JPH09328400A - タンタル酸リチウム単結晶の製造方法 - Google Patents
タンタル酸リチウム単結晶の製造方法Info
- Publication number
- JPH09328400A JPH09328400A JP16235496A JP16235496A JPH09328400A JP H09328400 A JPH09328400 A JP H09328400A JP 16235496 A JP16235496 A JP 16235496A JP 16235496 A JP16235496 A JP 16235496A JP H09328400 A JPH09328400 A JP H09328400A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- single crystal
- lithium tantalate
- average particle
- producing
- lithium
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【解決手段】 ルツボ内のタンタル酸リチウム単結晶製
造用融液に種子結晶を接触させてタンタル酸リチウム単
結晶をチョクラルスキー法によって製造する方法におい
て、上記融液の原料として、平均粒子径が20μm以下
の炭酸リチウム粉末と平均粒子径が2μm以下の5酸化
タンタル粉末との混合物を加熱処理して得られた平均粒
子径が15μm以上の粒状物を使用することを特徴とす
るタンタル酸リチウム単結晶の製造方法。 【効果】 本発明のタンタル酸リチウム単結晶の製造方
法によれば、単結晶引き上げにおいて歩留まりを向上さ
せることができる。
造用融液に種子結晶を接触させてタンタル酸リチウム単
結晶をチョクラルスキー法によって製造する方法におい
て、上記融液の原料として、平均粒子径が20μm以下
の炭酸リチウム粉末と平均粒子径が2μm以下の5酸化
タンタル粉末との混合物を加熱処理して得られた平均粒
子径が15μm以上の粒状物を使用することを特徴とす
るタンタル酸リチウム単結晶の製造方法。 【効果】 本発明のタンタル酸リチウム単結晶の製造方
法によれば、単結晶引き上げにおいて歩留まりを向上さ
せることができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チョクラルスキー
法によるタンタル酸リチウム単結晶の製造方法に関し、
特に弾性表面波素子に使用されるのに有効なタンタル酸
リチウム単結晶の製造方法に関する。
法によるタンタル酸リチウム単結晶の製造方法に関し、
特に弾性表面波素子に使用されるのに有効なタンタル酸
リチウム単結晶の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】タンタ
ル酸リチウム、ニオブ酸リチウム等の酸化物単結晶はチ
ョクラルスキー法で製造することが一般的に行われてお
り、これは貴金属ルツボの回りを耐火物で囲み、ルツボ
又は耐火物の上にルツボ上部の温度勾配を適切に保つた
めの熱反射の機能を持たせた貴金属構造物を設置する構
造とすることが一般的に行われている。
ル酸リチウム、ニオブ酸リチウム等の酸化物単結晶はチ
ョクラルスキー法で製造することが一般的に行われてお
り、これは貴金属ルツボの回りを耐火物で囲み、ルツボ
又は耐火物の上にルツボ上部の温度勾配を適切に保つた
めの熱反射の機能を持たせた貴金属構造物を設置する構
造とすることが一般的に行われている。
【0003】この場合の原料としては、特公昭60−1
2319号及び特公昭56−19320号公報に示され
ているように (1)炭酸リチウムと5酸化タンタルとを所定の割合で
混ぜた混合物 (2)炭酸リチウムと5酸化タンタルを所定の割合で混
ぜた後、焼結したもの (3)タンタル酸リチウム単結晶塊 (4)特公昭60−12319号公報で開示されている
ような炭酸リチウムと5酸化タンタルとを所定の割合で
混ぜた後、プレスし、焼結した原料 (5)特公昭56−19320号公報で開示されている
ような炭酸リチウムと5酸化タンタルとを所定の割合で
混ぜた後、焼結し、プレスした原料 が用いられている。
2319号及び特公昭56−19320号公報に示され
ているように (1)炭酸リチウムと5酸化タンタルとを所定の割合で
混ぜた混合物 (2)炭酸リチウムと5酸化タンタルを所定の割合で混
