JPS6337303Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は農用トラクターの油圧ケースの形状に
関する考案である。

(ロ) 従来技術 従来から走行車輌の座席を前後に位置調整可能
とする技術は公知とされているのである。

例えば実開昭48−98410号公報の如くである。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 トラクターは作業の効率化を図る為に年々大形
化する傾向がある。それにつれてタイヤの径が大
きくなり、ミツシヨンケースも大形になるので座
席が高い位置となるのである。

座席は一般にリアアクスルケース上面に載置さ
れた油圧ケースの上面に設けられることが多く、
油圧装置が大形化することにより更に座席の位置
が高くなるという不具合があつたのである。

本考案は油圧ケースのうち大事な部分のみ大形
にし、シリンダーヘツド等は小形にしてその連続
部分は斜面にして油圧ケースをコンパクトにし、
座席位置の低い大形トラクターを構成しようとす
るものである。

このように構成することによつて座席の前後位
置の操作もスムーズにし、運転者の身長・座高に
合致すべく座席を後方にずらすと高くなるように
構成したものである。

(ニ) 問題を解決するための手段 本考案の目的は以上の如くであり、次に該目的
を達成する為の構成を説明すると。

リアアクスルケース７の上面に固設され、前部
に油圧シリンダー２８を、後部にとリフテイング
シヤフト３２とリフトクランク３１等を内包した
油圧ケース８において、油圧シリンダー２８の前
端位置とリフテイングシヤフト３２の上部位置に
わたる油圧ケース８の上面を、前低後高の傾斜面
８ａに形成し、該傾斜面８ａ上にシートベース１
１をボルトにて固着し、該シートベース１１の摺
動レール部に嵌合して前後に摺動自在とした摺動
ベース１２を配置し、該摺動ベース１２上に座席
１０を載置したものである。

(ホ) 実施例 本考案の目的は以上の通りであり、添付の図面
に示した実施例の構成に基づいて本考案の構成を
説明すると。

第１図はトラクターの全体側面図である。

ボンネツト１内にエンジン２を配置し、エンジ
ン２の後面にクラツチハウジング５を固設する。
クラツチハウジング５の後面にミツシヨンケース
６を固設し、更にミツシヨンケース６の後面にリ
アアクスルケース７を固設している。エンジン
２、クラツチハウジング５、ミツシヨンケース
６、リアアクスルケース７より成る基礎枠組を、
前輪３，３、後輪４，４で支持している。

リアアクスルケース７の後端上面に作業機昇降
用油圧装置の油圧ケース８を載置固定する。

本考案はこの油圧ケース８と座席１０に関する
ものである。９はリフトアームである。

油圧ケース８の油圧装置及び座席部の側面図、
第３図は座席部の移動装置の構成を示す側面図で
ある。

油圧ケース８の上面８ａは前低後高の傾斜面に
構成されており、該傾斜面８ａ上にシートベース
１１をボルトにて固着している。該シートベース
１１の摺動突起に嵌合して摺動ベース１２が前後
に摺動可能に設けられている。該摺動ベース１２
上にベースブラケツト１３が立設され、更に該ベ
ースブラケツト１３にアウターケース１４が立設
されている。

またベースブラケツト１３にスイングアームシ
ヤフト１５ｂを枢支し、該スイングアームシヤフ
ト１５ｂよりスイングアーム１５を前方へ突設し
ている、スイングアームの前端の取付体１５ａに
より座席１０と固設されている。

第３図においてスイングアーム１５の中途部に
弾性体１８を突設してダンパーの役割をさせても
よい。

座席１０は運転者の座り心地を良くする為に調
整可能なクツシヨン装置を設けている。アウター
ケース１４内にインナーケース１７が上下摺動可
能に支持されており、スプリング２２を介してス
プリング掛金２１に吊設されている。

スプリング掛金２１は螺子棒２０の回転により
アウタケース１４内を上下し、スプリングの作用
長を調節する。１６は螺子棒を回転する為の調節
ハンドルである。

更に運転者がドスンと座席に腰を下ろした場合
の衝撃を吸収する為にダンパー１８が設けられて
いるのである。２４はナンバープレートや各種表
示板等を取付けるブラケツトである。

第６図はスイングアーム部の平面図、第７図は
アウターケースの後面図、第８図は座席の上端拡
大図、第９図は座席の断面である。

第６図においてシートベース１１に摺動可能に
摺動ベース１２を嵌挿し、前後摺動可能にしてい
る。シートベース１１に固定凹部１１ａを複数設
け、この固定凹部１１ａに固定レバー１９，１９
ａの爪が係合して位置を固定すべく構成してい
る。１９ｂは左右の固定レバーの連結杆である。

