JPS60133027A - 導電性有機重合体の製造方法 - Google Patents

導電性有機重合体の製造方法

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JPS60133027A
JPS60133027A JP24274383A JP24274383A JPS60133027A JP S60133027 A JPS60133027 A JP S60133027A JP 24274383 A JP24274383 A JP 24274383A JP 24274383 A JP24274383 A JP 24274383A JP S60133027 A JPS60133027 A JP S60133027A
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oxidized
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田村 正平
Masao Abe
正男 阿部
Sadamitsu Sasaki
佐々木 貞光
Takashi Ichinose
一瀬 尚
Keishi Yumoto
湯本 恵視
Jun Nakazawa
中沢 準
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、高導電性有機重合体の製造方法に関する。
殆どの有機物質は電気的に絶縁性であるが、しかし、有
機半導体として知られる導電性を有する有機重合体の一
群が近年、注目を集めている。一般にそれ自体が導電性
である有機物質は3種類に分類される。第1はグラファ
イトである。グラファイトは厳密には有機物質とはみな
されていないが、有機共役系の極限構造を有するとみる
こともできる。このグラファイトはそれ自体で既にかな
り高い導電性を有するが、これに種々の化合物をインタ
ーカレートすることにより、一層高い導電性を有せしめ
ることができ、遂には超電導体となる。しかし、グラフ
ァイトは二次元性が強く、成形加工が困難であるので、
その応用面において障害となっている。
第2は電荷移動錯体であって、例えば、テトラチアフル
バレンとテトラシアノキノジメタンをそれぞれ電子供与
体及び電子受容体として得られる結晶性物質は、室温で
400〜500S/cmという非常に大きい電導性を有
するが、このような電荷移動錯体は重合体でないために
、実用的な応用を図るにはグラファイトと同様に成形加
工性に難点がある。
第3はポリアセチレンによって代表されるように、ドー
ピングによって高導電性を有するに至るπ電子共役系有
機重合体である。ドーピング前の=5 ポリアセチレンの電導度は、トランス型が10S / 
cm、シス型が10−9S / cmであり、半導体乃
至絶縁体に近い性質ををしている。しかし、このような
ポリアセチレンに五フッ化ヒ素、ヨウ素、三酸化イオウ
、塩化第二鉄等のような電子受容性化合物或いはアルカ
リ金属のような電子供与性化合物をドーピングすること
により、それぞれp型半導体及びn型半導体を形成させ
ることができ、更には10”S/amもの導体レールの
高い導電性を与えることもできる。上記ポリアセチレン
は理論的には興味深い導電性有機重合体であるが、反面
、ポリアセチレンは極めて酸化を受けやすく、空気中で
容易に酸化劣化して性質が大幅に変化す−る。ドーピン
グされた状態では一層酸化に対して敏感であり、空気中
の僅かな湿気によっても電導度が急激に減少する。この
傾向はn型半導体に特に著しい。
また、ポリ (p−フェニレン)やポリ (p−フェニ
レンサルファイド)もl・−ピング前はその電−9−+
6 導度がそれぞれ10 37cm及び10 37cmであ
るが、例えば前記した五フッ化ヒ素をドーピングするこ
とにより、それぞれ電導度は5005/cm及び1s/
cmである導電性有機重合体とすることができる。これ
らのF−ピングされた有tMlfi合体の電気的性質も
程度の差こそあれ、やはり不安定である。
このようにドーピングされた導電性有機重合体の電気的
性質が一般に環境に対して非富に不安定であることは、
この種の導電性有機重合体に共通する現象であって、こ
れらの実用的な応用の障害となっている。
以上のように、従来より種々の有機導電性物質が知られ
ているが、その実用的な応用を展開する観点からは成形
加工性にすぐれる重合体形態が好ましい。
一方、酸化染料としてのアニリンの酸化重合体に関する
