JPH116042A - 熱間加工性を改善した高速度工具鋼およびその製造方法 - Google Patents

熱間加工性を改善した高速度工具鋼およびその製造方法

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JPH116042A
JPH116042A JP15893097A JP15893097A JPH116042A JP H116042 A JPH116042 A JP H116042A JP 15893097 A JP15893097 A JP 15893097A JP 15893097 A JP15893097 A JP 15893097A JP H116042 A JPH116042 A JP H116042A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱間加工性をより一層改善した高速度工具鋼
を提供する。 【解決手段】 重量%で、C:0.50〜1.50%、
Si:0.10〜1.00%、Mn:0.10〜0.5
0%、Cr:3.50〜5.50%、Mo:2.00〜
8.00%、W:3.00〜8.00%、より好ましく
は2Mo+W:15〜22未満%、V:1.50〜3.
00%、Ca:0.0010〜0.0045%(10〜
45ppm)、より好ましくはCa:0.0015〜
0.0040%(15〜40ppm)、N:0.03%
以下、残部Feおよび不純物の成分組成からなり、凝固
時の組織中の炭化物をMC+MC炭化物の領域にする
ため下記式、 Fv=−0.45[C(%)][2Mo(%)+W
(%)]+2.4[C(%)]+0.84[Mo
(%)]+0.92[W(%)]+2[V(%)−1]
1/2 +5.45[Si(%)]+32.7[N(%)]
≧7.42 を満足する熱間加工性を改善した高速度工具鋼。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工具や金型などの
素材として利用される高速度工具鋼に関し、とくに、そ
の熱間加工性をさらに改善した高速度工具鋼およびその
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】JIS SKH51をはじめとする高速
度工具鋼は、一般に難加工材として知られており、従来
より、炭素鋼と同様の製造工程を採用することが困難で
あった。
【0003】その主な理由として、鋳片段階での熱間加
工性が炭素鋼に比較して良くないことを挙げることがで
きる。
【0004】そこで、従来は、高速度工具鋼専用の圧延
ラインを設けるとか、初期の熱間加工を鍛造などによっ
て代用するとかの手法が主に採用されていた。また、難
加工材であることによる表面疵の発生に対しては、鍛造
や圧延途中で表面疵の手入れを行うことで健全な製品を
得るようにしていた。
【0005】そのため、一般鋼と同一の工程で圧延する
ことができず、圧延前に鍛造等の工程増加が発生するこ
とから、難加工材の加工能率の低下や、納期の長期化が
発生することもありうるという問題点があり、このよう
な問題点を解決することが課題としてあった。
【0006】
【発明の目的】本発明は、このような従来の課題にかん
がみてなされたものであって、高速度工具鋼の鋳造組織
における熱間加工性を大幅に改善することにより、従来
は炭素鋼等の一般鋼と同一の製造ラインで行うことがで
きなかった圧延等の加工を同一の製造ラインで行うこと
を可能とし、安定した品質で、そしてまた短納期で低コ
ストにより製造することができる高速度工具鋼を提供す
ることを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる熱間加工
性を改善した高速度工具鋼は、請求項1に記載している
ように、重量%で、C:0.50〜1.50%、Si:
0.10〜1.00%、Mn:0.10〜0.50%、
Cr:3.50〜5.50%、Mo:2.00〜8.0
0%、W:3.00〜8.00%、V:1.50〜3.
