JPS604599B2 - タンタル酸リチウム単結晶の製造方法 - Google Patents

タンタル酸リチウム単結晶の製造方法

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JPS604599B2
JPS604599B2 JP51028173A JP2817376A JPS604599B2 JP S604599 B2 JPS604599 B2 JP S604599B2 JP 51028173 A JP51028173 A JP 51028173A JP 2817376 A JP2817376 A JP 2817376A JP S604599 B2 JPS604599 B2 JP S604599B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は酸化物圧電体、特にLITa03単結晶の製造
方法に関する。
圧電効果を有するLITa03単結晶は弾性表面波装置
などに利用される。
従来、このLITa03単結晶はチョコラルスキー法に
代表されるような引上げ法、引下げ法、強引き法及びフ
ローティングゾーン法などの単結晶の成長方法を利用し
て製造されている。これらの単結晶の成長方法のちで、
溶融液から単結晶を成長させる方法、例えば引上げ法に
おいては溶融液を入れるために白金又はィIJジウムの
ルッボが従来から一般的に使用されてきた。しかし、白
金の融点177300とLITa03の融点約1650
qoとは相当近接している為に、白金ルッボをLITa
03単結晶の製造に使用することは実際上困難であった
つまり、LITa03の均質な溶融液を得るためにはル
ッボの壁温度を少なくとも約1850℃にする必要があ
る為、白金の急速な蒸発による消耗及びルッボの変形が
起る。1個の単結晶を製造するだけで数夕の白金が消耗
し、しかもこれは回収が不能である。
また、1個の単結晶を製造する毎にルッボが変形してし
まう。従って、白金ルツボはLITa03の単結晶を1
個引上げる毎に修理するか又は新しいルッボと交換しな
ければならなかった。このように高価な白金ルッボが繰
返して多数回使用できない結果、得られたLITa03
単結晶は相当高価になる為、白金ルッボはLITa03
単結晶の製造にはほとんど使用されていない。他方、イ
リジウムの融点2450qCはLITa03の融点より
も充分に高い為に、その単結晶の製造のためのルッボと
して充分使用できる。LITa03の単結晶の製造にイ
リジウムルッボを使用することは、例えばA.A.Ba
llmanによってJ、Amer・Ceram,S比,
48・112(1965)に‘‘Growth ofP
iezoelectriC and Fenoelec
triC NEterials byC.Z.Tech
nique”の表題で報告されている。しかし、イリジ
ウムは酸化性雰囲気中で加熱すると酸化され、lr02
となって昇華、飛散するのでイリジウムルッボは還元性
又は不活性の雰囲気中で使用しなければならない。イリ
ジウムルツボを使用して非酸化性雰囲気内で成長させた
LITa03の単結晶は酸素欠陥等による欠陥が多数発
生し、この欠陥は後から加熱処理を施しても回復しない
という欠点があった。かかる結晶欠陥のためにLITa
03単結晶は転位密度(dislMationdens
ity)が、例えば1ぴないし1ぴ個ノののオーダーと
大きい為(JoumalofCびstalgoMh、2
4一2を 432〜436頁(1974)参照)単結晶
の強度が低く、弾性表面波装置などに利用する結晶基板
への加工性が悪かった。また、かかる結晶欠陥のために
LITaQ単結晶は誘電損失が大きく、これを弾性表面
波装置などに利用してもその電力効率が悪かった。更に
、イリジウムは非常に高価であり且つルッボの作製費用
がやはり高価である為、イリジウムルッボの単価は白金
ルッボの単価の3〜4倍となる。具体的には、直径約4
0側の単結晶を作成するには少なくとも直径8仇吻、高
さ80脚及び壁厚さ1.5脚のルッボが必要であり、こ
の大きさのイリジウムルッボの単価は約700万円にも
なる。また、十数個のLITaQ単結晶を作成するとイ
リジウムルッボが変形するので修理が必要になるが、こ
の1回の修理には約50万円以上の費用がかかる。この
