JPS625979B2 - - Google Patents
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- JPS625979B2 JPS625979B2 JP13859481A JP13859481A JPS625979B2 JP S625979 B2 JPS625979 B2 JP S625979B2 JP 13859481 A JP13859481 A JP 13859481A JP 13859481 A JP13859481 A JP 13859481A JP S625979 B2 JPS625979 B2 JP S625979B2
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Description
この発明は、特に耐熱衝撃性、高温耐食性、お
よび高温耐摩耗性にすぐれ、これらの特性が要求
される継目無鋼管製造用熱間傾斜圧延機のガイド
シユーとして使用するのに適したNi基鋳造合金
に関するものである。 一般に、熱間傾斜圧延機は、上下位置に配した
2個の樽形傾斜ロール,左右位置に配したガイド
シユー、および前面中心位置に配したプラグを備
え、この間に1150〜1250℃に加熱された丸ビレツ
トを供給し、前記樽形傾斜ロールとプラグにより
熱間穿孔圧延して継目無鋼管を製造するものであ
る。この場合、この素管は楕円形を呈しながら成
形されることになるが、この素管の外径および肉
厚を一定に調整するために設けられたのがガイド
シユーである。 したがつて、素管は螺旋状に回転前進しながら
ガイドシユーの表面と摺動するため、高温に加熱
された素管と接触するガイドシユーは、熱伝導に
よる急速加熱と冷却水による急冷の繰返し、並び
に大きな応力負荷状態での転がり摺動摩擦にさら
されることになる。 従来、このような苛酷な条件下で使用に供され
るガイドシユーの製造には、Fe―23%Cr―3%
Ni系やFe―26%Cr―2%Ni系などの高Cr低Ni耐
熱耐摩耗性合金鋼や、Fe―1%C―20%Cr―7
%Ni―5%Co―5%Cu系やNi―1%C―15%Cr
―5%Mo系などの鋳造合金等が使用されている
が、これらの合金のあるものは、高温耐食性不足
が原因で高温加熱された素管の表面に発生したス
ケールや鋼片がその表面に焼付き、これが原因で
鋼管の表面に疵がついて製造歩留を悪くしたり、
また、あるものは局部的高温加熱と水冷の繰返し
による熱衝撃に耐えられず、割れが生じたり、さ
らに、あるものは高温における耐摩耗性不足が原
因で短い使用寿命しか示さないなど、これらのガ
イドシユーに要求される耐熱衝撃性,高温耐食
性、および高温耐摩耗性を兼ね備えた合金は未だ
開発されていないのが現状である。 本発明者等は、上述のような観点から、継目無
鋼管製造用熱間傾斜圧延機のガイドシユーに要求
される特性をすべて兼ね備えた鋳造合金を得べく
研究を行なつた結果、C:0.55〜2%、Si:0.1
〜3%、Mn:0.1〜3%、Cr:10〜28%未満、
Fe:3〜30%、W:0.5〜10%、Mo:0.5〜10
%、Ti:0.01〜3.5%、Al:0.01〜3.5%を含有
し、さらに必要に応じてNb:0.01〜1.5%および
B:0.001〜0.2%のうちの1種または2種を含有
し、残りがNiと不可避不純物からなる組成(以
上重量%)をもつたNi基鋳造合金は、すぐれた
耐熱衝撃性,高温耐食性,および高温耐摩耗性を
兼ね備え、したがつてこれらの特性が要求される
熱間傾斜圧延機のガイドシユーとして使用した場
合に、きわめて長期に亘つてすぐれた性能を安定
的に発揮するという知見を得たのである。 この発明は上記知見にもとづいてなされたもの
であつて、以下に成分組成範囲を上記の通りに限
定した理由を説明する。 (a) C C成分には、高温で素地中に固溶する一方、
Cr,W,Mo,Ti,Nb,およびTaなどと結合し
てM7C3,MC,およびM23C6型などの炭化物を形
成し、もつて強度と硬さの向上をはかり、この結
果としてすぐれた耐摩耗性のほか、溶接性および
鋳造性を確保する作用があるが、その含有量が
0.55%未満では前記作用に所望の効果が得られ
ず、一方2%を越えて含有させると、炭化物の析
