JP4007297B2 - 車両のシート構造 - Google Patents

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本発明は、車両のシート構造に、より詳しくは、車室後方の荷室に臨んで配設された後部シートの移動機構に関するものである。
近年、車両においては、車室内の限られたスペースを有効利用するための様々な構造が採用されている。その1つとして、シートクッション及びシートバックを備えたシートを折り畳み若しくは移動させることにより、車両後部に設けられた荷室と連結した広く平坦な水平面を構成し得るようにして、大きな荷物等を載置可能とする構造が知られている。
例えば、特開平9−142189号公報(特許文献1)には、シートバックをシートクッションの着座面に折り重なるように前倒しした上で、シートクッション及びシートバックを共にこのシートクッションの前端部近傍に設定された軸まわりに前方へ回動させることにより、シートクッションの裏面と車室の床面とを面一とする構造が開示されている。また、特開2000−108744号公報(特許文献2)には、シートバックをシートクッションの着座面に折り重なるように前倒しした上で、シートクッション及びシートバックをリンク部材を介して前方且つ下方へ平行移動させることにより、シートバックの背面と車室の床面とを面一とする構造が開示されている。更に、特開2000−272394号公報(特許文献3)には、シートクッションをその前端部近傍に設定された軸まわりに前方へ回動させた上で、シートバックを前倒しすることにより、シートクッションの裏面とシートバックの背面とをほぼ面一とする構造が開示されている。
特開平9−142189号公報 特開2000−108744号公報 特開2000−272394号公報
ところで、シートを折り畳む若しくは移動させる構造としては、(a)シートの折り畳み若しくは移動に伴う操作が容易であり、(b)荷物の出し入れが楽に行えて、車両前後方向にも上下方向にもより広い荷室を構成するために、シートの折り畳み若しくは移動により構成される水平面及び荷室の床面ができるだけ低い位置に構成され、(c)大きな荷物や長尺物等を安定して載置できるようシートの移動若しくは移動により構成される水平面が荷室床面とほぼ面一に構成され、(d)乗員の着座や荷物の載置等により負荷がかかるシートクッションの強度を、構造を複雑化せずに十分確保するために、シートクッションが固定されて動かす必要がなく、(e)車室内のデッドスペースを有効利用することができるものが好ましい。前述した従来の技術は、これら全ての条件を満たすものではなかった。
本発明は、特に、シートクッションを移動させる必要がなく、車室内のデッドスペースを有効利用して、簡単な操作によってシートを移動させることができ、また、その移動に伴って、車両前後方向にも上下方向にも広い荷室スペースを実現すべく、シートの移動により構成される水平面及び荷室床面を低い位置に且つ互いにほぼ面一に構成することができる車両のシート構造を提供することを目的としてなされたものである。
本発明に関わる第1の構成は、車両後方の荷室に臨んで配設され、シートクッションとシートバックとが互いに分離されてなるシートを備えた車両のシート構造において、前記シートバックの側面又は側面近傍に設けられシートバック本体の上下方向に延びるガイド部材と、前記シートバックの背面側に配置され、その下端側で前記シートクッションの後端部近傍にて車室の床面に対して車幅方向に沿った軸まわりに回動可能に連結される一方、その上端側で前記シートバックを車幅方向に沿った軸まわりに回動可能に支持すると共に前記ガイド部材に対し摺動可能に枢着されたカバー部材と、前記シートバックと前記カバー部材との間に設けられ、両者を離間させる方へ付勢する付勢手段と、前記シートバックを乗員が着座可能な状態で解除可能に固定する固定手段とを備え、前記シートバックは、前記固定手段が解除された時、前記付勢手段により前記カバー部材の上端側を軸として前方へ回動すると共に、前記カバー部材がその下端側で車室の床面に対して回動することで、前記シートクッションの前側に且つ前記シートの前方に配設された他のシートの背面側に起立した姿勢で位置するように移動可能であり、前記カバー部材は、前記シートバックの移動が完了した状態で、前記シートクッションの上面を覆いつつ、前記荷室の床面とほぼ面一の水平面をなすように保持されることを特徴としたものである。
