JP3430860B2 - トレイ取付装置 - Google Patents

トレイ取付装置

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JP3430860B2 JP13830697A JP13830697A JP3430860B2 JP 3430860 B2 JP3430860 B2 JP 3430860B2 JP 13830697 A JP13830697 A JP 13830697A JP 13830697 A JP13830697 A JP 13830697A JP 3430860 B2 JP3430860 B2 JP 3430860B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、移動体、例えば自
動車等で用いられ、物品の収納、取出しを可能とするト
レイのトレイ取付装置、特に、トレイを移動規制手段に
よりガイドレール上の所定位置に移動することなく支持
するようにしたトレイ取付装置に関する。 【0002】 【従来の技術】移動体、例えば自動車には支持部材を介
し各種の車体装備品が装着される。例えば、車室内に装
着されるシートの下方域には深皿状のトレイが配設さ
れ、これにより書類、救急箱、靴、その他各種の物品を
収納するようにしている。通常、この種のトレイはその
左右上端に水平状態に延出するフランジ部を備え、これ
ら左右フランジ部をシートの下壁に支持された一対のガ
イドレールに係合し、このガイドレールにより車体の前
後方向に摺動自在に支持される。ところで、トレイ及び
その内部の収容物品は車両の走行、停止が繰返される毎
に加減速度に応じた慣性力を受けており、この際、ガイ
ドレールに対してトレイが前後に移動し易くなる。そこ
で、トレイのガイドレールに沿っての引出、押し込み移
動を許容した上で、このトレイをシート直下の収納位置
に位置規制できるような構成が採用されている。 【0003】例えば、図8に示すトレイ取付装置は、シ
ート100の下壁に取り付けた左右一対のレール(一方
のみ示す)101に、トレイ102の左右上端のスライ
ド部103(一方のみ示す)を嵌着している。ここで、
レール101の前側(図8で左側)近傍には係止穴10
4が形成され、これにスライド部103より下方に突き
出すストッパ105が係合することにより、2点鎖線で
示す収納位置にトレイ102を移動することなく保持し
ている。しかもトレイ102の引出時(矢視s参照)に
は、その引出に先立ちトレイ102を図8に実線で示す
位置までがた防止用の板ばね106の弾性力に抗して引
き上げ(矢視u参照)、これによりストッパ105を係
止穴104より外れた状態に保持し、その上で引出操作
するようにしている。 【0004】ところで、この種のトレイ取付装置ではス
ライド部103がレール101内において板ばね106
の弾性力を下方に向けて受け、トレイの上下変位を規制
するようにしているが、車両の前突時のようにきわめて
大きな減速度が車体に加わると、トレイ及びその内部の
収納物品が慣性力を大きく受け、トレイ102は板ばね
106の弾性力に抗して飛び跳ねるように上方に変位
し、ストッパ105が係止穴104より外れた状態とな
った上で前方に飛び出し、同時にトレイ内の各種の物品
が車室内に飛散してしまうことがある。 【0005】一方、実開平4−67142号公報に開示
されるトレイ取付装置では、トレイが一対のガイドレー
ルにより上下変位を規制された上で摺動自在に支持され
る。ここでのトレイは係止部付きのハンドルを備え、こ
れをシート側のストッパに係止させてトレイの前方への
移動を抑え、トレイ引出時にはその引出に先立ちハンド
ルを操作して係止部をストッパより外すようにしてい
る。この場合、大きな減速度が車両に加わっても、トレ
イ側の係止部がストッパより外れることが無くトレイの
前方への飛び出しを防止できる。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかし、実開平4−6
7142号公報に開示されるトレイ取付装置では、トレ
イ引出時において乗員はハンドルの位置を確認した上で
同ハンドルを把持して回動操作し、次いでトレイを引出
すということとなり、ハンドルとトレイの把持部を共に
操作する必要があり、この操作が比較的複雑で使い勝手
が悪い。しかも、このトレイ取付装置は部品点数が比較
的多くなり、コスト高を招きやすい。本発明の目的は、
過度の減速度が移動体に加わった際のトレイの前方への
飛び出しを防止すると共に、使い勝手が良く、低コスト
化を図れるトレイ取付装置を提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】請求項1に記載された発