出が多くなるばかりでなく、その粒径が粗大化し
て靭性が低下し、急熱急冷による熱衝撃に耐えら
れなくなることから、その含有量を0.55〜2%と
定めた。 (b) Si Si成分には、Crと共に高温耐食性を向上させ
る作用があるほか、脱酸作用並びに溶湯の流動性
を改善して鋳造性を向上させる作用があり、さら
に高温強度も改善する作用があるが、その含有量
が0.1%未満では前記各作用に所望の効果が得ら
れず、一方3%を越えて含有させると、Crとの
関連において靭性および溶接性が低下するように
なることから、その含有量を0.1〜3%と定め
た。 なお、Si成分には、上記のように脱酸作用があ
るので、これを脱酸剤として使用した場合などに
は、不可避不純物として0.1%未満の範囲で含有
する場合があるが、この場合には、不可避不純物
含有量を含め、全体含有量が0.1%以上になるよ
うにすればよい。 (c) Mn Mn成分には、Niと共に素地に固溶してオース
テナイトを安定化させ、また耐熱衝撃性および高
温耐摩耗性を向上させる作用があり、かつ脱酸作
用も合せもつが、その含有量が0.1%未満では所
望の作用効果を確保することができず、一方3%
を越えて含有させると、高温耐食性が劣化するよ
うになることから、その含有量を0.1〜3%と定
めた。 また、Mn成分にも、上記のように脱酸作用の
ほか、脱硫作用があるので、これを脱酸脱硫剤と
して使用した場合などには、Si成分と同様に不可
避不純物として0.1%未満の範囲で含有する場合
があるが、この場合も不可避不純物含有量を含
め、全体含有量が0.1%以上になるように成分調
整すればよい。 (d) Cr Cr成分には、その一部が素地に固溶し、残り
の部分が炭化物を形成して合金の硬さを向上さ
せ、もつて高温耐摩耗性を改善するほか、高温耐
食性をも向上させる作用があるが、その含有量が
10%未満では所望の作用効果が得られず、一方、
28%以上含有させると耐熱衝撃性が低下するよう
になることから、その含有量を10〜28%未満と定
めた。 (e) Fe Fe成分は、所定量を含有する場合、Niと同等
の作用効果を発揮するので、コスト低減をはかる
目的で高価なNi成分の1部代替成分として含有
されるが、3%未満の含有では経済的効果が十分
でなく、一方30%を越えて含有させると、高温強
度が低下するようになることから、その含有量を
3〜30%と定めた。 (f) W W成分には、Moと共に素地に固溶するほか、
Cと結合して炭化物を形成し、合金の高温強度、
高温硬さ、および高温耐摩耗性を改善する作用が
あるが、その含有量が0.5%未満では所望の作用
効果が得られず、一方10%を越えて含有させる
と、耐摩耗性は向上するようになる反面、靭性お
よび耐熱衝撃性の劣化が著しくなることから、そ
の含有量を0.5〜10%と定めた。 (g) Mo Mo成分には、上記のようにWとの共存におい
て素地に固溶して、これを強化し、かつ炭化物を
形成して合金の高温強度,高温硬さ,および高温
耐摩耗性を改善する作用があるが、その含有量が
0.5%満では前記作用に所望の効果が得られず、
一方10%を越えて含有させると、Wの場合と同様
に靭性および耐熱衝撃性が劣化するようになるこ
とから、その含有量を0.5〜10%と定めた。 (h) Ti Ti成分には、素地の結晶粒の成長を抑制する
ばかりでなく、むしろ結晶粒を微細化し、かつ
MC型の炭化物および窒化物、さらにNiおよびAl
と結合してNi3(Al,Ti)の金属間化合物を形成
して、高温強度,高温耐摩耗性,耐熱衝撃性,お
よび靭性を向上させる作用があるが、その含有量
が0.01%未満では前記作用に所望の効果が得られ
ず、一方3.5%を越えて含有させると、高温にお
ける炭化物形成が促進されて合金の靭性が低下
し、さらに高温での酸化物の生成も顕著となつて
高温耐食性劣化の原因となることから、その含有
量を0.01〜3.5%と定めた。 (i) Al Al成分には、Crとの共存において高温での耐
酸化性および耐食性を改善し、さらに上記のよう
にNiおよびTiと結合してNi3(Al,Ti)の金属間
化合物を形成するほか、窒化物を形成して高温強
度および耐摩耗性を一段そ高め、かつ耐熱衝撃性
および靭性を向上させる作用があるが、その含有
量が0.01%未満では前記作用に所望の効果が得ら
