JPS607234Y2 - 自動車用シ−トクツシヨンの取付装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自動車用シートクッション、特にリヤシート
クッションを車床側へ固定する取付装置の改良に関する
ものであり、必要操作力が僅かですみ、取り付け、取り
外しをワンタッチで行なうことができるのみでなく、車
種にまり車床面に敷かれているカーペット類の厚さが異
異なる場合でも、一種類の取付装置によりガタの発生を
伴なうことなく確実に固定でき、商品性を高めうる取付
装置を提供することを目的としている。

従来のこの取付装置としては、スプリングの反発力を利
用したものとか、ボルトで締結するもの等があるが、前
者はシートフレームや車床側固定部材の取付部分の寸法
精度の影響が大きく、固定性能にバラツキが生じ、加工
上の管理が困難であるし、固定性能を向上させると組み
付けの困難性が大となるし、後者は固定が確実であるも
のの、組み付けの作業性が悪い等の欠点がある。

本考案は、実用新案登録請求の範囲に記載する構成とす
ることにより、車床側に敷かれるカーペット類に、車種
によって厚さの差が存する場合でも、その厚さの差を吸
収消去して、ガタッキなしに確実に、簡単に固定しうる
取付装置を得たものである。

以下、図示例についてその構成を説明する。

第１図、第２図は実施の１例を示すもので、シートクッ
ションフレーム１の下部に、略倒コ字形の取付杆２が一
体に垂設されている。

この取付杆２の下辺３には、略倒コ字形をなす取付杆２
の内方空間に位置させた固定具４が一体に結合されてい
る。

この固定具４は弾性材たるバネ鋼板で形成されており、
略逆Ω状に成形した屈曲部５で取付杆２の下辺３に嵌着
されており、開口部６を通し、該屈曲部５を拡開させた
ときのみ、下辺３から離脱できる。

屈曲部５に連らなる固定具４の一端７は、上方へ延び、
その両側板８，９に、シートクッション外側方向に突出
する主段部１０，１１と、この主段部１０，１１の後端
から更に上方へ延びる立設部１２とを設けられており、
この立設部１２には、前記両側板１０．１１の延長部分
に、主段部１０．１１と同方向に突出する複数の補助段
部１３．１４，１５，１６が形成されている。

図示例では補助段部１３等は主段部１０，１１より短か
く形成されているが、必ずしもこの構造に限定されるも
のではない。

上述の立設部１２の端はシートクッション外側方へ屈曲
されて操作片１７とされている。

同じく屈曲部５に連らなる固定具４の他端１８は、一端
７に対し逆へ字状に拡開する方向へ延設され、先端にシ
ートクッション内側方向へ屈曲した屈曲部１９が形成さ
れている。

なお、前述の操作片１７はシートクッションの表皮２０
の内側に位置させられており、外観を良好とするうえで
役立っている。

車床上におけるシートクッション取付位置における前記
取付杆２に対応する部位の固定部材２１、図示例ではク
ロスメンバー上面には、取付杆２と固定具４とを嵌入さ
せうる嵌入孔２２が穿設されている。

嵌入孔２２の長さは、取付杆２部分の全長りに等しいか
、やや長く形成され、また嵌入孔２２の幅Ｗは、固定具
４の一端７と他端１８とを互に近接するよう押圧、変形
させたとき、他端１８から主段部１０，１１の外端に至
る部分が嵌入孔２２内を自由に通過できる幅とされ、該
一端７と他端１８とを近接させている押圧力を除いたと
き、主段部１０，１１が嵌入孔２２の一方の側縁裏面に
位置し、主段部１０，１１の基部１０’、１１’が嵌入
孔２２の側縁に接し、他端１８の外面が嵌入孔２２の他
方の側縁に接しうる大きさの幅とされている。

本考案は、上述の構成であるから、シートクッションフ
レームの取付杆２を固定部材２１の嵌入孔２２の上方に
位置させたのち、シートクッションを下方へ押圧すると
、少なくとも固定具の一端７の前縁部分が嵌入孔２２の
前縁に当たり、後方へ弾性変形されることにより、主段
部１０，１１が、嵌入孔２２部分を通過することができ
、通過し終ると、一端７は弾性復元し、主段部１ｏ、１
１が嵌入孔２２の前縁裏面に当接する位置を占めるに至
る。

このとき、シートクッションの表皮２ｏを支持している
シートクッションフレーム部材２３が、固定部材２１上
のカーペット類２４に密接するよう各部寸法を設定して
おけば、シートクッションはガタッキなしに車床上に固
定される。

もし、上述のカーペット類２４が著しく柔軟であるか、
あるいは薄いため、前述の主段部１０゜１１と嵌入孔２
２との係合のみでは、シートクッションフレーム部材２
３と車床側との間にガタッキが存する際は、シートクッ
ションの下方への押圧を強くすることにより、補助段部
１３，１５あるいは１４．１６のいずれかの組、第３図
の例では補助段部１３，１５の組が嵌入孔２２の前縁に
係合シ、カーペット類２４がシートクッション部材２３
で強圧されることにより、ガタが吸収消去されるもので
ある。

この補助段部１３ないし１６による嵌入孔２２の前縁と
の係止が、衝撃力の作用等で解かれたときは、その下方
に位置する主段部１０，１１が直ちに嵌入孔２２の前縁
と係止することとなるので、シートクッションと車床側
との不測の離脱は防止される。

固定状態のシートクッションを取り外すにはシートクッ
ションの表皮２０の上から操作片１７を押圧し、固定具
４の一端７を、その主段部１０゜１１が嵌入孔２２内を
通過しうる位置まで弾性変形させたのち、シートクッシ
ョンを上動させることにより取り外しが簡単に行なえる
。

以上説明した実施例は固定具４をバネ鋼板製としである
が、弾性のある他の金属でよいことは勿論、脅威樹脂製
であってもよいし、場合によっては、シートクッション
フレーム１の一部を屈曲成形し、取付杆と固定具とを一
連一体に成形してもよいものである。

本考案は、以上説明した構成であり、必要操作力が、シ
ートクッションの押圧か、操作片の押圧という僅かな力
のみで足りるので、該操作力を僅かなものたらしめうる
し、シートクッションの取り付け、取り外しがワンタッ
チで行ないうる効果を奏する。

またカーペット類の厚さが異なる場合でも、固定具の主
段部か補助段部のいずれかを選択して固定することによ
りガタッキなしにシートクッションを確実に固定できる
効果がある。

更に全機構がシートクッション下部に配置されるので、
外観が良好となり、商品価値を高めうる効果も有してい
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施の１例における取付杆と固定具のみを示す
斜視図、第２図および第３図は、第１図に示される部材
によりシートクッションを固定した際の異なる態様をそ
れぞれ示す縦断面図である。 １・・・・・・シートクッションフレーム、２・・・・
・・取付杆、３・・・・・・下辺、４・・・・・・固定
具、７・・・・・・固定具の一端、１Ｇ、１１・・・・
・・主段部、１２・・・・・・立設部、１３〜１６・・
・・・・補助段部、１７・・・・・・操作片、２１・・
・・・・固定部材、２２・・・・・・嵌入孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シートクッションフレームの下部に、略倒コ字形の取付
   杆が垂設され、該取付杆の下辺に、弾性材よりなる固定
   具が一体に結合されており、該固定具の一端は上方に延
   び、シートクッション外側方向に突出する主段部と、主
   段部の後端から更に上方へ延びる立設部とを設けられ、
   該立設部には、主段部と同方向に突出する複数の補助段
   部が形成されており、また立設部の端はシートクッショ
   ン外側方向へ屈曲されて操作片とされており、前記取付
   杆に対応する車床側の固定部材には、該取付杆と固定具
   とを嵌入させうる嵌入孔が穿設されており、取付杆が嵌
   入孔に挿入され、固定具の主または補助のいずれかの段
   部が固定部材の前縁裏面に当接した位置がシートクッシ
   ョンの固定位置とされており、固定具における取付杆と
   の結合部分から主段部に亘る部分は、前記固定位置から
   嵌入孔を自由に出入しうる位置まで弾性変形可能に構成
   されていることを特徴とする自動車用シートクッション
   の取付装置。