JPS601413B2 - 強ネン編織物用糸及びその製造方法 - Google Patents

強ネン編織物用糸及びその製造方法

Info

Publication number
JPS601413B2
JPS601413B2 JP8270980A JP8270980A JPS601413B2 JP S601413 B2 JPS601413 B2 JP S601413B2 JP 8270980 A JP8270980 A JP 8270980A JP 8270980 A JP8270980 A JP 8270980A JP S601413 B2 JPS601413 B2 JP S601413B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
yarn
component
melting point
twist
fiber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP8270980A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS5711221A (en
Inventor
逸男 多林
真三 西角
三男 村川
秀康 大河原
悌亮 小嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP8270980A priority Critical patent/JPS601413B2/ja
Publication of JPS5711221A publication Critical patent/JPS5711221A/ja
Publication of JPS601413B2 publication Critical patent/JPS601413B2/ja
Expired legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 〔本発明の技術分野〕 本発明は、強ネン編織物に使用する合成繊維糸条および
その製造方法に関するものである。
更に詳しくは、特定の複合繊維(コンジュゲート繊維)
糸条を利用し、加ョリ加工により品位の優れた、かつ能
率生産性に優れた糸条およびその製造方法を提供する。
〔従来技術とその問題点〕 従来、強ネン編織物はドレープ性、シャリ味、透視性、
外観等のすぐれたものが得られる等の理由から種々の商
品に使用されている。
このような強ネン編織物は、一般にネン糸機により強度
のョリを有した強ネン糸を得て該糸を用いて製編織して
製造されるものであるが、一般にネン糸機による糸加工
は生産性が低くコスト高となり、経済面の問題を数多〈
残している。
しかして、従来から強ネン様糸条を得るべく数多〈の検
討がなされてきている。
たとえば特開昭52−11095y号公報、特開昭52
一5351号公報等で知られているように、仮ョリ加工
において、仮ョリ温度を通常の仮ョリ巻縮糸を得る温度
よりも高めに設定することにより未解ネン部を含む融着
巻縮糸を得る方法、更に糸条の融点近くの温度に仮ョリ
温度を設定することにより巻縮部がほとんど皆無の交互
ョリ仮ョリ加工糸を得る方法、各種、混合係繊維糸の融
点差を利用して融着巻縮糸や交互ョリ巻縮糸を得る方法
、等が提案されている。
しかしながら、未解ネン部を含む融着巻縮糸は巻縮部が
含まれるために、通常の強ネン糸と全く異なった糸構造
を有している。
また、巻縮部がほとんど皆無の交互ョリ仮ョリ加工糸は
、過酷条件下で仮ョリ加工をするため、糸条の大幅な強
伸度低下を一般にきたし、また単繊維相互がほぼ完全に
融着するためにやはり通常の強ネン糸とは全く異なった
糸構造を有している。
また、各種、混合係繊維糸の融点差を利用した融着巻縮
糸や交互ョリ巻縮糸も、糸条の強伸度低下を少なくでき
るものの、部分的に巻縮部が含まれるか、さもなくば単
繊総相互が完全に融着していることに変わりはなく、同
様に通常の強ネン糸とは全く異なった糸構造を有してい
るものである。
すなわち、代表的にはイタリー式ネン糸機で得られる通
常の強ネン糸は、強ネン糸の状態にあってそれぞれの単
繊維相互は単に接触しているのみであり、むろん接着は
皆無の状態にある。
以上のとおり従来例にあっては、実ョリ強ネン法ではコ
ストが高いものとなり、また仮ョリ法においては品質の
優れた糸条を得ることはできなかつた。
更に本発明に最も近い先行技術として本発明者らが既に
出願した特願昭55−81381号(特開昭57−11
22び号公報)の方法がある。
この方法は、仮ョリ加工工程に入る前の段階で糸条に溶
剤を付与し、糸条の一成分が溶剤により流動又は溶解し
ている状態で仮ョリ熱固定するものである。しかしこの
方法は、仮ョリ加工時に溶剤を取り扱うことの困難性、
とりわけ溶剤によって毒性を有するものが多いが、蒸発
したり飛散して作業環境を著しく悪化させる。また溶剤
として水を使用することも可能であるが、乾燥熱量を多
大に与えねばならないという不都合もある。更に先願の
方法により得られた糸条は、接着強度が弱いため未解撚
部分の接着強度が弱いものとなり、強ネン調を発揮させ
るためには禾だ不満足である。また編織物としたときに
斑が出易いという欠点もあった。〔本発明の目的〕 本発明者らは上記のような従来技術における各種の問題
点に鑑み、生産性が良好で、かつ編織物とした場合、シ
ボ質、風合いとも極めて良好なものとし得る強ネン糸様
糸条を得るべく鋭意検討を行なった結果、本発明の強ネ
ン編織物用糸の製造方法に到達したものである。
すなわち本発明は特定の複合繊維(コンジュゲート繊維
)糸条を用い、特定の融着仮ョリ糸とすることにより、
強ネン糸に近似した特性の糸条を能率よくコストを安く
製造すること、およびシボ質、風合等の品質の優れた強
ネン糸様糸条を提供する。
〔本発明の構成〕
本発明は次の構成を有する。
(1)一方向の燃を有する糸条部分が実質的に完全に接
着成分により囲まれてモノフィラメント様の棒状構造を
示す部分と、該棒状構造部分の撚とは反対方向の撚を有
する糸条部分であって糸条そのものは接着成分により各
単糸の少なくとも一部は融着されているが、全体として
はコイル状構造を呈し該コイルの個々のループ間同士は
実質的に独立である部分とからなり、かつ前記棒状構造
部の平均ョリ係数Kが10,000以上であり、更に前
記接着成分は熔解除去し得る成分であることを特徴とす
る強ネン編織物用糸。
(21 最終的に繊維成分として残存し得る熱可塑性合
成繊維成分Aと、最終的には除去される低融点成分Bと
からなる複合繊維であって、かつ前記低融点成分Bが繊
維の表面に実質的に存在する複合繊維糸条を用いて強ネ
ン編織物用糸を製造するに際し、前記複合繊維糸条とし
て成分A:成分Bの重量比が50:50〜90:10の
範囲の糸条を使用し、成分Aが流動・溶解されない温度
以下でかつ成分Bが流動・溶解する温度以上の熱処理、
および撚係数Kが10,000以上、の条件で力ロネン
−熱処理−解ネンの仮ョリ加工工程に供すると共に、仮
撚加撚城に振動作用を付加することを特徴とする強ネン
編織物用糸の製造方法。
まず第1番目の発明について図面を用いて説明する。
第4図は本発明糸である。
本発明糸はS撚糸条部とZ撚糸条部とが糸の長さ方向に
交互に連結している。そしてどちらか一方向の撚を有す
る糸条部分が実質的に完全に接着成分により接着され、
棒状構造を有する。第4図においてはSの部分がかかる
棒状構造部である。前記棒状構造部では、糸条はいって
みればガチガチに一体固定化されているので、撚(仮撚
)構造をしっかりしたものとし、高次加工等においても
撚構造を破壊せずに保持することができる。
そのうえ糊付け等の処理を行なわなくても製線、製織が
可能となる。次に本発明糸においては、糸条の長さ方向
において前記棒状構造部と、次の棒状構造部との間に、
棒状構造部の撚方向と逆の方向の撚を有するコイル状構
造部を有する。
かかるコイル状構造部は、個々のコイル(ループという
)は実質的に独立している。すなわちコイル状構造部に
おいては、構成単繊維の少なくとも一部は融着されてい
るが、糸条としてはまとまった状態でコイルを形成し、
隣同士のコイルは接合されておらず独立を保つ状態にあ
る。前記コイル状構造部は、第4図で示すとZとなる。
そしてかかるコイル状構造部は実ョリ糸風の外観と鱗ネ
ントルクを与え、通常の交互ョリ風の外観を呈さない。
またかかるコイル状構造部は、糸条に伸張力がかかって
もバネの如きクッション効果を呈し、棒状構造部を破壊
させない。次に本発明糸においては、前記棒状構造部の
平均ョリ係数Kが10,000以上であることが必要で
ある。
解ネントルクを大きなものとして、強ネン認のシボを発
現させるためである。かかるョリ係数Kが10,000
未満の値では解ネントルクは大きなものとならない。上
記本発明糸においてはS撚部もZ撚部も接着成分が存在
しているので、編織物を形成後援着成分を除去すること
により、糸条に解ネントルクが発生すると同時に、構成
単繊維間に空隙が多く発生し、絹のセリシンに似た機能
を奏する。
従ってシボ質は良好となり、風合は優れたものとなる。
なお上記において接着成分とは、第2番目の発明で説明
する低融点成分Bと同じであるので後述する。次に第2
番目の発明について述べる。
本発明方法に使用する原糸について第1〜3図を用いて
説明する。
すなわち、融点を異にする熱可塑性重合体、詳しくは、
最終的には完全に除去されることを前提とした低融点成
分B(番号2)と、該低融点成分Bが流動あるいは溶解
を起こす温度にては実質的に流動・溶解を起こさない高
融点繊維成分A(番号1)とを、第1図、第2図、第3
図にモデル例を示した如き断面形態例で複合繊糸して織
条を得、しかる後、好ましくは延伸した該織条に、加ネ
ンー熱処理−解ネンの仮ョリ加工、特に該熱処理温度を
低融点成分Bが流動あるいは溶解を起こす温度以上かつ
高融点繊維成分Aが流動・溶解を実質的に起こさない温
度以下としてなる、仮ョリ加工工程に供し、糸長さ方向
に沿って、仮ョリ刀ロネン方向のョリ構造を有している
とともに高融点繊維成分Aの周囲において最終的には完
全に除去されることを前提とした低融点成分Bが実質的
に融着してなる融着部と、解ネン方向のョリ構造を有す
る実質的非固定融着部とから構成される糸にするもので
ある。第1図、第2図、第3図について更に詳しく説明
をすると、これら図は本発明に用いることのできる複合
繊維の1例を示す断面モデル図であり、第1図は多芯状
に高融点繊維成分A(番号1)が配され、そのまわりに
最終的には完全に除去されることを前提とした低融点成
分B(番号2)が配された一種の芯−鞘構造のものであ
り、第2図は同じく繊維成分A(番号1)と低融点成分
B(番号2)とがバイメタル状に接合されてなるもので
あり、また第3図はY字形状に形成された低融点成分B
(番号2)の扇形空間部に繊維成分A(番号1)が充填
されてなるものである。
これらの各図は、ほんの1例を示したものであり、要は
、最終的には完全に除去されることを前提とした低融点
成分Bと、該成分Bが流動あるいは溶解を起こす温度に
ては実質的に流動・溶解を起こさない高融点繊維成分A
とからなり、少なくとも前者の低融点成分Bが繊維表面
に実質的に存在する複合繊維であればよい。このような
複合繊維からなる糸条は、加ネン−熱処理−解ネンの仮
ョリ加工工程に供される。
第5図は、かかる仮ョリ加工工程の1例を示すものであ
り、上記の如き複合繊維からなる糸条3はフィードロー
ラ4を経て加ネン領域に供給される。5は仮ョリノズル
、6はヒーターであり、該ヒーター6は、低融点成分B
が実質的に流動あるいは溶解する温度以上かつ高融点繊
維成分Aが実質的に流動・溶解されない温度以下にて熱
処理がなされる如く加熱条件等が設定されるものである
仮ョリノズル5における挿入ョリは、ョリ係数Kにして
KZ30000とするのが好ましい。かかる加工系を糸
条3が通過すると、強ネン状態にある糸条の周りにおい
て低融点成分どうしが被覆するように溶融接着し該強ネ
ン状態があたかも“凍結”されるが如くに固定化作用を
受けるのである。引き続いて糸条3は、仮ョリノズル通
過とともに解ネン作用を受けるが、解ネン領域での解ネ
ンは不完全なものとなり、仮ョリ力ロネン方向とは逆方
向のョIJ構造を有する強ネンが糸条に残留されること
になり、かかる仮ョリ加ネン方向と逆方向のョリ構造を
有する部分は、上記の加ネン方向のョリ構造の溶解接着
構造が破壊されないために、糸長さ方向に沿って適宜の
ィンタバルにて、実質上鱗ネン方向のョリ構造を有する
非固定融着部と.して形成されるものである。
しかして、糸長さ方向に沿ってランダムに、仮ョリ刀ロ
ネン方向のョリ構造を有しているとともに高融点繊維成
分Aの周囲において前記低融点成分Bが実質的に融着し
てなる融着部と解ネン方向のョリ構造を有する実質的非
固定融着部とが形成せしめられるものであり、該融着部
は一般に一見モノフイラメント様の棒状構造を示し、該
非固定融着部はコイル状の構造を示すものである。この
コイル状構造を示す部分は、単糸自身はその糸断面構造
において融着しているが、コイル状構造のループどうい
ま実質的には融着をしていないものである。好ましく形
成される本発明方法による糸は、融着部における仮ョリ
加ネン方向のョリ構造と非固定融着部における鱗ネン方
向のョリ構造が、全体で(Sョリ部のSョリ数とZョリ
部のZョリ数の全体で)、平均ョリ係数K≧10000
の高いものであり、かつ実質的に上記2つのョリ構造部
だけから糸が構成せしめられるものである。
ただし、ョリ係数K=T〆6、T:1肌当りのョリ数、 D:糸のデニール数、 である。
好ましくは本発明の方法を実施する上で、また同時に、
上記の如き高い平均ョリ係数を呈する好ましい糸を得る
上で、最終的には完全に除去されることを前提とした低
融点成分Bと、高融点繊維成分Aの使用比率を適宜なも
のにすることは肝要なる点である。
すなわち、本発明者らの知見によれば、高融点繊維成分
Aと低融点成分Bの使用比率は、A:Bの重量比で50
:50〜90:10の範囲が必要であり、中でも80:
20〜70:30前後が効果の点で最も優れている。
低融点成分Bの重量比が50%を越える範囲であると、
加ネン領域において糸長さ方向にほぼ完全に強ネン状態
が“強固に凍結”されてしまが如きになるため全体にモ
ノフィラメソト状の外観を呈する糸条と概してなり、解
ネン領域においての解ネンが全く不完全となり逆ョリ挿
入が不安定となり糸切れ等の不都合が発生しやすく一般
に加工は不能となる。
一方、低融点成分Bの重量比が10%未満であると加ネ
ン領域において強ネン状態の“凍結”が不完全・不十分
なものとなり、この場合、従来方法の1つである前述混
合系繊維糸の融点差を利用して交互ョリ巻縮糸を得る場
合とほぼ同様に、高度のョリ係数を示すSョリ部とZョ
リ部だけからなる糸を得ることは概して困難となるもの
である。
また、本発明の方法を実施する際に、糸の長さ方向に仮
ョリ刀ロネン方向のョリ構造を有する融着部分と解ネン
方向のョリ構造を有する非固定融着部分をランダムによ
り安定して作るために、糸条3とヒーター6との援触を
断続的に行なわしめるよう特に配慮をすることが必要で
ある。かかる断続接触は、第5図に示した如くに糸揺動
装置7に糸条3を係合せしめ、任意の周期で糸条3を揺
動せしめることにより糸長さ方向に対する仮ョリ力ロネ
ン方向のョリ構造を有する融着部分と解ネン方向のョリ
構造を有する非固定融着部分の割合し、を任意にコント
ロールし得るものである。上記のような工程により、安
定な状態で加ネン−熱処理−解ネンの施されてなる糸条
は、第2フィードローラ8に引取られ、ガイド等を経て
ドラム9に巻取られる。
このようにして本発明方法により好ましく得られる糸は
前述の如く、また第4図にモデルを示したように平均ョ
リ係数Kが10,000以上のSョリ構造部とZョリ構
造部とからなるものとなる。
仮ョリ加ネン方向がS方向ならSョリ構造部が融着部、
Zョリ構造部が非固定融着部であり(第4図)、仮ョリ
力ロネン方向がZ方向ならこの逆となる。かかる糸は、
製編織に供され布畠とされた後に低融点成分Bの除去が
なされる。
たとえば、かかる糸をタテ糸、ョコ糸の両方又は片方に
使用し織成後、シボ立て及び中間セットを行なった後、
該低融点成分Bを減量加工等により完全に除去し、糸条
内に含まれる融着構造を完全に取り除くことにより通常
の強ネン糸とほぼ同等の構造をそれぞれ有するSョリ構
造部とZョリ構造部だけから実質的に構成される糸から
なる、風合し、の良好な強ネン織物が得られるのである
。特に、編織物の外観特性をより均一なものにしたい場
合には、第5図に示した如き第2次ヒーター10によっ
て、主として、解ネン方向のョリ構造を有する非固定融
着部に対して再熱固定作用を与えるようにすることによ
り、該非固定融着部分の有するトルクを滅失せしめるこ
