JPH0711431U - 車両用リヤシート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 車両におけるトランクスルータイプのリヤシ
ートを低コストで構成できるようにする。 【構成】 車両のリヤシート１におけるシートバック３
は、上端部両側がそれぞれ水平軸６によって枢支される
と共に、バンド７の一端が下部に取り付けられており、
図の２点鎖線のように、水平軸６を中心としてシートバ
ック３の下部を前方へ回動させ、バンド７他端の係止具
８をアシストグリップ１２に係合させることにより、シ
ートバック３がほぼ水平に保持されて、車室９とトラン
クルーム１０とが連通されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、車両におけるリヤシート、とくに、トランクスルータイプのリヤシ ートに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の車両におけるトランクスルータイプのリヤシートは、実開昭６０−７２ ３７号公報に示されているように、シートバックや、さらには、シートクッショ ンをも前に倒すことによって、車室側とトランクルーム内とが連通するように構 成されているが、シートバックをシートクッション上に前倒ししたときには、シ ートバック自体に厚みがあるため、リヤシート側とトランクルーム床面とを同一 平面とすることが困難であって、トランクスルータイプとして荷物の搭載に不便 なことがあり、また、車両の衝突時にトランクルーム内の荷物がリヤシートのシ ートバックを前に押し倒さないように、リヤシートのシートバック上端に車体側 へのロック機構をそなえる必要があるため、部品点数が増加してコスト上昇を招 くことは避けられなかった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、車両におけるトランクスルータイプのリヤシートを低コストで構成 できるようにしようとするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

このため、本考案にかかる車両用リヤシートは、ほぼ水平の軸により上端部が 車体側に枢支されたシートバック及び一端が上記シートバックの下部に取り付け られ他端に係止部が設けられたバンドを有し、上記軸を中心として上記シートバ ックの下部を前方へ回動させて、上記バンドの係止部を車体内に係止することに より上記シートバックをほぼ水平に保持して、車室側とトランクルーム内とが連 通するように構成されている。

【０００５】

【作用】

すなわち、ほぼ水平な上端部の軸を中心としてシートバックの下部を前方へ回 動させ、バンドによってシートバックをほぼ水平に保持させることにより、トラ ンクスルータイプのリヤシートを構成することができ、このとき、シートクッシ ョン上にシートバックが存在していないため、リヤシート側とトランクルーム床 面とを同一平面とすることが比較的容易であると共に、シートバックの上端部が 車体側に枢支されているので、従来装置のようなシートバックロック機構が不要 となり、また、ほぼ水平に保持されたシートバックを新しい棚として物置に利用 することも可能となる。

【０００６】

【実施例】

以下、図面に示す本考案の実施例について具体的に説明する。 図１〜図４において、車両のリヤシート１におけるシートクッション２は車体 側に固定されているが、シートバック３は、リヤデッキ４に固定されたヒンジ５ のほぼ水平な軸６により上端部両側面でそれぞれ枢支され、また、シートバック ３の下部に一端が取り付けられたバンド７の他端には係止具８が設けられていて 、通常時は車室９とトランクルーム１０内とがシートバック３によって仕切られ ていると共に、バンド７の他端がトランクルーム１０内に延びて、トランクルー ム１０側壁の凹所１１に係止具８が係合し、シートバック３をその位置に保持し ている。

【０００７】 次に、車室９内をトランクルーム１０内と共通に荷物室として使用するトラン クスルーの場合には、まず、トランクルーム凹所１１と係止具８との係合を外し てから、ヒンジ軸６を中心としてシートバック３の下部を前方へ回動させ、図１ 及び図２の２点鎖線と図５とに示されているように、係止具８を車室９内のアシ ストグリップ１２に係合させることにより、シートバック３をほぼ水平に保持さ せれば、車室９とトランクルーム１０内とが連通し、かつ、シートクッション２ の上面がトランクルーム１０の床面とほぼ同一高さの面を形成して、容易にトラ ンクスルーの目的を果たすことができる。

【０００８】 上記装置においては、トランクスルーの際、バンド７によりシートバック３が ほぼ水平に保持されていて、シートクッション２上にシートバック３が載置され ていないため、シートクッション２の上面とトランクルーム１０の床面とをほぼ 同一高さの面とすることが容易であって、実用上非常に便利であるばかりでなく 、シートバック３の上端部がヒンジ軸６により車体側に枢支されていると共に、 シートバック３の下部に一端が取り付けられたバンド７の係止具８がトランクル ーム１０側壁の凹所１１に係合しているので、従来装置のようなシートバックロ ック機構が不要となって、容易にコスト低減を図ることができる。

【０００９】 また、バンド７によりシートバック３がほぼ水平に保持されているため、ルー ムミラー１３による運転者の後方視界がとくに妨げられることもなく、あるいは 、ほぼ水平に保持されているシートバック３の上面を新しい棚として物置に利用 することも可能であり、車室９内での荷物の搭載が大層便利となる。

【００１０】 なお、上記実施例では、バンドの係止具を既設のアシストグリップに係合させ るようにしているが、これをフロントシートの上部、あるいは、フロントシート のヘッドレスト用支柱等に係合させて、シートバックをほぼ水平に保持させるよ うにしても、同様な作用効果を奏することができるのはいうまでもない。

【００１１】

【考案の効果】

本考案にかかる車両用リヤシートにおいては、ほぼ水平な上端部の軸を中心と してシートバックの下部を前方へ回動させて、バンドの係止部によりシートバッ クをほぼ水平に保持させることにより、トランクスルータイプのリヤシートを構 成することができ、このとき、シートクッション上にシートバックが存在してい ないため、リヤシート側とトランクルーム内とを同一平面とすることが比較的容 易であって、実用上非常に便利であると共に、従来装置のようなシートバックロ ック機構が不要となって、軽量化及びコスト低減を容易に実現できる長所がある 。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例における全体配置図。

【図２】図１の要部拡大図。

【図３】図２の III矢視図

【図４】上記実施例の概略後方斜視図。

【図５】上記実施例の作用説明図。

【符号の説明】

１ リヤシート ２ シートクッション ３ シートバック ６ 水平軸 ７ バンド ８ 係止具 ９ 車室 １０ トランクルーム １１ 凹所 １２ アシストグリップ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ほぼ水平の軸により上端部が車体側に枢
   支されたシートバック及び一端が上記シートバックの下
   部に取り付けられ他端に係止部が設けられたバンドを有
   し、上記軸を中心として上記シートバックの下部を前方
   へ回動させて、上記バンドの係止部を車体内に係止する
   ことにより上記シートバックをほぼ水平に保持して、車
   室側とトランクルーム内とが連通するように構成された
   車両用リヤシート。