れず、一方3.5%を越えて含有させると、溶湯の
流動性および鋳造性が低下して製造が困難となる
ばかりでなく、靭性および溶接性も低下して実用
的でなくなることから、その含有量を0.01〜3.5
%と定めた。 (j) Nb この成分には、特に素地の結晶粒の成長を抑制
し、かつMC型の炭化物および窒化物を形成し
て、高温強度および高温耐摩耗性をさらに一段と
向上させる均等的作用があるので、これらの特性
が特に必要とされる場合に必要に応じて含有され
るが、その含有量が0.01%未満では前記向上作用
に所望の効果が得られず、一方1.5%を越えて含
有させると、高温での酸化物の生成が著しくなる
などの高温耐食性の劣化をもたらし、さらに炭化
物の形成が多くなり過ぎて靭性および耐熱衝撃性
の劣化をもたらすことから、その含有量を0.01〜
1.5%と定めた。 (k) B この成分には、高温強度,高温耐摩耗性,耐摩
衝撃性,および高温耐食性をより一層向上させる
均等的作用があるので、必要に応じて含有される
が、その含有量が0.001%未満では所望の向上効
果が得られず、一方0.2%を越えて含有させる
と、靭性,耐熱衝撃性,さらには鋳造性および溶
接性の劣化をきたらすようになることから、その
含有量を0.001〜0.2%と定めた。 つぎに、この発明の鋳造合金を実施例により比
較例と対比しながら説明する。 実施例 通常の高周波溶解炉を用い、それぞれ第1表に
示される通りの成分組成をもつた溶湯を大気中溶
解し、ついで砂型に鋳造することによつて、本発
明鋳造合金1〜31,比較鋳造合金1〜17,および
従来鋳造合金1,2の各種試験片をそれぞれ製造
し、これらの試験片を用いて、硬さ測定試験,
よび高温耐摩耗性にすぐれ、これらの特性が要求
される継目無鋼管製造用熱間傾斜圧延機のガイド
シユーとして使用するのに適したNi基鋳造合金
に関するものである。 一般に、熱間傾斜圧延機は、上下位置に配した
2個の樽形傾斜ロール,左右位置に配したガイド
シユー、および前面中心位置に配したプラグを備
え、この間に1150〜1250℃に加熱された丸ビレツ
トを供給し、前記樽形傾斜ロールとプラグにより
熱間穿孔圧延して継目無鋼管を製造するものであ
る。この場合、この素管は楕円形を呈しながら成
形されることになるが、この素管の外径および肉
厚を一定に調整するために設けられたのがガイド
シユーである。 したがつて、素管は螺旋状に回転前進しながら
ガイドシユーの表面と摺動するため、高温に加熱
された素管と接触するガイドシユーは、熱伝導に
よる急速加熱と冷却水による急冷の繰返し、並び
に大きな応力負荷状態での転がり摺動摩擦にさら
されることになる。 従来、このような苛酷な条件下で使用に供され
るガイドシユーの製造には、Fe―23%Cr―3%
Ni系やFe―26%Cr―2%Ni系などの高Cr低Ni耐
熱耐摩耗性合金鋼や、Fe―1%C―20%Cr―7
%Ni―5%Co―5%Cu系やNi―1%C―15%Cr
―5%Mo系などの鋳造合金等が使用されている
が、これらの合金のあるものは、高温耐食性不足
が原因で高温加熱された素管の表面に発生したス
ケールや鋼片がその表面に焼付き、これが原因で
鋼管の表面に疵がついて製造歩留を悪くしたり、
また、あるものは局部的高温加熱と水冷の繰返し
による熱衝撃に耐えられず、割れが生じたり、さ
らに、あるものは高温における耐摩耗性不足が原
因で短い使用寿命しか示さないなど、これらのガ
イドシユーに要求される耐熱衝撃性,高温耐食
性、および高温耐摩耗性を兼ね備えた合金は未だ
開発されていないのが現状である。 本発明者等は、上述のような観点から、継目無
鋼管製造用熱間傾斜圧延機のガイドシユーに要求
される特性をすべて兼ね備えた鋳造合金を得べく
研究を行なつた結果、C:0.55〜2%、Si:0.1
〜3%、Mn:0.1〜3%、Cr:10〜28%未満、
Fe:3〜30%、W:0.5〜10%、Mo:0.5〜10
%、Ti:0.01〜3.5%、Al:0.01〜3.5%を含有
し、さらに必要に応じてNb:0.01〜1.5%および
B:0.001〜0.2%のうちの1種または2種を含有
し、残りがNiと不可避不純物からなる組成(以
上重量%)をもつたNi基鋳造合金は、すぐれた
耐熱衝撃性,高温耐食性,および高温耐摩耗性を
