JP3433907B2 - 自動車の荷物保持装置 - Google Patents

自動車の荷物保持装置

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JP3433907B2 JP09819799A JP9819799A JP3433907B2 JP 3433907 B2 JP3433907 B2 JP 3433907B2 JP 09819799 A JP09819799 A JP 09819799A JP 9819799 A JP9819799 A JP 9819799A JP 3433907 B2 JP3433907 B2 JP 3433907B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、車体フロアに取り
付けられるシートレールに、車体フロア上の荷物を保持
可能とする保持具を移動自在に支承させる自動車の荷物
保持装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】上記自動車の荷物保持装置には、従来、
特開平10‐151063号公報で示されるものがあ
る。
【0003】上記公報のものによれば、車体における車
室の内側壁に前後方向に向って延びるレールが取り付け
られ、このレールに荷物保持用の保持具が、上記レール
に沿って移動自在となるよう支承されている。
【0004】そして、所望位置にまで移動させた保持具
にロープ等を引っ掛け、このロープ等により車室に積ん
だ荷物を車体に保持させれば、自動車の走行中など、上
記荷物が無意的に移動するということが防止される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
技術における自動車の荷物保持装置では、保持具を車体
に支持させるためのレールが別途に設けられているた
め、この装置の部品点数が多くなって、その構成が複雑
となっている。
【0006】また、上記レールは、車体に保持させた荷
物側からロープ等や保持具を介して大きい反力を受ける
ため、上記レールには十分の強度が要求されるが、この
要求に応じて上記レールを単に補強すると、この装置は
更に複雑になるおそれがある。
【0007】本発明は、上記のような事情に注目してな
されたもので、構成の簡単な自動車の荷物保持装置の提
供を課題とする。また、このように構成を簡単にした場
合でも、この装置による車体への荷物の保持が強固にで
き、かつ、他の車両構成部品の機能に支障を生じさせな
いようにすることを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の自動車の荷物保持装置は、次の如くである。
【0009】請求項1の発明は、車体1の前後方向に向
って延びシート8を前後に移動自在に支承するシートレ
ール9を車体フロア2に取り付け、この車体フロア2上
の荷物を保持可能とする保持具20を設けた自動車の荷
物保持装置において、
【0010】上記保持具20が、上記シートレール9に
沿って移動自在となるようこのシートレール9に支承さ
れる保持具本体21と、この保持具本体21を上記シー
トレール9に沿った任意の移動位置でこのシートレール
9にロック可能とするロック手段22とを備えたもので
ある。
【0011】また、上記シート8に取り付けられこのシ
ート8と共に移動して上記ロック手段22に係脱自在と
される係合体38を設け、この係合体38の係合で上記
ロックが解除されるようにしたものである。
【0012】請求項の発明は、請求項の発明に加え
て、上記ロック手段22への上記係合体38の係合状態
を保持する係合保持手段42を設けたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
により説明する。
【0014】図において、符号1は自動車の車体で、矢
印Frはこの自動車の前方を示している。
【0015】上記車体1は板金製で、その下部を構成し
て水平方向にほぼ平坦に延びる車体フロア2と、上記車
体1の左右各側部を構成する側壁3とを備え、上記各車
体フロア2の側部と上記各側壁3の下端部とが互いに結
合させられ、これら車体フロア2と左右側壁3とで囲ま
れた車体1の内部空間が車室4とされている。また、上
記車体フロア2と側壁3の結合部の一部が上記車室4の
内部側に向って膨出させられ、これがホイールハウス5
とされている。上記車体フロア2の側部は、上記側壁3
との結合による補強で、上記車体フロア2の幅方向の中
央部よりも強度と剛性とがより大きくされている。
【0016】上記車室4にはシート装置7が設けられ、
このシート装置7はシート8と、車体1の前後方向に向
