JPS61275117A - グラフアイトフイルムの製造方法 - Google Patents

グラフアイトフイルムの製造方法

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JPS61275117A
JPS61275117A JP60115418A JP11541885A JPS61275117A JP S61275117 A JPS61275117 A JP S61275117A JP 60115418 A JP60115418 A JP 60115418A JP 11541885 A JP11541885 A JP 11541885A JP S61275117 A JPS61275117 A JP S61275117A
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poly
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graphitization
heat
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Mutsuaki Murakami
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産1上皇■亙公見 本発明は電極、発熱体、構造材、高温高圧機器用ガスケ
ット、断熱材、耐食性シール材、電機用ブラシ、X線モ
ノクロメータ−などに利用されるプレキシビリティを有
するグラファイトフィルムの製造方法に関し、特に、特
殊な高分子材料を原料とし、これを特定の温度で熱処理
する事からなるグラファイトフィルムの製造方法に関す
る。
の   び 四が  しようと る。
グラファイトは抜群の耐熱性や耐薬品性、高電導性など
のため工業材料として重要な地位をしめ。
電極1発熱体、構造材として広く使用されている。
この様なグラファイトとしては天然に産するものを使用
するのが一つの方法であるが、良質のグラファイトは生
産量が非常に限られており、しかも取り扱いにくい粉末
状又はブロック状のため人工的にグラファイトを製造す
る事が行なわれている。
その様な人造グラファイトの製造方法は主として次の4
つの方法に分類する事が出来る。
第1はFe、Ni/C系融体からの析出、St。
AI等の炭化物の分解、あるいは高温、高圧下での炭素
融液の冷却によって作る方法である。この様にして得ら
れたグラファイトはキャッシュグラファイトと呼ばれ天
然のグラファイトと同じ物性を有している。しかしなが
ら、この方法によっては微少な薄片状のグラファイトし
か得られず、製進法の煩雑さやコスト高と相まって工業
的には使われていない。
第2は多様な有機物あるいは炭素質物を3000℃以上
で加熱してグラファイト化する方法であるが、この方法
では天然グラファイトやキャッシュグラファイトと同じ
物性のグラファイトは得られない。例えば、グラファイ
トの最も典型的な物性であるC軸方向の電気伝導度は、
天然グラファイトやキャッシュグラファイトでは1〜2
,5X1斗 OS/amであるのに対し、この方法では一般に1〜2
×103S/cmの電導度の生成物しか得られない、す
なわち、この事はこの様な方法では一般にグラファイト
化が完全には進行しない事を示している。しかし、この
第2の方法は製造法が簡単であるため必ずしも完全なグ
ラファイト化が必要でない様な用途に広く使用されてい
る。したがって、この方法によって天然グラファイトと
同じ様な特性を有するグラファイトが出来るならば、そ
の工業的な意義は非常に大きい。
第3は気相炭化水素の高温分解沈積とその熱間加工によ
って作る方法であり、10Kg/Cm2の圧力をかけ3
400℃で長時間再焼鈍すると言う工程により作成され
る。この様にして得られたグラファイトは高配向パイロ
グラファイトと呼ばれ、その特性は天然グラファイトと