00%、Ca:0.0010〜0.0045%、N:
0.03%以下、残部Feおよび不純物の成分組成から
なり、凝固時の組織中の炭化物をMC+MC領域にす
るため下記式、 Fv=−0.45[C(%)][2Mo(%)+W
(%)]+2.4[C(%)]+0.84[Mo
(%)]+0.92[W(%)]+2[V(%)−1]
1/2 +5.45[Si(%)]+32.7[N(%)]
≧7.42 を満足することを特徴としている。
【0008】そして、本発明に係わる熱間加工性を改善
した高速度工具鋼の実施態様においては、請求項2に記
載しているように、Ca:0.0015〜0.0040
%とすることができ、また、請求項3に記載しているよ
うに、2Mo+W:15〜22未満%とすることができ
る。
【0009】本発明に係わる熱間加工性を改善した高速
度工具鋼の製造方法は、請求項4に記載しているよう
に、請求項1に記載の成分組成の鋳片や鋼塊などの鋳塊
に対し、ソーキング保持温度:1150〜1220℃,
ソーキング保持時間:5〜60時間のソーキングを施す
ようにしたことを特徴としている。
【0010】
【発明の作用】本発明に係わる熱間加工性を改善した高
速度工具鋼およびその製造方法は、上述した構成を有す
るものであるが、以下に本発明についてさらにその作用
と共に詳細に説明する。
【0011】この種の高速度工具鋼の平衡状態図中で認
められる炭化物の種類としては、一般に、MC,M
C,M23を挙げることができるが、凝固組織そ
のままの組織中では、MC,MCおよび一部MC炭
化物が認められる。また、凝固組織そのままの組織中の
炭化物形態は、層状,ロット状,肋骨状等の形態で、凝
固途中で濃化溶鋼が集まるデンドライト樹枝間で発達
し、連続した形態を示している。
【0012】鋳造状態での熱間加工性を評価するため、
25kg真空誘導炉を用いて溶解し、同一タップ温度
(1500℃)、同一鋳型温度(300℃)にて鋳造し
たSKH51鋳造材から、高温高速引張り試験片を鋳造
材の1/2R部より切り出し、高温高速引張り試験機
(グリーブル試験機)を用いて、鋳造状態の絞り値およ
び強度を測定した。また、試験後の破断位置を調査し、
炭化物形態の影響、添加元素の影響について調査した。
【0013】破断位置を調査した結果、デンドライト状
に出ている炭化物の所でクラックが発生・拡大し破断に
至っていることが確認された。また、炭化物形態の影響
は、ネット状炭化物の幅が大きいほど絞り値が低く、デ
ンドライト組織の幅が大きいほど絞り値が低下すること
が確認された。
【0014】そこで、クラック発生箇所となっている炭
化物ネットの形態をコントロールすることを検討した。
さらに、炭化物ネットをなくすことで絞り値の向上を検
討した。そして、炭化物ネットをなくす方法として、ソ
ーキングにより炭化物を球状化してネット状炭化物を分
断することとした。
【0015】本発明者らは、高速度工具鋼に対する添加
元素の作用を鋭意検討した結果、Ca添加により、デン
ドライト組織の幅が小さくなることを確認した。そし
て、Ca無添加鋼に比較し、Ca添加量が増大すること
によって絞り値の増加が認められるが、その増加はおよ
そ0.0030重量%(30ppm)で飽和し、0.0
040重量%(40ppm)以上で徐々に低下してくる
ことが認められた。
【0016】それゆえ、Ca添加によって、絞り値向上
の作用が認められる最低量0.0010重量%(10p
pm)以上、より望ましくは、0.0015重量%(1
5ppm)以上、かつ、Ca添加による作用が飽和して
低下を開始する0.0045重量%(45ppm)以
下、より望ましくは、0.0040重量%(40pp
m)以下をCa添加の範囲とするのが良いことが認めら
れた。
【0017】因みに、デンドライト組織の大きさによっ
て影響されるグリーブル絞り値とCa添加量との関係を
図1に示す。図1より、Ca添加量の増加によってデン
ドライト組織の大きさは細かくなっていくことによりグ
リーブル絞り値は増大していくが、0.0030重量%
(30ppm)を超えるとその作用は頭打ちとなってい
ることが明らかである。
【0018】次に、先に述べたように、炭化物ネットを
なくす方法として、ソーキングにより炭化物を球状化し
てネット状炭化物を分断することが望ましいが、このソ
ーキングの作用について説明する。
