JPS6125607Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、トラクタにおける作業機昇降用落下
速度調節軸の連動装置に関する。

従来の技術 トラクタにおいては、その後部に設けられた油
圧装置のリフトアームによつて作業機を昇降自在
とする。この際、作業機の昇降速度の調節の必要
性があることから、油圧装置はコントロールバル
ブの油路を制御するための落下速度調節軸が設け
られる。

考案が解決しようとする問題点 トラクタにおいては、油圧装置やそのコントロ
ールバルブは座席の下方にフロアシートを介して
位置されるのが通常であるため、コントロールバ
ルブから突出される落下速度調節軸は、座席に座
つたオペレータからは直接にには操作しにくいも
のである。

そのため、落下速度調節軸に応動機構を介して
操作部材を連動連結し、操作部材を操作し易い位
置に配置する連動装置を設けることが考えられ
る。

しかし、トラクタの座席周囲はスペース的に制
限されたものであり、しかも各操作レバー等が設
けられていることから、落下速度調節軸の操作の
ための連動装置を配置するスペースの確保は困難
なものである。

そこで考案は、空間を有効利用することができ
る落下速度調節軸の連動装置を提供することで、
上記問題点を解決することを目的とする。

問題点を解決するための手段 本考案が、従来技術の問題点を解決するために
講じる技術的手段の特徴とするところは、作業機
昇降用油圧装置の上方にフロアシートを介して座
席が設けられているトラクタにおいて、前記油圧
装置のコントロールバルブから落下速度調節軸
が、油圧装置とフロアシートとの間に、縦軸中心
に回転可能に上向き突出され、油圧装置とフロア
シートとの間で縦軸中心に回転自在とされた連動
操作軸が、座席外位置に上向き突出され、調節軸
と操作軸とが、油圧装置とフロアシートとの間に
縦軸中心に揺動自在に設けられたリンクを介して
連動連結されている点にある。

作 用 調節軸、操作軸及びリンクのいずれもが、縦軸
中心に回転あるいは揺動するものであるため、調
節軸と操作軸との連動は、フロアシートと油圧装
置との間という平面積は大きいが上下寸法は小さ
い空間を、極めて有効に利用したものである。そ
して、操作軸は縦軸中心に回転自在とされて座席
外位置に上方突出されるため、揺動レバーのよう
なものと比べ、その動きに必要な空間が小さくて
すむ。

実施例 以下、図示した一例について説明すると、１は
トラクタの機体であり、該機体１には、両脇にス
テツプ２を付したミツシヨンケース３が構成され
ている。該ケース３の後部には、左右に作業機昇
降用リフトアーム４を備える油圧装置５が乗設さ
れ、その上方には両フエンダ６間に横設されたフ
ロアシート７を介して座席８が設置されている。

そして、油圧装置５に設けられたコントロール
バルブ９からは、作業機の落下速度調節軸１０
が、フロアシート７と油圧装置５との間に、縦軸
中心に回転可能に突出れている。

また、油圧装置５の前部には支軸１１が上向き
突出されている。

そして、油圧装置５とフロアシート７との間
に、縦軸中心に揺動自在な平行リンクが設けられ
ている。この平行リンクは、リンク中間点が支軸
１１に枢支された第一リンク１２と、この第一リ
ンク１２に平行かつ等長で、その中間点が調節軸
１０に連結された第二リンク１３と、第一・第二
リンク１２，１３を連結して平行リンクを構成す
るゴム杆状の第三・第四リンク１４，１５とで形
成されている。

そして１６は連動操作軸で、第一リンク１２の
中間点に連結されることで、油圧装置５とフロア
シート７との間で縦軸中心に操作自在とされると
共に、上記平行リンクを介して調節軸１０と連動
連結され、その上端はノブとされて座席８外の前
方位置に上向き突出されている。

なお１７，１７は油圧装置５上に設けられた一
対のストツパーで、第二リンク１３に接当してそ
の揺動限を定める。

上記構成によれば、連動操作軸１６が座席８外
の前方に位置するので、調節軸１０の調節にため
の操作軸１６の操作は非常に簡単かつ的確なもの
とされている。そして、その調節軸１０と操作軸
１６との連動は、調節軸１０、操作軸１６及び平
行リンクが縦軸中心に回転あるいは揺動するもの
とされることで、フロアシート７と油圧装置５と
の間という平面積は大きいが上下寸法は小さいと
いう空間を極めて有効に利用ししたものとされ、
スペース的に制限を受けるトラクタの座席８周囲
に適しものである。また、操作軸１６も縦軸中心
に回転自在されて座席８外の前方位置に突出され
るため、揺動レバーのようなものと比べ、その動
きに必要な空間が小さくてすみ、やはりスペース
的に有利なものである。

なお、前記のように第三・第四リンク１４，１
５としてゴム或いはコイルバネを使用するとその
伸縮により組み付けが無理なく行なえ、又作動時
のこじれ等の抵抗を非常に軽くすることができ
る。

考案の効果 本考案による速度調節軸の連動装置によれば、
調節軸を操作するための操作軸を操作し易い位置
に配置するのに、空間を有効に利用するものをさ
れるため、スペース的に制限されたトラクタの座
席周囲に設けられるものとして極めて好ましいも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一例を示すトラクタ後部の
縦断側面図、第２図はその要部拡大図、第３図は
その平面図、第４図はその斜視図である。 ５……油圧装置、７……フロアシート、８……
座席、９……コントロールバルブ、１０……調節
軸、１６……連動操作軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 作業機昇降用油圧装置の上方にフロアシートを
   介して座席が設けられているトラクタにおいて、
   前記油圧装置のコントロールバルブから落下速度
   調節軸が、油圧装置とフロアシートとの間に、縦
   軸中心に回転可能に上向き突出され、油圧装置と
   フロアシートとの間で縦軸中心に回転自在とされ
   た連動操作軸が、座席外位置に上向き突出され、
   調節軸と操作軸とが、油圧装置とフロアシートと
   の間に縦軸中心に揺動自在に設けられたリンクを
   介して連動連結されていることを特徴とするトラ
   クタにおける作業機用落下速度調節軸の連動装
   置。