JP3378744B2 - 水田作業車における油圧制御用リンク機構 - Google Patents

水田作業車における油圧制御用リンク機構

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JP3378744B2
JP3378744B2 JP22550796A JP22550796A JP3378744B2 JP 3378744 B2 JP3378744 B2 JP 3378744B2 JP 22550796 A JP22550796 A JP 22550796A JP 22550796 A JP22550796 A JP 22550796A JP 3378744 B2 JP3378744 B2 JP 3378744B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乗用田植機等の水
田作業車において作業部を昇降制御する油圧制御用リン
ク機構に係り、詳しくはフロートに作用する土圧の変動
に基づき作業部を田面に対して一定高さに調節するリン
ク機構に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、乗用田植機は、手動操作位置及
び自動位置に操作し得る昇降制御レバーを備えており、
該レバーの手動操作にて植付部を昇降制御すると共に、
該レバーの自動位置にて、植付部のフロートに作用する
土圧を感知して適正植付位置になるように植付部を油圧
にて自動昇降制御する。
【0003】このような油圧制御用リンク機構として、
例えば本件出願人の出願に係る特開昭62−65617
号公報に記載の技術が知られており、この従来例によれ
ば、図7に示すように、植付部10のフロート14の前
部に、感知プレート62が連結ピン62aにより枢支さ
れ、該感知プレート62の上部中間部に長孔62bが形
成されていて、この長孔62bにボーデンワイヤ71に
固定されたピン72が嵌入している。
【0004】また、リンク支え枠55の下端部に固設さ
れたブラケット73に、三角状の支点枠74がピン74
aにて支持され、該支点枠74の一隅部74bにフロー
ト後部から延びた連結ロッド65が連結され、更に他隅
部には回動支点75に固定された揺動アーム75a,7
5bが一体に連結されている。
【0005】そして、一方の揺動アーム75aの先端に
は前記ピン72が固定され、他方の揺動アーム75bの
先端には感知部材39が連結されていて、該感知部材3
9は図示しない油圧制御バルブに連結されている。な
お、前記ワイヤ連結ピン72及びフロート連結ピン62
aの間にはスプリング76が張設されていて、前記ワイ
ヤ連結ピン72とフロート連結ピン62aとの間の長さ
を位置決め設定している。
【0006】一方、前記フロート14は、後部をブラケ
ット63に軸支(63a)されたベルクランク状アーム
59にピン59bにて枢支され、該ベルクランク状アー
ム59の他端には、連結ロッド65とプレート66が連
結されていて、このプレート66の他側には、支点軸
(図示せず)を介して植付け深さ調節レバー68が設け
られている。そして、この植付け深さ調節レバー68を
操作することにより、フロート14がその後部枢支点5
9bの位置を上下に調節される。
【0007】以上により、自動昇降制御時に、フロート
14に土圧が作用してその前部が持上がると、感知プレ
ート62及びリンク機構75a,75b,39を介して
油圧制御バルブを自動上げ位置に移動して、昇降リンク
機構8により植付部10を上昇させ、反対に、フロート
14に作用する土圧が小さくその前部が下がると、油圧
制御バルブは自動下げ位置に移動して植付部10を下降
させる。こうして、油圧制御バルブはフロート14に作
用する土圧に基づき自動制御される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来のリンク機構によると、揺動アーム75a,75bの
回動支点75と、連結ロッド65と支点枠74との連結
点74bとが、機体前後方向に延びて構成されているた
め、設計上の理由から、機体の全長が長くなるという課
題があった。
【0009】また、従来のリンク機構は、油圧制御バル
ブに連結される前記感知部材39が、昇降リンク8のロ
アリンク8bよりも下方に配置されていたため、外力に
よる変形等が発生し易く、更に部品構成のバラツキによ
る精度低下等のおそれがあった。