ぜた後、焼結したもの (3)タンタル酸リチウム単結晶塊 (4)特公昭60−12319号公報で開示されている
ような炭酸リチウムと5酸化タンタルとを所定の割合で
混ぜた後、プレスし、焼結した原料 (5)特公昭56−19320号公報で開示されている
ような炭酸リチウムと5酸化タンタルとを所定の割合で
混ぜた後、焼結し、プレスした原料 が用いられている。
【0004】しかし、これら原料の内(2),(5)に
ついては、従来の焼結では焼結温度が低く、炭酸リチウ
ムと5酸化タンタルの反応が不十分なために未反応の5
酸化タンタル又は炭酸リチウムが分解した酸化リチウム
が原料中に含まれてしまう。また、(1)の原料につい
ては、加熱過程でこれらの物質が残存したり、生成した
りする。(4)の原料については、焼結温度は1500
℃以上と高温であるが、加圧成形体を加熱するため、成
形体内部で未反応部分が残ってしまう。
ついては、従来の焼結では焼結温度が低く、炭酸リチウ
ムと5酸化タンタルの反応が不十分なために未反応の5
酸化タンタル又は炭酸リチウムが分解した酸化リチウム
が原料中に含まれてしまう。また、(1)の原料につい
ては、加熱過程でこれらの物質が残存したり、生成した
りする。(4)の原料については、焼結温度は1500
℃以上と高温であるが、加圧成形体を加熱するため、成
形体内部で未反応部分が残ってしまう。
【0005】上記未反応の5酸化タンタル、酸化リチウ
ムなどは、原料が溶融した後も何らかの形で融液中に残
存すると考えられ、タンタル酸リチウム単結晶を育成す
るときに一種の“不純物”として振る舞うものと考えら
れる。
ムなどは、原料が溶融した後も何らかの形で融液中に残
存すると考えられ、タンタル酸リチウム単結晶を育成す
るときに一種の“不純物”として振る舞うものと考えら
れる。
【0006】従って、(1),(2),(4),(5)
の形態のものを原料として結晶を製造するときには、原
料中のこれら“不純物”の影響を受け易く、結晶歩留ま
りが悪いという現象が起きる傾向がある。
の形態のものを原料として結晶を製造するときには、原
料中のこれら“不純物”の影響を受け易く、結晶歩留ま
りが悪いという現象が起きる傾向がある。
【0007】これに対し、(3)の単結晶塊はコストが
高く、それのみを用いることは実用的ではない。
高く、それのみを用いることは実用的ではない。
【0008】なお、ここでの歩留まり低下の要因は結晶
成長後半部での局所的なクラックである。
成長後半部での局所的なクラックである。
【0009】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
歩留まりがよく、しかも経済的なタンタル酸リチウム単
結晶の製造方法を提供することを目的とする。
歩留まりがよく、しかも経済的なタンタル酸リチウム単
結晶の製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者らは上記目的を達成するため鋭意検討を行った結
果、ルツボ内のタンタル酸リチウム単結晶製造用融液に
種子結晶を接触させてチョクラルスキー法によりタンタ
ル酸リチウム単結晶を引き上げ、育成するに際し、上記
融液を得る原料として、平均粒子径が20μm以下の炭
酸リチウム粉末と平均粒子径が2μm以下の5酸化タン
タル粉末との混合物を好ましくは1500℃以上で加熱
処理することにより得られた平均粒子径15μm以上の
粒状物を使用することにより、クラックが少なく、高品
質なタンタル酸リチウム単結晶が得られることを知見し
た。
発明者らは上記目的を達成するため鋭意検討を行った結
果、ルツボ内のタンタル酸リチウム単結晶製造用融液に
種子結晶を接触させてチョクラルスキー法によりタンタ
ル酸リチウム単結晶を引き上げ、育成するに際し、上記
融液を得る原料として、平均粒子径が20μm以下の炭
酸リチウム粉末と平均粒子径が2μm以下の5酸化タン
タル粉末との混合物を好ましくは1500℃以上で加熱
処理することにより得られた平均粒子径15μm以上の
粒状物を使用することにより、クラックが少なく、高品
質なタンタル酸リチウム単結晶が得られることを知見し
た。
【0011】すなわち、本発明者らは、原料内に“不純
物”として振る舞う未反応分の5酸化タンタル及び酸化
リチウムが残留しないようにするために、原料の平均粒
子径と脱炭酸並びにタンタル酸リチウムへの反応性を実