研究も、アニリンブラックに関連して古くより行なわれ
ている。特に、アニリンブラック生成の中間体として、
式(I)で表わされるアニリンの8量体がエメラルデイ
ン(emeraldine)として俺君忍されており 
(八、 G、 Green et al、、 J。
Chem、 Soc、、97.2388 (1910)
 ; 101 、1117(1912))、これは80
%酢酸、冷ピリジン及びN、N−ジメチルホルムアミド
に可溶性である。また、このエメラルデインはアンモニ
ア性媒体中で酸化されて、式(II)で表わされるニグ
ラニリン(nigraniline )を生成し、これ
もエメラルデインと類似した溶解特性を有することが知
られている。
更に、近年になって、R,Buvetらによってこのエ
メラルデインの硫酸塩が高い導電性を有することが見い
出されている(J、 Polymer Sci、、 C
+ 16+2931 、2943 (1967) ;廻
、 1187 (1969) )。
本発明者らは、安定で高導電性を有する有機材料、特に
、導電性有機重合体を得るために、アニリンの酸化重合
に関する研究を鋭意重ねた結果、アニリンの酸化重合の
反応条件を選択することにより、上記エメラルデインよ
りも遥かに高分子量を有し、且つ、既にその酸化重合段
階でF−ピングされているために、新たなドーピング1
桑作を要せずして安定で且つ高導電性を有するアニリン
酸化重合体を得ることができることを見出したが、更に
、鋭意研究した結果、この重合体を還元した後、アクセ
プターとして有効な酸化剤にて再酸化すると共にドーピ
ングすることにより、導電性が一層高い重合体を得るこ
とができることを見出して本発明に至ったものである。
本発明による導電性有機重合体の製造方法は、アニリン
又はアニリン水溶性塩をプロトン酸含有反応媒体中で酸
化剤により酸化重合さ−Uて得られ、この酸化重合時に
プロトン酸がドーピングされて6 いる電導度がIO3/cm以上である高分子量重合体で
あって、濃硫酸の0.5g/dlVg液が30℃におい
て0.10以上の対数粘度を有するアニリン酸化重合体
を還元した後、アクセプターとして有効な酸化剤により
酸化すると共に卜”−ピングすることを特徴とする。
本発明の方法において用いる上記アニリン酸化重合体は
、アニリン又はアニリン水溶性塩をプロトン酸と酸化剤
とを含有する反応媒体中で酸化重合させて得られる重合
体である。
アニリン水溶性塩としては、通常、塩酸、硫酸等の鉱酸
塩が好適であるが、これらに限定されるものではない。
また、酸化剤も特に制限されるものではないが、酸化ク
ロム([V)や、化クロム酸カリウム、重クロム酸ナト
リウム等の重クロム酸塩が好適であり、特に、重クロム
酸カリウムが最適である。しかし、クロム酸、クロム酸
塩、酢酸クロミル等のクロム系酸化剤や過マンガン酸カ
リウムのようなマンガン系酸化剤も必要に応じて用いる
ことができる。また、プロトン酸としては、硫酸、塩酸
、臭化水素酸、テI−ラフロオロホウ酸(HBF4)、
ヘキサフルオロリンM (HP F6)等が用いられる
が、特に硫酸が好適である。アニリン水溶性塩を形成す
るために鉱酸を用いるとき、この鉱酸は上記プロトン酸
と同じでも、異なってもよい。
反応媒体としては水、水混和性有機溶剤及び水非混和性
有tall溶剤の1種又は2種以上の混合物を用いるこ
とができるが、アニリン水溶性塩が用いられるときは、
反応媒体には、通常、アニリン水溶性塩を熔解する水、
水混和性有機溶剤又はこれらの混合物が用いられ、また
、アニリン自体が用いられるときは、反応媒体としては
、アニリンを溶解する水混和性有機溶剤又は水非混和性
有機溶剤が用いられる。尚、上記有機溶剤はいずれも用
いる酸化剤によって酸化されないことが必要である。例
えば、水混和性有機溶剤としては、アセトン、テトラヒ
ドロフラン、酢酸等のケトン類、エーテル類又はを機酸
類が用いられ、また、水非混和性有ta 9g剤として
は四塩化炭素、炭化水素等が用いられる。
特に本発明において好ましく用いることができるアニリ
ン酸化重合体は、アニリン又はアニリン水溶性塩をプロ
トン酸含有反応媒体中で酸化剤で酸化重合さ一仕てアニ
リン酸化重合体を製造するに際して、上記酸化剤を含む
反応媒体におけるプロトン酸/重クロム酸カリウムモル
比を1.2以上とすることによって得られ、電導度がl
 (l S / c+n以上、好ましくは1O−3S/
cIIIツ上であり、濃硫−酸の0.5g/dl溶液が
30℃において0.10以上、好ましくは0.2〜0.