第1の構成によれば、固定手段を解除するという簡単な操作を行うのみで、付勢手段によりシートバックはほぼ自動的に車両前方へ移動させられ、それに伴ってカバー部材がシートクッションの上面を覆い、水平面が形成される。このとき、シートクッションの上面にはカバー部材のみが位置し、シートバックはシートクッションの前側に且つこのシートの前方に配置された他のシートの背面側に起立した姿勢で位置しているため、シートクッションを可動とせずとも、カバー部材により低い位置に、しかも荷室床面とほぼ面一な水平面が構成され得る。これにより、大きな荷物や長尺物等を安定して載置できる広い荷室を実現することができる。また、シートクッションの前方におけるデッドスペースを有効に利用して、移動後のシートバックを収めることができる。
本発明に関わる第2の構成は、前記第1の構成において、前記付勢手段は、その上端部が前記シートバックの背面に対して車幅方向に沿った軸まわりに回動可能に連結される一方、その下端部が前記シートクッションの後端部近傍にて車室の床面に対して車幅方向に沿った軸まわりに回動可能に連結され、前記シートバックを前方且つ上方へ付勢する伸縮自在な伸縮部材を含むことを特徴としたものである。
第2の構成によれば、伸縮部材を介してシートバックと車室床面とが連結されているため、シートバックは、カバー部材と伸縮部材との双方によって保持されることとなり、カバー部材のみによって保持される場合と比較して、より一層シートバックの保持力を高めることができる。それにより、乗員が着座可能な使用状態とシートの前側へ移動した後の移動完了状態との間におけるシートバックの移動に際して生じる、各位置におけるシートバックの揺動を抑制することができ、より安定した状態でスムーズに且つ確実にシートバックを移動させることができる。
本発明に関わる第3の構成は、前記第1の構成において、前記付勢手段は、その一端側が前記シートバックの背面に対して車幅方向に沿った軸まわりに回動可能に連結される一方、その他端側が前記カバー部材の前記シートバック背面に対向する面に沿って摺動しつつ前記シートバックを前方へ付勢する付勢片を含むことを特徴としたものである。
第3の構成によれば、使用状態と移動完了状態との間において、シートバックを安定した状態でスムーズに且つ自動的に移動させる構造が、より簡単な構成によって実現することができる。また、付勢片は、一端側のみがシートバック背面に対して連結され、他端側はカバー部材におけるシートバック背面に対向する面に沿って摺動する構成とされているので、シートバックの移動完了状態においても、付勢片はカバー部材に沿って位置するため、シートクッションとの干渉を抑制することができ、シートの移動により構成される水平面及び荷室床面をより一層低い位置に設定することができる。
本発明に関わる第4の構成は、前記第1〜第3の構成のいずれか1つにおいて、前記シートバックは、クッション部材によって構成され、前記シートバックを乗員が着座可能な状態で支持するためのシートフレームを、前記カバー部材が備えていることを特徴としたものである。
第4の構成によれば、シートバックを使用状態で保持するためのシートフレームを、カバー部材が備えることによって、シートバック本体は、シートフレームを備えず、比較的軽いクッション部材からなる構成とすることができ、シートバック本体の重量を抑えることができる。これにより、シートバックを車両前方へ回動させるための負荷を低減することができるため、付勢力の小さい付勢手段を用いても実現可能となり、コストが削減される。
本発明によれば、シートクッションを移動させる必要がなく、車室内のデッドスペースを有効利用して、簡単な操作によってシートを移動させることができ、また、その移動に伴って、荷物の出し入れが行いやすく且つ大きな荷物等を安定して載置可能である車両前後方向にも上下方向にも広い荷室スペースを実現すべく、水平面及び荷室床面を低い位置に且つほぼ面一に構成することができる。