同じである。
例えばC軸方向の電気伝導度は2.5X10”S/ c
 mである。この方法ではキャッシュグラファイトと異
なりかなり大きなものも作成出来るが。
製造法が複雑であり非常に高価であると言う欠点がある
第4は第2の方法と第3の方法によって得られるグラフ
ァイトの間を埋める商品であって、天然グラファイトを
濃硝酸と濃硫酸の混合液に浸せきし、その後、加熱によ
りグラファイト層間を拡げる事により作成する。この様
にして製造されたグラファイトはエクスパンドグラファ
イトと言われるが、粉末状であるためシート状グラファ
イトとするためにはさらに粘結剤と共に高圧プレス加工
をする必要がある。この様にして得られたシート状グラ
ファイトの特性は天然の単結晶グラファイトには及ばず
、例えば電導度は通常1.2X103S / c m程
度である。また工程上多量の酸が必要であり、SOx、
NOxガス発生の問題や、残留酸の浸出による金属の腐
食など多くの問題がある。
以上、述べた様に従来法1〜4のうち、第2、第4の方
法では天然の単結晶グラファイトと同じ特性のグラファ
イトは出来ず、一方、第1、第3の方法は天然の単結晶
グラファイトと同等な特性のグラファイトが得られるが
、工程が複雑で生成物が非常に高価になると言う欠点が
ある。また第4の方法も工程上多くの問題を含んでいる
そこで次に最も容易な方法である第2の方法の問題点に
ついてさらにくわしく述べる事にする。
この方法において通常は出発原料としてコークスなどの
炭素質物とコールタールなどのバインダーが使用される
。しかし、これらの原料ではすでに述べた様に3000
℃前後に加熱処理したとしても完全なグラファイトは得
られない。例えば生成物の電気伝導度は通常100〜1
000 S / c mの範囲であり、完全なグラファ
イトの1/10以下の値である。
コークスやチャーコールを3000℃程度に加熱して生
成するこれらの炭素の構造は比較的グラファイト(黒鉛
)構造に近いものから、それと程遠い構造のものまでか
なりの種類が存在する。この様に単なる熱処理によって
その構造が比較的容易に黒鉛的な構造に変る炭素を易黒
鉛化性炭素と呼び、そうでないものを難黒鉛化性炭素と
呼んでいる。この様な構造上の相違が生ずる原因は黒鉛
化の機構と密接に関連していて、炭素前駆体中に存在す
る構造欠陥が引続く加熱処理によって除去され易いか否
かによっている。そのため炭素前駆体の微細構造が黒鉛
化性に対して重要な役割を果たしている。
これらのコークスなどを出発原料とする方法に対し高分
子材料を用い、これを熱処理する事によりグラファイト
質フィルムを作成しようと言ういくつかの研究が行なわ
れている。これは高分子材料の分子構造を生かしながら
炭素前駆体の微細構造を制御しようとするものであると
考えられる。
この方法は高分子を真空中あるいは不活性気体中で熱処
理し、分解および重縮合反応を経て、炭素質物を形成さ
せる方法であるが、どのような高分子を出発原料として
用いてもグラファイト質のフィルムが得られる訳ではな
く、むしろほとんどの高分子材料はこの目的には使用で
きない。その理由は次の様に説明される。
一般に加熱によって高分子化合物がたどる反応経路は(
1)ランダム分解または解重合によるガス化、(2)ピ
ッ°チ状溶融物を経由する炭素化。
(3)固相のままでの炭素化の3つに分けられる。
このうち(1)の反応経路をとるものは蒸発気化してし
まうためほとんど炭素質物を形成しないので、この目的
には使用できない事は明らかである。(2)の反応経路
をとるものは多くのものが易グラファイト化物に属して
いるが、単に非酸化性のガス中で加熱しただけではその
大部分が蒸発気化によって失なわれてしまう。そのため
一般には酸素の存在下で予備加熱を行ない、高分子鎖間
の酸素による架橋を行なってから炭素化もしくはグラフ
ァイト化が行なわれる。しかしこの操作は同時にせっか
く本来易グラファイト化物に属していた高分子材料を難
