JP2545793Y2 - 歩行型田面作業機における車輪昇降用シリンダの配設構造 - Google Patents
歩行型田面作業機における車輪昇降用シリンダの配設構造Info
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- JP2545793Y2 JP2545793Y2 JP1225291U JP1225291U JP2545793Y2 JP 2545793 Y2 JP2545793 Y2 JP 2545793Y2 JP 1225291 U JP1225291 U JP 1225291U JP 1225291 U JP1225291 U JP 1225291U JP 2545793 Y2 JP2545793 Y2 JP 2545793Y2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、田植機、施肥機、播種
機等の歩行型田面作業機における車輪昇降用シリンダの
配設構造に関するものである。
機等の歩行型田面作業機における車輪昇降用シリンダの
配設構造に関するものである。
【0002】
【従来技術及び考案が解決しようとする課題】一般に、
この種歩行型の田面作業機においては、左右走行車輪の
スイングケースにそれぞれ連結される天秤アームを、主
シリンダの作動では平行移動させて左右走行車輪を同方
向に上下移動せしめる一方、副シリンダの作動では揺動
させて左右走行車輪を背反方向に移動せしめて機体の姿
勢制御を行うべく構成されるものがある。しかるに従来
のものは、主シリンダを、固定されたシリンダ筒に対し
てピストンロツドが移動する片ロツド型シリンダとし、
このピストンロツドの先端に天秤アームを揺動自在に枢
着するようにしていたため、天秤アームを揺動させるた
めの副シリンダは、ガイド機構を用いて天秤アームと一
体移動させる必要があり、この結果、部品点数が殊更多
くなつて構造が複雑化してしまう許りでなく、装置全体
が大型化して機体重量の軽量化の妨げになる不都合があ
つた。そこで、主シリンダを、固定されたピストンロツ
ドに対してシリンダ筒が移動する両ロツド型シリンダと
し、該シリンダ筒に天秤アームを揺動自在に枢着すると
共に、シリンダ筒と天秤アームとの間に副シリンダを介
設することでガイド機構を不要にすることが考えられる
が、このものにおいては、上記副シリンダを何の配慮も
なくシリンダ筒と天秤アームとの間に介設した場合に、
副シリンダが主シリンダに対して傾斜して両シリンダ間
に無駄なスペースができる不都合がある許りでなく、左
傾斜時と右傾斜時のローリング制御において副シリンダ
の作動長に対する天秤アームの揺動量が一致しないこと
になつてローリング制御の精度に問題が生じる不都合が
ある。
この種歩行型の田面作業機においては、左右走行車輪の
スイングケースにそれぞれ連結される天秤アームを、主
シリンダの作動では平行移動させて左右走行車輪を同方
向に上下移動せしめる一方、副シリンダの作動では揺動
させて左右走行車輪を背反方向に移動せしめて機体の姿
勢制御を行うべく構成されるものがある。しかるに従来
のものは、主シリンダを、固定されたシリンダ筒に対し
てピストンロツドが移動する片ロツド型シリンダとし、
このピストンロツドの先端に天秤アームを揺動自在に枢
着するようにしていたため、天秤アームを揺動させるた
めの副シリンダは、ガイド機構を用いて天秤アームと一
体移動させる必要があり、この結果、部品点数が殊更多
くなつて構造が複雑化してしまう許りでなく、装置全体
が大型化して機体重量の軽量化の妨げになる不都合があ
つた。そこで、主シリンダを、固定されたピストンロツ
ドに対してシリンダ筒が移動する両ロツド型シリンダと
し、該シリンダ筒に天秤アームを揺動自在に枢着すると
共に、シリンダ筒と天秤アームとの間に副シリンダを介
設することでガイド機構を不要にすることが考えられる
が、このものにおいては、上記副シリンダを何の配慮も
なくシリンダ筒と天秤アームとの間に介設した場合に、
副シリンダが主シリンダに対して傾斜して両シリンダ間
に無駄なスペースができる不都合がある許りでなく、左
傾斜時と右傾斜時のローリング制御において副シリンダ
の作動長に対する天秤アームの揺動量が一致しないこと
になつてローリング制御の精度に問題が生じる不都合が
ある。
【0003】
【課題を解決するための手段】本考案は、上記の如き実
情に鑑みこれらの欠点を一掃することができる歩行型田
面作業機における車輪昇降用シリンダの配設構造を提供
することを目的として創案されたものであつて、左右走
行車輪のスイングケースにそれぞれ連結される天秤アー
ムを、主シリンダの作動では平行移動させて左右走行車
輪を同方向に上下移動せしめる一方、副シリンダの作動
では揺動させて左右走行車輪を背反方向に移動せしめて
機体の姿勢制御を行う歩行型田面作業機において、前記
主シリンダを、固定されたピストンロツドに対してシリ
ンダ筒が移動する両ロツド型シリンダとし、該シリンダ
筒に前記天秤アームを揺動自在に枢着する一方、シリン
ダ筒の側方には、シリンダ筒と天秤アームとの間に介設
される副シリンダを並列状に配したことを特徴とするも
のである。
情に鑑みこれらの欠点を一掃することができる歩行型田
面作業機における車輪昇降用シリンダの配設構造を提供
することを目的として創案されたものであつて、左右走
行車輪のスイングケースにそれぞれ連結される天秤アー
ムを、主シリンダの作動では平行移動させて左右走行車
輪を同方向に上下移動せしめる一方、副シリンダの作動
では揺動させて左右走行車輪を背反方向に移動せしめて
機体の姿勢制御を行う歩行型田面作業機において、前記
主シリンダを、固定されたピストンロツドに対してシリ
ンダ筒が移動する両ロツド型シリンダとし、該シリンダ
筒に前記天秤アームを揺動自在に枢着する一方、シリン
ダ筒の側方には、シリンダ筒と天秤アームとの間に介設
される副シリンダを並列状に配したことを特徴とするも
のである。
【0004】そして本考案は、この構成によつて、ロー
リング制御装置の小型化を計ると共に、制御精度を著し
く向上させることができるようにしたものである。
リング制御装置の小型化を計ると共に、制御精度を著し
く向上させることができるようにしたものである。
【0005】
【実施例】次に、本考案の一実施例を図面に基づいて説
明する。図面において、1は歩行型の田植機であつて、
該田植機1の機体前部には、エンジン2およびトランス
ミツシヨンケース3が上下に一体的に配設される一方、
機体後部には、苗載台4、植付機構5等を備えた植付作
業部6が配設され、また機体の左右には、トランスミツ
シヨンケース3の左右側面から突出する出力軸7に上下
揺動自在に支持されるスイングケース8を介して走行車
輪9がそれぞれ設けられており、そしてエンジン2の動
力を、トランスミツシヨンケース3を経由して前記植付
作業部6および走行車輪9に伝動するべく構成されてい
るが、前記トランスミツシヨンケース3と植付作業部6
を機体フレーム1aによつて一体的に連結支持すると共
に、機体フレーム1aの連結高さを左右走行車輪9の車
軸10よりも低位に設定することで、機体フレーム1a
上に、左右車軸10間に挾まれる空間部Sを形成するよ
うになつている。
明する。図面において、1は歩行型の田植機であつて、
該田植機1の機体前部には、エンジン2およびトランス
ミツシヨンケース3が上下に一体的に配設される一方、
機体後部には、苗載台4、植付機構5等を備えた植付作
業部6が配設され、また機体の左右には、トランスミツ
シヨンケース3の左右側面から突出する出力軸7に上下
揺動自在に支持されるスイングケース8を介して走行車
輪9がそれぞれ設けられており、そしてエンジン2の動
力を、トランスミツシヨンケース3を経由して前記植付
作業部6および走行車輪9に伝動するべく構成されてい
るが、前記トランスミツシヨンケース3と植付作業部6
を機体フレーム1aによつて一体的に連結支持すると共
に、機体フレーム1aの連結高さを左右走行車輪9の車
軸10よりも低位に設定することで、機体フレーム1a
上に、左右車軸10間に挾まれる空間部Sを形成するよ
うになつている。
【0006】11は復動式の主シリンダ装置であつて、
該主シリンダ装置11は、ピストンロツド11a、シリ
ンダ筒11b等で構成され、トランスミツシヨンケース
2およびエンジン3の前方に前低後高状に急傾斜する殆
ど縦姿勢で配されるものであるが、ピストンロツド11
aの一端部がエンジン2の上端部に形成されるシリンダ
ヘツド部2aにブラケツト12を介して一体的に固定さ
れ、また他端部がトランスミツシヨンケース3の前端部
に前方に突設したブラケツト13を介して一体的に固定
されていて、機体に対して不動の固定状態になつてお
り、そして油圧操作に基づきシリンダ筒11bがピスト
ンロツド11aに対してロツド長方向に向けて移動する
両ロツド型シリンダで構成されている。
該主シリンダ装置11は、ピストンロツド11a、シリ
ンダ筒11b等で構成され、トランスミツシヨンケース
2およびエンジン3の前方に前低後高状に急傾斜する殆
ど縦姿勢で配されるものであるが、ピストンロツド11
aの一端部がエンジン2の上端部に形成されるシリンダ
ヘツド部2aにブラケツト12を介して一体的に固定さ
れ、また他端部がトランスミツシヨンケース3の前端部
に前方に突設したブラケツト13を介して一体的に固定
されていて、機体に対して不動の固定状態になつてお
り、そして油圧操作に基づきシリンダ筒11bがピスト
ンロツド11aに対してロツド長方向に向けて移動する
両ロツド型シリンダで構成されている。
【0007】14は左右方向に長い天秤アームであつ
て、該天秤アーム14の中間部14aは、シリンダ筒1
1bの上端部から前後に突設されるピン軸15によつて
揺動自在に軸支される一方、左右両端部14bは、連結
ピン16を介して枢結される連結ロツド17により、前
記スイングケース8の基端ボス部8aに突出形成された
揺動アーム8bに対して連結されている。そして後述す
るように主シリンダ装置11の作動に伴うシリンダ筒1
1bの上下移動に連繋して天秤アーム14が平行姿勢状
態で押し引き移動し、これによつてスイングケース8が
同時的な上下揺動をして左右走行車輪9を機体に対して
同時に上下移動させる構成になつているが、天秤アーム
14においては様々な配慮がなされており、これを以下
に順次説明する。
て、該天秤アーム14の中間部14aは、シリンダ筒1
1bの上端部から前後に突設されるピン軸15によつて
揺動自在に軸支される一方、左右両端部14bは、連結
ピン16を介して枢結される連結ロツド17により、前
記スイングケース8の基端ボス部8aに突出形成された
揺動アーム8bに対して連結されている。そして後述す
るように主シリンダ装置11の作動に伴うシリンダ筒1
1bの上下移動に連繋して天秤アーム14が平行姿勢状
態で押し引き移動し、これによつてスイングケース8が
同時的な上下揺動をして左右走行車輪9を機体に対して
同時に上下移動させる構成になつているが、天秤アーム
14においては様々な配慮がなされており、これを以下
に順次説明する。
【0008】まず、天秤アーム14においては、左右両
端部14bのロツド連結位置を、中間部14aのシリン
ダ連結位置に対して後方に偏倚させることによつて、天
秤アーム14の上方を覆う先細り状のボンネツト18を
可及的に幅狭に形成できるよう配慮している。つまり、
天秤アーム14を先細り状のボンネツト18で覆う場合
には、天秤アーム14位置を可及的に後方に位置させる
ことがボンネツト18の幅狭化に有利であるが、天秤ア
ーム14の後方配置にはエンジン2等の配置上限界があ
り、このため連結ロツド17の連結位置である左右両端
部14bのみを、中間部14aの前後幅aよりも幅狭な
前後幅bとすることで中間部14aに対して後方に偏倚
せしめている。
端部14bのロツド連結位置を、中間部14aのシリン
ダ連結位置に対して後方に偏倚させることによつて、天