【0019】ソーキングの際の鋳片や鋼塊などの鋳塊に
対する均熱保持により、炭化物ネット部分の分断・球状
化を行い、グリーブル絞り値と組織の関係を調査した。
この結果を図2および図3に示す。
【0020】図2および図3に示すように、炭化物組織
が球状化することによって絞り値の向上は顕著に認めら
れる。そして、炭化物の球状化は、ノーズ状の形状を持
った適正条件が決定される。この場合、ノーズスタート
時間は、炭化物の分断球状化組織と認められる段階であ
る。さらに、長時間ソーキングを実施すると、絞り値の
低下が始まる。これは、球状化した炭化物が長時間の等
温保持により粗大化し、熱間加工性を低下させるためで
あることが明らかになった。
【0021】そして、ソーキング条件は、グリーブル絞
り値が60%以上となる時間を最短とし、また、グリー
ブル絞り値が低下開始するまでの時間を最長とするのが
適当であり、具体的には、ソーキング保持温度:115
0〜1220℃、ソーキング保持時間:5〜60時間と
するのが適当であった。
【0022】次に、本発明による熱間加工性を改善した
高速度工具鋼の成分組成(重量%)の限定理由について
説明する。
【0023】C:0.50〜1.50% CはCr,Mo,W,V等の炭化物形成元素と結合して
炭化物を形成し、焼入れ・焼もどし硬さを与えることに
より高速度工具鋼の耐摩耗性,耐熱性,耐焼付き性の向
上に寄与する。しかし、多すぎると靭性が低下し、ま
た、凝固時に巨大な炭化物を生じさせるのでCr,M
o,W,V量とバランスさせて0.50〜1.50%の
範囲とした。
【0024】Si:0.10〜1.00% Siは鋼溶製時の脱酸剤として作用する元素であるが、
過度の添加は加工性や靭性が低下するので0.10〜
1.00%の範囲とした。
【0025】Mn:0.10〜0.50% Mnは鋼溶製時の脱酸剤として作用する元素であり、ま
た、焼入性および硬さを確保するのにも有効な元素であ
るが、多すぎると加工性や靭性を低下させるので0.1
0〜0.50%の範囲とした。
【0026】Cr:3.50〜5.50% Crは高速度工具鋼の焼入性,耐摩耗性,耐酸化性を向
上させるのに有効であるが、3.50%未満ではこの作
用が小さく、多すぎると高温強度、焼もどし軟化抵抗を
低下させ、多く添加した場合には凝固時に得られる炭化
物組織がMC系炭化物からM系炭化物へと変化
するため、上限を5.50%とした。
【0027】Mo:2.00〜8.00%、W:3.0
0〜8.00% MoおよびWはCと結合して特殊炭化物を形成し、高速
度工具鋼の耐摩耗性,耐焼付き性の向上に寄与する。ま
た、焼入れ時に母相に固溶し、焼もどしによる2次硬化
作用が大きく、高温強度の向上にも寄与する。このよう
な作用を確保するため、Moは2.00%以上、Wは
3.00%以上添加し、より望ましくはWeq.=2M
o+Wにて15以上とすることによって、十分な特殊炭
化物量が得られるようにする。他方、特殊炭化物量が多
すぎると、熱間加工性を損なうので、Moは8.00%
以下、Wも8.00%以下とし、より望ましくはWe
q.=2Mo+Wにて22%未満を上限とした。
【0028】V:1.50〜3.00% VはCと結合してMC型の硬質炭化物を形成し、高速度
工具鋼の耐摩耗性の向上に寄与する。そして、MC炭化
物の形成による耐摩耗性の向上が認められる1.50%
以上とした。また、多量に添加していくと、塊状のMC
炭化物が凝固組織中に多量に分散することによる熱間加
工性の低下が認められるため、その上限を3.00%と
した。
【0029】Ca:0.0010〜0.0045% Caは本発明に不可欠な添加元素であり、Caの添加に
よって凝固組織が微細化される作用が大きく認められ、
それにより、熱間加工性向上の作用が確認できた。そこ
で、このような作用を得るために0.0010重量%
(10ppm)以上、より好ましくは、0.0015重
量%(15ppm)以上とした。そして、Caの添加量
を増やしていくと熱間加工性が向上するが、0.003
0重量%(30ppm)でほぼ最大となり、それ以上に
なると熱間加工性は次第に低下するので、0.0045
重量%(45ppm)以下、より好ましくは、0.00
40重量%(40ppm)以下とした。
【0030】N:0.03%以下 Nは鋼中に平衡窒素として入るが、溶解のしにくいVN
が生成されて熱間加工性を害することとなるので、0.
