JPH1016707A - 車両用シートのヘッドレスト及びシートベルトの高さ調節機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡素で安価に製作することが可能で、操作の
容易な車両用シートのヘッドレスト及びシートベルトの
高さ調節機構を提供すること。 【解決手段】 シートバックフレーム４にベルトガイド
サポート１０を立設し、ベルトガイドサポート１０にベ
ルトガイド８を上下動自在に取り付け、ベルトガイド８
にヘッドレスト６を一体的に形成した。また、ベルトガ
イド８をベルトガイドサポート１０にロックするロック
機構８ｃ，１４を設け、ベルトガイド８をベルトガイド
サポート１０に対し回転することによりロック機構８
ｃ，１４を解除し、ヘッドレスト６及びシートベルトの
高さを同時に調節できるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、車両用シートのヘ
ッドレストに関し、さらに詳しくは、ヘッドレスト及び
ベルトガイドを一体化したものにおいて、特にヘッドレ
スト及びシートベルトの高さ調節を同時に行えるように
した車両用シートのヘッドレスト及びシートベルトの高
さ調節機構に関する。

【０００２】

【従来の技術】車両用シートのヘッドレストには、一般
にロック機構が設けられており、このロック機構を解除
することによりヘッドレストの高さを適宜調節してい
た。

【０００３】しかしながら、ヘッドレスト及びベルトガ
イドを一体化したものにおいては、上記ロック機構がな
いものもあり、ヘッドレストあるいはシートベルトの高
さ調節ができなかった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来の技術で述べたも
ののうち前者においては、高さ調節機構が比較的複雑で
安価に製作することができなかった。

【０００５】また、後者においては、着座した乗員の体
格に関係なくヘッドレスト及びシートベルトが同じ高さ
にあることから、乗員に違和感を与えるという問題があ
った。

【０００６】本発明は、従来技術の有するこのような問
題点に鑑みてなされたものであり、簡素で安価に製作す
ることが可能で、操作の容易な車両用シートのヘッドレ
スト及びシートベルトの高さ調節機構を提供することを
目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のうちで請求項１に記載の発明は、シートク
ッションフレームと、該シートクッションフレームに揺
動自在に取り付けられたシートバックフレームとを有す
る車両用シートにおいて、上記シートバックフレームに
立設されたベルトガイドサポートと、該ベルトガイドサ
ポートに上下動自在に取り付けられたベルトガイドと、
該ベルトガイドに一体的に形成されたヘッドレストと、
上記ベルトガイドを上記ベルトガイドサポートにロック
するロック機構とを有し、上記ベルトガイドを上記ベル
トガイドサポートに対し回転することにより上記ロック
機構を解除し、上記ヘッドレスト及びシートベルトの高
さを同時に調節できるようにしたことを特徴とする。

【０００８】また、請求項２に記載の発明は、上記ベル
トガイドを構成する壁部の一部を切り起こしてロック片
を形成し、上記ベルトガイドサポートを構成する壁部の
一部にロック片係合部材を取り付けるとともに、該ロッ
ク片係合部材に複数の凹部を形成して上記ロック片を上
記複数の凹部の一つに嵌入せしめることにより上記ベル
トガイドを上記ベルトガイドサポートにロックするよう
にしたことを特徴とする。

【０００９】さらに、請求項３に記載の発明は、上記ベ
ルトガイドサポートは略Ｕ字状の断面を有し、その前部
壁及び後部壁に上下方向に延在する溝を形成し、上記ベ
ルトガイドの下端両側に立設せしめられたピンを上記溝
に遊挿することにより上記ベルトガイドを上記ベルトガ
イドサポートに対し上下動可能としたことを特徴とす
る。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら説明する。図１は車両用シート
のシートフレームを示しており、シートクッションフレ
ーム２と、シートクッションフレーム２に揺動自在に取
り付けられたシートバックフレーム４と、シートバック
フレーム４に取り付けられ高さ調節可能な本発明にかか
るヘッドレスト６（図１ではヘッドレストフレームのみ
示した）とから成る。