ようにイリジウムルッポの単価及び修理費が高いので、
これを用いて製造されたLITa03単結晶も非常に高
価になってしまう。従って、結晶欠陥が少なくしかも安
価な LITa03の単結晶の製造法の開発が望まれていた。
本発明は上記点に鑑みなされたもので安価でしかも結晶
欠陥の少ないLITa03単結晶の製造方法を提供する
ものである。本発明の他の目的は弾性表面波装置、特に
カラーテレビジョン受像機用PIF表面波フィル夕の基
板とするのに好適なLITa03単結晶の製造法を提供
することである。
即ち、2の重量%より多く4の重量%より少ないロジュ
ームを含む白金−ロジウムルッボを用い、該ルッボ内に
LITa03を含む溶融液を設け、該溶融液からLIT
a03単結晶を引上げる方法を得るものである。
更に具体的には、本方法によって製造されるLITa0
3の単結晶には微量のロジュームを含有し、転位密度が
極めて少なく且つ優れた表面波−温度特性を有する。
これは2の重量%より多く4の重量%より少ないロジウ
ムを含む白金−ロジウムルッボを用いると引上げられる
LITa03単結晶にルツボのロジウムが含まれるよう
に引き上げるものである。2の雲量%より多く4の重量
%より少ないロジウムを含む白金合金製ルツボを使用し
てLITa03を引き上げた場合、ルッボ材のロジウム
(Rh)の一部が溶液に溶解し、得られたLITa03
単結晶の中に不純物として入り、Rh/LITa03単
結晶が得られた。
この場合Rh含有量は例えば90〜70の奴で、この不
純物の入ったRh/LITaQを用いて弾性表面波装置
を形成した場合表面波温度特性が×板112度Y方向に
表面波を伝播させた時2沙風′℃から1&血/℃に下が
り約2割性能が向上した。この場合ルッボのRh含有量
が40%以上になると、融液中にRhが多くなり、結晶
作成の際組成的過冷却がおこり易くなり「 このため作
成結晶はセル成長し易く、結晶性が著しく限られた。又
ルッボのRh含有量が20%以下ではRhの結晶への入
りこみが少なくLiTa03結晶を成長させた時温度特
性が22脚′qC以下にすることが困難であった。さら
に20%以下のRhを含む合金の融点は1900℃以下
になる。
一方前記結晶を割れを少なくして作成するためには、周
知の保温系(アルミナ、ジルコニア等の保温機を使用し
た場合)では“ルッボ”壁温度を1850qo以上にし
ないと有効な炉内温度分布が得られない事が本発明者の
研究で明らかになった。さらに又、“ルッポ”直径が6
0側め以上の場合には前記結晶原料を昇温後30分以内
に溶融するためには“ルッボ”壁温度を1880oo以
上にしなければならない事が明らかになった。この条件
を満足するためには第1図から判るように白金合金に2
の重量%より多くのRhが必要である。このような実験
事実を基にして本発明者は35側?、100柳その結晶
を下記実施例と同様な手法で、各種Rh含有量の“ルッ
ボ1‘について育成し、1個の“ルッボ”の有効寿命(
“ルツボ”に穴があいたり、変形がはなはだしくなって
結晶が育成できなくなった時点を有効寿命とする)以内
に育成できる結晶数の平均をもとめた。その結果Rh含
有量が20%より多い“ルッポ”ではそれ以下のものに
対して約4倍〜2の苦の結晶が育成できることがわかつ
た。厚さ2伽、高さ8仇吻、直径8仇吻のロジュームを
含む白金合金製ルッボによるLITa03の引上げ結晶
数の個数を第2図に示す。
2の重量%より多くのロジュームを含む白金合金で多量
のLITa03を引上げられることが判明した。
次に本発明製造法の実施例を説明する。
LITa03の溶融液は少なくとも高純度のLi2C0
3とTa205とを化学量論比又は調和溶融比で混合し
、この原料を入れた白金−Rhルツボを加熱して得られ
る。
好ましくは、Li2C03とTa205の焼給物を前も
って作成し、これを加熱して溶融液を得る。例えば、調
和溶融比(Li/Ta=0.95)になるように混合し
たLj2C03とTa205を1200℃で約5時間焼
結する。得られた焼続物をプレス加工してディスク(d
isk)に成型し、これを原料として使用する。白金−
Rhルッボに入れられた原料は充分に溶融されるまで、
例えば高周波加熱により、加熱される。これらの原料が
充分に溶融する温度は約1700℃である。都合よいこ
とに、白金一Rhルッボは酸化性雰囲気、例えば大気中