【0010】本発明は、斯かる課題を解消するためにな
されたもので、その目的とするところは、植付け深さ調
節機構の操作に連動して揺動アームの回動支点を移動さ
せる連結部材を、機体の略々上下方向に配置すること
で、機体の全長を短くすることが可能な水田作業車にお
ける油圧制御用リンク機構を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、走行機体
(5)に、植付け深さ調節機構(68)により上下位置
を調整可能なフロート(14)を有する作業部(10)
を、昇降リンク機構(8)を介して油圧シリンダ装置
(19)により昇降支持すると共に、該油圧シリンダ装
置(19)を制御する油圧制御バルブ(35)を配設
し、更に該油圧制御バルブ(35)を、連係手段を介し
て前記フロート(14)に連結して、該フロート(1
4)に作用する土圧変動に基づくフロート(14)の上
下移動により前記油圧制御バルブ(35)を制御してな
る水田作業車(1)において、前記連係手段が、フロー
ト(14)に連結された感知プレート(62)と、前記
油圧制御バルブ(35)に連結されたリンク機構(1
5)と、前記感知プレート(62)とリンク機構(1
5)とを連結する揺動アーム(75a,75b)と、を
有し、該揺動アーム(75a,75b)を、前記昇降リ
ンク機構(8)の連結支点(21)に近接配置した回動
支点(75)で枢支すると共に、該回動支点(75)
と、前記感知プレート(62)と揺動アーム(75a,
75b)との連結部(72)とを前記昇降リンク機構
(8)の連結支点(21)を挟んで配置し、更に、前記
植付け深さ調節機構(68)の操作に連動して前記回動
支点(75)を移動させる連結部材(64a,64b)
を、前記昇降リンク機構(8)の連結支点(21)と、
前記感知プレート(62)とフロート(14)との連結
部(62a)とを結ぶ略々上下方向に配置した、ことを
特徴とする。
【0012】また、本発明は、前記回動支点(75)
を、前記昇降リンク機構(8)の連結支点(21)に対
し同一半径で回動自在に配置した、ことを特徴とする。
【0013】(作用) 以上の発明特定事項に基づき、作業部(10)は油圧シ
リンダ装置(19)により昇降支持され、この油圧シリ
ンダ装置(19)を制御する油圧制御バルブ(35)
は、リンク機構(15)と揺動アーム(75a,75
b)と感知プレート(62)を介してフロート(14)
に連結されていて、該フロート(14)の上下移動によ
り自動的に制御されるようになっている。
【0014】すなわち、自動昇降制御時においては、例
えば、フロート(14)に土圧が作用してその前部が持
上がると、前記感知プレート(62)、揺動アーム(7
5a,75b)、リンク機構(15)を介して油圧制御
バルブ(35)が自動上げ位置に移動して作業部(1
0)が上昇され、反対に、フロート(14)に作用する
土圧が小さくその前部が下がると、油圧制御バルブ(3
5)は自動下げ位置に移動して作業部(10)は下降さ
れる。
【0015】しかして、前記揺動アーム(75a,75
b)は、昇降リンク機構(8)の連結支点(21)に近
接配置された回動支点(75)にて枢支されていると共
に、この回動支点(75)と、前記感知プレート(6
2)と揺動アーム(75a)との連結部(72)とは、
前記昇降リンク機構(8)の連結支点(21)を挟んで
配置されている。
【0016】また、前記回動支点(75)は、フロート
(14)の上下位置を調整する植付け深さ調節機構(6
8)を操作することにより、この操作に連動して連結部
材(64a,64b)を介して移動するようになってい
るが、この連結部材(64a,64b)を、昇降リンク
機構(8)の連結支点(21)と、感知プレート(6
2)とフロート(14)との連結部(62a)とを結ぶ
略々上下方向に配置することで、機体の前後方向の長さ
を短く設定することが可能となる。
【0017】なお、上述したカッコ内の符号は図面を参
照するために示すものであって、本発明の構成を何ら限
定するものではない。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明の実施
の形態を説明する。なお、前述した従来例と同一または
相当する部材には、同一の符号を付して説明する。
【0019】図1に示すように、乗用田植機1は、前輪
2及び後輪3により支持された走行機体5を有してお