以下、添付図面に基づき、本発明の実施形態について説明する。以下の実施形態は、共に、車室後方の荷室に臨んで配設された後部シートに関して、シートクッションを移動させることなく、比較的簡単な操作でシートバックを移動させるのみで、荷室をなす床面とほぼ面一の面を構成し得る後部シートの移動機構を採用するものである。
図1は、本発明の実施形態1に係る車両の後部シートの使用状態(乗員が着座可能な状態)と移動完了状態(シートバックをシートクッションの前側へ移動した後の状態)との間での移動機構を概略的に示す側面図である。使用状態にある後部シートを実線であらわし、移動完了状態にある後部シートを一点鎖線であらわす。また、二点鎖線は後部シートの移動途中を示している。そして、図2の(a)及び(b)は、それぞれ使用状態及び移動完了状態における車両の後部シートを左側後方からみた斜視図である。符号10で示すシートは、車室後方の荷室11に臨んで配設される後部シート(例えば3列目シート)であり、車室の床面をなすフロアパネル15の上の所定位置に固定され、着座面を有するシートクッション2と、使用状態においてシートクッション2の後端側から起立するように支持され、背もたれ面を有するシートバック3と、シートバック3の上端部に取り付けられるヘッドレスト4とから構成されている。なお、図示はされていないが、荷室11の後方には開口が設けられ、その開口を覆うテールゲートにより開閉自在とされている。
図1に示すように、この後部シート構造では、シートクッション2は固定されたままで、シートバック3がシートクッション2の前側へ移動可能に構成され、移動完了状態では、後部シート10の前方に配設された他のシート1(例えば2列目シート)の背面側に起立した姿勢で位置するように支持される。また、シートバック3の移動完了状態においては、後部シート10の移動によって、フロアパネル15の一部に形成されたスペアタイヤパン41の上方を覆い荷室11の床面をなすフロアボード12とほぼ面一となる面が構成されるようになっている。
まず、シートバック3の移動及びそれによって荷室11の床面とほぼ面一な面を構成する後部シート10の詳細構造について説明する。シートバック3の背面側には、シートバック3を使用状態で保持するシートバックカバー7(請求項におけるカバー部材に相当)が取り付けられている。シートバックカバー7は、シートバック3の背面のほぼ全領域を覆うフラット部7cを備え、その下端側で、シートクッション2の後端部近傍におけるフロアパネル15上に配設された取付部材(ブラケット)14に対し連結部材8を介して連結され、この連結部材8により規定される軸C1まわりに回動可能である。また、シートバックカバー7は、その上端側で、シートバック3に対しスライダ9を介して連結され、これにより、シートバック3はシートバックカバー7に対して、スライダ9により規定される軸C2まわりに回動可能である。また、スライダ9は、シートバック3の側面に設けられたガイドスリット6a(請求項におけるガイド部材に相当)に対し、それに沿って摺動可能に取り付けられている。
なお、特に図示しないが、シートバックカバー7の車両後方側への回動は、ある所定の角度まで許容され、それ以上は規制されるようになっている。
このように、シートバック3は、ガイドスリット6aに沿って摺動するスライダ9を介してシートバックカバー7に連結され、支持される。この構成によれば、シートバックカバー7を軸C1まわりに車両前方へ回動させるに伴い、スライダ9をガイドスリット6aに沿って下方へ摺動させつつ、シートバックカバー7をシートバック3に対して回動させることができる。これにより、シートバック3をシートクッション2の前側で且つ前方のシート1の背面に沿って位置するように移動させることができる。また、シートバック3の移動完了状態において、シートバックカバー7は、そのフラット部7cがほぼ水平に且つフロアボード12とほぼ同じ高さになるように支持され得る。
ここで、この実施形態においては、互いにほぼ同じ高さとなったシートバックカバー7とフロアボード12との間に隙間が生じるため、この隙間を覆う可撓性部材13が、シートバックカバー7の背面側下端部とその近傍に位置するフロアボード12の側縁部とを連結している。この可撓性部材13は、後部シート10の使用状態においては、フロアボード12とシートバックカバー7との間で撓み、そして移動完了状態においては、フロアボード12とシートバックカバー7との間で張られる。これにより、隙間は覆われて、シートバックカバー7とフロアボード12とによりほぼ面一な広い荷室床面が構成される。