兼ね備え、したがつてこれらの特性が要求される
熱間傾斜圧延機のガイドシユーとして使用した場
合に、きわめて長期に亘つてすぐれた性能を安定
的に発揮するという知見を得たのである。 この発明は上記知見にもとづいてなされたもの
であつて、以下に成分組成範囲を上記の通りに限
定した理由を説明する。 (a) C C成分には、高温で素地中に固溶する一方、
Cr,W,Mo,Ti,Nb,およびTaなどと結合し
てM7C3,MC,およびM23C6型などの炭化物を形
成し、もつて強度と硬さの向上をはかり、この結
果としてすぐれた耐摩耗性のほか、溶接性および
鋳造性を確保する作用があるが、その含有量が
0.55%未満では前記作用に所望の効果が得られ
ず、一方2%を越えて含有させると、炭化物の析
出が多くなるばかりでなく、その粒径が粗大化し
て靭性が低下し、急熱急冷による熱衝撃に耐えら
れなくなることから、その含有量を0.55〜2%と
定めた。 (b) Si Si成分には、Crと共に高温耐食性を向上させ
る作用があるほか、脱酸作用並びに溶湯の流動性
を改善して鋳造性を向上させる作用があり、さら
に高温強度も改善する作用があるが、その含有量
が0.1%未満では前記各作用に所望の効果が得ら
れず、一方3%を越えて含有させると、Crとの
関連において靭性および溶接性が低下するように
なることから、その含有量を0.1〜3%と定め
た。 なお、Si成分には、上記のように脱酸作用があ
るので、これを脱酸剤として使用した場合などに
は、不可避不純物として0.1%未満の範囲で含有
する場合があるが、この場合には、不可避不純物
含有量を含め、全体含有量が0.1%以上になるよ
うにすればよい。 (c) Mn Mn成分には、Niと共に素地に固溶してオース
テナイトを安定化させ、また耐熱衝撃性および高
温耐摩耗性を向上させる作用があり、かつ脱酸作
用も合せもつが、その含有量が0.1%未満では所
望の作用効果を確保することができず、一方3%
を越えて含有させると、高温耐食性が劣化するよ
うになることから、その含有量を0.1〜3%と定
めた。 また、Mn成分にも、上記のように脱酸作用の
ほか、脱硫作用があるので、これを脱酸脱硫剤と
して使用した場合などには、Si成分と同様に不可
避不純物として0.1%未満の範囲で含有する場合
があるが、この場合も不可避不純物含有量を含
め、全体含有量が0.1%以上になるように成分調
整すればよい。 (d) Cr Cr成分には、その一部が素地に固溶し、残り
の部分が炭化物を形成して合金の硬さを向上さ
せ、もつて高温耐摩耗性を改善するほか、高温耐
食性をも向上させる作用があるが、その含有量が
10%未満では所望の作用効果が得られず、一方、
28%以上含有させると耐熱衝撃性が低下するよう
になることから、その含有量を10〜28%未満と定
めた。 (e) Fe Fe成分は、所定量を含有する場合、Niと同等
の作用効果を発揮するので、コスト低減をはかる
目的で高価なNi成分の1部代替成分として含有
されるが、3%未満の含有では経済的効果が十分
でなく、一方30%を越えて含有させると、高温強
度が低下するようになることから、その含有量を
3〜30%と定めた。 (f) W W成分には、Moと共に素地に固溶するほか、
Cと結合して炭化物を形成し、合金の高温強度、
高温硬さ、および高温耐摩耗性を改善する作用が
あるが、その含有量が0.5%未満では所望の作用
効果が得られず、一方10%を越えて含有させる
と、耐摩耗性は向上するようになる反面、靭性お
よび耐熱衝撃性の劣化が著しくなることから、そ
の含有量を0.5〜10%と定めた。 (g) Mo Mo成分には、上記のようにWとの共存におい
て素地に固溶して、これを強化し、かつ炭化物を
形成して合金の高温強度,高温硬さ,および高温
耐摩耗性を改善する作用があるが、その含有量が
0.5%満では前記作用に所望の効果が得られず、
一方10%を越えて含有させると、Wの場合と同様
に靭性および耐熱衝撃性が劣化するようになるこ
とから、その含有量を0.5〜10%と定めた。 (h) Ti Ti成分には、素地の結晶粒の成長を抑制する
ばかりでなく、むしろ結晶粒を微細化し、かつ
MC型の炭化物および窒化物、さらにNiおよびAl
と結合してNi3(Al,Ti)の金属間化合物を形成
