JPH0243655B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、自動車等におけるシートの上端部
にヘツドレストを上下調節自在に取り付ける車両
用シートへのヘツドレスト取付装置に関するもの
である。

従来の技術 一般に、自動車においては、安全対策上フロン
トシートのシートバツク上端部上にヘツドレスト
を取り付けているのが普通である。しかも、ヘツ
ドレストはシート利用者の座高に応じて高さを調
節できる様になつている。

この様なヘツドレストを備えるシートとしては
例えば実開昭58−1360号公報に示した様なものが
ある。この公報には第６図〜第８図に示した様な
ものが開示されている。この第６図〜第８図に示
したシート１はシートクツシヨン２とシートバツ
ク３から構成されている。このシートバツク３は
第８図に示したシートバツクフレーム３ａを内部
に有し、このシートバツクフレーム３ａの上端両
側部にはサイドフレーム４，４が上方に向けて固
着されている。このサイドフレーム４，４内には
第８図に示した如く上下に延びるガイドロツド
５，５が固定されていて、このガイドロツド５，
５の外周には筒状のスライダ６，６が上下動自在
に嵌合されている。このスライダ６，６はガイド
ロツド５，５に図示しないロツク装置で段階的に
固定し得る様になつている。しかも、スライダ
６，６はヘツドレスト７の両側部に固定されてい
る。従つて、ヘツドレスト７は高さを段階的に調
節できる。

発明が解決しようとする問題点 しかしながら、サイドフレーム４，４は、内部
にガイドロツド５，５やスライダ６，６を内蔵し
ているため、横幅が必然的に大きくなつていた。
しかも、このサイドフレーム４，４の横幅は基部
から上端まで略一様であるため、サイドフレーム
４，４がリヤシート利用者の前方視界及びシート
１利用者の後方視界の妨げとなり、シート利用者
が圧追感を受けるという問題があつた。

発明の目的 そこで、この発明は、サイドフレームの基部側
の横幅を充分に小さくして、前方視界及び後方視
界を拡大した車両用シートへのヘツドレスト取付
装置を提供することを目的とするものである。

問題点を解決するための手段 この目的を達成するため、この発明は、シート
バツクフレームの両側部にシートバツク上端より
上方に突出するサイドフレームを夫々固着し、該
各サイドフレームの上端部に互いに接近する方向
に延びる折曲部を設け、前記シートバツクの上縁
と間隔を配して上下に延びるガイドレールを前記
各折曲部の先端に固着すると共に、前記両サイド
フレーム間にヘツドレストを配設し、該ヘツドレ
ストの両側部に固定したスライダを前記ガイドレ
ールに上下動自在に保持させ、且つ、前記ガイド
レールにスライダを固定・解除をさせるロツク装
置を装着することにより、前記折曲部の下方に空
間を形成させた車両用シートへのヘツドレスト取
付装置としたことを特徴とするものである。

作 用 この様な構成によれば、ロツク装置によるスラ
イダのガイドレールへの固定を解除して、ヘツド
レストを上下に変位させると、スライダがガイド
レールに沿つて上下動する。そして、ロツク装置
によりスライダをガイドレールに固定すると、ヘ
ツドレストが固定される。

また、サイドフレームの折曲部先端にガイドレ
ールを設けて、このガイドレールにヘツドレスト
を上下（高さ）調整可能に支持させているので、
サイドフレームの基部から上端部近傍までの間の
横幅を充分小さくすることができる。これによつ
て、後部からの前方視界及び前部からの後方視界
が良好となる。

実施例 以下、この発明を第１図〜第６図に基づいて説
明する。

第１図において、シート１はシートクツシヨン
２とシートバツク３を備えている。第１図、第２
図に示したシートバツク３には、第４図に示した
如く、シートバツクフレーム８が配設されてい
る。このシートバツクフレーム８には側板９が溶
接固定され、この側板９の上部にはナツト１０，
１０が溶接固定されている。