【００１１】図１に示されるように、ヘッドレスト６
は、シートベルトのガイド穴８ａを有するベルトガイド
８と一体的に形成されており、ベルトガイド８は、シー
トバックフレーム４に立設せしめられたベルトガイドサ
ポート１０に上下動自在に取り付けられている。ベルト
ガイド８とベルトガイドサポート１０にはロック機構が
設けられており、ベルトガイド８は図１に示される状態
でベルトガイドサポート１０にロックされており、ベル
トガイド８を矢印Ａ方向に回転させることによりロック
機構のロックが解除される構成となっている。

【００１２】上記ロック機構を図２及び図３を参照して
以下説明する。図２及び図３に示されるように、ベルト
ガイド８の側壁中央部８ｂは凹設せしめられ、その一部
を内側に切り起こすことによりロック片８ｃが形成され
るとともに、ベルトガイド８の前部壁及び後部壁の下端
にはピン１２，１２が立設されている。

【００１３】一方、ベルトガイドサポート１０は、略Ｕ
字状の断面を有し、その開口部にベルトガイド８が上下
動自在に取り付けられている。ベルトガイドサポート１
０の側壁にはロック片係合部材１４が固着されるととも
に、ベルトガイドサポート１０の前部壁及び後部壁には
ベルトガイド８のピン１２，１２が摺動自在に遊挿され
るガイド溝１０ａ，１０ａが形成されている。

【００１４】ロック片係合部材１４には、複数の凹部１
４ａが所定間隔で形成されており、その一つにベルトガ
イド８のロック片８ｃが嵌入することによりベルトガイ
ド８はベルトガイドサポート１０にロックされる。

【００１５】上記構成のロック機構を有するヘッドレス
ト６の使用方法につき以下説明する。ヘッドレスト６は
通常、図１に示されるようにベルトガイド８を介してベ
ルトガイドサポート１０に保持されている。ヘッドレス
ト６の高さを調節する必要がある場合には、ヘッドレス
ト６及びベルトガイド８を一体的に矢印Ａ方向に回転さ
せると（図２）、ベルトガイド８のロック片８ｃがロッ
ク片係合部材１４の凹部１４ａより離脱し、ロック機構
のロックが解除される。

【００１６】ここで、ヘッドレスト６あるいはベルトガ
イド８に上下方向の力を加えると、ベルトガイド８のピ
ン１２，１２が対応するガイド溝１０ａ，１０ａに沿っ
て摺動する。所望の位置でヘッドレスト６及びベルトガ
イド８の移動を停止し、矢印Ａの逆方向にヘッドレスト
６及びベルトガイド８を一体的に回転すると、ロック片
８ｃがロック片係合部材１４の凹部１４ａの一つに嵌入
し、ヘッドレスト６はその位置でロックされる。

【００１７】なお、ヘッドレスト６及びベルトガイド８
は一体的に形成されているので、ヘッドレスト６の高さ
を調節すると同時にベルトガイド８のガイド穴８ａに挿
通されたシートベルトの高さ位置が調節されることは言
うまでもないが、本発明は、ヘッドレスト及びベルトガ
イドが一体構成でないものにも適用可能である。

【００１８】また、車両の走行中、ヘッドレスト６の自
重が下方に加わり、ベルトガイド８のガイド穴８ａにシ
ートベルトのテンションが加わっていることから、ロッ
ク片８ｃとロック片係合部材１４とのロックが不意に解
除することはなく、ヘッドレスト６は図１に示されるよ
うに確実に保持されている。

【００１９】上記ロック機構において、ベルトガイド８
のピン１２，１２は、ベルトガイドサポート１０の前部
壁及び後部壁の内面に形成された対応するガイド溝１０
ａ，１０ａに遊挿される構成であったが、図４に示され
るように、ベルトガイドサポート１０の前部壁及び後部
壁の外面にガイド溝１０ａ，１０ａを形成してもよい。
この場合、ベルトガイド８の前部壁及び後部壁の下端に
突設部８ｄ，８ｄを形成し、この突設部８ｄ，８ｄに立
設されたピン１２，１２を上記ガイド溝１０ａ，１０ａ
に遊挿することにより、ヘッドレスト６及びベルトガイ
ド８はベルトガイドサポート１０に対し一体的に上下動
可能となる。

