JPS603684Y2 - 作業機昇降用油圧装置の後方操作装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、トラクタにおける作業機昇降用油圧装置の後
方操作装置に関し、作業機の着脱時に、トラクタ後方よ
り制御レバーを操作杆で簡単に操作できるようにすると
共に、制御レバーを直接操作する際に、操作杆が負荷と
ならないようにしたものである。

トラクタに三点リンク機構を介して作業機を装着する場
合、作業機昇降用油圧装置を作動させてロアリンク後端
のボール接手部を作業機側の取付ピンの高さに合せる必
要がある。

しかし、通常のトラクタは、トラクタ車体後部に油圧装
置を搭載すると共に、その上方に運転席を配置し、この
運転席から操作し易い位置に制御レバーを設けているた
め、キャビン付きトラクタ等の場合に、ロアリンクを簡
単に上下調整することができなかった。

そこで、キャビンの後壁板を前後方向に貫通する操作杆
を設け、この操作杆の前端を制御レバーに連結し、トラ
クタ後方より操作杆を介して制御レバーを操作するよう
にしたものが提案されたが、これは簡単に操作杆を制御
レバーに連結しただけであるため、制御レバーを操作す
る際に、操作杆が共に摺動して負荷となり、本来の操作
に支を来たすという欠点があった。

本考案は、従来のこのような問題点を解消することを目
的として提供されたものであって、その特徴とするとこ
ろは、運転席近傍に作業機昇降用油圧装置の制御レバー
を配置すると共に、該制御レバーを操作する操作杆をト
ラクタ後方側に延設した作業機昇降用油圧装置の後方操
作装置において、制御レバーに補助レバーを設け、この
補助レバーに、制御レバーの略回動中心部と遊端側とに
またがって長孔を形威し、この長孔に操作杆の前端部を
摺動自在に係合させた点にある。

以下、図示の実施例について本考案を詳述すると、第１
図において、１はトラクタ車体で、前輪２及び後輪３を
有する。

４は作業機昇降用の油圧装置で、トラクタ車体１の後部
＆；搭載されると共に、油圧アーム軸５廻りに上下動す
る左右一対のリフトアーム６を有し、この油圧装置４は
後述するポジション制御レバー７、ドラフト制御レバー
８により制御される。

９は後輪フェンダ−１１０は油圧装置４上に配置された
運転席である。

１１は運転席１０等を覆うように設けられたキャビンで
、このキャビン１１内にて運転席１０側方に制御レバー
７．８が配置されている。

１２は作業機装着用の三点リンク機構で、１本のトップ
リンク（図示せず）と左右一対のロアリンク１３とを備
え、その各ロアリンク１３は枢軸１４廻りにトラクタ車
体１に枢支されると共に、リフトロッド１５を介して各
リフトアーム６に連結されている。

制御レバー７．８は第２図及び第３図に示すように板バ
ネ材等から戊り、取付ブラケット１６゜１７に夫々固定
されている。

各取付ブラケット１６．１７は相対回動自在とされた内
外二重軸構造の操作軸１８．１９の外端部に夫々設けら
れると共に、各両側に夫々摩擦板２１を介在した状態で
、固定板２２との間に介在されたコイルバネ２３により
軸心方向に押圧されている。

操作軸１８．１９は油圧装置本体２４に取付けられた取
付台２５に挿支され、また固定板２２は複数本のカラー
及びボルト２６により取付台２５に固定されている。

２７は油圧装置本体２４に付設された案内板で、各制御
レバー７．８を摺動自在に案内する案内溝２８．２９を
有する。

３０はポジション制御レバー７の傾斜部から下方に乗設
された補助レバーであって、この補助レバー３０には操
作軸１８の軸心に対応する位置から道端側へと長孔３１
が形威され、その道端部には鉤状に係合凹部３２が形成
されている。

３３は操作杆で、キャビン１１の後壁板３４に装着され
たゴム材等のブッシング３５に前後摺動自在に挿支され
、この操作杆３３の前端に折曲形成された係合部３６は
補助レバー３０の長孔３１に相対摺動自在に係合せしめ
られている。

操作杆３３は後端に把持部３７を有し、その把持部３７
はトラクタ後方からの操作に適した位置に配置されてい
る。

３Ｂはトップリンク取付台、３９は補助制御弁、４０は
その制御レバーである。

次に作用を説明する。

三点リンク機構１２を介して作業機を装着する際には、
把持部３７を持って操作杆３３前端の係合部３６を長孔
３１に沿って遊端側へと摺動させた後、その係合部３６
を長孔３１の係合凹部３２に係合させる。

すると操作杆３３は第２図に示すような状態となるので
、把持部３７を持って操作杆３３を前後方向に押し引き
操作する。

例えば、ロアリンク１３が低すぎる場合は、操作杆３３
を後方に引張れば、制御レバー７が操作軸１８廻りに反
時計方向に回動し、油圧装置４が上昇方向に作動してロ
アリンク１３を持上げる。

また操作杆３３を押せば、係合凹部３２のガタ付き分だ
け遅れて制御レバー７が時計方向に回動し、逆にロアリ
ンク１３が下がる。

従って、操作杆３３を操作することにより、キャビン１
１外部から制御レバー７を簡単に操作することができ、
作業機の着脱時の微調整には非常に便利である。

また係合凹部３２が遊端側にあるので、操作軸１８から
の寸法りが大となり、操作が軽く行なえる。

通常の操作時、即ち制御レバー７を直接操作する際は、
操作杆３３の係合部３６を長孔３１の下端に位置させて
おくのであり、この係合部３６が操作軸１８の軸心上に
位置するので、操作杆３３は全く動作せず、これが制御
レバー７の負荷となることはない。

本考案では、制御レバーに補助レバーを付設し、これに
略回動中心部から道端側にまたがって長孔を形威し、そ
の長孔に操作杆の前端部を係合させているので、操作杆
の前端部を長孔の遊端側に位置させれば、操作杆により
後方から制御レバーを軽く簡単に操作でき、また操作杆
の前端部を略回動中心側に位置させておけば、制御レバ
ーを操作する際に、操作杆が負荷となることもなく、従
って何れの場合にも操作が非常に円滑かつ軽快である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を例示するものであって、第１
図は全体の側面図、第２図は要部の側面図、第３図は同
縦断背面図である。 １・・・・・・トラクタ車体、４・・・・・・作業機昇
降用油圧装置、７・・・・・・ポジション制御レバー、
１０・・・・・・運転席、１１・・・・・・キャビン、
１２・・・・・・三点リンク機構、３０・・・・・・補
助レバー、３１・・・・・・長孔、３３・・・・・・操
作杆。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 運転席近傍に作業機昇降用油圧装置の制御レバーを配置
   すると共に、該制御レバーを操作する操作杆をトラクタ
   後方側に延設した作業機昇降用油圧装置の後方操作装置
   において、制御レバーに補助レバーを設け、この補助レ
   バーに、制御レバーの略回動中心部と遊端側とにまたが
   って長孔を形威し、この長孔に操作杆の前端部を摺動自
   在に係合させたことを特徴とする作業機昇降用油圧装置
   の後方操作装置。