験的に求めた結果、炭酸リチウム粉末と5酸化タンタル
粉末の粉末混合体のままで加熱処理を行い、原料の平均
粒子径が15μm以上になればタンタル酸リチウムへの
反応並びに脱炭酸が十分に完了し、“不純物”として振
る舞う未反応分の5酸化タンタル及び酸化リチウムが原
料内に残存していないことを見出し、そのため、“不純
物”が残存しないこの原料を使用することで歩留まり改
善の効果が得られると共に、上記15μm以上の粒状物
は上記加熱温度を1500℃以上とすることにより確実
に得ることができることを見出し、本発明をなすに至っ
たものである。
物”として振る舞う未反応分の5酸化タンタル及び酸化
リチウムが残留しないようにするために、原料の平均粒
子径と脱炭酸並びにタンタル酸リチウムへの反応性を実
験的に求めた結果、炭酸リチウム粉末と5酸化タンタル
粉末の粉末混合体のままで加熱処理を行い、原料の平均
粒子径が15μm以上になればタンタル酸リチウムへの
反応並びに脱炭酸が十分に完了し、“不純物”として振
る舞う未反応分の5酸化タンタル及び酸化リチウムが原
料内に残存していないことを見出し、そのため、“不純
物”が残存しないこの原料を使用することで歩留まり改
善の効果が得られると共に、上記15μm以上の粒状物
は上記加熱温度を1500℃以上とすることにより確実
に得ることができることを見出し、本発明をなすに至っ
たものである。
【0012】従って、本発明は、ルツボ内のタンタル酸
リチウム単結晶製造用融液に種子結晶を接触させてタン
タル酸リチウム単結晶をチョクラルスキー法によって製
造する方法において、上記融液の原料として、平均粒子
径が20μm以下の炭酸リチウム粉末と平均粒子径が2
μm以下の5酸化タンタル粉末との混合物を好ましくは
1500℃の温度で加熱処理して得られた平均粒子径が
15μm以上の粒状物を使用することを特徴とするタン
タル酸リチウム単結晶の製造方法を提供する。
リチウム単結晶製造用融液に種子結晶を接触させてタン
タル酸リチウム単結晶をチョクラルスキー法によって製
造する方法において、上記融液の原料として、平均粒子
径が20μm以下の炭酸リチウム粉末と平均粒子径が2
μm以下の5酸化タンタル粉末との混合物を好ましくは
1500℃の温度で加熱処理して得られた平均粒子径が
15μm以上の粒状物を使用することを特徴とするタン
タル酸リチウム単結晶の製造方法を提供する。
【0013】以下、本発明につき更に詳しく説明する
と、本発明によるタンタル酸リチウム単結晶の製造方法
は、チョクラルスキー法の常法に従って、ルツボ内にタ
ンタル酸リチウム単結晶を製造するための原料を入れ、
これを溶融して融液を得ると共に、この融液に種子結晶
を接触して引き上げ、タンタル酸リチウムを得るもので
あるが、この場合、本発明においては、原料として炭酸
リチウム粉末と5酸化タンタル粉末との混合物をそのま
まで加熱して、得られた15μm以上の粒状物を使用す
るものである。
と、本発明によるタンタル酸リチウム単結晶の製造方法
は、チョクラルスキー法の常法に従って、ルツボ内にタ
ンタル酸リチウム単結晶を製造するための原料を入れ、
これを溶融して融液を得ると共に、この融液に種子結晶
を接触して引き上げ、タンタル酸リチウムを得るもので
あるが、この場合、本発明においては、原料として炭酸
リチウム粉末と5酸化タンタル粉末との混合物をそのま
まで加熱して、得られた15μm以上の粒状物を使用す
るものである。
【0014】ここで、炭酸リチウム粉末としては、平均
粒子径20μm以下、好ましくは10〜20μm、より
好ましくは15〜20μmのものを使用し、5酸化タン
タル粉末としては、平均粒子径2μm以下、好ましくは
0.5〜2μm、更に好ましくは0.5〜1μmのもの
を使用する。これらの粉末の平均粒子径が大きすぎるも
のは、本発明の目的にとって不適当である。
粒子径20μm以下、好ましくは10〜20μm、より
好ましくは15〜20μmのものを使用し、5酸化タン
タル粉末としては、平均粒子径2μm以下、好ましくは
0.5〜2μm、更に好ましくは0.5〜1μmのもの
を使用する。これらの粉末の平均粒子径が大きすぎるも
のは、本発明の目的にとって不適当である。
【0015】また、上記炭酸リチウム粉末と5酸化タン
タル粉末とを混合する場合の混合比は、タンタル酸リチ
ウム単結晶を得るための公知の混合比であり、通常コン