次に、図3〜5に基づき、後部シート10を移動させる付勢手段の取り付け構造について説明する。図3は、図2の(a)における後部シート10からシートバックカバー7及びそれに連結された可撓性部材13とフロアボード12を取り除いた構造を示す斜視図である。また、図4は、シートバック3の背面に付勢手段として取り付けられた伸縮部材16の上端部16bの詳細構造を示し、図5は伸縮部材16の下端部16aの詳細構造を示す。シートバック3は、その詳細は後述するが、クッション部材5と、このクッション部材5の背面及び側面を覆うように取り付けられたプレート部材6とから構成されている。
伸縮部材16は、その上端部16bで、シートバック3の背面、より詳しくはプレート部材6の背面側におけるシート幅中央部の下方よりに設けられた取付部材(ブラケット)19に対し連結部材17を介して連結され、その連結部材17により規定される軸C3まわりに回動可能である。一方、伸縮部材16は、その下端部16aで、シートクッション2の後端部近傍におけるシート幅中央のフロアパネル15上に取り付けられた取付部材(ブラケット)20に対し、連結部材18を介して連結され、その連結部材18により規定される軸C4まわりに回動可能である。伸縮部材16は、その内部に長手方向へ伸縮する伸縮バネ(図示せず)を備えており、後部シート10が使用状態にあるとき、伸縮バネは押し縮められ、上端部16bを上方へ押し上げる向きに付勢している。
図4に示すように、伸縮部材16の上端部16b、及び、プレート部材6の背面側におけるシート幅中央部下方よりに設けられた取付部材19には、連結部材17を挿通させるための孔部が形成されており、伸縮部材16は、連結部材(ここではボルト)17及びナット21を用いて取付部材19に対して取り付けられ、プレート部材6と連結される。これにより、連結部材17によって規定される軸C3まわりに回動可能となっている。
また、フロアパネル15上に対する伸縮部材16の連結部分には、伸縮部材16の上端部16bを車両前方へ付勢する捩りバネ22が組み込まれている。図5に示すように、捩りバネ22は、その一端側22aで、取付部材20に設けられたバネ保持部20bにより差し込み保持され、また、その他端側22bで、伸縮部材16の下端部16aの縁部に設けられた係合片16cと係合し、伸縮部材16に対して付勢力を付与している。
伸縮部材16の下端部16a及び取付部材20には、連結部材18を挿通させる孔部が形成されており、係合片16cと捩りバネ22の一端部22bとが係合した状態で連結部材(ここではボルト)18及びナット23を用いて、取付部材20に対して取り付けられ、フロアパネル15上に固定される。これにより、連結部材18によって規定される軸C4まわりに矢印D1で示す方向へ伸縮部材16が付勢されることとなる。
なお、図2及び3では、伸縮部材16がシートバック3の背面の中央に単独で設けられているが、複数設けられてもよい。
次に、図6〜9に基づき、シートバック3及びシートバックカバー7の構造について詳細に説明する。図6は、シートバック3の詳細な構造を示す図である。また、図7は、シートバック3及びシートバックカバー7の横断面説明図である。シートバック3は、例えばウレタン等によって形成されるクッション部材5と、このクッション部材5の背面及び側面を覆うように取り付けられたプレート部材6とから構成されている。プレート部材6におけるクッション部材5の側面に対応する部分には、シートバック本体の上下方向に延びるガイドスリット6aが形成されている。また、プレート部材6におけるクッション部材5の背面に対向する面には、ヘッドレスト4の下端側から下方へ延びるヘッドレストフレーム4aを挿入するためのフレームガイド24が取り付けられている。各フレームガイド24の上端部は、クッション部材5の上端部に形成されるヘッドレストフレーム挿入用の孔部(図示せず)に連通しており、ヘッドレスト4は、ヘッドレストフレーム4aがその孔部を介してフレームガイド24に挿入されることにより、シートバック3に対して取り付けられる。なお、プレート部材6の背面側には、装飾用の不織布25が貼り付けられている。