とができ、操業性、糸取扱い性を向上せしめ得ることか
ら有効である。
この場合、該第2次ヒーター10の作用により、新たに
融着構造が生ぜしめられても特に差支えないが、一般に
は、そのような新たな融着構造ができる如き高温度に設
定しなくとも、上記の如きトルクの滅失を目的とした第
2次ヒーターでの処理は比較的容易にできるものである
。要は、高融点繊維成分Aと低融点成分Bとを特定条件
で組合せて使用することにより、平均ョリ係数が極めて
高いSョリ構造部とZョリ構造部だけから実質的に構成
される糸、それも布岳にされて後に低融点成分Bが完全
に除去されても上記ョリ構造を実質的に保つような糸を
、加ネンー1次ヒーターによる熱処理−解ネンの仮ョリ
加工にて形成せしめることが本発明において肝要なる点
である。
本発明においては、前述の如く融点の異なる熱可塑性重
合体を特定条件で用いるものであるが、加工性、加工条
件等を併せて考慮すると、本発明者らの知見によれば、
180q0近辺においてボーダーラインを引いて、それ
以下の温度で流動あるいは溶解を起こすか、一方、それ
よりも高い温度で初めて流動・溶解を起こすかで、熱可
塑性重合体の種類・組合せを決めるのが実際的のようで
ある。
すなわち、実際工程としては、180qoより高い温度
にて初めて流動・溶解を起こす熱可塑性合成重合体を高
融点成分とし、18000以下の温度にて流動あるいは
溶解を起こす熱可塑性合成重合体を低融点成分とするの
がよい。かかる組合せの代表例を示すと、ポリエステル
系、ポリアミド系等の、180qCよりも高い温度にて
初めて流動・溶解を起こす通常よく用いられている熱可
塑性合成重合体と、ポリエチレン系(例えば、ポリエチ
レンセバケートの護導体、低圧エチレンの誘導体など)
、ポリスチレン系、ポリエステル系(テレフタル酸とィ
ソフタル酸の比率、PEGの分子量、重量などを変える
ことによって得られる誘導体、例えば、テレフタル酸:
イソフタル酸=2:1、PEGの分子量4,000,、
PEGの成分重量%が45%、又は5−ナトリウムスル
ホイソフタル酸を共重合したポリエステルなど)等の1
80qo以下の熱で流動あるいは熔解を起こす低融点合
成重合体との組合せなどである。以上、本発明を、複合
紡糸されてなる織条使いの場合を主たる例にとり説明し
たが、本発明の目的・効果は、高融点繊維成分Aから構
成される糸条と低融点成分Bから構成される糸条との混
織糸使いの場合でも同様に達成されるものである。
〔本発明の効果〕上記説明した本発明の効果をまとめる
と次のとおりとなる。
まず本発明糸は仮ョリ糸でありながら大きな解ネントル
クを有し、良好なシボを発現する。
この理由は、糸条に与えられる仮ョリトルクを低融点成
分により固定化し、S方向とZ方向の互いに逆方向の実
撚部を交互に、しかもある程度の長さを保持して形成す
るので、低融点成分を除去すると強い解ネントルクを発
生する。また糸条には低融点成分が接着剤として作用し
ているので、構成単繊総のまとまり性がよく、無撚無糊
で製編製織ができる。また低融点成分は最後に除去され
るので、絹のセリシンと同様な効果を奏し、風合は好ま
しいものとなる。また先願発明(椿願昭55一8138
1号)と比較すると、本発明はホットメルト接着である
ので接着強度が高く、高次加工通過性に優れるばかりで
なく、禾解撚部(第4図のSの部分)が固く締つた構造
となり、オーバー解撚部(同図Zの部分)のコイル形状
が大きくなり、各々の長さピッチも短かいものとなるた
め、編織物としたときに斑が出にくし、ものとなる。次
に本発明方法においては、特定の複合繊維(コンジュゲ
ート繊維)糸条を用い、仮ョリ加工法で製造することが
できるため、高能率生産ができ、製造コストを安価にす
ることができる。また本発明方法は溶剤等を用いずホッ
トメルト接着を利用するものであるので、作業環境や労
働安全性を向上することができ、しかも溶剤(水を含む
)蒸発のための熱量を多く与える必要もない。以下、実
施例により本発明の具体的構成・効果について説明をす
る。実施例 1 ポリエステル系合成重合体(合成繊維成分A)とポリス
チレン(低融点成分B)とを複合比(重量比)7:3、
断面を第1図に示したモデル図の如くなるように、デニ
ールはポリスチレン除去後75デニール、36フィラメ
ントになるように複合紡糸し、延伸した後、熱板温度1
5000で、ョリ係数K=35,000、ヒーター長3
0cの、揺動数6回/sec、糸速180m/分で仮ョ
リ加工を施した結果、平均ョリ係数K=19,000の
Sョリ部とZョリ部だけから実質的に構成される第4図
の如き糸を得た。
Sョリ部は融着部、Zョリ部は非固定融着部であった。
すなわち先磯発明(特願昭55−81381号)とほぼ
同一の加工条件で実験を行なったが、本発明はホットメ
ルト接着を使用したため平均ョリ係数Kの大幅に高いも
のを得ることができ、より強撚調の優れたものとするこ
とができた。かかる糸を、タテ糸及びョコ糸に用いて織
成後95℃の熱水でシボ立て処理を行ない、引続き18
0℃の乾熱でセットを行なった後、ポリスチレンをトリ
クレンで処理して除去したところ、風合い、シボ質、外
観ともに良好な強ネン織物を得ることができた。実施例
2 ポリアミド系合成重合体(合成繊維成分A)と変成ポリ
エステル重合体(低融点成分B)とを複合比(重量比)
85:li第3図に示した如き断面形状にて、変成ポリ
エステル除去後140デニール、48フィラメントにな
るよう複合紡糸を行ない、延伸後、該糸条にョリ係数K
=28,000、ヒーター温度140oo、ヒーター長
30肌、糸速210の/分、揺動数10回/secで仮
ョリ加工を施した結果、平均ョリ係数K;23,000
のSョリ部とZョリ部だけから実質的に構成される第4
図の如き糸を得た。
該糸はSョリ部が融着部、Zョリ部が非固定融着部であ
った。
この糸は先願発明のものに比較して平均ョリ係数Kが高
いものとなったばかりでなく、末解撚部(S)は固く締
まり、長さピッチも短かく、斑の少ないものであった。
かかる糸を、20ゲージ、ョコ編機で、インターロック
組織に編成し、引続いて、熱水リラックス処理、引続い
たNaOH3夕/そ水溶液で減量加工を行ない、低融点
成分を完全に除去したところ、風合し、及び外観の極め
て良好なニットジョーゼット編地を得ることができた。
図面の簡単な説明第1図、第2図、第3図はそれぞれ本
発明で用いることのできる複合紙糸されてなる複合繊維
条の断面形態例を示すモデル図であり、第4図は本発明
で得られる糸の構造を示す側面モデル図、第5図は本発
明方法で採用され得る仮ョリ加工工程の1例を示す工程
概略図である。
1:合成繊維成分A、2:低融点成分B、3:糸条、4
:第1フィードローラ、5:仮ョリノズル、6:ヒータ
ー、7:糸揺動装置、8:第2フイードローラ、9:ド
ラム。
第1図 第2図 第3図 第4図 第5図

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 一方向の撚を有する糸条部分が実質的に接着成分に
    より囲まれてモノフイラメント様の棒状構造を示す部分
    と、該棒状構造部分の撚とは反対方向の撚を有する糸条
    部分であって糸条そのものは接着成分により各単糸の少
    なくとも一部は融着されているが、全体としてはコイル
    状構造を呈し該コイルの個々のループ間同士は実質的に
    独立である部分とからなり、かつ前記棒状構造部の平均
    ヨリ係数Kが10,000以上であり、更に前記接着成
    分は溶解除去し得る成分であることを特徴とする強ネン
    編織物用糸。 2 最終的に繊維成分として残存し得る熱可塑性合成繊
    維成分Aと、最終的には除去される低融点成分Bとから
    なる複合繊維であって、かつ前記低融点成分Bが繊維の
    表面に実質的に存在する複合繊維糸条を用いた強ネン編
    織物用糸を製造するに際し、前記複合繊維糸条として成
    分A:成分Bの重量比が50:50〜90:10の範囲
    の糸条を使用し、成分Aが流動・溶解されない温度以下
    でかつ成分Bが流動・溶解する温度以上の熱処理、およ
    び撚係数Kが10,000以上、の条件で加ネン−熱処
    理−解ネンの仮ヨリ加工工程に供すると共に、仮撚加撚
    域に振動作用を付加することを特徴とする強ネン編織物
    用糸の製造方法。