１１はヘツドレスト支持用のサイドフレームで
ある。このサイドフレーム１１は、アウターフレ
ーム１２とインナーフレーム１３及びカバー１４
を備えている。このアウターフレーム１２とイン
ナーフレーム１３は断面コ字状のチヤンネル部材
から形成したもので、その上部には折曲部１２
ａ，１３ａが夫々設けられている。しかも、アウ
ターフレーム１２とインナーフレーム１３は基部
同士が一体に設けられ、その折曲部１２ａ，１３
ａ同士は上下に間隔をおいて設けられている。こ
の様なアウターフレーム１２及びインナーフレー
ム１３の基部にはボルト挿通孔１５が設けられて
いる。このアウターフレーム１２及びインナーフ
レーム１３の基部は、ボルト１６をボルト挿通孔
１５に挿通すると共に、ナツト１０に螺合するこ
とにより、上述の側板９に固定される。この様な
固定によりサイドフレーム１１は第１図、第２図
の如くシートバツク３の上端両側部上に上方に向
けて突設されている。第１図、第２図中１４ａ，
１４ａはカバー１４上部の折曲部で、この折曲部
１４ａ，１４ａは互いに接近する方向に延びてい
る。そして、上述の折曲部１２ａ，１３ａはカバ
ー１４によつて被覆されている。

折曲部１２ａ，１３ａの先端部には上下に延び
るガイドレール１７が溶接固定されている。この
ガイドレール１７は横断面が略Ｃ字状に形成され
ている。図中１７ａはガイドレール１７の案内溝
である。

１８はヘツドレストである。このヘツドレスト
１８は第４図に示した如くヘツドレストフレーム
１９を備えている。このヘツドレストフレーム１
９の両側部には側板２０、（他方図示せず）が固
着され、この両側板２０、（他方図示せず）に固
着された支持ロツド２１の突出端部にはスライダ
２２が固着されている。このスライダ２２は、支
持ロツド２１に固定された摺動保持部材２３と、
これに保持された係止板２４とを有する。しか
も、この係止板２４には複数の係止孔２５が上下
に等ピツチで穿設されている。尚、この様なスラ
イダ２２は支持ロツド２１の両端部に設けられ
る。また、この様なスライダ２２は第５図の如く
ガイドレール１７のガイド溝１７ａ内に上下動自
在に配設されている。

サイドフレーム１１，１１のうちの一方のイン
ナーフレーム１３の折曲部１３ａ先端部上にはブ
ラケツト取付部２６が設けられ、このブラケツト
取付部２６の中央及び折曲部１３ａの先端部には
レバー挿通用のスリツト２７，２８が夫々穿設さ
れている。そして、ブラケツト取付部２６上には
コ字状のレバー支持ブラケツト２９が溶接固定さ
れている。このレバー支持ブラケツト２９には、
ロツク装置３０のロツクレバー３１が前後に延び
る枢軸３２により枢着されている。このロツクレ
バー３１の係合爪部３１ａの先端部はガイドレー
ル１７に穿設したスリツト３３を介してスライダ
２２の係止孔２５に係合させられている。しか
も、ロツクレバー３１の操作部３１ｂはスリツト
２７，２８を介してインナーフレーム１３の折曲
部１３ａの下方に突出している。尚、操作部３１
ｂはカバー１４内に位置している。また、ロツク
装置３０は、操作部３１ｂの中間部とアウターフ
レーム１２との間に介装した引張コイルスプリン
グ３４を備えている。

次に、この様な構成の車両用シートへのヘツド
レスト取付装置の作用を説明する。

ヘツドレスト７の高さを調整する場合には、ま
ずロツクレバー３１の操作部３１ｂを引張コイル
スプリング３４のバネ力に抗してガイドレール１
７側に回動操作することにより、ロツクレバー３
１の係止爪部３１ａをスライダ２２の係止孔２５
の一つから外して、スライダ２２のガイドレール
１７へのロツクを解除する。次に、ヘツドレスト
７を上下動させて、係止爪部３１ａを複数の係止
孔２５のいずれかに係合させることにより、スラ
イダ２２がガイドレール１７に固定される。この
様な操作によつて高さ調整が完了する。しかも、
この状態ではロツクレバー３１が引張コイルスプ
リング３４のバネ力によりスライダ２２側にバネ
付勢されてロツクレバー３１の係止爪部３１ａが
係止孔２５から外れるのを防止しているので、係
止爪部３１ａが振動等で係止孔２５から外れるこ
とはない。

