JP3234377B2 - 伸縮性ノントルクヤーンの製造方法 - Google Patents

伸縮性ノントルクヤーンの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,実質的にノントルクで
あり,かつ優れた伸縮性を有する伸縮性ノントルクヤー
ンの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】セルロース系フィラメント糸は,ドライ
感,高発色性,吸水性等の特性を有するので,この特性
を生かして衣料分野に幅広く利用されている。しかしな
がら,セルロース系フィラメント糸は強度が弱く,ま
た,製品の寸法安定性が悪い等の欠点がある。
【0003】上記セルロース系フィラメント糸の欠点を
補うため,セルロース系フィラメント糸とポリエステル
フィラメント糸との混繊交絡糸条が実開昭60−140789号
公報で提案されている。しかしながら,この交絡糸条を
構成するポリエステルフィラメント糸は非捲縮糸である
ため,布帛に伸縮性を付与することができなかった。
【0004】セルロース系フィラメント糸使いの布帛に
伸縮性を付与する手段としては,セルロース系フィラ
メント糸とポリエステル仮撚加工糸との混繊交絡加工糸
を使用する,セルロース系フィラメント糸とポリエス
テルフィラメント糸とを同時仮撚加工した糸条を使用す
る,等の方法があるが,これらにより布帛に伸縮性は付
与できるものの,,ともに仮撚加工糸特有の強トル
クが発生するため,製編織工程での作業性が低下し,か
つ特に製編した場合,斜行が生じ,いずれも品質が著し
く低下するという欠点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,上記した欠
点を解消し,セルロース系フィラメント糸の特性を失わ
ず,しかもトルクを有しない捲縮を発現させて,この糸
条を使用した布帛に優れた伸縮性を付与することができ
る伸縮性ノントルクヤーンの製造方法を提供することを
技術的な課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは,上記の課
題を解決するために鋭意検討した結果,セルロース系フ
ィラメント糸とポリエステル系潜在捲縮性複合フィラメ
ント糸とを混繊交絡処理し, 次いで弛緩状態で熱処理を
施せば,前記複合フィラメントに内在していた潜在捲縮
が発現して伸縮性が付与され,しかも得られた加工糸
は,捲縮を有しているにもかかわらず実質的にノントル
クであるため,製編織工程での作業性が向上し,かつ編
物にしても斜行等のない品質の優れた布帛が得られるこ
とを知見して本発明に到達した。
【0007】すなわち,本発明は,沸水処理後の捲縮率
が50%以上となるポリエステル系潜在捲縮性複合フィラ
メント糸とセルロース系フィラメント糸とを混繊交絡処
理し,引き続いて弛緩熱処理を施すことを特徴とする伸
縮性ノントルクヤーンの製造方法を要旨とするものであ
る。
【0008】なお,本発明でいう沸水処理後の捲縮率と
は,次の方法で求めるものである。すなわち,検尺機で5
回綛取りした複合フィラメント糸を二重にして,1/6000
(g/d)の荷重下でスタンドに吊り,30分間放置後,この
状態を維持したまま沸水中に入れ,30分間放置する。そ
の後,30分間風乾して,1/500(g/d)の荷重をかけて長さ
(a) を測定する。次に,荷重を外し,1/20(g/d)の荷重
をかけてその長さ (b)を測定する。そして,次式より
算出するものである。 捲縮率(%)=〔(b−a)/b〕×100
【0009】次に,トルク(T/M)は,次の方法で測
定されるものである。まず,試料が旋回しないように1/
30(g/d) の荷重をかけ,試料長 200cmを採取する。次
に,採取した試料の両端間の距離を2cmにしてほぼ平行
に把持し,中心部(100cmの所)に1/300(g/d)の荷重をか
けてV字型とし,V字型下部をフリー状態にする。この
とき,試料の残留トルクによる旋回が発生するが,その
旋回が静止するまで放置する。旋回が静止した後,その
旋回数を検撚機を用いて測定し,この測定により得られ
た値をトルク数とする。本発明でいうノントルクとは,
5T/M以下のトルク数をいう。
【0010】以下,本発明について詳細に説明する。
【0011】本発明は,ポリエステル系潜在捲縮性複合
フィラメント糸(以下,複合フィラメント糸という。)
とセルロース系フィラメント糸を混繊交絡処理した後,
引き続いて弛緩熱処理を施し,伸縮性ノントルクヤーン