JP8270980A 1980-06-20 1980-06-20 強ネン編織物用糸及びその製造方法 Expired JPS601413B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8270980A JPS601413B2 (ja) 1980-06-20 1980-06-20 強ネン編織物用糸及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8270980A JPS601413B2 (ja) 1980-06-20 1980-06-20 強ネン編織物用糸及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS5711221A JPS5711221A (en) 1982-01-20
JPS601413B2 true JPS601413B2 (ja) 1985-01-14

Family

ID=13781925

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8270980A Expired JPS601413B2 (ja) 1980-06-20 1980-06-20 強ネン編織物用糸及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS601413B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5984329U (ja) * 1982-11-26 1984-06-07 ピ−エス工業株式会社 加湿装置
JPS6029150A (ja) 1983-07-26 1985-02-14 テルモ株式会社 血液採取装置
JPS6375128A (ja) * 1986-09-10 1988-04-05 株式会社クラレ 交互撚膠着仮撚糸及びその製造方法
JPS6375129A (ja) * 1986-09-12 1988-04-05 株式会社クラレ 仮撚交互撚膠着糸
JPS6375131A (ja) * 1986-09-18 1988-04-05 株式会社クラレ 交互撚膠着糸

Also Published As

Publication number Publication date
JPS5711221A (en) 1982-01-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS6253615B2 (ja)
JPS601413B2 (ja) 強ネン編織物用糸及びその製造方法
JPS5928647B2 (ja) 強ネン編織物用糸の製造方法
JPS5928651B2 (ja) ユウチヤクコウゴヨリ イトオヨビ ソノセイゾウホウホウ
JPS59216918A (ja) 捩れを有するポリエステル繊維
JP3989212B2 (ja) 特殊仮撚加工糸及びその製造法並びに織編物
JPS61146829A (ja) 麻調複合加工糸の製造方法
JP2022166370A (ja) ポリエチレンテレフタレート系面ファスナー
JPH0849129A (ja) 特殊複合加工糸及びその製造方法
JPH04333631A (ja) モールヤーンの製造方法
JPS6212329B2 (ja)
JP3234377B2 (ja) 伸縮性ノントルクヤーンの製造方法
JP3410510B2 (ja) ほつれ防止モップコード糸の製造方法
JP2694719B2 (ja) 毛羽を有するポリエステル糸の製造方法
JPS5926535A (ja) 特殊ポリエステル加工糸の製造方法
JPH04214433A (ja) ポリエステル特殊混繊糸
JPH08113870A (ja) 毛羽を有するポリエステル混繊糸からなる布帛の製造方法
JPS5858451B2 (ja) 仮撚交絡糸およびその製造方法
JPS5915533A (ja) スパンライク糸条及びその製造方法
JPH01174630A (ja) 縫糸
JPH02264028A (ja) シボ織物の製造方法
JP2003138437A (ja) 嵩高性、伸縮性に優れたポリ乳酸系仮撚加工糸
JPH0813270A (ja) 特殊混繊糸
JPS597811B2 (ja) クレ−プ織物用紡績糸の製造法
JPS6235492B2 (ja)