【００２０】なお、この場合のロック機構も図３に示さ
れる構成と同一なので、その説明は省略する。

【００２１】

【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。

【００２２】本発明のうちで請求項１に記載の発明によ
れば、ヘッドレストと一体的に形成されたベルトガイド
をベルトガイドサポートに対し上下動自在に取り付ける
とともに、ベルトガイドをベルトガイドサポートに対し
回転することによりロック機構を解除できるようにした
ので、簡素で安価な構成で、かつ、簡単な操作でヘッド
レスト及びシートベルトの高さが同時に調節できる。

【００２３】また、請求項２に記載の発明によれば、ベ
ルトガイドを構成する壁部の一部を切り起こしてロック
片を形成し、ベルトガイドサポートを構成する壁部の一
部にロック片係合部材を取り付けることによりロック機
構を構成したので、ロック機構の構造が簡単であるばか
りでなく、ロック操作あるいはロック解除操作が極めて
容易である。

【００２４】さらに、請求項３に記載の発明によれば、
ベルトガイドサポートを略Ｕ字状の断面形状とし、その
前部壁及び後部壁に上下方向に延在する溝を形成する一
方、ベルトガイドの下端両側に立設せしめられたピンを
上記溝に遊挿するようにしたので、簡素な構成でヘッド
レスト及びベルトガイドの高さ位置を容易に調節するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明にかかるヘッドレスト及びシートベル
トの高さ調節機構を有する車両用シートフレームの斜視
図である。

【図２】 本発明にかかるヘッドレスト及びシートベル
トの高さ調節機構の斜視図である。

【図３】 図２の線III−IIIに沿った断面図であり、ロ
ック片とロック片係合部材のロック状態を示している。

【図４】 変形例にかかるヘッドレスト及びシートベル
トの高さ調節機構の斜視図である。

【符号の説明】

６ ヘッドレスト ８ ベルトガイド ８ａ シートベルトガイド穴 ８ｃ ロック片 １０ ベルトガイドサポート １０ａ ガイド溝 １２ ピン １４ ロック片係合部材 １４ａ 凹部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 シートクッションフレームと、該シート
   クッションフレームに揺動自在に取り付けられたシート
   バックフレームとを有する車両用シートにおいて、 上記シートバックフレームに立設されたベルトガイドサ
   ポートと、該ベルトガイドサポートに上下動自在に取り
   付けられたベルトガイドと、該ベルトガイドに一体的に
   形成されたヘッドレストと、上記ベルトガイドを上記ベ
   ルトガイドサポートにロックするロック機構とを有し、
   上記ベルトガイドを上記ベルトガイドサポートに対し回
   転することにより上記ロック機構を解除し、上記ヘッド
   レスト及びシートベルトの高さを同時に調節できるよう
   にしたことを特徴とする車両用シートのヘッドレスト及
   びシートベルトの高さ調節機構。
2. 【請求項２】 上記ベルトガイドを構成する壁部の一部
   を切り起こしてロック片を形成し、上記ベルトガイドサ
   ポートを構成する壁部の一部にロック片係合部材を取り
   付けるとともに、該ロック片係合部材に複数の凹部を形
   成して上記ロック片を上記複数の凹部の一つに嵌入せし
   めることにより上記ベルトガイドを上記ベルトガイドサ
   ポートにロックするようにした請求項１に記載の車両用
   シートのヘッドレスト及びシートベルトの高さ調節機
   構。
3. 【請求項３】 上記ベルトガイドサポートは略Ｕ字状の
   断面を有し、その前部壁及び後部壁に上下方向に延在す
   る溝を形成し、上記ベルトガイドの下端両側に立設せし
   められたピンを上記溝に遊挿することにより上記ベルト
   ガイドを上記ベルトガイドサポートに対し上下動可能と
   した請求項２に記載の車両用シートのヘッドレスト及び
   シートベルトの高さ調節機構。