03%以下とする必要がある。
【0031】Fv=−0.45[C(%)][2Mo
(%)+W(%)]+2.4[C(%)]+0.84
[Mo(%)]+0.92[W(%)]+2[V(%)
−1]1/2 +5.45[Si(%)]+32.7[N
(%)]≧7.42 Fv値は凝固組織の指標として与えられたものであっ
て、このFv値が7.42以上であるものとすることに
よって、凝固時の組織中における炭化物はMC+M
であるものとなり、ソーキング時の等温保持処理によっ
て鋳塊の表層から約10mmの組織中に含まれる共晶炭
化物であるネット状のMC炭化物は、MC+MC炭
化物へと分解すると共に炭化物が完全に分断・球状化し
た状態のものとすることにより熱間加工性は大幅に改善
されることとなる。したがって、上記式で与えられるF
v値は7.42以上であるものとした。
【0032】
【実施例】
(実施例1)表1および表2に示す化学成分組成の鋼を
真空誘導溶解炉によって各々溶製したのち、タップ温
度:1500℃,鋳型温度:300℃の条件で各々鋳造
することにより鋳片とし、各鋳片に対して、ソーキング
保持温度:1200℃,ソーキング保持時間:20時間
のソーキングを施した。
【0033】次いで、鋳造のまま(as cast)の
各鋼について鋳片の1/2R部より切り出して高温高速
引張試験片を得たのち、温度:1100℃dの高温高速
引張試験(グリーブル試験)を行って各々の絞り値を測
定した。この結果を同じく表1および表2に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】表1および表2に示すように、本発明鋼で
はいずれも1100℃での高温高速引張試験結果におい
て絞り値が60%以上であり、従来の高速度工具鋼に比
べて熱間加工性がかなり改善されていることが確認され
た。
【0037】(実施例2)表1の鋼種No.2につい
て、ソーキング保持温度およびソーキング保持時間を表
3に示すごとく変えてソーキングを施したのち、前記実
施例1と同様にして温度:1100℃での高温高速引張
試験(グリーブル試験)を行って各々の絞り値を測定し
た。この結果を同じく表3に示す。
【0038】
【表3】
【0039】表3に示すように、ソーキング保持温度が
1150〜1220℃の間でかつソーキング保持時間が
5〜60時間の間である場合に、1100℃での高温高
速引張試験結果において絞り値が60%以上であり、熱
間加工性をかなり改善できることが確かめられた。
【0040】
【発明の効果】本発明による熱間加工性を改善した高速
度工具鋼では、請求項1に記載しているように、重量%
で、C:0.50〜1.50%、Si:0.10〜1.
00%、Mn:0.10〜0.50%、Cr:3.50
〜5.50%、Mo:2.00〜8.00%、W:3.
