撃性が劣化するようにな
ることから、その含有量を0.5〜9%と定めた。 (j) N N成分には、その一部がオーステナイト素地に
固溶して、これを安定化すると共に、残りの部分
が金属窒化物を形成して高温強度を一段と向上さ
せる作用があるので、特に高温強度が要求される
場合に必要に応じて含有されるが、その含有量が
0.005%未満では、より一層の高温強度改善効果
が得られず、一方0.2%を越えて含有させると、
窒化物量が増大するばかりでなく、窒化物粒子の
粗大化が起つて脆化し、耐熱衝撃性が劣化するよ
うになることから、その含有量を0.005〜0.2%と
限定した。 (k) NbおよびTa これら両成分には、特に素地の結晶粒の成長を
抑制し、かつMCの炭化物および窒化物を形成し
て、高温強度および高温耐摩耗性をさらに一段と
向上させる均等的作用があるので、これらの特性
が特に必要とされる場合に必要に応じて含有され
るが、その含有量がそれぞれ0.01%未満では前記
向上作用に所望の効果が得られず、一方1.5%を
越えてそれぞれ含有させると、高温での酸化物の
生成が著しくなるなどの耐熱性の劣化をもたら
し、さらに炭化物の形成が多くなり過ぎて靭性お
よび耐熱衝撃性の劣化をもたらすことから、それ
ぞれの含有量を0.01〜1.5%と定めた。 (l) BおよびZr これらの両成分には、高温強度、高温耐摩耗
性、耐熱衝撃性、および耐熱性をより一層向上さ
せる均等的作用があるので、必要に応じて含有さ
れるが、その含有量がそれぞれ0.001%未満では
所望の向上効果が得られず、一方0.2%を越えて
含有させると、靭性、耐熱衝撃性、さらには鋳造
性および溶接性の劣化をきたすようになることか
ら、それぞれの含有量を0.001〜0.2%と定めた。 つぎにこの発明の鋳造合金を実施例により比較
例と対比しながら説明する。 実施例 通常の高周波溶解炉を用い、それぞれ第1表に
示される通りの成分組成をもつた合金を大気中溶
解し、ついで砂型に鋳造することによつて、本発
明鋳造合金1〜30、比較鋳造合金1〜11、および
従来鋳造合金1,2の各種試験片をそれぞれ製造
し、これらの試験片を用いて、硬さ測定試験、常
温シヤルピー衝撃試験、大越式金属間摩耗試験、
および実機の急速加熱および急速冷却の繰返しに
近い条件での熱衝撃試験をそれぞれ行なつた。 なお、硬さ測定試験は常温、900℃、および
1000℃におけるビツカース硬さを測定することに
より行ない、また大越式金属間摩耗試験は、相手
材:SUJ−2(HRC:57以上)、荷重:18.2Kg、
摩擦速度:0.083m/secの条件で、かつ常温乾燥
状態で行ない、これらの結果から比摩耗量を算出
した、さらに熱衝撃試験は、一方端面の中心部に
直径:10mmφの球面凹みを形成した12mm
【表】
【表】
【表】
【表】
×12mm×30mmの角柱状試験片を用い、この試験片
の球面凹みを、酸素−プロパンガスバーナにより
30秒間加熱して、その温度を約900℃とした後、
直ちに噴霧水を20秒間吹付けて、その温度を約
200℃とする工程を1サイクルとし、これを繰返
し行ない、3回ごとに前記球面凹みを螢光探傷法
を用いて観察し、割れが発生するまでのサイクル
数を測定することにより行なつた。これらの試験
結果を第2表に合せて示した。なお、第2表の割
れ発生までのサイクル数の欄における「30回以
上」は、30サイクルの繰返し熱衝撃試験でも球面
凹みに割れ発生が見られないものである。 第2表に示される結果から、本発明鋳造合金1
〜30は、いずれも従来鋳造合金1,2に比して、
きわめてすぐれた常温および高温硬さを有し、か
つ常温靭性、耐摩耗性、および耐熱衝撃性にもす
ぐれていることがわかる。このように本発明鋳造
合金1〜30は、いずれもすぐれた常温および高温
硬さ、靭性、耐摩耗性、耐熱衝撃性を兼ね備えて
いるのに対して、構成成分のうちいずれかの成分
(※印表示)の含有量がこの発明の範囲から外れ
た組成を有する比較鋳造合金1〜11においては、
これらの特性のうち少なくともいずれかの特性が
劣つたものになつている。 上述のように、この発明の鋳造合金は、特に、
すぐれた耐熱性、耐摩耗性、および耐熱衝撃性を
具備しているので、これらの特性が要求される継
目無鋼管製造用熱間傾斜圧延機(穿孔機も含む)
のガイドシユーとして使用した場合、きわめて長
期に亘つて安定的性能を発揮するなど工業上有用
な特性を有するのである。
の球面凹みを、酸素−プロパンガスバーナにより
30秒間加熱して、その温度を約900℃とした後、
直ちに噴霧水を20秒間吹付けて、その温度を約
200℃とする工程を1サイクルとし、これを繰返
し行ない、3回ごとに前記球面凹みを螢光探傷法
を用いて観察し、割れが発生するまでのサイクル