グルエント組成近傍の組成となるように混合される。な
お、混合方法は特に制限されず、両粉末が非加圧下、非
焼結状態下で均一に混合されればよく、その混合状態は
これら粉末の自由流動状態を保持する。
タル粉末とを混合する場合の混合比は、タンタル酸リチ
ウム単結晶を得るための公知の混合比であり、通常コン
グルエント組成近傍の組成となるように混合される。な
お、混合方法は特に制限されず、両粉末が非加圧下、非
焼結状態下で均一に混合されればよく、その混合状態は
これら粉末の自由流動状態を保持する。
【0016】次に、上記粉末混合物は、そのまま加熱処
理し、平均粒子径15μm以上の粒状物を原料として用
いるものである。この場合、上記混合物の加熱処理温度
は1500℃以上、より好ましくは1500〜1600
℃、更に好ましくは1550〜1600℃であることが
好ましく、これによって上述した未反応の5酸化タンタ
ルや酸化リチウムの残存することのない平均粒子径15
μm以上の粒状原料が得られる。即ち、図1は、平均粒
子径15μmの炭酸リチウム粉末と平均粒子径1μmの
5酸化タンタル粉末との混合物〔Li/Ta=0.94
3(モル比)〕の加熱処理温度と得られた粒状物の平均
粒子径との関係を示すグラフであり、平均粒子径15μ
m以上の粒状物を得るための加熱温度は1500℃以上
が好適であることがわかる。
理し、平均粒子径15μm以上の粒状物を原料として用
いるものである。この場合、上記混合物の加熱処理温度
は1500℃以上、より好ましくは1500〜1600
℃、更に好ましくは1550〜1600℃であることが
好ましく、これによって上述した未反応の5酸化タンタ
ルや酸化リチウムの残存することのない平均粒子径15
μm以上の粒状原料が得られる。即ち、図1は、平均粒
子径15μmの炭酸リチウム粉末と平均粒子径1μmの
5酸化タンタル粉末との混合物〔Li/Ta=0.94
3(モル比)〕の加熱処理温度と得られた粒状物の平均
粒子径との関係を示すグラフであり、平均粒子径15μ
m以上の粒状物を得るための加熱温度は1500℃以上
が好適であることがわかる。
【0017】すなわち、図1に示されているように、平
均粒子径は加熱処理温度1500℃以上になると急に大
径となる。これは、炭酸リチウムと5酸化タンタルとの
化学反応が進行してタンタル酸リチウムの結晶化がはじ
まるためであり、1500℃付近から粒成長が活発にな
る。なお、1600℃付近までは歩留まりもよく、結晶
径は大きくなるが、加熱温度が高くなりすぎると融解す
る。また、ここでいう平均粒子径は炭酸リチウムと5酸
化タンタルとの化学反応によって生じたタンタル酸リチ
ウムの大きさ(直径)である。
均粒子径は加熱処理温度1500℃以上になると急に大
径となる。これは、炭酸リチウムと5酸化タンタルとの
化学反応が進行してタンタル酸リチウムの結晶化がはじ
まるためであり、1500℃付近から粒成長が活発にな
る。なお、1600℃付近までは歩留まりもよく、結晶
径は大きくなるが、加熱温度が高くなりすぎると融解す
る。また、ここでいう平均粒子径は炭酸リチウムと5酸
化タンタルとの化学反応によって生じたタンタル酸リチ
ウムの大きさ(直径)である。
【0018】本発明では特公昭60−12319号公報
で開示されているような加圧成形体を加熱処理するので
はなく、混合粉体のまま加熱処理するため酸化リチウム
及び炭酸ガスが原料内に残留するという欠点が解消され
る。なお、平均粒子径が15μm未満の場合、原料内に
“不純物”として未反応5酸化タンタルや酸化リチウム
が残留している場合があり、単結晶の歩留まりを向上さ
せるという本発明の目的を達し得ない。
で開示されているような加圧成形体を加熱処理するので
はなく、混合粉体のまま加熱処理するため酸化リチウム
及び炭酸ガスが原料内に残留するという欠点が解消され
る。なお、平均粒子径が15μm未満の場合、原料内に
“不純物”として未反応5酸化タンタルや酸化リチウム
が残留している場合があり、単結晶の歩留まりを向上さ
せるという本発明の目的を達し得ない。
【0019】上記加熱処理において、加熱処理時間は、
通常5時間以上、好ましくは9時間以上である。また、
加熱処理雰囲気は特に制限されず、通常空気中である。
通常5時間以上、好ましくは9時間以上である。また、
加熱処理雰囲気は特に制限されず、通常空気中である。
【0020】本発明のタンタル酸リチウム単結晶の製造