って延びて上記車体フロア2に取り付けられ上記シート
8を前後に移動自在となるよう支承させる左右一対のシ
ートレール9,9とを備えている。この場合、上記シー
トレール9の少なくとも一方のシートレール9は上記し
たように強度等の大きい車体フロア2の側部近傍に配設
され、これらシートレール9,9にシート8が強固に支
承されている。
【0017】上記シート8は、上記シートレール9,9
に支承されるシート台11と、このシート台11の上面
に支持されるシートクッション12と、このシートクッ
ション12の後端部から上方に向って突出するシートバ
ック13とを備え、このシート8はその前方から乗員が
着座可能とされている。
【0018】上記各シートレール9は断面が矩形の板金
製筒体であり、その上面にはこのシートレール9の長手
方向に沿ってスリット15が形成されている。上記各シ
ートレール9にはその長手方向に沿って不図示の台車が
移動自在に内有され、この台車に、上記スリット15を
通るブラケットを介して上記シート8が支持されてい
る。また、上記シート8を上記各シートレール9に沿っ
た任意の移動位置でこのシートレール9にロック可能、
ロック解除可能とする不図示のロック手段が設けられて
いる。
【0019】上記シート8の後側における車体フロア2
上の車室4の部分が荷室18とされ、この荷室18に積
荷された荷物を車体1の車体フロア2に保持可能とさせ
る荷物保持装置19が設けられている。
【0020】上記荷物保持装置19は、上記したシート
8支承用のシートレール9,9と、上記荷物保持用の保
持具20とを備え、この保持具20は、上記各シートレ
ール9に沿って移動自在となるようこれら各シートレー
ル9に支承される保持具本体21と、この保持具本体2
1を上記各シートレール9に沿った任意の移動位置でこ
のシートレール9にロック可能、ロック解除可能とする
ロック手段22とを備えている。
【0021】上記保持具本体21は、上記各シートレー
ル9にその長手方向に沿って移動自在となるようこれら
各シートレール9に内有される台車24と、この台車2
4から上記スリット15を通して各シートレール9の外
部に突出するブラケット25と、このブラケット25の
突出端に回動自在に枢支される環状の保持部26とを備
え、この保持部26には、ロープ、ワイヤー等の荷物保
持用の索状体27が引っ掛け可能とされ、この索状体2
7により、荷物が車体1の車体フロア2上に引き絞めら
れるなどして保持可能とされる。
【0022】上記ロック手段22は、上記各シートレー
ル9の内底面に形成されこれら各シートレール9の長手
方向に複数形成される凹形状のロック部30と、上記台
車24に上下方向にのみ移動自在に支承されてこの上下
移動で上記ロック部30のいずれかに係脱自在に係合さ
せられる板形状の被ロック部31と、この被ロック部3
1を上記ロック部30に係合させるよう弾性的に付勢す
るばねである付勢手段32とを備えている。
【0023】図1,3中実線で示すように、被ロック部
31がロック部30に係合させられると、上記保持具本
体21が上記シートレール9にロックされる。一方、図
1中一点鎖線で示すように、上記付勢手段32に抗して
上記被ロック部31を上方移動させれば、上記ロック部
30から被ロック部31が離脱させられて上記係合が解
除され、つまり、上記シートレール9に対する保持具本
体21のロックが解除されて、各シートレール9に対し
上記保持具20が移動自在となる。
【0024】前記したシート装置7において、シート8
を各シートレール9に移動自在に支承させる台車は上記
台車24とほぼ同じ構成とされ、シート8をシートレー
ル9にロック可能とさせるロック手段は上記ロック手段
22とほぼ同じ構成とされている。また、上記ロック手
段22のロック部30は上記シート装置7と荷物保持装
置19とに共用され、その分、荷物保持装置19の構成
が簡単とされている。
【0025】上記構成によれば、荷物保持装置19の保
持具20は、シートレール9に沿って移動自在となるよ
うこのシートレール9に支承される保持具本体21と、
この保持具本体21を上記シートレール9に沿った任意
の移動位置でこのシートレール9にロック可能とするロ
ック手段22とを備えている。
【0026】このため、荷物保持装置19には、シート
8の支承用のシートレール9が兼用されたことから、上
記荷物保持装置19に別途にレールを設けることに比べ
て、この荷物保持装置19の構成がより簡単になる。
【0027】また、上記各シートレール9は、シート8
と、これに着座する乗員とを支持するものであって、大
きい外力に対抗し得るよう成形されるものであり、元
来、十分の強度と剛性とを備えている。
【0028】しかも、上記両シートレール9,9のうち
の少なくとも一方のシートレール9は、前記したように
側壁3との結合で補強されて強度等の大きい車体フロア
2の側部近傍に配設されている。
【0029】よって、上記シートレール9を利用した荷
物保持装置19によっての車体1への荷物の保持は、強
固になされることとなる。
【0030】上記ロック部30の上端部は、ほぼ水平に
折り曲げられて被係合部35とされ、この被係合部35
に把持部36が取り付けられている。一方、上記シート
8のシート台11の後端部から荷室18側である後方に
向って突出する係合体38が設けられている。この係合
体38は上記シートレール9の上面近傍に配設され、上
記係合体38の突出端側(後部)の上端面は後下がりの傾
斜面39とされて、上記係合体38の突出端側は車体1
の側面視で楔形状とされている。
【0031】上記シート8と共に係合体38がシートレ
ール9,9に沿って荷室18側の後方に移動したとき、
上記係合体38は上記ロック手段22の被係合部35に
係脱自在に係合することとされている。より具体的に
は、上記係合体38がシート8と共に後方移動させられ
たとき、上記係合体38の傾斜面39は上記被係合部3
5を掬い上げるよう係合することとなり(図3中一点鎖
線)、この係合体38による上記ロック手段22の被係
合部35に対する係合で、上記被ロック部31が上方に
移動させられて、上記ロック部30との係合が解除さ
れ、もって、上記シートレール9に対する保持具本体2
1のロックが解除されるようになっている。
【0032】上記構成によれば、上記シート8に取り付
けられこのシート8と共に移動して上記ロック手段22
に係脱自在とされる係合体38を設け、この係合体38
の係合で上記ロックが解除されるようにしてある。
【0033】このため、上記シートレール9に沿ってシ
ート8を荷室18側に向うよう後方に移動させたとき、
上記シート8の後方で、上記シートレール9に保持具本
体21をロックさせているロック手段22が存在すると
きには、このロック手段22によるロックは、上記シー
ト8と共に後方に移動してきた係合体38との係合で自
動的に解除され、この保持具20は上記シート8に押さ
れて、このシート8と共に後方に移動する。
【0034】よって、前記したように荷物保持装置19
は、シート8を移動自在に支承するシートレール9を兼
用して、その構成の簡素化が図られてはいるが、シート
8を後方移動させたとき、上記シートレール9にロック
させられている保持具20によって、上記シート8の移
動が阻害されるということは防止される。また、上記係
合体38は、上記シート8のシート台11の後部から後
方に向って突出しているため、上記係合体38が上記シ
ート8の着座者の邪魔になることは防止される。つま
り、シート8の機能に支障が生じることは防止される。
【0035】また、上記ロック手段22への係合体38
の係合状態、つまり、ロックを解除した状態をそのまま
に保持する係合保持手段42が設けられている。この係
合保持手段42は、上記係合体38の基部の上面に形成
されてほぼ水平に延びる水平面43と、上記傾斜面39
から水平面43の遷移部で上方に向って一体的に突出す
る突起44とを備えている。
【0036】上記したようにシート8と共に係合体38
が後方移動したとき、上記係合体38の傾斜面39が上
記ロック手段22の被係合部35を掬い上げて、前記し
たようにロックを解除するが、その後、上記傾斜面39
が上記被係合部35を上記突起44を乗り越えさせ、か
つ、上記水平面43にまで案内するようになっている。
図3中二点鎖線で示すように、単数、もしくは複数の上
記被係合部35が水平面43に支持されると、上記被係
合部35はこの支持のままに保持され、つまり、上記ロ
ック手段22によるロックが解除されたままの状態に保
持され、上記シート8と共に保持具20が移動させられ
る。
【0037】なお、上記把持部36を把持して上記被ロ
ック部31を上方に移動させ、上記被係合部35を水平
面43に支持させてもよい。また、上記突起44はなく
てもよい。
【0038】上記構成によれば、ロック手段22への上
記係合体38の係合状態を保持する係合保持手段42を
設けたため、上記シート8を移動させれば、不使用時の
保持具20は上記シート8側に自動的に収納されてこの
シート8と共に移動することとなる。
【0039】よって、不使用時の保持具20が車体フロ
ア2上で、乗員による他の作業等の邪魔になるというこ
とは防止される。
【0040】また、不使用時の保持具20は上記係合保
持手段42による保持によって、上記シート8側に収納
させられるため、上記保持具20が整理された状態で収
納され、このため、その後の使用が円滑にできることと
なる。
【0041】
【発明の効果】本発明による効果は、次の如くである。
【0042】請求項1の発明は、車体の前後方向に向っ
て延びシートを前後に移動自在に支承するシートレール
を車体フロアに取り付け、この車体フロア上の荷物を保
持可能とする保持具を設けた自動車の荷物保持装置にお
いて、
【0043】上記保持具が、上記シートレールに沿って
移動自在となるようこのシートレールに支承される保持
具本体と、この保持具本体を上記シートレールに沿った
任意の移動位置でこのシートレールにロック可能とする
ロック手段とを備えている。
【0044】即ち、荷物の保持用の保持具本体を車体の
車体フロアの所望位置に移動自在とさせると共に、その
位置で保持具本体をロック可能とさせるようにした荷物
保持装置には、シートの支承用のシートレールが兼用さ
れている。
【0045】よって、上記荷物保持装置に別途にレール
を設けている従来の技術に比べて、この荷物保持装置の
構成はより簡単になる。
【0046】また、上記各シートレールは、シートと、
これに着座する乗員とを支持するものであり、大きい外
力に対抗し得るよう成形されるものであって、元来、十
分の強度と剛性とを備えている。
【0047】よって、上記シートレールを利用した荷物
保持装置によっての車体への荷物の保持は、強固になさ
れることとなる。
【0048】また、上記シートに取り付けられこのシー
トと共に移動して上記ロック手段に係脱自在とされる係
合体を設け、この係合体の係合で上記ロックが解除され
るようにしてある。
【0049】このため、上記シートレールに沿ってシー
トを移動させたとき、上記シートレールに保持具本体を
ロックさせているロック手段が存在するときには、この
ロック手段によるロックは、上記シートと共に移動して
きた係合体との係合で自動的に解除され、上記保持具は
上記シートと共に移動する。
【0050】よって、前記したように荷物保持装置は、
シートを移動自在に支承するシートレールを兼用して、
その構成の簡素化が図られてはいるが、シートを移動さ
せたとき、上記シートレールにロックさせられている保
持具によって、上記シートの移動が阻害されるというこ
とは防止され、つまり、シートの機能に支障が生じるこ
とは防止される。
【0051】請求項の発明は、上記ロック手段への上
記係合体の係合状態を保持する係合保持手段を設けてあ
る。
【0052】このため、上記シートを移動させれば、不
使用時の上記保持具は上記シート側に収納されてこのシ
ートと共に移動することとなる。
【0053】よって、不使用時の保持具が車体フロア上
で、乗員による他の作業等の邪魔になるということは防
止される。
【0054】また、不使用時の保持具は上記係合保持手
段による保持によって、上記シート側に収納させられ
る。
【0055】よって、上記保持具が整理された状態で収
納され、このため、その後の使用が円滑にできることと
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2における1‐1線矢視断面図である。
【図2】車室の斜視図である。
【図3】図1における3‐3線矢視断面図である。
【符号の説明】
1 車体 2 車体フロア 3 側壁 4 車室 7 シート装置 8 シート 9 シートレール 19 荷物保持装置 20 保持具 21 保持具本体 22 ロック手段 38 係合体 42 係合保持手段

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体の前後方向に向って延びシートを前
    後に移動自在に支承するシートレールを車体フロアに取
    り付け、この車体フロア上の荷物を保持可能とする保持
    具を設けた自動車の荷物保持装置において、 上記保持具が、上記シートレールに沿って移動自在とな
    るようこのシートレールに支承される保持具本体と、こ
    の保持具本体を上記シートレールに沿った任意の移動位
    置でこのシートレールにロック可能とするロック手段と
    を備え 記シートに取り付けられこのシートと共に移動して上
    記ロック手段に係脱自在とされる係合体を設け、この係
    合体の係合で上記ロックが解除されるようにした記載の
    自動車の荷物保持装置。
  2. 【請求項2】 上記ロック手段への上記係合体の係合状
    態を保持する係合保持手段を設けた請求項に記載の自
    動車の荷物保持装置。
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