明によれば、通常時はトレイのストッパがガイドレール
の係止穴に嵌着してトレイの前方への移動を規制でき、
トレイの引出時にはこの引出に先立ちトレイを上方に引
上げて係止穴よりストッパを外し、きわめて操作性よ
く、使い勝手良くトレイを引出操作できる。しかも、こ
のトレイ取付装置の構造が比較的簡素化され、低コスト
化を図り易い。更に、トレイが大きな減速度を受け、係
止穴の前縁に所定値以上の押圧力でストッパが当接する
と、このストッパの塑性変形可能部が係止穴の下側前縁
部に係止されるよう塑性変形し、トレイの上方変位を規
制するので、移動体の衝突時等のように大きな減速度を
受けた際に、トレイがガイドレールより前方に飛び出
し、同時にトレイ内の各種の物品が飛散してしまうこと
を確実に防止できる。 【0008】ここでのストッパの塑性変形可能部は、好
ましくは、突起部として形成され、同突起部が係止穴の
前縁に所定値以上の押圧力で当接して折曲し、フック状
に塑性変形するものとしてもよい。この場合、通常時は
突起部が係止穴の前縁に当接してトレイの前方への移動
を規制でき、移動体が大きな減速度を受けた際に、突起
部が折曲してストッパの前端部が係止穴の下側前縁部に
係止されて、確実にトレイの前方への飛び出しを規制で
きる。 【0009】更に、ここでのストッパの塑性変形可能部
は、好ましくは、薄板部として形成され、同薄板部が係
止穴の前縁に所定値以上の押圧力で当接して破断し、係
止穴の下側前縁部を係止するよう塑性変形してもよい。
この場合、通常時は薄板部が開口前縁部に当接してトレ
イの前方への移動を規制でき、移動体が大きな減速度を
受けた際に、薄板部が破断してストッパの前端部が係止
穴の下側前縁部に係止されて、確実にトレイの前方への
飛び出しを規制できる。 【0010】 【発明の実施の形態】図1には本発明の実施形態例とし
てトレイ取付装置を示した。このトレイ取付装置Aは自
動車の室内に装備されたシート3の下部にトレイ5を装
着する。ここでシート3は車室のフロア1上に前後方向
(図1では紙面垂直方向)に向けてシートアジャスタ2
を介し取付られる。シートアジャスタ2は、車幅方向Y
に分離して設けられフロア1に固定される左右の各ロア
レール6と、シート3の下壁面4に高さ調整部材7を介
し固定される左右の各アッパレール8と、両レールの相
対的な横ずれを規制するとともに両レールを相対的に車
体の前後方向Xにコロ接触状態で摺動させる複数のボー
ル9(図1では左右各レールとも1つのみ示した)と、
両レールの相対位置を変動させた上で互いを固定する図
示しないロック手段とを備える。しかも、シートアジャ
スタ2の後側部位にはシートバック10を傾斜変位可能
に連結するリクライニング装置11が装備されている。 【0011】シート3の下部には基枠部材12が固着さ
れ、その下壁面4の左右端に高さ調整部材7が固定さ
れ、それらの内側にトレイ取付装置Aを介しトレイ13
が装着される。トレイ取付装置Aは下壁面Aに固定され
る一対の左右ガイドレール14を備える。各ガイドレー
ル14はシート中央側に開口を向けたコ字形断面のレー
ル部141と、その上端より屈曲して更に中央側に所定
量延出して下壁面4に固定されるフランジ状の連結部1
42とで成り、全体は板金部材として一体成形される。
コ字形断面のレール部141は、トレイ13の左右のス
ライド部15を摺動可能に係合するガイド溝16を形成
される。図4に示すように、ガイド溝16は縦方向の間
隔Tが後述のスライド部15の厚さtより十分に大きく
設定され、これによりスライド部15の上方変位を許容
できるように形成される。なお、図4に示すようにレー
ル部141の下壁部dの前後端(図4では左右端)はそ
れぞれ下方に折曲変位しており、これによりスライド部
15の引上げ時の傾き変位を容易化している。 【0012】更に、レール部141の上壁部uであっ
て、レール長手方向のほぼ中央部にはスライド部15を
下壁部dに押圧し、通常時のトレイ5の上下変位を規制
する湾曲板ばね17がピン止めされ、同ばねの前後端は
ばね受け穴18に嵌着される。湾曲板ばね17はその中
央がピンにより上壁部材に固定され、その前後の湾曲部
位がスライド部15を弾性的に下方に押圧するよう形成
される。ここで、左側のレール部141(図4参照)の
トレイを支持する面Fには後述のストッパ20を係合可
能な係止穴19が形成される。即ち、係止穴19はレー
ル部141の下壁部dの前端側であってトレイを支持す
る面Fに、上向き開口として貫通状態で形成されてい
る。 【0013】図3、図4に示すように、トレイ5は全体
として深皿状を成す。このトレイ5は、収納空間Eを囲