して、高温強度,高温耐摩耗性,耐熱衝撃性,お
よび靭性を向上させる作用があるが、その含有量
が0.01%未満では前記作用に所望の効果が得られ
ず、一方3.5%を越えて含有させると、高温にお
ける炭化物形成が促進されて合金の靭性が低下
し、さらに高温での酸化物の生成も顕著となつて
高温耐食性劣化の原因となることから、その含有
量を0.01〜3.5%と定めた。 (i) Al Al成分には、Crとの共存において高温での耐
酸化性および耐食性を改善し、さらに上記のよう
にNiおよびTiと結合してNi3(Al,Ti)の金属間
化合物を形成するほか、窒化物を形成して高温強
度および耐摩耗性を一段そ高め、かつ耐熱衝撃性
および靭性を向上させる作用があるが、その含有
量が0.01%未満では前記作用に所望の効果が得ら
れず、一方3.5%を越えて含有させると、溶湯の
流動性および鋳造性が低下して製造が困難となる
ばかりでなく、靭性および溶接性も低下して実用
的でなくなることから、その含有量を0.01〜3.5
%と定めた。 (j) Nb この成分には、特に素地の結晶粒の成長を抑制
し、かつMC型の炭化物および窒化物を形成し
て、高温強度および高温耐摩耗性をさらに一段と
向上させる均等的作用があるので、これらの特性
が特に必要とされる場合に必要に応じて含有され
るが、その含有量が0.01%未満では前記向上作用
に所望の効果が得られず、一方1.5%を越えて含
有させると、高温での酸化物の生成が著しくなる
などの高温耐食性の劣化をもたらし、さらに炭化
物の形成が多くなり過ぎて靭性および耐熱衝撃性
の劣化をもたらすことから、その含有量を0.01〜
1.5%と定めた。 (k) B この成分には、高温強度,高温耐摩耗性,耐摩
衝撃性,および高温耐食性をより一層向上させる
均等的作用があるので、必要に応じて含有される
が、その含有量が0.001%未満では所望の向上効
果が得られず、一方0.2%を越えて含有させる
と、靭性,耐熱衝撃性,さらには鋳造性および溶
接性の劣化をきたらすようになることから、その
含有量を0.001〜0.2%と定めた。 つぎに、この発明の鋳造合金を実施例により比
較例と対比しながら説明する。 実施例 通常の高周波溶解炉を用い、それぞれ第1表に
示される通りの成分組成をもつた溶湯を大気中溶
解し、ついで砂型に鋳造することによつて、本発
明鋳造合金1〜31,比較鋳造合金1〜17,および
従来鋳造合金1,2の各種試験片をそれぞれ製造
し、これらの試験片を用いて、硬さ測定試験,
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
常温シヤルピー衝撃試験,大越式金属間摩耗試
験,および実機の急速加熱および急速冷却の繰返
しに近い条件での熱衝撃試験をそれぞれ行なつ
た。 なお、硬さ測定試験は常温,900℃,および
1000℃におけるビツカース硬さを測定することに
より行ない、また大越式金属間摩耗試験は、相手
材:SUJ―2(HRC:57以上),荷重:18.2Kg,
摩擦速度:0.083m/secの条件で、かつ常温乾燥
状態で行ない、これらの結果から比摩耗量を算出
した。さらに熱衝撃試験は、一方端面の中心部に
直径:10mmφの球面凹みを形成した12mm×12mm×
30mmの角柱状試験片を用い、この試験片の球面凹
みを、酸素―プロパンガスバーナにより30秒間加
熱して、その温度を約900℃とした後、直ちに噴
霧水を20秒間吹付けて、その温度を約200℃とす
る工程を1サイクルとし、これを繰返し行ない、
3回ごとに前記球面凹みを螢光探傷法を用いて観
察し、割れが発生するまでのサイクル数を測定す
ることにより行なつた。これらの試験結果を第2
表に合せて示した。なお、第2表の割れ発生まで
のサイクル数の欄における「30以上」は、30サイ
イクルの繰返し熱衝撃試験でも球面凹みに割れ発
生が見られないものである。 第2表に示される結果から、本発明鋳造合金1
〜31は、いずれも従来鋳造合金1,2に比して、
きわめてすぐれた常温および高温硬さを有し、か
つ常温靭性,耐摩耗性,および耐熱衝撃性にもす
ぐれていることがわかる。このように本発明鋳造
合金1〜31は、いずれもすぐれた常温および高温
硬さ,靭性,耐摩耗性,耐熱衝撃性を兼ね備えて