又は酸素雰囲気中でも使用できる。白金−Rhルッボ中
の溶融液の温度をLITa03の単結晶を成長させるの
に適当な温度に調節した後、溶融液にLITa03種子
結晶を接触させる。
引上げ法により単結晶を成長させる場合、溶融液の温度
はLITa03の融点付近、好ましくは約1650qo
が適当であると考える。種子結晶の大きさは特に限定さ
れないが、ルッボの大きさと関係して任意に決めること
ができる。本発明方法で使用する白金−Rhルツボは8
0〜6の重量%の白金と、2の重量%より多く4の重量
%より少ないRhとから本質的になる点が重要である。
第1図からわかるように、ルツボ中のRh含有量が増加
するに従ってルッボの融点も高くなる。
我々の実験によれば、LiTa03単結晶を成長させる
ために有効な炉内の温度分布を得た時のルッボの壁温度
は少なくとも1850午0であった。また、直径6仇駁
以上のルッボ内の原料を30分以内に溶融するために必
要なルッボの肇温度は少なくとも1880℃であった。
ルッボ含有量が2の重量%以下であるとルツボの融点が
1900qC以下となるためルッボの寿命が短か〈なり
、実用的でない。Rh含有量が20より多く4の重量%
より少ないルッボを用いて製造できるLITa03結晶
の個数はルッボの壁厚にもよるが、それ以下の含有量の
ルツボよりも飛躍的に多いこと、例えばRh含有量1の
重量%のルツボの約4〜6倍であることが第2図からわ
かる。反対に、Rh含有量が4の重量%以上であると、
白金一Rh合金が硬くかつもろくなり、ルッボへの加工
が困難になる。本方法に従って製造されたLITa03
の単結晶は白金−Rhルッボに起因する徴量のRhを含
有すること、及びこのRhが単結晶の特性改善に極めて
有効に作用することが発見された。第1表に単結晶の原
料中、ィンジュームルッボ及び3の重量%のRhを含む
白金(Pt)−Rhルッボを用いて製造した各単結晶中
の不純物含有量を示した。第1表 第1表からわかるように、3の重量%のRhを含むPt
−Rhルッボを用いれば得られた単結晶中にPtが10
0〜300卵皿及びRhが100〜300脚混入される
Rhを2匹重量%より多く40重量%より少ない範囲で
変化させたルッボを用いれば得られた単結晶中に含まれ
るRhは90〜70■血の範囲に入るが、Ptはほとん
ど変化しないことがわかった。Ptは結晶中に金属不純
物として混入され、単結晶の特性に影響を与えないと考
えられる。前記したように、ィリジュームルッボを使用
して不活性雰囲気中で引上げ法により製造した従来のL
ITa03単結晶の転位密度は1×1ぴ〜1×1ぴ個/
めであることが知られている(JoumalofCry
sbigrowth、24−25巻、432〜436頁
1974年)。
これに対して、本発明に従ってPt−Rhルッボを用い
て酸化性雰囲気中で製造したLITa03単結晶の転位
密度は5×1ぴ個/め以下であった。ルッボ中のRh含
有量が増加する程、得られた単結晶の転位密度が減少し
、4の重量%禾満のRh含有量では結晶欠陥の無い単結
晶も得られた。これは結晶中に混入されたRh原子が結
晶に入り込むこと及び酸化性雰囲気中で製造した場合に
は酸素欠陥を低くおさえることができるためであると考
えられる。このように得られるLITaQ単結晶欠陥に
ついて検討しても、Pt一Rhルツボに含まれるRh含
有量は20重量%より多く40重量%より少なくなけれ
ばならない。特に、Rh含有量が4の重量%以上である
と熔融液中に溶け込むRhが多くなる為、単結晶成長の
際には組織的過冷却が起りやすく、従って結晶がセル成
長して結晶性がそこなわれる傾向が大きくなる。更に、
本方法は得られるLITa03単結晶の表面波伝播速度
の温度係数を従来よりも大中に改良する。この性質の改
良は単結晶を弾性表面波装置の基板に適用する場合に極
めて有利である。従来の方法で製造されたLITa03
単結晶の表面波伝播速度の温度係数は単結晶のX軸に対
して9ooの方向で切断した基板で約2鋤肌rCであっ
た。これに対して、3の重量%のRhを含むPt−Rh
ルツボを用いて製造されたLITa03単結晶の表面波
伝播速度の温度係数は同一の条件で測定して約18個/
℃であった。単結晶中に含まれるRhの量にも影響され
るが、2値重量%より多く40重量%より少ないRhを