方法は、その融液原料として上記粒状物を使用する以外
は公知のチョクラルスキー法の操作、条件に従ってタン
タル酸リチウム単結晶を引き上げ、育成することがで
き、得られた単結晶はクラックが少なく、高品質のもの
である。
方法は、その融液原料として上記粒状物を使用する以外
は公知のチョクラルスキー法の操作、条件に従ってタン
タル酸リチウム単結晶を引き上げ、育成することがで
き、得られた単結晶はクラックが少なく、高品質のもの
である。
【0021】
【実施例】以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体
的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるも
のではない。
的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるも
のではない。
【0022】なお、下記の例において、タンタル酸リチ
ウム単結晶の製造装置としては図2に示すものを使用し
た。すなわち、図2は該装置の縦断面図を示したもので
あるが、これはセラミックス製ルツボ台1の底部に設置
されているアルミナ台2の上に設置されたルツボ3を囲
む断熱材4の上に、耐火性アルミナ5を設置し、ルツボ
3又は耐火性アルミナ5の上にドーナツ板状のリフレク
ター6を取り付けると共に、このリフレクター6の上方
に円筒状のアフターヒータ7を取り付けたものであり、
これは加熱コイル8でルツボ3を誘導加熱して原料を融
解してこれを融液9とし、これに種子回転軸10に取り
付けた種子結晶11を浸漬し、これを引き上げて単結晶
12を育成するものである。この場合、図2の装置にお
いては、更に上記アフターヒータ7の上端開放部を覆っ
て中央部及び中心から外れた位置との2箇所にそれぞれ
開口部13a,13bを形成した蓋13を配設すると共
に、これら開口部13a,13bの周縁部に衝立部14
a,14bを突設し、また上記リフレクター6の上下に
それぞれ衝立部15a,15bを突設したものである。
ウム単結晶の製造装置としては図2に示すものを使用し
た。すなわち、図2は該装置の縦断面図を示したもので
あるが、これはセラミックス製ルツボ台1の底部に設置
されているアルミナ台2の上に設置されたルツボ3を囲
む断熱材4の上に、耐火性アルミナ5を設置し、ルツボ
3又は耐火性アルミナ5の上にドーナツ板状のリフレク
ター6を取り付けると共に、このリフレクター6の上方
に円筒状のアフターヒータ7を取り付けたものであり、
これは加熱コイル8でルツボ3を誘導加熱して原料を融
解してこれを融液9とし、これに種子回転軸10に取り
付けた種子結晶11を浸漬し、これを引き上げて単結晶
12を育成するものである。この場合、図2の装置にお
いては、更に上記アフターヒータ7の上端開放部を覆っ
て中央部及び中心から外れた位置との2箇所にそれぞれ
開口部13a,13bを形成した蓋13を配設すると共
に、これら開口部13a,13bの周縁部に衝立部14
a,14bを突設し、また上記リフレクター6の上下に
それぞれ衝立部15a,15bを突設したものである。
【0023】〔実施例、比較例〕直径180mmφ、高
さ180mmのイリジウム製ルツボに外径185mm
φ、内径130mmφ、厚さ2mmのドーナツ板状のイ
リジウム製リフレクターを配置し、更にこの上に直径1
80mmφ、高さ180mmの円筒状のイリジウム製ア
フターヒータを配置し、その上に円盤状の中心部と中心
から外れた位置の両方に2箇所の開口部を持ったイリジ
ウム製の蓋を設置した。
さ180mmのイリジウム製ルツボに外径185mm
φ、内径130mmφ、厚さ2mmのドーナツ板状のイ
リジウム製リフレクターを配置し、更にこの上に直径1
80mmφ、高さ180mmの円筒状のイリジウム製ア
フターヒータを配置し、その上に円盤状の中心部と中心
から外れた位置の両方に2箇所の開口部を持ったイリジ
ウム製の蓋を設置した。
【0024】次に、平均粒子径15μmの炭酸リチウム
粉末と平均粒子径1μmの5酸化タンタル粉末とをLi
/Ta=0.943(モル比)になるように混合したも
のを表1に示す温度で10時間加熱処理し、表1に示す
平均粒子径を有する粒状物を得た。なお、この平均粒子
径は光透過式沈降法による測定値である。
粉末と平均粒子径1μmの5酸化タンタル粉末とをLi
/Ta=0.943(モル比)になるように混合したも