数を測定することにより行なつた。これらの試験
結果を第2表に合せて示した。なお、第2表の割
れ発生までのサイクル数の欄における「30回以
上」は、30サイクルの繰返し熱衝撃試験でも球面
凹みに割れ発生が見られないものである。 第2表に示される結果から、本発明鋳造合金1
〜30は、いずれも従来鋳造合金1,2に比して、
きわめてすぐれた常温および高温硬さを有し、か
つ常温靭性、耐摩耗性、および耐熱衝撃性にもす
ぐれていることがわかる。このように本発明鋳造
合金1〜30は、いずれもすぐれた常温および高温
硬さ、靭性、耐摩耗性、耐熱衝撃性を兼ね備えて
いるのに対して、構成成分のうちいずれかの成分
(※印表示)の含有量がこの発明の範囲から外れ
た組成を有する比較鋳造合金1〜11においては、
これらの特性のうち少なくともいずれかの特性が
劣つたものになつている。 上述のように、この発明の鋳造合金は、特に、
すぐれた耐熱性、耐摩耗性、および耐熱衝撃性を
具備しているので、これらの特性が要求される継
目無鋼管製造用熱間傾斜圧延機(穿孔機も含む)
のガイドシユーとして使用した場合、きわめて長
期に亘つて安定的性能を発揮するなど工業上有用
な特性を有するのである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 C:0.55〜1.9%,Si:0.1〜3%,Mn:0.1
〜2%,Cr:28〜39%,Ni:25〜46%,Co:1
〜8%,Ti:0.01〜2%,W:1〜8%,Mo:
0.5〜9%を含有し、残りがFeと不可避不純物か
らなる組成(以上重量%)を有することを特徴と
する継目無鋼管製造用熱間傾斜圧延機のガイドシ
ユー用鋳造合金。 2 C:0.55〜1.9%,Si:0.1〜3%,Mn:0.1
〜2%,Cr:28〜39%,Ni:25〜46%,Co:1
〜8%,Ti:0.01〜2%,W:1〜8%,Mo:
0.5〜9%を含有し、さらにN:0.005〜0.2%を含
有し、残りがFeと不可避不純物からなる組成
(以上重量%)を有することを特徴とする継目無
鋼管製造用熱間傾斜圧延機のガイドシユー用鋳造
合金。 3 C:0.55〜1.9%,Si:0.1〜3%,Mn:0.1
〜2%,Cr:28〜39%,Ni:25〜46%,Co:1
〜8%,Ti:0.01〜2%,W:1〜8%,Mo:
0.5〜9%を含有し、さらにNb:0.01〜1.5%およ
びTa:0.01〜1.5のうちの1種または2種を含有
し、残りがFeと不可避不純物からなる組成(以
上重量%)を有することを特徴とする継目無鋼管
製造用熱間傾斜圧延機のガイドシユー用鋳造合
金。 4 C:0.55〜1.9%,Si:0.1〜3%,Mn:0.1
〜2%,Cr:28〜39%,Ni:25〜46%,Co:1
〜8%,Ti:0.01〜2%,W:1〜8%,Mo:
0.5〜9%を含有し、さらにB:0.001〜0.2%およ
びZr:0.001〜0.2%のうちの1種または2種を含
有し、残りがFeと不可避不純物からなる組成
(以上重量%)を有することを特徴とする継目無
鋼管製造用熱間傾斜圧延機のガイドシユー用鋳造
合金。 5 C:0.55〜1.9%,Si:0.1〜3%,Mn:0.1
〜2%,Cr:28〜39%,Ni:25〜46%,Co:1
〜8%,Ti:0.01〜2%,W:1〜8%,Mo:
0.5〜9%を含有し、さらにN:0.005〜0.2%と、
Nb:0.01〜1.5%およびTa:0.01〜1.5%のうちの
1種または2種を含有し、残りがFeと不可避不
純物からなる組成(以上重量%)を有することを
特徴とする継目無鋼管製造用熱間傾斜圧延機のガ
イドシユー用鋳造合金。 6 C:0.55〜1.9%,Si:0.1〜3%,Mn:0.1
〜2%,Cr:28〜39%,Ni:25〜46%,Co:1
〜8%,Ti:0.01〜2%,W:1〜8%,Mo:
0.5〜9%を含有し、さらにN:0.005〜0.2%と、
B:0.001〜0.2%およびZr:0.001〜0.2%のうち
の1種または2種を含有し、残りがFeと不可避
不純物からなる組成(以上重量%)を有すること
を特徴とする継目無鋼管製造用熱間傾斜圧延機の
ガイドシユー用鋳造合金。 7 C:0.55〜1.9%,Si:0.1〜3%,Mn:0.1
〜2%,Cr:28〜39%,Ni:25〜46%,Co:1
〜8%,Ti:0.01〜2%,W:1〜8%,Mo:
0.5〜9%を含有し、さらにNb:0.01〜1.5%およ
びTa:0.01〜1.5%のうちの1種または2種と、
B:0.001〜0.2%およびZr:0.001〜0.2%のうち
の1種または2種とを含有し、残りがFeと不可
避不純物からなる組成(以上重量%)を有するこ
とを特徴とする継目無鋼管製造用熱間傾斜圧延機
のガイドシユー用鋳造合金。 8 C:0.55〜1.9%,Si:0.1〜3%,Mn:0.1
