JPH04124560U - 自動車のバンパ取付構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 バンパリィンホースメントに対するバンパの
組付性を改善する。 【構成】 バンパリインホースメント１の上面にバンパ
リブ５の先端部が挿入可能な隙間を保有するガイド片２
と、抜け止め用の係止爪３を設ける。バンパリブ５には
切欠７を設ける。バンパリブ５の先端をバンパリィンホ
ースメント１の上面とガイド片２との間の隙間に前方か
ら押し込むと、抜け止め用の係止爪３にバンパリブ５の
切欠７が嵌入してバンパリブ５がバンパリィンホースメ
ント１に対して抜け止めされた状態に組付けられる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、自動車のバンパ取付構造に関するもので、詳しくはバンパ本体の中 央上面部をボデー側に固定されるバンパリィンホースメントに取り付けるための 取付構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、自動車のフロントバンパは、中央上面部と、中央下部と、左右の両サ イド部との３箇所においてボデー側に取り付けられるようになっている。すなわ ち、図１０に示すように、中央上面部はバンパリブ１２がボデー側に固定される リィンホースメント１３にクリップ１５により取り付けられ、中央下部はクロス メンバー１６にボルト１７により取り付けられ、両サイド部はフェンダー１８に ボルト１９により取り付けられる。 そして、上記各取付部のうち、フロントバンパの中央上部の取付構造は、具体 的には図１１及び図１２に示す通りである。 すなわち、バンパ本体１１の中央上部に後方に向かって延在するように設けら れたバンパリブ１２の端末部分を、図１１に示すように、バンパリィンホースメ ント１３に形成されたガイド片１４に入れ込むように前方から差し込んでセット し、つづいて、図１２に示すように、上方よりクリップ１５をバンパリブ１２及 びバンパリィンホースメント１３の取付孔に挿入することにより取り付ける構造 となっている。 なお、図中２０は、ラジエータグリルを示しており、これはたとえばラジエー タアッパサポート２１にボルト２２により取り付けられ、さらにグリル下部がヘ ッドランプ２３に形成された取付部２４に止着されて固定される。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、上記した従来のハンパ取付構造では、バンパリブ１２をバンパリィ ンホースメント１３にクリップ１５により止める場合に、ラジエータグリル２０ がクリップ１５の挿入作業の邪魔になることから、バンパの取り付け作業をラジ エータグリル２０の取り付け作業より先行する必要があり、組付け順位の融通性 を欠いている。また、バンパを外す場合にも、同様の理由で先にラジエータグリ ル２０を外さなけれならず、サービス性に劣るものであった。 なお、上記の取付け作業上の不具合は、あくまでもバンパ本体の中央上面部の 取り付け構造に原因があり、中央下部及び左右の両サイド部の取付構造に原因す るものではない。

【０００４】 そこで本考案は、上述の問題に鑑み、バンパリィンホースメントに対してバン パリブを前方から押し込むだけで取り付けることができるようにして、組付性を 改善することを、その解決すべき技術的課題とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するために、本考案は次のように構成したものである。すなわ ち、本考案は、バンパ本体の上縁部に後方へ向けて所定長さでほぼ水平状に延在 されるバンパリブを、ボデー側に固定される横長のバンパーリィンホースメント に取り付けるためのバンパ取付構造であって、前記バンパリィンホースメントの 上面には、該上面との間に前記バンパリブの先端部が挿入可能な隙間を保有する ガイド片を突設し、また前記バンパリブと前記バンパリィンホースメントとのう ちのいずれか一方には切欠を、他方には該切欠に係止可能な抜け止め用の係止爪 を設け、前記バンパリブの先端部を前記ガイド片とバンパリィンホースメントと の隙間に挿入係合したときに前記切欠に前記係止爪が嵌合して係止される構成と したことを特徴とする。