とするものである。
【0012】ここで重要なポイントとなるのは,まず,
本発明における供給糸条として, セルロース系フィラメ
ント糸とともに沸水処理後の捲縮率が50%以上となる複
合フィラメント糸を用いることである。さらに詳しく述
べると,沸水処理後の捲縮率が50%以上となる複合フィ
ラメント糸を用いることにより,次工程での弛緩熱処理
によってトルクを有しない捲縮を発現させ,糸条に伸縮
性を付与することができるからである。この複合フィラ
メント糸の沸水処理後の捲縮率が50%未満では,弛緩熱
処理を施しても捲縮の発現力が乏しく,糸条に十分な伸
縮性を付与することができない。
【0013】本発明では,混繊交絡処理後の糸条に弛緩
状態で熱処理を施し,複合フィラメント糸に均等な熱を
付与して捲縮を均一に発現させ, 糸条に伸縮性を付与す
る。この弛緩熱処理により,複合フィラメント糸の捲縮
発現による伸縮性付与と同時に,複合フィラメント糸と
セルロース系フィラメント糸との沸水収縮率差の発現に
よる糸長差が糸条の長手方向に均等に発現し,低熱収縮
性のセルロース系フィラメント糸が糸条表面に浮き出て
糸条全体がうねり状に収縮し,伸縮性を有する嵩高な糸
条形態となる。複合フィラメント糸とセルロース系フィ
ラメント糸を混繊交絡処理した糸条を, 弛緩熱処理する
ことなくそのまま用いて製編織し, 染色等の熱処理時に
複合フィラメント糸の捲縮を発現させることもできる
が,この場合には,編織の組織に拘束されて捲縮発現が
不充分となり,布帛に十分な伸縮性を付与することはで
きない。
【0014】本発明に用いる複合フィラメント糸は,潜
在捲縮性を有するポリエステル系複合フィラメント糸で
あれば特に限定されるものではなく,例えば,熱収縮特
性の異なる2種のポリエステル成分をサイドバイサイド
型に接合した潜在捲縮性複合フィラメント糸が好ましく
用いられる。また,セルロース系フィラメント糸は,ビ
スコース法や銅アンモニア法で得られる再生セルロース
繊維,溶剤紡糸法で得られるセルロース繊維のいずれで
もよい。
【0015】さらに,混繊交絡処理を施す流体攪乱ノズ
ルとしては,ループ毛羽と交絡を同時に付与し得る,例
えばタスランノズルや,交絡のみを付与し得る,例えば
インターレースノズル等を使用することができる。
【0016】混繊交絡処理時の糸条のオーバーフィード
率は,特に限定されるものではないが,セルロース系フ
ィラメント糸のオーバーフィード率を複合フィラメント
糸のそれと同一もしくは大きくした方が,セルロース系
フィラメント糸の特性であるドライ感,高発色性等が強
調される点から好ましい。
【0017】次に,弛緩熱処理時の弛緩率(糸条のオー
バーフィード率)と熱処理温度は,糸条の供給速度によ
って適宜選定する必要があり,その場合,弛緩率は,糸
条が弛まない範囲で高オーバーフィード率にするのが好
ましく,また,熱処理温度についても,糸条が融着を起
こさない範囲で高温度にするのが好ましい。
【0018】また,弛緩熱処理を施す加熱装置は,特に
限定されるものではないが,個々のフィラメント糸に均
等な熱作用が付与される中空ヒータ(非接触式)が好ま
しく用いられる。
【0019】本発明で得られる伸縮性ノントルクヤーン
は,次のような特長を有している。 実質的にトルクがないため,解舒性や製編織性等の工
程通過性に優れ,生産性が向上し,特に編物にした場
合,斜行することもなく,品質の安定した布帛を効率よ
く生産することが可能となる。
【0020】加工糸の段階で複合フィラメント糸の捲
縮が発現するため,布帛に十分な伸縮性を付与でき,機
能性に富んだ着心地のよい布帛を得ることができる。
【0021】複合フィラメント糸の捲縮発現により,
低熱収縮性のセルロース系フィラメント糸が糸条表面に
浮き出た糸条形態となるため嵩高性が増大し,セルロー
ス系フィラメント糸の特性であるドライ感,高発色性等
が強調されたボリューム感を有する布帛を得ることがで
きる。
【0022】捲縮のない糸条を製編すると,製編時の
張力変動が敏感に編地表面に現れ,緯段となって製品品
位を低下させるが,本発明によって得られる糸条は,捲
縮を有しているため,製編時の張力変動が捲縮により吸
収され,安定した美しい製品表面を得ることができる。
【0023】次に,本発明の一実施態様を図面により説
明する。
【0024】図1において,複合フィラメント糸Y1
セルロース系フィラメント糸Y2 は,それぞれフィード
ローラ1, 2から流体攪乱ノズル3へ供給され,圧縮流
体噴射によって混繊交絡処理が施された後,第1デリベ