り、該走行機体5にはその前方部分にエンジン6が搭載
されていて、前後輪の略々中間位置にシート7を有する
運転席9が配設されている。前記走行機体5の後方に
は、昇降リンク機構8を介して植付部(作業部)10が
昇降自在に支持され、該植付部10には多数の植付杆1
1…、フロー卜14及びマット苗を載置し得る苗載せ台
12が備えられている。なお、この植付部10は、昇降
リンク機構8の後端部のリンク支え枠55に設置された
ローリング軸(図示せず)により、左右方向ローリング
自在とされている。
【0020】また、走行機体5の前部に設けられたミッ
ションケース16と前記昇降リンク機構8との間には油
圧シリンダ装置19が配設されており、この油圧シリン
ダ装置19は後述する油圧制御バルブ35の作動に基づ
き伸縮して、植付部10が昇降作動する。
【0021】すなわち、図1および図2に示すように、
運転席9の下方のシート支柱25にはロータリスプール
バルブからなる前記油圧制御バルブ35が設置されてい
て、そのスプールと一体の軸35aに長孔36aを有す
るプレー卜36が固定され、更に前記軸35aに回動自
在にアーム37が支持され、そしてピン32が前記長孔
36aを貫通して該アーム37に当接するように延びて
いる。
【0022】このアーム37が、後述する連係手段を介
して前記フロー卜14に連結され、該フロート14に作
用する土圧変動に基づくフロート14の上下移動により
前記油圧制御バルブ35が自動的に制御されて、前記油
圧シリンダ装置19が伸縮するようになっている。
【0023】前記フロート14は、図5に示すように、
その後部を、伝動ケース61に設けられた軸58を中心
として一体的に回動可能なアーム59,59’を介して
ピン59bにて枢支され、その中間部を伝動ケース61
に上下自在に支持され、更にその前部分には感知プレー
ト62が枢支・連結されている。また、前記伝動ケース
61の支点軸67には、植付け深さ調節レバー68およ
び金具67aが一体固定されており、更に該金具67a
と前記アーム59とが金具67bを介してピン結合(5
7)されている。そして、前記植付け深さ調節レバー6
8を手動操作することにより、前記フロート14は上下
位置が調整可能とされている。
【0024】前記感知プレート62は、図2に示すよう
に、下端部がフロート14に連結ピン62aにて枢支さ
れており、かつその上端近傍に長孔62bが形成されて
いる。また、前記感知プレート62の上端部分にはボー
デンワイヤ71が固定されており、該ワイヤ71のイン
ナ7lbに固定されたピン72が前記長孔62bに嵌入
している。
【0025】本発明は、前記連係手段が、フロート14
に連結された感知プレート62と、前記油圧制御バルブ
35に連結されたリンク機構と、前記感知プレート62
とリンク機構とを連結する揺動アームと、を有すること
を特徴としている。
【0026】すなわち、図2〜図4に示すように、リン
ク機構15は、油圧制御バルブ35側のアーム37に連
結された連牽リンク42と、該連牽リンク42とピン4
6により連結され、機体フレーム40に揺動自在に軸着
(44)されたアーム41と、該アーム41とピン41
aにより連結され運転席9下部のリンク支柱18とロア
リンク8bとの枢支部17を中心として一体的に揺動可
能なリンク部材22b,22aと、該リンク部材22
b,22aに設けられたピン47を介して連結された感
知部材39とを有している。
【0027】また、この感知部材39と前記感知プレー
ト62とは、回動支点75を中心として回動する揺動ア
ーム75a,75bを介して連結されていて、前記連係
手段は、前記リンク機構15と感知プレート62と揺動
アーム75a,75bとを有する。
【0028】前記感知部材39は、図4に示すように、
一端に前記リンク部材22aのピン47が嵌合する孔2
8と、他端に長孔29を有し、かつ中間にピン30が植
設されたプレート39aと、一端にピン31が植設さ
れ、他端に前記揺動アーム75bに連結されるピン32
が植設されたプレート39bとを有していて、前記ピン
30,31間にはスプリング33が装着されている。
【0029】前記リンク部材22aは、中央に大きな開
口部24が穿設され該開口部24を挟んで略々対称な位
置に前記枢支部17とピン47を有すると共に、前記リ
ンク部材22bは、一端に前記枢支部17を有し他端に
長孔20が形成されたアーム状をなしている。そして、
前記リンク部材22aの前記開口部24には機体フレー
ムステー27が挿通され、また周囲の適位置にはリンク
部材22a,22bの回動を規制する規制部材26a,
26bが取り付けられている。そして、リンク部材22
bと前記アーム41とは、該アーム41に取り付けられ
たピン41aと前記長孔20を介して連結されている。
【0030】なお、図2に示すように、前記連牽リンク
42の中間部にはピン43が植設されていて、該ピン4
3と機体フレーム40側との間にスプリング45が張設
され、該スプリング45により前記連牽リンク42は常
時(植付部10の)下げ方向に付勢されている。
【0031】また、本発明は、前記揺動アーム75a,
75bを、前記昇降リンク機構8の連結支点に近接配置
した回動支点で枢支すると共に、該回動支点と、前記感
知プレート62と揺動アーム75aとの連結部とを前記
昇降リンク機構8の連結支点を挟んで配置したことを特
徴としている。
【0032】図2〜図4に示すように、前記揺動アーム
75a,75bは、回動支点75を中心として一体的に
揺動可能な二又状のアームから成り、該揺動アーム75
a,75bは、昇降リンク機構8の後部で左右のロアリ
ンク8b,8bを連結している連結支点としての連結軸
21に装着された連結プレート23,23により、前記
連結軸21に近接配置されている。
【0033】このため、前記回動支点75は、昇降リン
ク機構8の連結軸21に対し、前記回動支点75と連結
21との間の寸法に等しい半径で回動自在とされてい
ることになる。
【0034】そして、前記感知プレート62と揺動アー
ム75aとは、該感知プレート62の長孔62bに嵌入
された前記ピン72を介して連結されていて、このピン
72と前記回動支点75とは、前記ロアリンク8b,8
bを連結している前記連結軸21を挟んで略々対称の位
置に配置されている。このため、前記揺動アーム75a
は、前記連結軸21に当接しないように円弧状に湾曲形
成されている。また、前記揺動アーム75bの先端に
は、ピン32を介して前記感知部材39が連結されてい
る。
【0035】すなわち、前記揺動アーム75a,75b
における一方のアーム75aの先端側は、ピン72を介
して前記感知プレート62に連結され、また他方のアー
ム75bの先端側は、ピン32を介して前記感知部材3
9に連結されていて、これら両連結部(72,32)は
ロアリンク8b,8bを連結している連結軸21に対
し、上下方向に離間して配置されている。
【0036】一方、ワイヤ連結ピン72とフロート連結
ピン62aの間にはスプリング76が張設されていて、
該スプリング76はインナワイヤ7lbを張って、前記
ワイヤ連結ピン72とフロート連結ピン62aとの間の
長さからなる感知プレート62の作用長を位置決め設定
する。
【0037】更に、本発明は、前記植付け深さ調節機構
(68)の操作に連動して前記回動支点75を移動させ
る連結部材を、前記昇降リンク機構8の連結支点(連結
軸21)と、前記感知プレート62とフロート14との
連結部62aとを結ぶ略々上下方向に配置した、ことを
特徴としている。
【0038】図4および図5に示すように、前記揺動ア
ーム75a,75bの後部に連接されたブラケット75
cには、ピン49により第1の連結プレート64aが枢
支され、この第1の連結プレート64aにはピン50を
介して第2の連結プレート64bが連結されている。ま
た、この第2の連結プレート64bの他端と、前記支点
軸67に固定された金具67aの他端との間は、夫々ピ
ン51,52により連結ロッド65が連結されている。
更に、前記第2の連結プレート64bの中間部には、枢
軸53が植設されていて、該枢軸53が昇降リンク機構
8から突設されたブラケット63の孔53aに回動可能
に軸着されている。
【0039】そして、前記第1と第2の連結プレート6
4a,64b(連結部材)が、昇降リンク機構8の前記
連結軸21と、感知プレート62とフロート14との連
結部62aとを結ぶ略々上下方向に沿って配置されてい
る。このため、本実施の形態においては、前記第2の連
結プレート64bは感知プレート62に沿って略々上下
に配置された形となっている。
【0040】以上により、前記植付け深さ調節レバー6
8を上下に操作してフロート14を上方または下方に調
節すると、図5および図6において、前記支点軸67が
時計方向または反時計方向に回転して前記連結ロッド6
5が左方向または右方向に移動し、これにより前記第2
の連結プレート64bが、枢軸53を中心として時計ま
たは反時計方向に回転するから、ピン50を介して第1
の連結プレート64aが上方または下方に移動し、ピン
49は中立位置のB点から上方のA点または下方のC点
に移動する(図6参照)。更に、前記ピン49の移動に
伴い、揺動アーム75a,75bの回動支点75が昇降
リンク機構8の連結軸21を中心として上方または下方
に移動する。
【0041】この場合、前記植付け深さ調節レバー68
の操作によって、前記回動支点75が上下に移動するこ
とにより、揺動アーム75bの支点32が移動したとし
ても、図2で理解できるように、感知部材39は、該感
知部材39の一方の支点47を固定中心として該支点4
7と前記支点32間の寸法を半径として円弧状に回動可
能であることから、該半径位置に前記支点32を停止さ
せることとすれば、植付け深さ調節レバー68の操作に
よっても、油圧制御バルブ35の制御には何ら影響を与
えることはない。
【0042】
【0043】また、図2に示すように、少なくとも前記
リンク部材22a,22bと感知部材39は、前記油圧
制御バルブ35よりも上方に配置されており、これによ
り、組み立て性の向上が図られると共に、リンク部材2
2a,22bや感知部材39の破損が防止される。ま
た、前記リンク部材22aの開口部24に、機体フレー
ムステー27を配置したことにより、スペースの有効利
用を図りつつ、機体のコンパクト化が達成可能となる。
【0044】更に、図3に示すように、前記油圧制御バ
ルブ35からフロート14までのリンク構成を、該油圧
制御バルブ35よりも上方に配置し、かつ機体左右のロ
アリンク8b,8bよりも機体内側に配置したことによ
り、外力による油圧リンクの変形や泥水による油圧感知
機能の低下を防止し、かつ機体大骨としてのロアリンク
8bに沿わすことで、リンク構成による寸法バラツキを
少なくしている。また、油圧制御バルブ35を下方に配
置したので、バイピングが容易となる他、他部品やアタ
ッチメント取付部のスペースを確保することが可能とな
る。
【0045】次いで、上述した本実施の形態の作用につ
いて説明する。
【0046】図示しない昇降制御レバーを自動位置に操
作すると、フロート14に作用する土圧に基づき、揺動
アーム75a,75bを介してリンク機構15により油
圧制御バルブ35が制御される。即ち、植付部10が適
正植付位置にある場合、アーム37及びピン32を介し
て制御プレー卜36が固定位置にあり、油圧制御バルブ
35をホールドして植付部10をその位置に保持する。
【0047】この状態から、植付部10が田面に対して
上昇してフロート14に作用する土圧が減少すると、フ
ロート14の前方が下がり、該動きは感知プレート62
及び長孔62bの所定位置に位置決めされているピン7
2を介して揺動アーム75aに反時計方向(図2)の回
転として伝えられ、更に回動支点75を介して揺動アー
ム75bも同方向に回転して感知部材39を押圧する。
【0048】このときの押圧力は、枢支部17を中心と
してリンク部材22a,22bを反時計方向に回転さ
せ、これに伴いアーム41を支点44を中心として時計
方向に回転させ、更に連牽リンク42を支点44を中心
として時計方向に移動させる。このリンク42の移動
は、アーム37を軸35aを中心として時計方向に回動
させ、更にピン32がアーム37に当接していることに
より、該ピン32を介してアーム37と一体に制御プレ
ート36が下げ位置に回動し、油圧制御バルブ35を、
油圧シリンダ装置19内の油を排出するように切換え、
該シリンダ装置19を収縮して植付部10を下げる。
【0049】また反対に、植付部10が下降してフロー
ト14に作用する土圧が増大すると、フロート14の前
方が持上り、該動きは感知プレート62、揺動アーム7
5a,75b、感知部材39、リンク部材22a,22
b、及びアーム41を介して連牽リンク42を支点44
に対し反時計方向に移動してアーム37を反時計方向に
回動させ、更に該アーム37と一体に制御プレート36
を上げ位置に回動させる。
【0050】これにより、油圧制御バルブ35は油圧シ
リンダ装置19に圧油を圧送するように切換えられ、該
シリンダ装置19のロッドを伸張して植付部10を適正
位置まで上昇させる。
【0051】なお、前記揺動アーム75a,75bを枢
支する回動支点75は、植付け深さ調節レバー68の操
作に連動して連結部材64a,64bを介して移動する
ようになっており、またこの連結部材64a,64b
は、前記昇降リンク機構8の連結軸21と、前記感知プ
レート62とフロート14との連結部62aとを結ぶ略
々上下方向に配置されているので、機体設計に際して
は、機体前後方向の長さを短く設定することが可能とな
る。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
油圧制御バルブとフロートとを連結する連係手段が、フ
ロートに連結された感知プレートと、前記油圧制御バル
ブに連結されたリンク機構と、前記感知プレートとリン
ク機構とを連結する揺動アームと、を有し、該揺動アー
ムを、前記昇降リンク機構の連結支点に近接配置した回
動支点で枢支して、前記植付け深さ調節機構の操作に連
動して前記回動支点を移動させる連結部材を、前記昇降
リンク機構の連結支点と、前記感知プレートとフロート
との連結部とを結ぶ略々上下方向に配置したことによ
り、機体の全長を短くすることができる。また、前記連
結部材を植付部側の部品で構成したので、油圧制御用リ
ンク機構の寸法精度と性能向上を図ることができる。更
に、他の部品間のスキマにリンク構成ができるので、配
置構成が容易となる。
【0053】また、前記回動支点を、前記昇降リンク機
構の連結支点に対し同一半径で回動自在に配置したこと
により、植付け深さ調節機構の操作によっても、油圧制
御バルブには影響を与えずにフロート位置を上下調整す
ることができる。
【0054】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された乗用田植機の側面図であ
る。
【図2】本発明に係る油圧制御用リンク機構の全体構成
を示す図である。
【図3】図2の平面図である。
【図4】図2の分解斜視図である。
【図5】図2の要部拡大図である。
【図6】図2の要部拡大図であって、植付け深さ調節レ
バーによる植付部の動作状態を示す図である。
【図7】従来の油圧制御用リンク機構のフロート部分の
側面図である。
【符号の説明】
1 乗用田植機 5 走行機体 8 昇降リンク機構 10 植付部 14 フロート 19 油圧シリンダ装置 21 連結軸 22a,22b リンク部材 23 連結プレート 35 油圧制御バルブ 39 感知部材 40 機体フレーム 62 感知プレー卜 64a,64b 連結プレート 68 植付け深さ調節レバー 75 回動支点 75a,75b 揺動アーム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01C 11/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行機体に、植付け深さ調節機構により
    上下位置を調整可能なフロートを有する作業部を、昇降
    リンク機構を介して油圧シリンダ装置により昇降支持す
    ると共に、該油圧シリンダ装置を制御する油圧制御バル
    ブを配設し、更に該油圧制御バルブを、連係手段を介し
    て前記フロートに連結して、該フロートに作用する土圧
    変動に基づくフロートの上下移動により前記油圧制御バ
    ルブを制御してなる水田作業車において、 前記連係手段が、フロートに連結された感知プレート
    と、前記油圧制御バルブに連結されたリンク機構と、前
    記感知プレートとリンク機構とを連結する揺動アーム
    と、を有し、 該揺動アームを、前記昇降リンク機構の連結支点に近接
    配置した回動支点で枢支すると共に、該回動支点と、前
    記感知プレートと揺動アームとの連結部とを前記昇降リ
    ンク機構の連結支点を挟んで配置し、 更に、前記植付け深さ調節機構の操作に連動して前記回
    動支点を移動させる連結部材を、前記昇降リンク機構の
    連結支点と、前記感知プレートとフロートとの連結部と
    を結ぶ略々上下方向に配置した、 ことを特徴とする水田作業車における油圧制御用リンク
    機構。
  2. 【請求項2】 前記回動支点を、前記昇降リンク機構の
    連結支点に対し同一半径で回動自在に配置した、 ことを特徴とする請求項1記載の水田作業車における油
    圧制御用リンク機構。
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