む前後側壁501,501と、収納空間Eを囲む左右側
壁503とを備える。しかも、トレイ5は前側壁501
の上端より前方に向けて把持部502を延出形成し、更
に、収納空間Eを囲む左右側壁503の上端からはそれ
ぞれ外方に向けて左右スライド部15を延出形成してい
る。スライド部15は厚さtで前後に長いフランジ状に
形成されており、ガイド溝16に嵌着される。左右スラ
イド部の内、左側のスライド部15(図4参照)は、そ
の前側下壁面にストッパ20を突設する。ストッパ20
はレール部141の係止穴19に係合することによって
収納位置(図2、図3に実線で示した位置)にあるトレ
イ5の前方への移動を規制できるように構成されてい
る。 【0014】ストッパ20は板片状を成し、トレイ5の
引上げ操作時に係止穴19より上方に外れるようにその
縦幅hが設定される。特に、ストッパ20の前端部には
その下端部Jを残しその上方に塑性変形可能部としての
突起部aを形成しており、突起部aの後方には空域bが
形成される。ここで、トレイ5が収納位置に位置する際
に、ストッパ20が係止穴19に係合されるように構成
されている。なお、図5に示すように、突起部aの上端
部はスライド部15の下面に接近するが分離している。
しかし、場合により突起部aの上端とスライド部15の
下面を所定値以上の押圧力で破断されるくびれ部(図示
せず)を介し連結しても良い。このようなトレイ取付装
置Aの通常時及び車両衝突時における各操作状態及び変
位を説明する。 【0015】車両に減速度が加わらない通常時におい
て、シート3直下の収納位置(図2、図3の実線で示す
位置)のトレイ5はそのスライド部15を湾曲板ばね1
7により下壁部dに押圧され、これによりトレイ5は垂
下状態で左右のガイドレール14にがた無く支持され
る。このトレイ5の使用時には、乗員は把持部502を
把持し、湾曲板ばね17の弾性力に抗し上方に引上げ
(図5に矢視uで示す)、これにより係止穴19よりス
トッパ20を離脱させ、次いで把持部502を前方に引
き(図5に矢視sで示す)、トレイ5をシート3の前方
に引き出し、その状態で物品の出し入れを行える。この
ように、トレイ使用時にはきわめて操作性よく、使い勝
手良くトレイ5を引出操作できる。 【0016】このトレイ5は物品の出し入れ後において
ガイドレール14に沿って押し込まれ、収納位置(図
2、図3の実線で示す位置)に達し、その際、ストッパ
20が係止穴19に係合される。この状態において、車
両の制動や加速に伴いトレイ5及び収容物品に慣性力g
が働くとする。その際、係止穴19の開口前縁eにスト
ッパ20の前端部を成す突起部aが当接してトレイ5の
前方への移動を確実に規制でき、同様に後方への移動も
ストッパ20の後部201が開口後縁部に当接し、トレ
イ5の後方への移動を規制できる。 【0017】次に、車両の前突時のように、きわめて大
きな減速度Gが車体に加わるとする。 この場合、図6
に示すように、トレイ5には前方への慣性力が加わり、
ストッパ20の前端の突起部aが係止穴19の開口前縁
eに所定値以上の押圧力で当接することと成る。この
時、突起部aは後方に折曲して塑性変形し、開口前縁e
にストッパの空域bが対向した上でストッパの後部20
1が当接し、同時に下端部Jが係止穴19の下側前縁部
fに当接する。この時ストッパ20はフック状に塑性変
形しており、車両の前突に伴い車体が上方へ変位するこ
とによりトレイ5に上方への慣性力が加わったとして
も、フック状に変形したストッパ20が係止穴19の下
側前縁部fに確実に係止され、係止穴19より上方への
変位を確実に阻止され、即ち、トレイ5がガイドレール
14より外れ、前方へ飛び出し、収容物品が車室内へ飛
散するということを確実に防止できる。 【0018】上述のところにおいて、ストッパ20はそ
の前端部に突起部aを形成し、その後方に空域bを形成
し、開口前縁eに所定値以上の押圧力で当接した際に突
起部aが折曲し、係止穴19の下側前縁部fに係止され
るフック状に変形するという構成を採っていたが、これ
に代えて、図7(a)、(b)に示すストッパ20aを
用いてもより。このストッパ20aは、その前端部が下
端部Jとその上方の塑性変形可能部としての薄板部nと
で形成される。薄板部nは後部201や下端部Jと比
べ、その厚さが小さく設定される。この場合、薄板部n
は通常の減速度で開口前縁eに当接しても変化を生じな
いように形成され、きわめて大きな減速度で開口前縁e
に当接した際に、即ち、開口前縁eに所定値以上の押圧
力で当接した際に破断し、係止穴19の下側前縁部fに
係止される形状に変形できるように形成される。 【0019】このようなストッパ20aの薄板部nは図
1のストッパ20の突起部aと同様に機能し、即ち、通
常時は薄板部nが開口前縁部aに当接してトレイ5の前
方への移動を確実に規制でき、図1のストッパ20と同
様の作用効果を得られる。更に、車両にきわめて大きな
減速度が加わった場合、ストッパ20aの前端の薄板部
nが開口前縁eに所定値以上の押圧力で当接し、この薄
板部nが開口前縁eにより破断され、図7(a)、
(b)に2点鎖線で示すように、ストッパの後部201
に開口前縁eが達し、同時に下端部Jが係止穴19の下
側前縁部f(図7(a)の2点鎖線参照)に当接し、ス
トッパ20aは下側前縁部fを係止する形状に塑性変形
する。これによりトレイ5に上方への慣性力が加わって
いても、下側前縁部fを係止する形状に塑性変形したス
トッパ20aが係止穴19より上方へ変位することを確
実に防止でき、即ち、トレイの前方への飛び出し、収容
物品の車室内への飛散を確実に防止できる。 【0020】上述の処において、トレイ取付装置は自動
車のシートにトレイ5を取り付けるものとして説明した
が、これに限定されるものでなく、電車、船舶等のシー
ト下壁面にトレイを装着する場合にも使用でき、更に、
移動体上の支持部材としてのシートに代えて、自動車や
各種の移動体の室内等に設けられるブラケット、基板等
にトレイを装着する場合にも本発明を同様に適用でき、
同様の作用効果が得られる。更に、上述のトレイは深皿
状を成していたが、その他の形状のトレイにも本発明を
同様に適用できる。 【0021】 【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、通常時はトレイに形成されたストッパがガ
イドレールの係止穴に係合してトレイの前方への移動を
規制でき、トレイの引出時にはこの引出に先立ちトレイ
を引上げて係止穴よりストッパを上方に外し、きわめて
操作性よく、使い勝手の良い状態でトレイを引出操作で
き、しかも、構造が比較的簡素化され、低コスト化を図
れる。更に、移動体の衝突時等のようにトレイが大きな
減速度を受けると、係止穴の前縁に当接したストッパの
塑性変形可能部が塑性変形し、係止穴の下側前縁部に係
止されてトレイの上方変位を規制することができるの
で、トレイがガイドレールより前方に飛び出し、同時に
トレイ内の各種の物品が飛散してしまうことを確実に防
止できる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の適用されたトレイ取付装置を備えたシ
ートの要部断面図である。 【図2】図1に示すトレイ取付装置を備えたシートの要
部側面図である。 【図3】図1に示すトレイ取付装置及びシートアジャス
タの平面図である。 【図4】図1に示すトレイ取付装置のトレイ及びガイド
レールの要部切欠側断面図である。 【図5】図1に示すトレイ取付装置の引上げ時における
ストッパ及び係止穴の拡大断面図である。 【図6】図1に示すトレイ取付装置に過度な減速度が加
わった際のストッパ及び係止穴の拡大断面図である。 【図7】本発明の変形例としてのトレイ取付装置を示
し、(a)は同装置内のストッパ部位の要部切欠側面図
であり、(b)は(a)のX−X線断面図である。 【図8】従来のトレイ取付装置の要部切欠断面図であ
る。 【符号の説明】 1 フロア 3 シート 4 下壁面 5 トレイ 12 ブラケット 14 ガイドレール 15 スライド部 19 係止穴 20 ストッパ a 突起部 e 開口前縁 f 下側前縁部 n 薄板部 A トレイ取付装置 X 前後方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60N 3/00 B60N 3/08 B60R 7/04

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】移動体上に支持部材を介して取付けられた
    一対のガイドレールと、上記ガイドレールにより上記移
    動体の前後方向へ案内されるトレイと、上記ガイドレー
    ルの少なくとも一方に形成された係止穴と、上記トレイ
    に形成され、上記係止穴と係合した状態で上記トレイの
    前後方向の移動を規制し、上記係止穴から上方に外れた
    状態で上記トレイの前後方向の移動を許すストッパとを
    具備したトレイ取付装置において、 上記ストッパはその前端部に塑性変形可能部を有し、上
    記係止穴の前縁に所定値以上の押圧力で当接した際に、
    上記塑性変形可能部の変形により上記係止穴の下側前縁
    部に係止されることを特徴とするトレイ取付装置。
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