〜2%,Cr:28〜39%,Ni:25〜46%,Co:1
〜8%,Ti:0.01〜2%,W:1〜8%,Mo:
0.5〜9%を含有し、さらにN:0.005〜0.2%と、
Nb:0.01〜1.5およびTa:0.01〜1.5%のうちの1
種または2種と、B:0.001〜0.2%およびZr:
0.001〜0.2%のうちの1種または2種とを含有
し、残りがFeと不可避不純物からなる組成(以
上重量%)を有することを特徴とする継目無鋼管
製造用熱間傾斜圧延機のガイドシユー用鋳造合
金。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7886381A JPS57194243A (en) | 1981-05-25 | 1981-05-25 | Cast alloy for guide shoe of inclined hot rolling mill for manufacturing seamless steel pipe |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7886381A JPS57194243A (en) | 1981-05-25 | 1981-05-25 | Cast alloy for guide shoe of inclined hot rolling mill for manufacturing seamless steel pipe |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS57194243A JPS57194243A (en) | 1982-11-29 |
JPS6121297B2 true JPS6121297B2 (ja) | 1986-05-26 |
Family
ID=13673659
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7886381A Granted JPS57194243A (en) | 1981-05-25 | 1981-05-25 | Cast alloy for guide shoe of inclined hot rolling mill for manufacturing seamless steel pipe |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS57194243A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109943773A (zh) * | 2019-02-22 | 2019-06-28 | 刘沁昱 | 耐高温合金,冷渣器风帽及制备方法和循环流化床锅炉 |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6160853A (ja) * | 1984-08-29 | 1986-03-28 | Nippon Steel Corp | 鋳造工具 |
JP3730317B2 (ja) * | 1996-05-30 | 2006-01-05 | 東レ・ダウコーニング株式会社 | 人工大理石用熱硬化性樹脂組成物および人工大理石 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5274509A (en) * | 1975-12-18 | 1977-06-22 | Mitsubishi Metal Corp | Ni-base sintered alloy |
-
1981
- 1981-05-25 JP JP7886381A patent/JPS57194243A/ja active Granted
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5274509A (en) * | 1975-12-18 | 1977-06-22 | Mitsubishi Metal Corp | Ni-base sintered alloy |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109943773A (zh) * | 2019-02-22 | 2019-06-28 | 刘沁昱 | 耐高温合金,冷渣器风帽及制备方法和循环流化床锅炉 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS57194243A (en) | 1982-11-29 |
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