また、図8は、シートバック3及びフロアパネル15から取り外された状態にあるシートバックカバー7を示す斜視図であり、図9は、シートバックカバー7の側端部に設けられたラッチ機構(請求項における固定手段に相当)を示す側面図である。シートバックカバー7の下端側と上端側には、それぞれ車両前方へ突出する突出片7a,7bが左右両側に設けられており、各突出片7aはフロアパネル15上に固定された取付部材14に対応し、各突出片7bはプレート部材6に形成されたガイドスリット6aに対向するように構成されている。各突出片7bには、ガイドスリット6aに沿って摺動可能であるスライダ9が取り付けられている。シートバックカバー7は、各スライダ9が、それぞれ対応するガイドスリット6aに沿って摺動可能となるようにプレート部材6に対して組み付けられることにより、シートバック3に連結されている。
図8に示すように、シートバックカバー7は、シートバック3を使用状態で保持するための剛性及び強度を確保するべく、その内部に金属製のシートフレーム26を備え、そのシートフレーム26が略板状の本体外形をなす樹脂製のカバー構造体27によって覆われることにより構成されている。また、シートバックカバー7は、後部シート10の移動完了状態において、荷室11の車室前方にて荷室11の床面とほぼ面一の面をなすフラット部7cを備えている。下端側及び上端側に設けられた各突出片7a,7bには、それぞれ、カバー構造体27及びシートフレーム26を車幅方向に沿って貫通する挿通孔7dが設けられ、シートバックカバー7は、その下端側及び上端側で、挿通孔7dに挿通される連結部材8及びスライダ9を介して、それぞれ、取付部材14及びシートバック3に対して回動可能に連結される。
なお、シートバックカバーとしては、上記の構造に限定されることなく、例えば、シートフレーム26とカバー構造体27とが樹脂等により一体的に成形されてなるもの、若しくは、シートフレーム26が皮革等で包み込まれてなるものも採用可能である。
また、図9に示すように、シートバックカバー7の側端部には、後部シート10の使用状態において、シートバック3が伸縮部材16及び捩りバネ22の付勢力によって移動しないように、プレート部材6とシートバックカバー7との間で互いに係合するラッチ機構が設けられている。プレート部材6には、クッション部材5の側面に対応する部分の外側に、ストライカー28が設けられ、シートバックカバー7には、ストライカー28に対応する側端部に、ストライカー28と係合するラッチ29が設けられている。また、シートバックカバー7には、ラッチ29の下方に、ワイヤー(図示せず)を介してラッチ解除を行う操作レバー30が設けられている。この操作レバー30は、荷室前方及び後方から操作し易い位置に配設されることが好ましく、また、ラッチ解除を行う手段は、手動式の操作レバー30に限定されることなく、遠隔操作によって行えるようにしてもよい。
この後部シート10によれば、使用状態においては、ストライカー28とラッチ29とが互いに係合することにより、シートバックカバー7は、シートバック3を、その背面側においてシートバック3と共に起立した状態で保持している。そして、操作レバー30が操作されると両者の係合が解除され、シートバック3は、伸縮部材16及び捩りバネ22の付勢力によって、その下端側が前方へ押し出されるように移動する。このとき、図1からよく分かるように、シートバック3は、シートバックカバー7及び伸縮部材16によって支持されながら車両前方へと回動し、それに伴って、スライダ9がガイドスリット6aに沿って下方へ摺動する。それと同時にシートバックカバー7が前倒しするように回動されてシートクッション2の上面を覆うことにより、シートバックカバー7がそのフラット部7cの背面側で、荷室11の床面を形成するフロアボード12とほぼ面一の面を構成すると共に、シートバック3は、シートクッション2の前側に且つ前方のシート1の背面に沿って起立した姿勢で位置するように移動させられる。