いるのに対して、構成成分のうちのいずれかの成
分の含有量(第1表で※印を付したもの)がこの
発明の範囲から外れた組成を有する比較鋳造合金
1〜17においては、これらの特性のうち少なくと
もいずれかの特性が劣つたものになつている。 上述のように、この発明の鋳造合金は、特に、
すぐれた高温耐食性,耐摩耗性,および耐熱衝撃
性を具備しているので、これらの特性が要求され
る継目無鋼管製造用熱間傾斜圧延機(穿孔機も含
む)のガイドシユーとして使用した場合、きわめ
て長期に亘つて安定的性能を発揮するなど工業上
有用な特性を有するのである。
験,および実機の急速加熱および急速冷却の繰返
しに近い条件での熱衝撃試験をそれぞれ行なつ
た。 なお、硬さ測定試験は常温,900℃,および
1000℃におけるビツカース硬さを測定することに
より行ない、また大越式金属間摩耗試験は、相手
材:SUJ―2(HRC:57以上),荷重:18.2Kg,
摩擦速度:0.083m/secの条件で、かつ常温乾燥
状態で行ない、これらの結果から比摩耗量を算出
した。さらに熱衝撃試験は、一方端面の中心部に
直径:10mmφの球面凹みを形成した12mm×12mm×
30mmの角柱状試験片を用い、この試験片の球面凹
みを、酸素―プロパンガスバーナにより30秒間加
熱して、その温度を約900℃とした後、直ちに噴
霧水を20秒間吹付けて、その温度を約200℃とす
る工程を1サイクルとし、これを繰返し行ない、
3回ごとに前記球面凹みを螢光探傷法を用いて観
察し、割れが発生するまでのサイクル数を測定す
ることにより行なつた。これらの試験結果を第2
表に合せて示した。なお、第2表の割れ発生まで
のサイクル数の欄における「30以上」は、30サイ
イクルの繰返し熱衝撃試験でも球面凹みに割れ発
生が見られないものである。 第2表に示される結果から、本発明鋳造合金1
〜31は、いずれも従来鋳造合金1,2に比して、
きわめてすぐれた常温および高温硬さを有し、か
つ常温靭性,耐摩耗性,および耐熱衝撃性にもす
ぐれていることがわかる。このように本発明鋳造
合金1〜31は、いずれもすぐれた常温および高温
硬さ,靭性,耐摩耗性,耐熱衝撃性を兼ね備えて
いるのに対して、構成成分のうちのいずれかの成
分の含有量(第1表で※印を付したもの)がこの
発明の範囲から外れた組成を有する比較鋳造合金
1〜17においては、これらの特性のうち少なくと
もいずれかの特性が劣つたものになつている。 上述のように、この発明の鋳造合金は、特に、
すぐれた高温耐食性,耐摩耗性,および耐熱衝撃
性を具備しているので、これらの特性が要求され
る継目無鋼管製造用熱間傾斜圧延機(穿孔機も含
む)のガイドシユーとして使用した場合、きわめ
て長期に亘つて安定的性能を発揮するなど工業上
有用な特性を有するのである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 C:0.55〜2%、 Si:0.1〜3%、 Mn:0.1〜3%、 Cr:10〜28%未満、 Fe:3〜30%、 W:0.5〜10%、 Mo:0.5〜10%、 Ti:0.01〜3.5%、 Al:0.01〜3.5%、 を含有し、残りがNiと不可避不純物からなる組
成(以上重量%)を有することを特徴とする継目
無鋼管製造用熱間傾斜圧延機のガイドシユー用
Ni基鋳造合金。 2 C:0.55〜2%、 Si:0.1〜3%、 Mn:0.1〜3%、 Cr:10〜28%未満、 Fe:3〜30%、 W:0.5〜10%、 Mo:0.5〜10%、 Ti:0.01〜3.5%、 Al:0.01〜3.5%、 を含有し、さらに、 Nb:0.01〜1.5%、 を含有し、残りが不可避不純物からなる組成(以
上重量%)を有することを特徴とする継目無鋼管
製造用熱間傾斜圧延機のガイドシユー用Ni基鋳
造合金。 3 C:0.55〜2%、 Si:0.1〜3%、 Mn:0.1〜3%、 Cr:10〜28%未満、 Fe:3〜30%、 W:0.5〜10%、 Mo:0.5〜10%、 Ti:0.01〜3.5%、 Al:0.01〜3.5%、 を含有し、さらに、 B:0.001〜0.2%、 を含有し、残りがNiと不可避不純物からなる組
成(以上重量%)を有することを特徴とする継目
無鋼管製造用熱間傾斜圧延機のガイドシユー用
Ni基鋳造合金。 4 C:0.55〜2%、 Si:0.1〜3%、 Mn:0.1〜3%、 Cr:10〜28%未満、 Fe:3〜30%、 W:0.5〜10%、 Mo:0.5〜10%、 Ti:0.01〜3.5%、 Al:0.01〜3.5%、 を含有し、さらに、 Nb:0.01〜1.5%、 B:0.001〜0.2%、 を含有し、残りがNiと不可避不純物からなる組
成(以上重量%)を有することを特徴とする継目
無鋼管製造用熱間傾斜圧延機のガイドシユー用
Ni基鋳造合金。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13859481A JPS5842742A (ja) | 1981-09-04 | 1981-09-04 | 継目無鋼管製造用熱間傾斜圧延機のガイドシユ−用Ni基鋳造合金 |
KR8203637A KR890001446B1 (ko) | 1981-09-04 | 1982-08-03 | 무계목강관 제조용 열간경사 압연기의 가이드슈용 Ni기 주조합금 |
CH2434/83A CH657380A5 (de) | 1981-09-04 | 1982-09-02 | Bei erhoehten temperaturen hitzebestaendige, verschleissfeste und zaehe legierung auf nickelbasis. |
US06/858,576 US4727740A (en) | 1981-09-04 | 1982-09-02 | Thermal and wear resistant tough nickel based alloy guide rolls |
DE19823248963 DE3248963T1 (de) | 1981-09-04 | 1982-09-02 | Bei erhöhten Temperaturen hitzebeständige verschleißfeste und zähe Legierung auf Nickelbasis |
PCT/JP1982/000352 WO1983000883A1 (en) | 1981-09-04 | 1982-09-02 | Heat- and abrasion-resistant tough nickel-based alloy |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13859481A JPS5842742A (ja) | 1981-09-04 | 1981-09-04 | 継目無鋼管製造用熱間傾斜圧延機のガイドシユ−用Ni基鋳造合金 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5842742A JPS5842742A (ja) | 1983-03-12 |
JPS625979B2 true JPS625979B2 (ja) | 1987-02-07 |
Family
ID=15225738
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13859481A Granted JPS5842742A (ja) | 1981-09-04 | 1981-09-04 | 継目無鋼管製造用熱間傾斜圧延機のガイドシユ−用Ni基鋳造合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5842742A (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS59229470A (ja) * | 1983-06-03 | 1984-12-22 | Mitsubishi Metal Corp | 高靭性Fe−Cr−Ni系鋳造耐熱合金 |
-
1981
- 1981-09-04 JP JP13859481A patent/JPS5842742A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5842742A (ja) | 1983-03-12 |
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