また、サイドフレーム１１，１１の上部側を互
いに接近する方向に折曲させると共に、ヘツドレ
スト７を折曲部１２ａ，１３ａの先端部と一体の
ガイドレール１７に上下動自在に支持されている
ので、サイドフレーム１１，１１の基部及び中間
の横幅Ａが従来よりも充分小さくなり、カバー１
４の折曲部１４ａの下方に従来では形成できなか
つた空間Ｂを形成できる。従つて、この空間Ｂの
分だけ前部からの後方視界及び後部からの前方視
界が拡大され、圧迫感が軽減される。

尚、以上説明したヘツドレスト取付装置のサイ
ドフレーム１１，１１を第５図に示した如く在来
のヘツドレスト取付用のガイドチユーブ３５を備
えるシート１′に適用すれば、支持ロツド３６を
備える在来のヘツドレスト７′の使用もできる。
ここで、サイドフレーム１１を用いる場合は、第
４図と同様にガイドレール１７やスライダ２５等
が用いられることは勿論であるが、このガイドレ
ール１７やスライダ２５等の図示は図面の大きさ
の関係で省略してある。これらの点は、サイドフ
レーム１１が第４図に示した如くガイドレール１
７を備えていることでも明白である。

発明の効果 この発明は、以上説明した様に、シートバツク
フレームの両側部にシートバツク上端より上方に
突出するサイドフレームを夫々固着し、該各サイ
ドフレームの上端部に互いに接近する方向に延び
る折曲部を設け、前記シートバツクの上縁と間隔
を配して上下に延びるガイドレールを前記各折曲
部の先端に固着すると共に、前記両サイドフレー
ム間にヘツドレストを配設し、該ヘツドレストの
両側部に固定したスライダを前記ガイドレールに
上下動自在に保持させ、且つ、前記ガイドレール
にスライダを固定・解除をさせるロツク装置を装
着することにより、前記折曲部の下方に空間を形
成させた車両用シートへのヘツドレスト取付装置
としたので、サイドフレームの基部側の横幅を従
来よりも充分小さくして、前部からの後方視界及
び後部からの前方視界を従来より拡大できる。す
なわち、本発明のものでは、サイドフレームの折
曲部下方に空間が常に形成されているので、ヘツ
ドレストの下方に空間が形成されていなくても、
常にサイドフレームの折曲部下方の空間を介して
前方視界または後方視界を得ることができる。ま
た、本発明にかかるシート利用者が後方視界を得
る場合には、ヘツドレスト下方の空間とサイドフ
レームの折曲部下方の空間とを利用することがで
きるので、後方視界を拡大できる。さらに、本発
明にかかるシートに乗員が着座していない場合、
このシート後方の乗員はヘツドレスト下方の空間
とサイドフレームの折曲部下方の空間とを利用す
ることができる。これらの結果、視界の妨げによ
る圧追感を充分に軽減できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明に係るヘツドレスト取付装置
の一実施例を示す斜視図、第２図は第１図の要部
を示す正面図、第３図は第１図に示したヘツドレ
スト取付装置の断面図、第４図は第３図に示した
ヘツドレスト取付装置の分解斜視図、第５図はこ
の発明の他の実施例を示す説明図、第６図は従来
のヘツドレスト取付装置とシート及びヘツドレス
トとの関係を示す斜視図、第７図は第６図の部分
正面図、第８図は第６図の要部を示す説明図であ
る。 １，１′……シート、３……シートバツク、８
……シートバツクフレーム、９……側板、１１…
…サイドフレーム、１２……アウターフレーム、
１２ａ……折曲部、１３……インナーフレーム、
１３ａ……折曲部、１４……カバー、１４ａ……
折曲部、１７……ガイドレール、１７ａ……案内
溝、１８……ヘツドレスト、２１……支持ロツ
ド、２２……スライダ、２５……係止孔、３０…
…ロツク装置。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ シートバツクフレームの両側部にシートバツ
   ク上端より上方に突出するサイドフレームを夫々
   固着し、該各サイドフレームの上端部に互いに接
   近する方向に延びる折曲部を設け、前記シートバ
   ツク上縁と間隔を配して上下に延びるガイドレー
   ルを前記各折曲部の先端に固着すると共に、前記
   両サイドフレーム間にヘツドレストを配設し、該
   ヘツドレストの両側部に固定したスライダを前記
   ガイドレールに上下動自在に保持させ、且つ、前
   記ガイドレールにスライダを固定・解除をさせる
   ロツク装置を装着することにより、前記折曲部の
   下方に空間を形成させたことを特徴とする車両用
   シートへのヘツドレスト取付装置。