以上に説明した実施形態1によれば、操作レバー30を操作することにより、ラッチ29を解除するという簡単な操作を行うのみで、伸縮部材16及び捩りバネ22によってシートバック3は自動的に車両前方へ移動させられ、それに伴ってシートバックカバー7がシートクッション2の上面を覆い、水平面が形成される。このとき、シートクッション2の上面にはシートバックカバー7のみが位置し、シートバック3本体はシートクッション2の前側に且つ前方のシート1の背面側に起立した姿勢で位置しているため、シートクッション2を移動させずとも、シートバックカバー7によって低い位置に、しかも荷室11の床面をなすフロアボード12とほぼ面一な水平面が構成され得る。これにより、大きな荷物や長尺物等を安定して載置できる広い荷室スペースを実現することができ、また、シートクッション2の前方におけるデッドスペースの有効利用も図ることができる。
更に、伸縮部材16により、シートバック3とフロアパネル15とが連結されているため、シートバック3はシートバックカバー7と伸縮部材16との双方によって保持されることとなり、シートバックカバー7のみによって保持される場合と比較してより一層シートバック3の保持力を高めることができる。それにより、シートバック3の移動に際して生じるシートバック3の揺動が抑制され、安定した状態でスムーズに且つ確実にシートバック3を移動させることができる。
また、更には、シートバック3を使用状態で保持するためのシートフレーム26が、シートバックカバー7に組み込まれることにより、シートバック3本体は、シートフレームを備えず、比較的軽いクッション部材5とプレート部材6とからなる構成であるため、シートバック3本体は比較的軽いものとなる。これにより、シートバック3を車両前方へ回動させるための負荷が低減され、伸縮部材16及び捩りバネ22は付勢力の小さいものを用いることができ、コストを削減することができる。
続いて、本発明の他の実施形態について説明する。なお、以下では、上述の実施形態1と同一の構成については同じ符号を付し、それ以上の説明は省略する。
図10は、本発明の実施形態2に係る後部シート40の移動機構を概略的に示す側面図である。使用状態にある後部シート40を実線であらわし、移動完了状態にある後部シート40を一点鎖線であらわす。また、二点鎖線は後部シート40の移動途中を示している。そして、図11の(a)及び(b)は、それぞれ使用状態及び移動完了状態における後部シート40を左側後方からみた斜視図である。この実施形態2では、上述の実施形態1と基本構造は同じであるが、シートバック3を付勢する付勢手段としてU字型フレーム31(請求項における付勢片に相当)を採用した点で異なっている。
図12は、図11の(a)における後部シート40からシートバックカバー7及びそれに連結された可撓性部材13とフロアボード12を取り除いた構造を示す斜視図である。また、図13は、シートバック3の背面に付勢手段として取り付けられたU字型フレーム31の取付構造の詳細を示す図である。図12及び図13に示すように、U字型フレーム31は、下端側に屈曲部を有するUの字状に形成されたフレームであり、その上端側において、プレート部材6の背面に対しほぼ垂直となる面を有するストッパー部31aが設けられると共に、取付部材(U字型ブラケット)32に対して左右両側から差し込むようにして係合される係合部31bが、内側(つまり、シート幅中央側)に向かって延びている。取付部材32は、シートバック3の背面、より詳しくはプレート部材6の背面側におけるシート幅中央部の下方よりに取り付けられ、この取付部材32に対してU字型フレーム31の上端側に設けられた係合部31bが係合される。これにより、U字型フレーム31は、プレート部材6に対し、その係合部31bにより規定される軸C5まわりに回動可能に連結されている。
また、プレート部材6に対するU字型フレーム31の連結部分には、U字型フレーム31の下端側(屈曲部)を車両後方且つ上方へ付勢する捩りバネ33が組み込まれている。捩りバネ33は、その捩り中心部をU字型フレーム31の係合部31bが挿通するようにして取り付けられ、その一端側33aで、取付部材32の縁部に設けられた係合片32aと係合される一方、その他端側33bで、U字型フレーム31の上端部近傍における内側端部に設けられた係合片31cと係合されている。これにより、U字型フレーム31は、プレート部材6に対し、その係合部31bにより規定される軸C5まわりに矢印D2で示す方向へ付勢されることとなる。なお、U字型フレーム31は、U字型フレーム31とプレート部材6の背面とがなす角度が略直角になるまでは、矢印D2で示す方向へ回動可能であるが、それ以上は回動しないように、U字型フレーム31の上端側に形成されたストッパー部31aによって規制される。