のを表1に示す温度で10時間加熱処理し、表1に示す
平均粒子径を有する粒状物を得た。なお、この平均粒子
径は光透過式沈降法による測定値である。
【0025】上記粒状物のうち平均粒子径が15.7μ
mのもの6500gと結晶塊8500gとの合計150
00gのうち最初に12000gをルツボ内に入れ、追
加チャージで残りの3000gを入れ、溶融後、チョク
ラルスキー法によりX軸方位で4インチ径の重さ105
00gのタンタル酸リチウム単結晶を1本引き上げた結
果、結晶後半部に局所的なクラックは発生しなかった。
mのもの6500gと結晶塊8500gとの合計150
00gのうち最初に12000gをルツボ内に入れ、追
加チャージで残りの3000gを入れ、溶融後、チョク
ラルスキー法によりX軸方位で4インチ径の重さ105
00gのタンタル酸リチウム単結晶を1本引き上げた結
果、結晶後半部に局所的なクラックは発生しなかった。
【0026】更に、ルツボを変えて同様の実験を繰り返
したが、結果として結晶後半部に局所的なクラックは認
められなかった。
したが、結果として結晶後半部に局所的なクラックは認
められなかった。
【0027】次に、他の条件と同じとし、他の平均粒子
径を有する粒状物に代えて実験を継続したところ、表1
に示す結果が得られた。
径を有する粒状物に代えて実験を継続したところ、表1
に示す結果が得られた。
【0028】
【表1】
【0029】
【発明の効果】本発明のタンタル酸リチウム単結晶の製
造方法によれば、単結晶引き上げにおいて歩留まりを向
上させることができる。
造方法によれば、単結晶引き上げにおいて歩留まりを向
上させることができる。
【図1】炭酸リチウムと5酸化タンタルとの粉末混合物
を加熱処理した場合における加熱温度と粒状物の平均粒
子径との関係を示すグラフである。
を加熱処理した場合における加熱温度と粒状物の平均粒
子径との関係を示すグラフである。
【図2】本発明の実施に用いる装置の一例を示す概略断
面図である。
面図である。
1 耐火性ルツボ台 2 アルミナ台 3 ルツボ 4 断熱材 5 耐火性アルミナ 6 リフレクター 7 アフターヒータ 8 加熱コイル 9 融液 10 種子回転軸 11 種子結晶 12 育成結晶 13 蓋 13a,13b 開口部 14a,14b 衝立部 15a,15b 衝立部
Claims (2)
- 【請求項1】 ルツボ内のタンタル酸リチウム単結晶製
造用融液に種子結晶を接触させてタンタル酸リチウム単
結晶をチョクラルスキー法によって製造する方法におい
て、上記融液の原料として、平均粒子径が20μm以下
の炭酸リチウム粉末と平均粒子径が2μm以下の5酸化
タンタル粉末との混合物を加熱処理して得られた平均粒
子径が15μm以上の粒状物を使用することを特徴とす
るタンタル酸リチウム単結晶の製造方法。 - 【請求項2】 上記加熱処理の温度が1500℃以上で
ある請求項1記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16235496A JPH09328400A (ja) | 1996-06-03 | 1996-06-03 | タンタル酸リチウム単結晶の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16235496A JPH09328400A (ja) | 1996-06-03 | 1996-06-03 | タンタル酸リチウム単結晶の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09328400A true JPH09328400A (ja) | 1997-12-22 |
Family
ID=15752976
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16235496A Pending JPH09328400A (ja) | 1996-06-03 | 1996-06-03 | タンタル酸リチウム単結晶の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09328400A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002167299A (ja) * | 2000-11-29 | 2002-06-11 | Hitachi Metals Ltd | 単結晶の育成方法 |