秤アーム14の上方を覆う先細り状のボンネツト18を
可及的に幅狭に形成できるよう配慮している。つまり、
天秤アーム14を先細り状のボンネツト18で覆う場合
には、天秤アーム14位置を可及的に後方に位置させる
ことがボンネツト18の幅狭化に有利であるが、天秤ア
ーム14の後方配置にはエンジン2等の配置上限界があ
り、このため連結ロツド17の連結位置である左右両端
部14bのみを、中間部14aの前後幅aよりも幅狭な
前後幅bとすることで中間部14aに対して後方に偏倚
せしめている。
【0009】また、天秤アーム14では、左右両端部1
4bの上辺を、外側ほど低位となる傾斜状に形成するこ
とで、正面視において上面が中央膨出状に形成されるボ
ンネツト18内にコンパクトに収容できるよう配慮さ
れ、これによりボンネツト18高さを可及的に低くする
ことができるようになつている。
4bの上辺を、外側ほど低位となる傾斜状に形成するこ
とで、正面視において上面が中央膨出状に形成されるボ
ンネツト18内にコンパクトに収容できるよう配慮さ
れ、これによりボンネツト18高さを可及的に低くする
ことができるようになつている。
【0010】さらに、天秤アーム14においては、ロツ
ド連結位置である左右両端部14bに弾性を持たせるこ
とによつて、走行車輪9からの突上げ力を、天秤アーム
14の中間部14aに連結される主シリンダ装置11や
後述の副シリンダ装置19に至る前の段階で吸収するよ
う配慮されている。即ち、天秤アーム14では、中間部
14aを前後垂下辺および上辺からなる断面冂字状に形
成するのに対して、左右両端部14bを前後垂下辺のみ
で形成し、これにより断面係数を小さくして左右両端部
14bに弾性を持たせるようになつている。
ド連結位置である左右両端部14bに弾性を持たせるこ
とによつて、走行車輪9からの突上げ力を、天秤アーム
14の中間部14aに連結される主シリンダ装置11や
後述の副シリンダ装置19に至る前の段階で吸収するよ
う配慮されている。即ち、天秤アーム14では、中間部
14aを前後垂下辺および上辺からなる断面冂字状に形
成するのに対して、左右両端部14bを前後垂下辺のみ
で形成し、これにより断面係数を小さくして左右両端部
14bに弾性を持たせるようになつている。
【0011】ところで、前記揺動アーム8bはスイング
ケース8の基端ボス部8aから前方に向けて突設されて
いる。つまり、揺動アーム8bを可及的に機体前側に位
置させて機体の前後バランスを改善すると共に、揺動ア
ーム8bの揺動方向を上下方向とすることで主シリンダ
装置11の縦置き配置を可能とするが、さらに揺動下限
位置では、周縁部に土手部20aが突設されるフロート
20内に収容されるようその揺動範囲が設定されてい
る。
ケース8の基端ボス部8aから前方に向けて突設されて
いる。つまり、揺動アーム8bを可及的に機体前側に位
置させて機体の前後バランスを改善すると共に、揺動ア
ーム8bの揺動方向を上下方向とすることで主シリンダ
装置11の縦置き配置を可能とするが、さらに揺動下限
位置では、周縁部に土手部20aが突設されるフロート
20内に収容されるようその揺動範囲が設定されてい
る。
【0012】一方、前記副シリンダ装置19は、主シリ
ンダ装置11のシリンダ筒11bと天秤アーム14との
間に介装され、その伸縮作動に基づいて天秤アーム14
をピン軸15を支点として揺動させることによつて左右
走行車輪9を背反方向に上下動せしめて機体のローリン
グ制御を行うが、このものは、主シリンダ装置11のシ
リンダ筒11bに対し、その一側方に近接して並列状に
配されている。これにより主シリンダ装置11との間の
無駄な空間を可及的に無くして姿勢制御機構を極めてコ
ンパクトに構成すると共に、左傾斜時と右傾斜時のロー
リング制御において副シリンダ装置19の伸縮作動長に
対する天秤アーム14の揺動量を一致させるようになつ
ている。さらに、副シリンダ装置19の伸縮作動に基づ
いて揺動する天秤アーム14にあつては、その揺動範囲
をストツパ部材等で規制する必要があるが、本実施例で
は、天秤アーム14が揺動範囲の上限および下限位置で
シリンダ筒11bの上端に接当することによつて揺動範
囲規制が行われるようになつている。
ンダ装置11のシリンダ筒11bと天秤アーム14との
間に介装され、その伸縮作動に基づいて天秤アーム14
をピン軸15を支点として揺動させることによつて左右
走行車輪9を背反方向に上下動せしめて機体のローリン
グ制御を行うが、このものは、主シリンダ装置11のシ
リンダ筒11bに対し、その一側方に近接して並列状に
配されている。これにより主シリンダ装置11との間の
無駄な空間を可及的に無くして姿勢制御機構を極めてコ
ンパクトに構成すると共に、左傾斜時と右傾斜時のロー
リング制御において副シリンダ装置19の伸縮作動長に
対する天秤アーム14の揺動量を一致させるようになつ
ている。さらに、副シリンダ装置19の伸縮作動に基づ
いて揺動する天秤アーム14にあつては、その揺動範囲
をストツパ部材等で規制する必要があるが、本実施例で
は、天秤アーム14が揺動範囲の上限および下限位置で
シリンダ筒11bの上端に接当することによつて揺動範
囲規制が行われるようになつている。
【0013】21は前記両シリンダ装置11、19の作
動切換えを司る油圧バルブユニツトであつて、該バルブ
ユニツト21の上端部に一側方に向けて突設されるブラ
ケツト21aには、バルブユニツト21の一側方に位置
するべく振り子体22が左右揺動自在に支持されてお
り、このためバルブユニツト21の配設位置は、振り子
体22を機体の左右中心部に位置させるよう機体中心か
ら他側方に偏倚した位置に設定されている。さらに、バ
ルブユニツト21の一側面には、副シリンダ制御用のス
プール23が出没自在に突設され、その先端部がリンク
等を介することなく振り子体22の中間部に枢結されて
いる。つまり、機体が左右に傾斜した場合には、その傾
斜が振り子体22の左右揺動により検知され、この検知
をスプール23を介してバルブユニツト21に伝達する
ことにより副シリンダ装置19を伸縮作動せしめて傾斜
した機体を元の適正な水平姿勢に復帰させるようになつ
ている。
動切換えを司る油圧バルブユニツトであつて、該バルブ
ユニツト21の上端部に一側方に向けて突設されるブラ
ケツト21aには、バルブユニツト21の一側方に位置
するべく振り子体22が左右揺動自在に支持されてお
り、このためバルブユニツト21の配設位置は、振り子
体22を機体の左右中心部に位置させるよう機体中心か
ら他側方に偏倚した位置に設定されている。さらに、バ
ルブユニツト21の一側面には、副シリンダ制御用のス
プール23が出没自在に突設され、その先端部がリンク
等を介することなく振り子体22の中間部に枢結されて
いる。つまり、機体が左右に傾斜した場合には、その傾
斜が振り子体22の左右揺動により検知され、この検知
をスプール23を介してバルブユニツト21に伝達する
ことにより副シリンダ装置19を伸縮作動せしめて傾斜
した機体を元の適正な水平姿勢に復帰させるようになつ
ている。
【0014】また、バルブユニツト21の他側面には、
主シリンダ制御用のスプール24が回動自在に突設され
るが、該スプール24による主シリンダ装置11の作動
切換えは次ぎのようにして行われる。つまり耕盤の凹凸
等によつて機体が田面に対して浮沈した場合には、前記
フロート20が後部横軸25を支点として機体に対して
下上揺動することになる。これが検知ロツド26を経由
してスプール24に伝達され、これにより主シリンダ装
置11への油圧制御を行つて浮沈した機体を元の適正な
姿勢に復帰させるようになつている。
主シリンダ制御用のスプール24が回動自在に突設され
るが、該スプール24による主シリンダ装置11の作動
切換えは次ぎのようにして行われる。つまり耕盤の凹凸
等によつて機体が田面に対して浮沈した場合には、前記
フロート20が後部横軸25を支点として機体に対して
下上揺動することになる。これが検知ロツド26を経由