第７図において２５は調節ハンドル１６による
調節量を表示する為の表示窓である。

第８図、第９図より座席１０はクツシヨンレザ
ー２７とバツククツシヨン１０ｇにより内部に弾
性材を包んだ構造となつている。１０ｄはクツシ
ヨンパツト、１０ｅはバツククツシヨン、１０ｆ
はバツクインサートである。クツシヨンレザー２
７とバツククツシヨン１０ｇは座席１０の周縁で
第８図の如くグリツプインナー１０ｃ、プロフイ
ール１０ｂ、グリツプアウター１０ａで固結され
ており、腰の最も深い位置で空気抜き２６で固結
されている。

第４図は油圧ケース８の断面図、第５図は油圧
ケース８の進行方向右側の側面図である。

第４図において、油圧ケース８内に油圧シリン
ダー２８が嵌設されており、該油圧シリンダー２
８内にピストン３０が嵌挿摺動されている。ピス
トン３０よりロツド２９が突出し、リフテイング
シヤフト３２に固結されたリフトクランク３１と
係合している。

リフトクランク３１は油圧ケースの後高部内面
に設けられており、リフトクランク３１の長さを
出来るだけ長くすべく構成している。

油圧ケース後端の外側にはトツプリンクブラケ
ツト３３が枢支ピン３３ａに枢支されて設けられ
ており、更にトツプリンクブラケツトの他の枢支
ピン３３ｂにスプリング軸３５を介し、ドラフト
コントロールスプリング３４を介挿させている。
３３ｃはトツプリンクの枢支孔である。

第５図においてトツプリンクブラケツト３３よ
りドラフトコントロールアーム３８がフイードバ
ツクリンク３９へ延設され、リフトアーム９の基
部からポジシヨンコントロールアーム３７がフイ
ードバツクリンク３９へ延設されている。フイー
ドバツクリンク３９は油圧方向制御弁３６を操作
する。

(ヘ) 考案の効果 本考案は以上の如く構成したので、次のような
効果を奏するものである。

第１に、リフテイングシヤフトの存する個所の
油圧ケース８は大きく、且つ、シリンダーヘツド
側は小さく構成して、その連続部は前低後高の傾
斜面８ａとしたことにより、従来の如く油圧ケー
ス８の上面に別の座席固定ブラケツトを設けるこ
となく、該油圧ケース８自体を座席取付ブラケツ
トに兼用することが出来たものであり、従来油圧
ケース８の上面とシートベース１１との間に介装
されていた座席固定ブラケツトを設ける必要がな
くなり、その分だけ座席１０の最低位置を低くす
ることができ、また部品の省略化によるコストの
低下を図ることが出来たものである。

第２に、油圧ケース８の上面にシートベース１
１を固設するだけではなく、該油圧ケース８の上
面を傾斜面８ａに構成したことにより、該傾斜面
８ａにより座席を前方へ摺動移動した場合の高さ
の調節も同時に、油圧ケース８の傾斜面８ａによ
り行うことができるのである。

故に本考案の油圧ケース８は、座席固定ブラケ
ツトの役目と、前後移動時の上下追随調節の傾斜
面の二重の役目を兼用することが出来たものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は農用トラクターの全体側面図、第２図
は油圧装置及び座席部の側面図、第３図は座席部
の移動装置の構成を示す側面図、第４図は油圧ケ
ースの断面図、第５図は油圧ケース８の進行方向
右側の側面図、第６図はスイングアーム部の平面
図、第７図はアウターケースの後面図、第８図の
座席の上端拡大図、第９図は座席の断面図であ
る。 ８……油圧ケース、１０……座席、１１……シ
ートベース、１２……摺動ベース。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. リアアクスルケース７の上面に固設され、前部
   に油圧シリンダー２８を、後部にリフテイングシ
   ヤフト３２とリフトクランク３１等を内包した油
   圧ケース８において、油圧シリンダー２８の前端
   位置とリフテイングシヤフト３２の上部位置にわ
   たる油圧ケース８の上面を、前低後高の傾斜面８
   ａに形成し、該傾斜面８ａ上にシートベース１１
   をボルトにて固着し、該シートベース１１の摺動
   レール部に嵌合して前後に摺動自在とした摺動ベ
   ース１２を配置し、該摺動ベース１２上に座席１
   ０を載置したことを特徴とする農用トラクターの
   油圧ケース。