00〜8.00%、V:1.50〜3.00%、Ca:
0.0010〜0.0045%、N:0.03%以下、
残部Feおよび不純物の成分組成からなり、凝固時の組
織中の炭化物をMC+MC領域にするため下記式、 Fv=−0.45[C(%)][2Mo(%)+W
(%)]+2.4[C(%)]+0.84[Mo
(%)]+0.92[W(%)]+2[V(%)−1]
1/2 +5.45[Si(%)]+32.7[N(%)]
≧7.42 を満足するものとしているから、高速度工具鋼の鋳造組
織における熱間加工性を大幅に改善することが可能とな
り、従来、炭素鋼などの一般鋼と同一のラインで実施す
ることができなかった高速度工具鋼の圧延を一般鋼と同
一のラインで実施することが可能となり、安定した品質
で、かつ短納期で製造可能な低コストの高速度工具鋼を
提供することができるようになるという著しく優れた効
果がもたらされる。
【0041】そして、請求項2に記載しているように、
Ca:0.0015〜0.0040%とすることによっ
て、熱間加工性の改善をより一層安定して実現すること
が可能であるという著しく優れた効果がもたらされる。
【0042】そしてまた、請求項3に記載しているよう
に、2Mo+W:15〜22未満%とすることによっ
て、十分な特殊炭化物の形成によって耐摩耗性,耐焼付
き性をさらに向上させることが可能であると共に炭化物
の2次硬化作用によって高温強度をも向上させることが
でき、特殊炭化物の過剰形成による熱間加工性への悪影
響をも防止することが可能であるという著しく優れた効
果がもたらされる。
【0043】本発明による熱間加工性を改善した高速度
工具鋼の製造方法によれば、請求項1に記載の成分組成
の鋳塊に対し、ソーキング保持温度:1150〜122
0℃,ソーキング保持時間:5〜60時間のソーキング
を施すようにしたから、凝固組織のままでその組織中に
生成しているMC+MC炭化物において、ソーキング
(等温加熱保持)処理することによって鋳塊の表層から
10mmの間の組織中に含まれるネット状炭化物である
C炭化物をMC+MC炭化物へと分解することが
でき、かつまた炭化物が完全に分断・球状化した状態に
コントロールすることができるので、高温でのグリーブ
ル絞り値を高いものとすることができ、高速度工具鋼の
熱間加工性を大幅に改善することが可能になるという著
しく優れた効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 基本の高速度工具鋼にCaを添加した場合の
1100℃におけるCa添加量とグリーブル絞り値との
関係を調べた結果を例示するグラフである。
【図2】 試験片表面温度が1100℃のグリーブル試
験における減面率とソーキング条件(ソーキング保持温
度およびソーキング保持時間)との関係を調べた結果を
例示するグラフである。
【図3】 ソーキングの際のソーキング保持時間による
炭化物組織の変化を示す模写図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、C:0.50〜1.50%、
    Si:0.10〜1.00%、Mn:0.10〜0.5
    0%、Cr:3.50〜5.50%、Mo:2.00〜
    8.00%、W:3.00〜8.00%、V:1.50
    〜3.00%、Ca:0.0010〜0.0045%、
    N:0.03%以下、残部Feおよび不純物の成分組成
    からなり、凝固時の組織中の炭化物をMC+MC領域
    にするため下記式、 Fv=−0.45[C(%)][2Mo(%)+W
    (%)]+2.4[C(%)]+0.84[Mo
    (%)]+0.92[W(%)]+2[V(%)−1]
    1/2 +5.45[Si(%)]+32.7[N(%)]
    ≧7.42 を満足することを特徴とする熱間加工性を改善した高速
    度工具鋼。
  2. 【請求項2】 Ca:0.0015〜0.0040%と
    することを特徴とする請求項1に記載の熱間加工性を改
    善した高速度工具鋼。
  3. 【請求項3】 2Mo+W:15〜22未満%とするこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載の熱間加工性を
    改善した高速度工具鋼。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の成分組成の鋳塊に対
    し、ソーキング保持温度:1150〜1220℃,ソー
    キング保持時間:5〜60時間のソーキングを施すこと
    を特徴とする熱間加工性を改善した高速度工具鋼の製造
    方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100395369C (zh) * 2005-01-28 2008-06-18 王汉光 无Co超硬型高速钢
JP2014208870A (ja) * 2012-09-20 2014-11-06 日立金属株式会社 高速度工具鋼、刃先用材料および切断工具、ならびに、刃先用材料の製造方法
US10661353B2 (en) 2015-06-22 2020-05-26 Hitachi Metals, Ltd. Method for producing high-speed tool steel material, method for producing high-speed tool steel product, and high-speed tool steel product

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