グラファイト化物に変えてしまう。そのため予備的に酸
素処理を行なった高分子では3000°C以上の熱処理
でも完全なグラファイトに近い様なフィルムを得る事は
出来ない。
(3)の反応経路、すなわち固相のままで炭素化するよ
うなものは、炭素質物の形成と言う点から見ればもっと
も有利である。しかしながら(3)の経路を通って分解
する様な高分子はそのほとんどが難グラファイト化物に
属しており、(3)の経路を通る高分子の中で3000
℃程度の熱処理によってほぼ完全なグラファイトフィル
ムに転換する様なものは知られていない、すなわち良質
のグラファイトフィルムを形成する様な高分子材料の条
件は熱処理によって十分な炭素質物が形成される事と、
それが易グラファイト化物である事の2つの条件が両立
することである。
グラファイト化の試みられた高分子としては。
フェノールホルムアルデヒド樹脂、ポリアクリロニトリ
ル、ポリイミド、ポリアミド、ポリパラフェニレン、ポ
リパラフェニレンオキシド、ポリ塩化ビニル、ポリベン
ズイミダゾールなどがある。しかしこれらのうちでポリ
パラフェニレン以外はいずれも酸素中での前処理を必要
としており、その結果、高いグラファイト化率を有する
フィルムは得られていない0例えば米国特許第3449
077号明細書には予備酸化したポリベンズイミダゾー
ル繊維をある種の燃料を用いて焼成した高弾性グラファ
イト繊維の連続製造法が開示されており。
米国特許第3528774号明細書にはポリ〔2゜2’
 −(m−フェニレン)−5,5’ (ジベンゾイミダ
ゾール)〕系を445〜475℃で空気中で延伸しなが
ら7分間加熱し、その後初めに590〜625℃で、つ
いで1010℃で3分間アルゴン雰囲気中で炭化し、最
後に2725〜2750℃で30分間わずかに延伸をか
けながらグラファイト化する事からなる高強度弾性率炭
素繊維の製造法が開示されている。また米国特許第35
47584号明細書には200〜350℃で酸素を含む
大気中で繊維状ポリアミド樹脂状物質を加熱してもとの
繊維状形態を残し普通のマツチの焔をあてても燃焼しな
い不溶性焼成生成物を作り、かつこれを2500〜30
00℃の非酸化性雰囲気中で加熱してもとの形態を保っ
てグラファイト化された繊維状黒鉛の製造法が開示され
ている。しかしながらこれらの方法では完全なグラファ
イトは得られない3.実際に我々はこれらの方法でポリ
ベンズイミダゾールのグラファイト化をこころみたが、
そのグラファイト化率は85〜90%程度であった。
鍔  を  するための 本発明は1以上のような人造グラファイトフィルムの製
造におけるいくつかの問題点を解決するためになされた
もので、天然単結晶グラファイトと同等な特性を有する
良質のグラファイトフィルムを提供することを目的とす
るものである。
本発明者は前記問題点を解決すべく種々検討を重ねグラ
ファイト化反応のさまたげとなる予備酸化工程をはぶい
ても炭素質皮膜が残存し、しかもグラファイト化が容易
に起るような高分子を探索し、数多くの高分子のグラフ
ァイト化を試みた結果、ポリ(ピロメリットイミド)、
ポリ(m−フェニレンイソフタルアミド)、ポリ(m−
フェニレンベンゾイミダゾール)、ポリ(m−フェニレ
ンベンゾビスイミダゾール)の4種類の高分子において
は予備酸化工程なしでも20%以上の炭素皮膜が残存し
、特定の温度領域において不活性ガス中、又は真空中自
己収縮を防止する様に予備的に熱処理しておけば、その
後でのグラファイト化が容易に起ることの新知見を得、
本発明に到達したものである。
即ち、本発明はポリ(ピロメリットイミド)、ポリ(m
−フェニレンイソフタルアミド)、ポリ(m−フェニレ
ンベンゾイミダゾール)、ポリ(m−フェニレンベンゾ
ビスイミダゾール)より選ばれた少なくとも一種類の高
分子のフィルムを不活性ガス又は真空中400〜700
℃の温度範囲で自己収縮を防止する様に熱処理し、しか
る後に1800℃以上の温度で熱処理する事を特徴とす