含むルッボを用いて本方法に従って製造した単結晶はほ
ぼ18帆/℃の表面波伝播速度の温度係数を示すことが
わかった。この表面波−温度特性の約2割の向上はこの
単結晶をカラーテレビジョン用の表面波PIFフィル夕
の基板に適用することを実用上可能にした点で重大な意
義をもつ。次に実施例により本発明のLITa03単結
晶の製造法をさらに詳しく説明する。
調和溶融比(Li/Ta=0.95)になるように、1
08夕のLi2C03と662.8夕のTa205を混
合し、1200℃で5時間焼結した。
得られた暁結物をプレス加工してディスク状に成型する
。この成型した原料をPt−Rhルツボに入れ、高周波
加熱により溶融する。使用したルッボは有底円筒状で直
径8物吻、高さ8仇吻、壁厚1柵であり、7の重量%の
Ptと3の重量%のRhとからなっている。使用した結
晶製造装置の概略的構造を第3図に示した。アルミナ管
よりなる炉体1内にバブルアルミナ(戊bbleaim
i佃)2を介してルツボ3を配置した。原料を高周波加
熱コイル4で約1700午0に加熱して熔融液6とした
後、これを約1650o0に保持する為に炉体1内を適
当な温度勾配に調節した。アルミナホルダ6の先端に取
付けた5肋×5肋×7仇奴の大きさの種結晶7を溶融液
5に接触させ、続いてこれを5肋′hr・の速度で引き
上げた。約8時間後に直径40側、長さ4仇舷のLIT
a03の単結晶8を得た。この単結晶を成長させる間、
炉体1内に1.5〆/minの速度で酸素を流し続けた
。得られた単結晶の重量に相当する上記原料をルッボに
追加して単結晶の製造をくり返した。
同じルッボを使用して同一条件で2の固の単結晶を製造
するまでルッボの変形及び消耗が少なく、修理する必要
がなかった。本発明のLITa03の単結晶の製造方法
は単価が安くしかも耐久性の大きなPt−Rhルツボを
使用するので、従来の方法に比較して経済的にも有利で
ある。
下記第2表に直径8仇咳、高さ8比伽、壁厚1.5肋の
3種のルッボについて経済性を比較した。第2表ルッボ
の経済性 *使用可能回数とは1個のルッボを用いて修理せずに直
径40帆、長さ40肌の単結晶を炉心の構造を変化させ
ずに再現性よく製造できた回数を表わす。
更に、直径80側、高さ8物肋「壁厚1.5肋のルッボ
を修理し、順次交換して使用し、直径4仇舷、長さ4動
物のLITa03単結晶を大量生産した場合、単結晶の
単価を3種のルッボについて比較した結果を第4図に示
す。
第4図からわかるように、3の重量%のRhを含むPt
−Rhルッボを使用する本方法は単結晶の量産コストを
白金ルツボの場合の約1/10に及びlr′レッボの場
合の1/40以下に低減させることができた。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明方法の実施例を説明するためのPt−R
hルツボに含まれるRhの量とこのルッボの融点との関
係を示すグラフ、第2図は本発明方法による実施例の直
径8物舷、高さ8机舷及び壁厚さ2柵のPt−Rhルッ
ボ1個を用いて製造できた直径35側及び長さlow帆
のLITa03単結晶の個数を示すグラフ、第3図は引
上げ法により単結晶を成長させるための結晶製造装置の
概略断面図、第4図はlr′レツボ、Ptルツボ及び3
0重量%のRhを含むPt−Rhルッポを用いてそれぞ
れ単結晶を製造した場合の製造個数に対するLITaQ
単綬晶のコストの関係を示すグラフである。 第1図 第2図 第3図 第4図

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 ルツボにタンタル酸リチウム溶液を収容し、そのタ
    ンタル酸リチウム溶液に種子結晶を接触させ、その種子
    結晶を引上げることによりタンタル酸リチウム単結晶を
    成長させるに際し、前記ルツボとしてロジウムが20重
    量パーセントより多く40重量パーセントより少ない量
    含む白金−ロジウム合金を用いたことを特徴とするタン
    タル酸リチウム単結晶の製造方法。
JP51028173A 1976-03-17 1976-03-17 タンタル酸リチウム単結晶の製造方法 Expired JPS604599B2 (ja)

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