【０００６】

【作用】

上記のように構成された本考案に係るバンパ取付構造においては、バンパリブ の先端部をバンパリィンホースメントの上面とガイド片との間に差し込むと、係 止爪は切欠に入り込むまでは、それ自体が弾性変形しながら又はバンパリブを弾 性変形させながら摺接し、そして切欠に対応する位置に達すると、それ自体の又 はバンパリブの弾性復帰により切欠に嵌入して係止する。かくして、バンパ本体 の中央上面部がバンパリィンホースメントに取り付けられる。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて具体的に説明する。まず、図１〜図４ に示す実施例のバンパ取付構造、詳しくは中央上面部のバンパ取付構造について 説明する。 バンパ本体４の中央上面部を取り付けるためにボデー側に固定されるバンパリ ィンホースメント１は、下向きの断面略溝形に形成され、車幅方向に水平状に延 在されている。バンパリィンホースメント１の上面側には、複数個（たとえば２ 個）のガイド片２と、抜け止め用のたとえば３個の係止爪３とが長手方向（車幅 方向）に適宜間隔を置いて設けられている。

【０００８】 各ガイド片２は、バンパリィンホースメント１に切り起こしにより形成されて いる。具体的には、図１に示すように、バンパリィンホースメント１に対してそ の後端部が連接部分として立ち上がってから前方へ水平状に所定長さで延在され ており、バンパリィンホースメント１の上面との間に後述するバンパ本体４のバ ンパリブ５が挿入可能な隙間を保有している。 また、各係止爪３は、後側に向かって上り勾配の傾斜上面を持つ略四角形の膨 出形状となるように、プレスによる成形加工により一体的に成形されており、後 端面に係止用の直立端面３ａを持つ構造となっている。

【０００９】 一方、樹脂製品であるバンパ本体４の裏面側の中央上部に設けられるバンパリ ブ５は、バンパ本体４のほぼ全幅にわたって存在し、後方へ向けて水平状に所定 長さで延在されている。バンパリブ５は、前記バンパリィンホースメント１の上 面とガイド片２との間の隙間に挿入可能な肉厚を有しており、そしてその先端縁 には前記各ガイド片２の立ち上がり部２ａの端部に係止可能な左右方向位置決め 用の凸部６を備え、また前記各係止爪３が係止可能な四角形の切欠７が形成され ている。

【００１０】 本実施例は上述のように構成したものであり、従って図１に仮想線で示すよう に、バンパをバンパリィンホースメント１に取り付けるべくバンパ本体４を車両 前方より押し込むと、図３に示すように、バンパリブ５の先端部がバンパリィン ホースメント１の上面とガイド片２との間に挿入され、このことによりバンパリ ィンホースメント１に対してバンパの前後方向の位置が決定される。またこのと き、図１に仮想線で示すように、バンパリブ５の先端に設けられた複数の凸部６ が隣接のガイド片２の立ち上がり部２ａの端縁に係止して車幅方向（左右方向） の位置決めがなされる。

【００１１】 一方、前記バンパリブ５の押し込み時において、バンパリィンホースメント１ の係止爪３と対応する部位のリブ先端部は、係止爪３の傾斜上面に沿って弾性変 形しながら摺接し、該係止爪３を乗り越えると同時に弾性復帰して図４に示すよ うに、切欠７が係止爪３に嵌入する。このことにより、係止爪３の直立端面３ａ が切欠７の先端側内端面に係止され、かくして、バンパリブ５はバンパリィンホ ースメント１に対して抜け止めされる。

【００１２】 このように、本実施例によれば、バンパリブ４をバンパリィンホースメント１ に向かって車両前方から押し込むだけでハンパ本体４の中央上面部を取り付ける ことができる。 従って、図３及び図４に示すように、ラジエータグリル８が先付けされていて も、その存在に関係なくバンパを取り付けることができるものであり、また取り 外す場合は、図４に仮想線で示す如く適当な工具９を用いてバンパリブ４の先端 部を持ち上げるように弾性変形させて係止爪３の直立端面３ａとの係止を解いて から前方へ抜き取ることができる。

【００１３】 なお、クロスメンバに対するバンパ本体４の中央下部の取り付け及びフェンダ ーに対する左右の両サイド部の取り付けについては、従来と同様になされるもの である。

【００１４】 つぎに、図５〜図７は、バンパ抜け止め用の係止爪３の形状に関する変更例を 示したものである。 図５に示す例は、単純な切り起こしによって形成された三角形の左右側板によ り係止爪３を構成したものであり、また、図６に示す例は、係止爪３を別物とし て形成し、これをバンパリィンホースメント１の上面に溶接により固定するよう にしたものである。さらに図７に示す例は、前端部分を連接部として平板を傾斜 状に切り起こすことにより係止爪３を形成したものであり、この場合は、この係 止爪３自体の弾性変形を利用してバンパリブ５の切欠７に対する嵌合・離脱を行 わせることが可能であるし、又は係止爪３の弾性変形を補助的なものとしてバン パリブ５と係止爪３との両方を弾性変形させることにより嵌合・離脱を行わせる ことも可能である。

【００１５】 また、図８及び図９は係止爪３と切欠７の設定関係を逆にしたものである。つ まり、係止爪３をバンパリブ５の下面に設け、切欠７をバンパリィンホースメン ト１に設けたものであり、その作用効果については前述した基本の実施例と同様 である。

【００１６】 なお、実施例はフロントバンパを対象としたものであるが、リヤバンパに適用 することも可能である。

【００１７】 以上詳述したように、本考案によれば、バンパリブをボデーに装着されたバン パリィンホースメントに対して前方から押し込むことによりバンパの中央上面部 を該バンパリィンホースメントに取り付けることのできるので、ラジエータグリ ルの取り付け後であっても取り付けが可能となり、組付け順位の自由度を拡大で きる。 また、ラジエータグリルを取り付けたままの状態でバンパを取り外すことが可 能となって、サービス性が向上することになり、しかも従来のクリップ止め方式 に比べて、組付け工数が低減されるとともに、部品点数を減少できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例に係るバンパ取付構造を示す組
付前の分解斜視図である。

【図２】フロントバンパを示す斜視図である。

【図３】バンパの組付時における図１のＡ−Ａ線断面図
である。

【図４】バンパの組付時における図１のＢ−Ｂ線断面図
である。

【図５】係止爪の形状に関する変更例を示す斜視図であ
る。

【図６】係止爪の形状に関する他の変更例を示す斜視図
である。

【図７】係止爪の形状に関するさらに他の変更例を示す
斜視図である。

【図８】係止爪と切欠との設置に関する他の実施例を示
す斜視図である。

【図９】バンパ組付時における図８のＣ−Ｃ線断面図で
ある。

【図１０】バンパの取付部位を示すための取付前の分解
斜視図である。

【図１１】バンパの中央上面部に関する従来の取付例を
示すガイド部の断面図である。

【図１２】同じく固定部の断面図である。

【符号の説明】

１…バンパリィンホースメント ２…ガイド片 ３…係止爪 ４…バンパ本体 ５…バンパリブ ７…切欠

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 バンパ本体の上縁部に後方へ向けて所定
   長さでほぼ水平状に延在されるバンパリブを、ボデー側
   に固定される横長のバンパーリィンホースメントに取り
   付けるためのバンパ取付構造であって、前記バンパリィ
   ンホースメントの上面には、該上面との間に前記バンパ
   リブの先端部が挿入可能な隙間を保有するガイド片を突
   設し、また前記バンパリブと前記バンパリィンホースメ
   ントとのうちのいずれか一方には切欠を、他方には該切
   欠に係止可能な抜け止め用の係止爪を設け、前記バンパ
   リブの先端部を前記ガイド片とバンパリィンホースメン
   トとの隙間に挿入係合したときに前記切欠に前記係止爪
   が嵌合して係止される構成とした自動車のバンパ取付構
   造。