JP2017114725A (ja) * | 2015-12-24 | 2017-06-29 | 住友金属鉱山株式会社 | タンタル酸リチウム単結晶の育成方法 |
CN107201544A (zh) * | 2016-03-16 | 2017-09-26 | 信越化学工业株式会社 | 钽酸锂单晶基板的制造方法 |
-
1996
- 1996-06-03 JP JP16235496A patent/JPH09328400A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002167299A (ja) * | 2000-11-29 | 2002-06-11 | Hitachi Metals Ltd | 単結晶の育成方法 |
JP2017114725A (ja) * | 2015-12-24 | 2017-06-29 | 住友金属鉱山株式会社 | タンタル酸リチウム単結晶の育成方法 |
CN107201544A (zh) * | 2016-03-16 | 2017-09-26 | 信越化学工业株式会社 | 钽酸锂单晶基板的制造方法 |
CN107201544B (zh) * | 2016-03-16 | 2023-03-28 | 信越化学工业株式会社 | 钽酸锂单晶基板的制造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPS61247683A (ja) | 単結晶サフアイヤ引上装置 | |
JPH09328400A (ja) | タンタル酸リチウム単結晶の製造方法 | |
WO1998040544A1 (fr) | Plaque de silicate de lanthane-gallium et procede de fabrication | |
JPH09328394A (ja) | 酸化物単結晶の製造方法 | |
JP2013001581A (ja) | タンタル酸リチウム単結晶の育成方法 | |
JPS63256593A (ja) | 単結晶成長装置 | |
JPH09235190A (ja) | 単結晶の製造装置および製造方法 | |
JP6593157B2 (ja) | タンタル酸リチウム単結晶の育成方法 | |
JPH07330482A (ja) | 単結晶成長方法及び単結晶成長装置 | |
JPH1112091A (ja) | 球状単結晶シリコンの製造方法 | |
JP2002356396A (ja) | ランガサイト型単結晶の作製方法 | |
JP2018100202A (ja) | LiNbO3単結晶の育成方法 | |
RU2108418C1 (ru) | Способ выращивания монокристаллов лантангаллиевого силиката | |
JP3015552B2 (ja) | LiTaO3単結晶材料 | |
JP2686662B2 (ja) | 酸化物単結晶の製造装置 | |
JPH0798715B2 (ja) | シリコン単結晶の製造方法 | |
JPH10338594A (ja) | 引き上げ法による単結晶育成装置 | |
JP3115156B2 (ja) | 単結晶の製造方法 | |
JP3518565B2 (ja) | 多結晶シリコンの融解方法 | |
JP2705832B2 (ja) | 単結晶引き上げ装置 | |
JPH0912399A (ja) | タンタル酸リチウム単結晶の製造方法 | |
JPS6389488A (ja) | 単結晶の製造方法 | |
JPH0142920B2 (ja) | ||
JP3654314B2 (ja) | フラックス法によるAlGaAs単結晶の製造方法およびそれに用いる製造装置 | |
JP4276497B2 (ja) | 単結晶の製造方法及び装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20041125 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050105 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20050803 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |