JPS6114992B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、貨物自動車等の荷箱におけるテール
ゲートの落下防止装置に関する。

一般に、荷箱のテールゲートは、該荷箱の後端
に配設された上部支持具と下部支持具とにより着
脱自在に保持され、上開き及下開きを共に行なう
ことができ、特に荷箱が後方へ傾倒した際にテー
ルゲートが自動的に下開きするようになされてい
る。すなわち、前記荷箱は、該荷箱の回動により
進退するリンクが前記下部支持具に連結され、該
下部支持具の先端に、、前記テールゲートの下部
係合軸と係合するフツクが形成され、前記リンク
の進退により下部支持具を作動せしめて前記フツ
クと下部係合軸との係合および離脱を行ない、係
合時には前記リンクに取り付けられたスプリング
により前記フツクを引き込み方向へ引張して係合
状態を保持するように構成されている。

しかしながら、荷箱に長尺物の荷を積み込むた
めテールゲートを水平に上開き保持して荷箱を使
用する場合、該テールゲートを荷箱に保持するの
は、前記フツクを引張するスプリング力のみであ
るため、貨物自動車を急発進させた際や、荷箱が
大きく振動した場合など、テールゲートに後方へ
引張する力が作用すると、フツクが前記スプリン
グ力に抗して下部係合軸から離脱してテールゲー
トが落下するという欠点がある。

本発明は、かかる問題を解決しようとするもの
であつて、起立状態にあるテールゲートの下端部
には上方へ向いた略水平の係合面をもつ係合片を
固定し、荷箱後端の下端部にはテールゲートが上
開き状態にあるときの上記係合面の後方位置にお
いて前方へ向いた略垂直な係止面をもつ係止片を
固定しており、テールゲートの上開き時に前記係
合面が係止面に対しその前側から向い合うように
している。

以下、本発明の構成を実施例につき図面に基づ
いて説明する。

１は貨物自動車の後部に設置された荷箱であつ
て、後端の上下に上部支持具３と下部支持具５が
配設されている。２はテールゲートであつて、そ
の上端部に前記上部支持具３と係合する上軸６
が、下端部に前記下部支持具５と係合する下軸７
が設けられ、前記荷箱１に上開きおよび下開き可
能に保持されている。

前記下部支持具５は、下軸７を荷箱の前方へ引
張して保持するフツク８と、荷箱１の後端底部の
パネル１０に後方に向けて突設された軸受具１１
とからなり、該フツク８は、第１図に示すように
略へ字状をなし、その中央部が支軸１２によつて
荷箱１の下端に支持され、一端に荷箱１の回動に
より進退するリンク１３が連結され、他端に該リ
ンク１３の進退により支軸１２を中心に回動する
屈曲部１４が形成されている。前記リンク１３
は、その途中にフツク８を荷箱１の前方へ引張す
るスプリング筒１５が設けられている。また、前
記下軸７は、第２図に示すようにテールゲート２
の下端に下方へ向けて突設されたブラケツト１６
と後述の係合片１７とにより荷箱１の幅方向に水
平に支持され、前記フツク８の屈曲部１４と係合
し、荷箱１の前方へ引張されて前記軸受具１１に
保持される。

前記係合片１７は、テールゲート２の下端に下
方へ向けて突設され、鉛直断面略Ｌ字状をなし、
その下端には前記下軸７を中心にテールゲート２
と一体に回動する係合面１８を具備する。他方、
１９は係合片１７と係合する水平断面略Ｌ字状の
係止片であつて、前記パネル１０に荷箱１の後方
へ向けて突設され、その後端には係止面２０を具
備する。

すなわち、テールゲート２の係合面１８はテー
ルゲート２が起立状態にあるときには略水平であ
つて上方を向いており、荷箱１の係止面２０はテ
ールゲート２が上開き状態にあるときの上記係合
面１８の後方位置にあつて、前方へ向けて略垂直
になされている。本例の場合、係合面１８はテー
ルゲート２が起立状態にあるとき下軸７の回転中
心よりも下方へ偏倚した位置にあり、係止面２０
は下軸７の回転中心よりも前方へ係合面１８の偏
倚量よりも少なく偏倚した位置にある。図中、２
１はテールゲート２を上開きした際に該テールゲ
ートを吊下するチエーンで、荷箱１後部とテール
ゲート２との間に連結される。

次に、前記テールゲート２の上開きおよび下開
きにおける各部材の作用について説明する。

テールゲート２は、下軸７を下部支持具５に保
持させた状態にて上軸６を荷箱１の上部支持具３
より離脱させ、下軸７を中心に該テールゲートを
回動させて上開きし、チエーン２１により水平に
保持する。その際、前記係合片１７は、係合面１
８がテールゲート２とともに回動し、該テールゲ
ートが水平になつた状態で前記係止片１９の係止
面２０と対面する。すなわち、第３図に示す如
く、係合面１８は係止面２０に対しその前側から
向い合う。この状態において、荷箱１の振動等に
よりテールゲート２を後方へ引張する力が作用し
て前記フツク８と下軸７との係合が偶発的に離脱
すると、前記係合面１８が係止面２０に係止さ
れ、テールゲート２の落下を防止する。

また、上軸９を上部支持具３に保持させた状態
にて荷箱１を後方に傾倒させるとリンク１３が後
方へ移動し、該リンク１３の移動に伴なうフツク
８の回動により該フツク８の屈曲部１４と下軸７
との係合状態が解かれ、前記軸受具１１から下軸
７が離脱して下開きする。

なお、前記係合片１７は、本実施例では下軸７
を支持する部材としての働きを兼ね備えるが、下
軸７を支持する部材とは別体にして設けてもよ
く、その際はテールゲート２の回動中心に近接し
ているのが望ましい。

また、上記実施例では係合面１８を下軸７の回
転中心よりも下方へ偏倚せしめたが、上方へ偏倚
せしめる場合、係止面２０は下軸７の回転中心よ
りも後方へ係合面１８の偏倚量以上に偏倚した位
置に設けることになる。

本発明は、以上述べたように、テールゲートの
上開き時において、係合片の係合面が係止片の係
止面と対面することにより、荷箱の振動等により
下部支持具のフツクと下軸との係合状態が偶発的
に解かれた場合でも、前記係合片が係合片に係止
されるためテールゲートの落下を防止することが
できる。また、係合片と係止面とはテールゲート
を上開きする時には自動的に対面状態となり、何
ら特別の操作を要しないし、テールゲートを下開
きする時には従来と何ら変わることなく開閉の障
害となることがない。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施態様を例示し、第１図は荷
箱の後部の側面断面図、第２図は荷箱後端下部を
テールゲートが閉塞された状態で示す斜視図、第
３図は荷箱後端下部をテールゲートが上開きされ
た状態で示す斜視図である。 １……荷箱、２……テールゲート、３……上部
支持具、５……下部支持具、６……上軸、７……
下軸、１７……係合片、１８……係合面、１９…
…係止片、２０……係止面。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 荷箱後端の上部支持具および下部支持具の
   各々に、テールゲートの上部および下部に配設さ
   れた上軸と下軸が着脱自在に取り付けられ、テー
   ルゲートが起立状態から上軸を中心とする下開き
   と、下軸を中心とする上開きを行なう貨物自動車
   において、起立状態にあるテールゲートの下端部
   には上方へ向いた略水平の係合面を具備する係合
   片が固定され、前記荷箱後端の下端部にはテール
   ゲートが上開き状態にあるときの上記係合面の後
   方位置においてこの係合面と向い合う略垂直な係
   止面を具備する係止片が固定されていることを特
   徴とするテールゲート落下防止装置。