るグラファイトフィルムの製造方法に関する。
これらの高分子の構造式と略号を第1表にまとめた。以
下、この略号を用いるものとする。
第1表 本発明における高分子の皮膜はいずれも高い結晶性(あ
るいは配向性)を有しており、それらは400〜120
0℃程度の熱処理によってヘテロ原子を含んだ炭素質材
料に変化する。もしもその炭素質材料が出発物質の結晶
性を反映して配向性を有するようなものであればそれは
易グラファイト化炭素となるであろう、しかしながら多
くの高分子では高分子の炭素化はランダムに起るために
出発原料に結晶性の高いフィルムを使用してもその配向
性が炭素材料にまで及ぶことはほとんどない0本発明に
おける400〜700℃の温度領域での自己収縮を防ぎ
ながらの真空中又は不活性ガス中での予備熱処理は出発
物質の結晶性を炭素前駆体の構造にもち込もうとするも
のである。したがってこの処理は炭素前駆体の収量を上
げる目的で行なわれる酸素中での予備熱処理とは本質的
に異なるものである。またこの処理は上記の様な目的で
行なわれるものであるから1本質的に結晶性のない高分
子フィルムには適用出来ない事は明らかである。事実、
我々は結晶性のないポリアミドイミドフィルム、ポリア
クリロニトリルフィルムに同様な前処理を行なった後、
高温グラファイト化を行なったが、前処理の効果はほと
んど認められなかった。
一般に炭素繊維をグラファイト繊維にする場合には緊張
グラファイト化(すなわち張力をかけながらのグラファ
イト化)が行なわれる。しかしこれは本来 m黒鉛化材
に属していた炭素材料を強硬にグラファイト化しようと
するものであり、本発明による予備熱処理とは異なるも
のである。すなわち本発明は出発原料である高分子フィ
ルムが本来有していた結晶性又は配向性を出来るだけ保
持しながらグラファイト化を行なわせ、天然単結晶グラ
ファイトと同等の性質をもったグラファイトフィルムを
製造するものである。したがって本発明の方法では高温
でのグラファイト化の際に必ずしも張力を加える必要は
ない。
不活性ガスとしてはアルゴン、ヘリウム、窒素及び水素
が用いられる。
1800℃以上でのグラファイト化熱処理は好ましくは
不活性ガス或いは真空中で常圧及び加圧下で行なわれる
。又、このグ、ラファイト化熱処理には触媒として周期
律表第1V b −VII b及びVIII族元素、例
えばFe、Co、P、Sn、Ni、Sb等の粉末を用い
ることができる。
自己収縮を防止する様にするには例えば2枚のステンレ
スで作成した枠に高分子フィルムをはさんで固定し、し
かる後に熱処理して行なうことができる。
得られたグラファイトフィルムのグラファイト化(黒鉛
化)の程度を表わすには格子定数、C軸方向の結晶子の
大きさなどのX線回折のパラメーターとそれから計算し
た黒鉛化率が良く使用され、電気伝導度値もしばしば利
用される。格子定数はX線の(002)回折線の位置よ
り計算され、天然単結晶グラファイトの格子定数である
6、708への値に近いほどグラファイト構造が発達し
ている事を示している。又、C軸方向の結晶子の大きさ
は(002)回折線の半値幅より計算され、その価が大
きいほどグラファイトの平面構造が良く発達している事
を示している。天然単結晶グラファイトの結晶子の大き
さは100OA以上である。黒鉛化率は結晶面間隔(d
002)より文献(Merig  and  Mair
e、  LesCarbons  Vol、1  p1
29 (1965)〕の方法によって計算される。もち
ろん天然単結晶グラファイトでは100%である。電気
伝導度値はグラファイトのC軸方向の値を言い、天然単
結晶グラファイトでは1〜2.5X10+S/ c m
である。電導度値が大きいほどグラファイト構造に近い
事を示している。
±1 PI、PA、PBT及びPBB Iのフィルムを不活性
ガス或いは真空中400〜700℃で自己収縮を防止し
ながら熱処理して配向性を有するへテロ元素含有縮合多
環構造となし、ついでこれを1800℃以上の温度で熱
処理することにより該縮合多環構造のへテロ元素を容易
に除去でき、グラファイト化が容易である。
寒1且 以下に実施例によって本発明を説明するが、本発明がこ
れらに限定されるものでないことは言うまでもない。
なお、グラファイト化の程度は上記格子定数、黒鉛化率
、電気伝導度などの値より評価した。
グラファイトの各物性の測定は下記に従って行なった。
1、格子定数(CO) フィリップス社製PW−1051型X線ディフラクトメ
ーターを用い、CuKa線を使用して試料のX線回折線
を測定した。Coの値は2o=26〜27°付近に現わ
れる(002)回折線よりブラッグの式n入=2dsi
nθ(ただし2d=Co)を用いて計算した。ここでn
=2、人はX線の波長である。
2、結晶子(Lc) 結晶子の大きさくLc)は(002)回折線に諸補正を
ほどこした回折線の半価1!(β)より次の関係式に従
って計算した。
L=   K入 β” cosθ ここでKは形状因子である。
3、黒鉛化率(%) 黒鉛化率は面間隔(d)の値より次式を用いて計算した
d、、ユ=3.354g+3.44  (1−g)ここ
でgは黒鉛化の程度を示しg=lは完全な黒鉛1g=0
は無定形炭素を余す。
4、電気伝導度(S/0m) 試料に銀ペーストと金線を用いて4端子電極を取り付け
、外側電極より一定電流を流し、内側電極においてその
電圧′降下を測定する事によって測定した。試料の幅、
長さ、厚さを顕微鏡によって決定し電気伝導度値を決定
した。
実施例1 25ミクロンのPAフィルムをステンレスの枠に固定し
産協電炉社faLTF−8型電気炉を用いてアルゴン中
、毎分10℃の速度で室温から700℃まで予備的な加
熱処理をした。ステンレスの枠がない場合はPAフィル
ムはこの温度領域でもとの寸法の50%に縮むので、ス
テンレス枠による固定は結果的に張力を加えながら予備
加熱処理をした事を意味する。この様にして予備熱処理
したPAフィルムを黒鉛板でサンドインチし、アルゴン
気流中、毎分10℃の速度で昇温し、所望の温度(Tp
)で1時間熱処理した。熱処理後毎分20℃の速度で降
温させた。使用した炉はカーボンヒーターを用いた進成
電炉社$146−1型電気炉である。得られた黒色のフ
ィルムはTpが1400℃以下ではもろくフレキシビリ
ティのないものであったが、1800℃以上ではプレキ
シビリティのあるフィルムになった。
第2表にはいろいろな温度(Tp)で処理したPAフィ
ルムの電導度値、格子定数、結晶子の大きさ、黒鉛化率
を示す。なお比較のため第2表には予備熱処理を行なっ
ていないPAフィルムを同一条件で熱処理した場合の特
性についても併せて示した。
第2表 TP:処理温度 予備熱処理のないPAの場合には2000℃以上で黒鉛
化が開始され、2200〜2600℃で急激に黒鉛化が
進行している。しかし2800℃の処理でも完全な黒鉛
とはならない、これに対し予備熱処理を行なった場合は
1800℃以上で黒鉛化が開始され、2000〜240
0℃で急激な黒鉛化が進行する事が分る。2800℃で
はほぼ完全な黒鉛となる。この時の格子定数、結晶子の
大きさなどは天然単結晶グラファイトと同じである。す
なわちPAは予備的な1熱処理によって黒鉛化反応の温
度が200℃程度低くなりほぼ完全なグラファイトとみ
なし得るフィルムに転換したのである。
又、他の不活性ガスでも同様の結果が得られる。
真空中でも同様の結果が得られるが不活性ガス中での処
理に比べ収率が低下する。
実施例2 Pl、FBI、PBBIの各フィルムをステンレスの枠
に固定しアルゴン中毎分10’Cの速度で700℃まで
昇温し予備熱処理による炭素化を行なった。ステンレス
枠がなければフィルムは400〜700℃の領域で縮む
ので、結果的に張力下で熱処理した事になる。この様に
して予備熱処理したフィルムと予備熱処理のないフィル
ムを実施例1と同じ方法を用い、1800.2200.