リローラ4により弛緩熱処理域に導かれる。引き続き,
混繊交絡処理後の糸条は,加熱装置5によって弛緩状態
で熱処理が施され,次いで,第2デリベリローラ6を経
て捲取ローラ7によってパッケージ8に捲き取られる。
【0025】
【実施例】次に,本発明を実施例により具体的に説明す
る。なお,実施例中における極限粘度〔η〕は,フェノ
ールと四塩化エタンとの等重量混合溶媒を用い,温度20
℃で測定した。
【0026】実施例1 イソフタル酸8モル%と2,2−ビス〔4−(2−ヒドロ
キシエトキシ)フェニル〕プロパン5モル%を共重合し
た極限粘度〔η〕0.63のポリエチレンテレフタレートを
第1成分,極限粘度〔η〕0.53のポリエチレンテレフタ
レートを第2成分として複合紡糸,延伸して得た沸水処
理後の捲縮率が69%となるサイドバイサイド型の複合フ
ィラメント糸(50d/12f)とビスコース法で得た75d
/30fの再生セルロース(レーヨン)フィラメント糸と
を用い,図1の工程に従い,表1に示す条件で伸縮性ノ
ントルクヤーンを製造した。
【0027】比較例1 実施例1と同じ供給糸を用い,表1に示す条件下で混繊
交絡処理のみを施した混繊交絡糸を製造した。
【0028】比較例2 複合フィラメント糸の代わりに50d/12fのポリエチレ
ンテレフタレート延伸糸を用いて,図1の工程に従い,
表1に示す条件下で混繊交絡糸を製造した。
【0029】比較例3 複合フィラメント糸の代わりに50d/12fのポリエステ
ル仮撚加工糸を用いて,図1の工程に従い,表1に示す
条件下で混繊交絡糸を製造した。
【0030】実施例1及び比較例1〜3で得られた混繊
交絡糸のみを用いて天竺を製編した後,通常の染色加工
を施した。表1に混繊交絡糸の加工条件と得られた編物
の評価結果を示す。
【0031】
【表1】
【0032】表1から明らかなように,実施例1で得ら
れた伸縮性ノントルクヤーン使いの編物は,セルロース
の特性を失わず,かつ伸縮性に優れ,斜行のない品質の
安定した布帛であった。
【0033】一方,比較例1で得られた編物は,潜在捲
縮性複合フィラメント糸を複合した混繊糸であるが,組
織点で糸条が拘束されているため,染色工程での受熱で
は捲縮発現が制約され,伸縮性の不足した布帛であっ
た。
【0034】また,比較例2で得られた編物は,捲縮の
発現がないため伸縮性が付与されず,機能性に欠けるも
のであった。
【0035】さらに,比較例3で得られた編物は,強ト
ルクを有した混繊交絡糸を用いているため,伸縮性は有
するものの,強い斜行が発生し,品質の劣る布帛であっ
た。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば,混繊交絡処理した後の
弛緩熱処理によって潜在捲縮性複合フィラメント糸の捲
縮が均一に発現し,この捲縮によって,この糸条を製編
織して得られる布帛に伸縮性を付与することができる。
また,本発明で得られる伸縮性ノントルクヤーンは,実
質的にノントルクであるため,解舒性や製編織工程での
トラブルの発生がなく,工程通過性に優れ,特に編物に
した場合,斜行することもなく,これを用いれば,高品
質の布帛を効率よく生産することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様を示す概略工程図である。
【符号の説明】
1 複合フィラメント糸 Y2 セルロース系フィラメント糸 1,2 フィードローラ 3 流体攪乱ノズル 4 第1デリベリローラ 5 加熱装置 6 第2デリベリローラ 7 捲取ローラ 8 パッケージ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI D02G 3/24 D02G 3/24 D02J 1/00 D02J 1/00 R (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D02J 1/00,1/12 D02G 3/22 - 3/24 D02G 3/04 D02G 1/18 D01F 8/14

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 沸水処理後の捲縮率が50%以上となる
    ポリエステル系潜在捲縮性複合フィラメント糸とセルロ
    ース系フィラメント糸とを混繊交絡処理し,引き続いて
    弛緩熱処理を施すことを特徴とする伸縮性ノントルクヤ
    ーンの製造方法。
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