この後部シート40によれば、使用状態においては、ストライカー28とラッチ29とが互いに係合することにより、シートバックカバー7は、シートバック3を、その背面側においてシートバック3と共に起立した状態で保持している。そして、操作レバー30が操作されると両者の係合が解除され、シートバック3は、U字型フレーム31の付勢力によって、その下端側が前方へ押し出されるように移動する。このとき、図10からよく分かるように、シートバック3は、シートバックカバー7及びU字型フレーム31によって支持されながら車両前方へと回動し、それに伴って、スライダ9がガイドスリット6aに沿って下方へ摺動する。ここで、U字型フレーム31は、その下端側(屈曲部)が、シートバックカバー7のフラット部7cにおけるシートバック3の背面に対向する面上を滑るようにして上方へ摺動しつつ、シートバック3をシートバックカバー7に対して車両前方且つ上方へ押し上げるように付勢している。そして、シートバック3の移動と同時にシートバックカバー7が前倒しするように回動されてシートクッション2の上面を覆うことにより、シートバックカバー7がそのフラット部7cの背面側で、荷室11の床面を形成するフロアボード12とほぼ面一の面を構成すると共に、シートバック3は、シートクッション2の前側に且つ前方のシート1の背面に沿って起立した姿勢で位置するように移動させられる。
以上に説明した実施形態2によれば、操作レバー30を操作することにより、ラッチ29を解除するという簡単な操作を行うのみで、U字型フレーム31によってシートバック3は自動的に車両前方へ移動させられ、それに伴ってシートバックカバー7がシートクッション2の上面を覆い、水平面が形成される。このとき、シートクッション2の上面にはシートバックカバー7のみが位置し、シートバック3本体はシートクッション2の前側に且つ前方のシート1の背面側に起立した姿勢で位置しているため、シートクッション2を移動させずとも、シートバックカバー7によって低い位置に、しかも荷室11の床面をなすフロアボード12とほぼ面一な水平面が構成され得る。これにより、大きな荷物や長尺物等を安定して載置できる広い荷室スペースを実現することができ、また、シートクッション2の前方におけるデッドスペースの有効利用も図ることができる。
更に、使用状態と移動完了状態との間において、シートバック3を安定した状態でスムーズに且つ自動的に移動させる構造が、比較的簡単な構成によって実現することができると共に、U字型フレーム31は、その上端側のみがシートバック3の背面に対して連結され、下端側(屈曲部)はシートバックカバー7におけるシートバック3の背面に対向する面に沿って上方へ摺動する構成とされているため、シートバック3の移動完了状態において、U字型フレーム31はシートバックカバー7に沿って位置し、シートクッション2との干渉を抑制することができる。
また、更には、シートバック3を使用状態で保持するためのシートフレーム26が、シートバックカバー7に組み込まれることにより、シートバック3本体は、シートフレームを備えず、比較的軽いクッション部材5とプレート部材6とからなる構成であるため、シートバック3本体は比較的軽いものとなる。これにより、シートバック3を車両前方へ回動させるための負荷が低減されるので、U字型フレーム31は比較的軽くて小さなものを用いることができ、また、捩りバネ33も付勢力の小さいもので済み、コスト及び重量を削減することができる。
なお、本発明において、伸縮部材及び付勢片の形状は、上記実施形態に限定されるものではなく、他の形状であってもよい。また、その他本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び変更等を付加しても実施可能である。