してスプール24に伝達され、これにより主シリンダ装
置11への油圧制御を行つて浮沈した機体を元の適正な
姿勢に復帰させるようになつている。
【0015】さらに、27は前記ブラケツト13から延
設されるバンパBに前方が覆われ、かつ上下方向中間部
が振り子体22の下方位置で機体側に回動自在に枢支さ
れるリンクであつて、該リンク27の上端部に突設され
るピン27aは、前記振り子体22に穿設される長孔2
2aに遊嵌する一方、下端側に上下方向を向いて形成さ
れるスリツト27bは、フロート20の前側を支持する
ブラケツト28の上端部に突設されたピン28aに遊嵌
している。つまり、路上走行等の非作業走行時には、フ
ロート20が前記後部横軸25を支点として下限まで揺
動しているため、前記ピン28aがスリツト27bから
外れ、これによりリンク27がブラケツト28と非連結
状態となつて振り子体22の自由揺動を許容するが、作
業走行時には、フロート20が田面滑走状態となつて上
側に揺動しているため、ピン28aがスリツト27bに
嵌合し、これによつてリンク27がブラケツト28と連
結状態となつて振り子体22の自由揺動を規制すると共
に、後部縦軸29および前部縦軸30を支点として回動
するフロート20のローリング検知に基づいて振り子体
22を強制的に左右揺動せしめるようになつている。こ
の結果、非作業走行時には、振り子体22の傾斜検知に
基づくローリング制御が行われる一方、作業走行時に
は、フロート20の傾斜検知に基づくローリング制御が
行われるようになつている。尚、前記振り子体22の長
孔22a穿設位置は、振り子体22のスプール連結位置
よりも下方で、かつ該連結位置と振り子体22の支点を
結ぶ直線の延長線上に設定されている。
設されるバンパBに前方が覆われ、かつ上下方向中間部
が振り子体22の下方位置で機体側に回動自在に枢支さ
れるリンクであつて、該リンク27の上端部に突設され
るピン27aは、前記振り子体22に穿設される長孔2
2aに遊嵌する一方、下端側に上下方向を向いて形成さ
れるスリツト27bは、フロート20の前側を支持する
ブラケツト28の上端部に突設されたピン28aに遊嵌
している。つまり、路上走行等の非作業走行時には、フ
ロート20が前記後部横軸25を支点として下限まで揺
動しているため、前記ピン28aがスリツト27bから
外れ、これによりリンク27がブラケツト28と非連結
状態となつて振り子体22の自由揺動を許容するが、作
業走行時には、フロート20が田面滑走状態となつて上
側に揺動しているため、ピン28aがスリツト27bに
嵌合し、これによつてリンク27がブラケツト28と連
結状態となつて振り子体22の自由揺動を規制すると共
に、後部縦軸29および前部縦軸30を支点として回動
するフロート20のローリング検知に基づいて振り子体
22を強制的に左右揺動せしめるようになつている。こ
の結果、非作業走行時には、振り子体22の傾斜検知に
基づくローリング制御が行われる一方、作業走行時に
は、フロート20の傾斜検知に基づくローリング制御が
行われるようになつている。尚、前記振り子体22の長
孔22a穿設位置は、振り子体22のスプール連結位置
よりも下方で、かつ該連結位置と振り子体22の支点を
結ぶ直線の延長線上に設定されている。
【0016】ところで、前記バルブユニツト21は、ト
ランスミツシヨンケース3の前端部に取付けられるもの
であるが、このものは、上端側に設けられる単一の固定
取付け部21bをトランスミツシヨンケース3に対して
固定するのみで取付けられるようになつている。つま
り、固定されないバルブユニツト21の下端側は、バル
ブユニツト21下面に突設される戻し油排出用の戻しパ
イプ21cを、トランスミツシヨンケース3側の油戻し
口3aに嵌入させことで振止めされるようになつてい
る。
ランスミツシヨンケース3の前端部に取付けられるもの
であるが、このものは、上端側に設けられる単一の固定
取付け部21bをトランスミツシヨンケース3に対して
固定するのみで取付けられるようになつている。つま
り、固定されないバルブユニツト21の下端側は、バル
ブユニツト21下面に突設される戻し油排出用の戻しパ
イプ21cを、トランスミツシヨンケース3側の油戻し
口3aに嵌入させことで振止めされるようになつてい
る。
【0017】叙述のごとく構成された本考案の実施例に
おいて、副シリンダ装置19は、主シリンダ装置11の
シリンダ筒11bと天秤アーム14との間に介装され、
その伸縮作動に基づいて天秤アーム14をピン軸15を
支点として揺動させることによつて左右走行車輪9を背
反方向に上下動せしめて機体のローリング制御を行うこ
とになるが、副シリンダ装置19は、主シリンダ装置1
1のシリンダ筒11bに対し、その一側方に近接して並
列状に配されている。従つて、主シリンダ装置11との
間の無駄な空間を無くして姿勢制御機構を極めてコンパ
クトに構成することができる許りか、左傾斜時と右傾斜
時のローリング制御において、副シリンダ装置19の伸
縮作動長に対する天秤アーム14の揺動量を一致させて
ローリング制御の著しい精度アツプを計ることができ
る。
おいて、副シリンダ装置19は、主シリンダ装置11の
シリンダ筒11bと天秤アーム14との間に介装され、
その伸縮作動に基づいて天秤アーム14をピン軸15を
支点として揺動させることによつて左右走行車輪9を背
反方向に上下動せしめて機体のローリング制御を行うこ
とになるが、副シリンダ装置19は、主シリンダ装置1
1のシリンダ筒11bに対し、その一側方に近接して並
列状に配されている。従つて、主シリンダ装置11との
間の無駄な空間を無くして姿勢制御機構を極めてコンパ
クトに構成することができる許りか、左傾斜時と右傾斜
時のローリング制御において、副シリンダ装置19の伸
縮作動長に対する天秤アーム14の揺動量を一致させて
ローリング制御の著しい精度アツプを計ることができ
る。
【0018】しかも、主シリンダ装置11、天秤アーム
14、副シリンダ装置19等が極めてコンパクトな一つ
のアツシーに構成されるので、組み付け時やメンテナン
ス時の取り扱いが極めて容易となる許りか、取付けスペ
ースのコンパクト化、さらには油圧配管の簡略化も計る
ことができる。
14、副シリンダ装置19等が極めてコンパクトな一つ
のアツシーに構成されるので、組み付け時やメンテナン
ス時の取り扱いが極めて容易となる許りか、取付けスペ
ースのコンパクト化、さらには油圧配管の簡略化も計る
ことができる。
【0019】
【作用効果】以上要するに、本考案は叙述の如く構成さ
れたものであるから、主シリンダの作動に基づく機体の
昇降と、副シリンダの作動に基づく機体のローリングに
よつて機体姿勢を制御するものでありながら、上記副シ
リンダは、両ロツド型シリンダによつて構成される主シ
リンダのシリンダ筒側方に並列状に配置されることにな
り、従つて、主シリンダと副シリンダとの間の無駄な空
間を無くして主シリンダと副シリンダを極めてコンパク
トなアツシーに構成することができる。この結果、組み
付け時やメンテナンス時の取り扱いを極めて容易にする
ことができる許りか、取付けスペースのコンパクト化、
さらには油圧配管の簡略化等も計ることができる。しか
も、左傾斜時と右傾斜時のローリング制御において、副
シリンダ伸縮作動長に対する天秤アームの揺動量が一致
することになるので、左傾斜時と右傾斜時の誤差の発生
を無くしてローリング制御の著しい精度アツプを計るこ
とができる。
れたものであるから、主シリンダの作動に基づく機体の
昇降と、副シリンダの作動に基づく機体のローリングに
よつて機体姿勢を制御するものでありながら、上記副シ
リンダは、両ロツド型シリンダによつて構成される主シ
リンダのシリンダ筒側方に並列状に配置されることにな
り、従つて、主シリンダと副シリンダとの間の無駄な空
間を無くして主シリンダと副シリンダを極めてコンパク
トなアツシーに構成することができる。この結果、組み