2600℃で熱処理した。その結果を第3表に示す。
第3表 第3表の結果は予備熱処理したフィルムは予備熱処理の
ない場合に比ベグラファイト化が著しく向上しており、
張力下での予備的な熱処理が有効に作用した事を示して
いる。また第2表と第3表の結果は本発明になる予備熱
処理を施した場合1800℃以上でグラファイト化が起
る事を示しており、グラファイト化の熱処理温度で18
00℃以上であれば良い事を示している。
実施例3 FBIのフィルムをステンレスの枠に固定しアルゴン中
毎分10℃の速度で300〜900℃までのいろいろな
温度に昇温し予備熱処理を行なった。この様にして予備
熱処理したフィルムをアルゴン中2600℃で1時間熱
処理した。2600℃で熱処理後のフィルムの特性を第
4表に示す。
第4表 この結果は400℃以下の熱処理ではその効果がほとん
どない事を示しており、一方700℃以上の熱処理は必
要でない事を示している。400〜600℃の範囲の熱
処理の効果は700℃の場合には及ばないが、これは熱
処理時間を長くする事によって、その効果を上げる事が
出来ると考えられる。実際に500℃の熱処理を3時間
行なったものでは700℃の場合の熱処理と同じ効果が
得られた。また本発明になるその他の高分子においても
同じ温度範囲での熱処理が有効である事が分った。した
がって本発明になる予備熱処理の温度は400〜700
℃の間であると決定された。
以上、実施例1〜3で明らかである様に本発明になる高
分子フィルムは400〜700℃の温度範囲で不活性ガ
ス中で予備熱処理しておくことによってより容易にグラ
ファイトフィルムに転換する事が出来る。予備熱処理の
雰囲気条件としては酸素を含まない事が必要であり、し
たがってアルゴン以外に窒素、ヘリウム等が使用出来、
また真空中での熱処理も有効である0本発明では自己収
縮を防止する様に張力をかけたが自己収縮の程度によっ
て張力の大きさが異なるのは当然であり。
張力の大きさを一義的に決めることは出来ない。
本発明になる予備熱処理の前に高分子フィルムを延伸し
て結晶化率を高めると同時に、自己収縮の程度を大きく
してその結果張力を大きくする事は非常に有効である。
高温でのグラファイト化反応に際しては圧力下での熱処
理や、触媒の存在下での熱処理、あるいは緊張上黒鉛化
などが利用出来、これらの手法によってもグラファイト
化温度を下げることができる0本発明の方法は低温での
予備熱処理であり、高温でのグラファイト化は不活性ガ
ス中常圧下で行なうことができるから、上記の様な方法
と比べてもはるかにすぐれた製造方法であるということ
が出来るのである。
月1u勢逮− 以上、要するに本発明はポリ(ピロメリットイミド)、
ポリ(m−フェニレンイソフタルアミド)、ポリ(m−
フェニレンベンゾイミダゾール)、ポリ(m−フェニレ
ンビスイミダゾール)のうちから選ばれた少なくとも一
種類の高分子フィルムを不活性ガス中又は真空中400
〜700℃の温度で自己収縮を防止する様に熱処理し、
−しかるのちに1800℃以上の温度で熱処理すること
を特徴とするグラファイトフィルムの製造方法であり、
前記低温での予備加熱処理を併用することにより。
さらに低温でグラファイト化処理ができ、はぼ完全なグ
ラファイトフィルムを極めて容易に得る事が出来る様に
なった0本発明のグラファイトフィルムは電極、発熱体
、構造材、高温高圧用ガスケット、断熱材、耐食性シー
ル材、電機用ブラシ、X線用モノクロメータなどに広く
利用することが出来る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. ポリ(ピロメリットイミド)、ポリ(m−フェニレンイ
    ソフタルアミド)、ポリ(m−フェニレンベンゾイミダ
    ゾール)、ポリ(m−フェニレンベンゾビスイミダゾー
    ル)より選ばれた少なくとも一種類の高分子のフィルム
    を不活性ガス又は真空中400〜700℃の温度範囲で
    自己収縮を防止する様に熱処理し、しかる後に1800
    ℃以上の温度で熱処理する事を特徴とするグラファイト
    フィルムの製造方法。
JP60115418A 1985-05-30 1985-05-30 グラフアイトフイルムの製造方法 Granted JPS61275117A (ja)

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