本発明の実施形態1に係る後部シートの移動機構を概略的に示す側面図である。 (a)上記実施形態1に係る使用状態にある車両の後部シートを左側後方からみた斜視図である。(b)上記実施形態1に係る移動完了状態にある車両の後部シートを左側後方からみた斜視図である。 図2(a)においてシートバックカバーを取り除いた構造を示す図である。 上記実施形態1に係るプレート部材に対する伸縮部材の連結構造を示す図である。 上記実施形態1に係る取付部材に対する伸縮部材の連結構造を示す図である。 シートバックに対するシートバックカバーの連結構造を示す図である。 シートバック及びそれに連結されるシートバックカバーの横断面説明図である。 シートバックカバーを示す斜視図である。 上記ラッチ機構を示す側面図である。 本発明の実施形態2に係る後部シートの移動機構を概略的に示す側面図である。 (a)上記実施形態2に係る使用状態にある車両の後部シートを左側後方からみた斜視図である。(b)上記実施形態2に係る移動完了状態にある車両の後部シートを左側後方からみた斜視図である。 図11(a)においてシートバックカバーを取り除いた構造を示す図である。 上記実施形態2に係るプレート部材に対するU字型フレームの連結構造を示す図である。
符号の説明
1…前方のシート,2…シートクッション,3…シートバック,4…ヘッドレスト,5…クッション部材,6…プレート部材,6a…ガイドスリット,7…シートバックカバー,7a,7b…突出片,7c…フラット部,8…連結部材,9…スライダ,10,40…後部シート,11…荷室,12…フロアボード,13…可撓性部材,14,19,20,32…取付部材,15…フロアパネル,16…伸縮部材,17,18…連結部材,22,33…捩りバネ,26…シートフレーム,28…ストライカ,29…ラッチ,31…U字型フレーム

Claims (4)

  1. 車両後方の荷室に臨んで配設され、シートクッションとシートバックとが互いに分離されてなるシートを備えた車両のシート構造において、
    前記シートバックの側面又は側面近傍に設けられシートバック本体の上下方向に延びるガイド部材と、
    前記シートバックの背面側に配置され、その下端側で前記シートクッションの後端部近傍にて車室の床面に対して車幅方向に沿った軸まわりに回動可能に連結される一方、その上端側で前記シートバックを車幅方向に沿った軸まわりに回動可能に支持すると共に前記ガイド部材に対し摺動可能に枢着されたカバー部材と、
    前記シートバックと前記カバー部材との間に設けられ、両者を離間させる方へ付勢する付勢手段と、
    前記シートバックを乗員が着座可能な状態で解除可能に固定する固定手段とを備え、
    前記シートバックは、前記固定手段が解除された時、前記付勢手段により前記カバー部材の上端側を軸として前方へ回動すると共に、前記カバー部材がその下端側で車室の床面に対して回動することで、前記シートクッションの前側に且つ前記シートの前方に配設された他のシートの背面側に起立した姿勢で位置するように移動可能であり、前記カバー部材は、前記シートバックの移動が完了した状態で、前記シートクッションの上面を覆いつつ、前記荷室の床面とほぼ面一の水平面をなすように保持されることを特徴とする車両のシート構造。
  2. 前記付勢手段は、その上端部が前記シートバックの背面に対して車幅方向に沿った軸まわりに回動可能に連結される一方、その下端部が前記シートクッションの後端部近傍にて車室の床面に対して車幅方向に沿った軸まわりに回動可能に連結され、前記シートバックを前方且つ上方へ付勢する伸縮自在な伸縮部材を含むことを特徴とする請求項1に記載の車両のシート構造。
  3. 前記付勢手段は、その一端側が前記シートバックの背面に対して車幅方向に沿った軸まわりに回動可能に連結される一方、その他端側が前記カバー部材の前記シートバック背面に対向する面に沿って摺動しつつ前記シートバックを前方へ付勢する付勢片を含むことを特徴とする請求項1に記載の車両のシート構造。
  4. 前記シートバックは、クッション部材によって構成され、前記シートバックを乗員が着座可能な状態で支持するためのシートフレームを、前記カバー部材が備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の車両のシート構造。
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