付け時やメンテナンス時の取り扱いを極めて容易にする
ことができる許りか、取付けスペースのコンパクト化、
さらには油圧配管の簡略化等も計ることができる。しか
も、左傾斜時と右傾斜時のローリング制御において、副
シリンダ伸縮作動長に対する天秤アームの揺動量が一致
することになるので、左傾斜時と右傾斜時の誤差の発生
を無くしてローリング制御の著しい精度アツプを計るこ
とができる。
【図1】田植機の側面図である。
【図2】同上平面図である。
【図3】フレーム構造を示す斜視図である。
【図4】フロートの後部斜視図である。
【図5】姿勢制御機構の正面図である。
【図6】同上側面図である。
【図7】同上要部拡大正面図である。
【図8】図8の(A)は天秤アームの背面図、(B)は
同前正面図、(C)は同前底面図である。
同前正面図、(C)は同前底面図である。
【図9】図9の(A)は図8に示すX−X断面図、
(B)は同前Y−Y断面図である。
(B)は同前Y−Y断面図である。
【図10】フロートの断面図である。
【図11】作用説明図である。
1 田植機 1a 機体フレーム 2 エンジン 3 トランスミツシヨンケース 6 植付作業部 8 スイングケース 9 車輪 10 車軸 11 主シリンダ装置 14 天秤アーム 19 副シリンダ装置 20 フロート 21 油圧バルブユニツト 22 振り子体 23 スプール 24 スプール S 空間部
Claims (1)
- 【請求項1】 左右走行車輪のスイングケースにそれぞ
れ連結される天秤アームを、主シリンダの作動では平行
移動させて左右走行車輪を同方向に上下移動せしめる一
方、副シリンダの作動では揺動させて左右走行車輪を背
反方向に移動せしめて機体の姿勢制御を行う歩行型田面
作業機において、前記主シリンダを、固定されたピスト
ンロツドに対してシリンダ筒が移動する両ロツド型シリ
ンダとし、該シリンダ筒に前記天秤アームを揺動自在に
枢着する一方、シリンダ筒の側方には、シリンダ筒と天
秤アームとの間に介設される副シリンダを並列状に配し
たことを特徴とする歩行型田面作業機における車輪昇降
用シリンダの配設構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1225291U JP2545793Y2 (ja) | 1991-02-13 | 1991-02-13 | 歩行型田面作業機における車輪昇降用シリンダの配設構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1225291U JP2545793Y2 (ja) | 1991-02-13 | 1991-02-13 | 歩行型田面作業機における車輪昇降用シリンダの配設構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04103416U JPH04103416U (ja) | 1992-09-07 |
JP2545793Y2 true JP2545793Y2 (ja) | 1997-08-27 |
Family
ID=31746118
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1225291U Expired - Lifetime JP2545793Y2 (ja) | 1991-02-13 | 1991-02-13 | 歩行型田面作業機における車輪昇降用シリンダの配設構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2545793Y2 (ja) |
-
1991
- 1991-02-13 JP JP1225291U patent/JP2545793Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04103416U (ja) | 1992-09-07 |
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