6の対数粘度を有する重合体である。
反応温度は溶剤の沸点以下でれば特に制限されないが、
反応温度が高温になるほど、得られる酸化重合体の導電
性が小さくなる傾向があるので、高い導電性を有する重
合体を得る観点からは常温以下が好ましい。
上記の方法においては、好ましくは、アニリンの有機溶
液又はアニリン水溶性塩の水溶液中に攪拌下にプロトン
酸酸性の酸化剤水溶液を滴下し、又は一括添加して反応
を行なわせる。通常、数分程度の誘導期間を経た後、直
ちに重合体が析出する。このように反応は直ちに終了す
るが、通常、そ゛の後数分乃至数時間、熟成のために攪
拌する。
次いで、反応混合物を大量の水中又は有機溶剤中に投入
し、重合体を濾別し、濾液が中性になるまで水洗した後
、アセトン等の有機溶剤にてこれが着色しなくなるまで
洗滌し、真空乾燥して、アニリン酸化重合体を得る。
上記の方法において、得られるアニリン酸化重合体の導
電性は、アニリンの酸化重合が行なわれるプロトン酸と
酸化剤とを含有する反応媒体の組成に密接に関連してお
り、高導電性のアニリン酸化重合体を得るためには、上
記反応媒体の組成を最適に選択することが必要であり、
電導度が1O−6S / cm以上の高導電性の重合体
を得るためには、反応の行なわれる反応媒体におけるプ
ロトン酸/重クロム酸カリウムモル比を1.2、好まし
くは2以上とすることが必要である。通常、このような
3 条件下での酸化重合によって電導度が10〜10’ 3
7cmであるアニリン酸化重合体を得ることができる。
尚、前記のように、アニリンの有機溶液又はアニリン水
溶性塩の水溶液にプロトン酸酸性の酸化剤水溶液を添加
して反応を行なわせる場合、酸化剤水溶液におけるプロ
トン酸の濃度は特に制限されるものではないが、J當、
1〜IONの範囲である。
上記のように、アニリンの酸化重合が行なわれる反応媒
体中におけるプロトン酸/重クロム酸カリウムモル比が
一定であれば、得られるアニリン酸化重合体の導電性は
実質的に同じである。他方、アニリンに対する重クロム
酸カリウムの鼠は、得られる重合体の収率を決定する。
しかし、重合体の導電性は、用いる重クロム酸カリウム
の量によっては実質的に影響を受けない。従って、所定
のプロトン酸/重クロム酸カリウムモル比の酸化剤水溶
液を用い、且つ、重クロム酸カリウムをアニリンに対し
て当量若しくはそれ以上用いるとき、所定の導電性を有
するアニリン酸化重合体をほぼ定量的に得ることができ
る。
以上のようにして得られるアニリン酸化重合体は、水及
び殆どの有機溶剤に不溶性であるが、通常、濃硫酸に僅
かに溶解し、又は熔解する部分を含む。濃硫酸への溶解
性は、重合体を生成させるための反応条件によっても異
なるが、通常、0.2〜10重四%の範囲であり、殆ど
の場合、0.25〜5重量%の範囲である。但し、この
溶解度は特に高分子量の重合体の場合には、重合体が上
記範囲の溶解度を有する部分を含むとして理解されるべ
きである。
また、」上記アニリン酸化重合体は、濃硫酸の0゜5g
/dli液が30゛Cにおいてo、 i〜1.0の範囲
の対数粘度を有し、殆どの場合、0.2〜0.6である
。この場合においても、特に高分子量の重合体の場合に
は、濃硫酸に可溶性の部分が上記範囲の対数粘度を有す
るとして理解されるべきである。
前記したように、エメラルデインが80%酢酸、冷ピリ
ジン及びN、N−ジメチルホルムアミドに可溶性である
のと著しい対照をなし、また、本発明による重合体の濃
硫酸溶液の粘度も同じ条件下にエメラルデインやアニリ
ンブラックに比べて非常に大きい値を示し、これらによ
って本発明による重合体が高分子量重合体であることが
示される。
更に、示差熱分析結果も本発明による重合体が高分子量
重合体であることを示している。
このようなアニリン酸化重合体の構造は未だ確 。
定されていないが、赤外線吸収スペクトルはエメラルデ
インのそれに類似する一方、高分子量であると共に高導
電性を有するので、アニリンが頭尾結合で連続して重合
体鎖を形成する次式のような実質的に線状のπ電子共役
糸車合体であるとみら(Ill) また、アニリン酸化重合体は高導電性を有するが、アン
モニアで補償することによって導電性が大幅に減少し、
再度硫酸でドーピングすることにより当初の高導電性を
回復することから、既にその酸化重合の段階でプロトン
酸によりドーピングされていることが確認される。また
、重合体をアンモニアで補償した後、再度硫酸で1・−
ピンクした重合体の赤外線吸収スペクトルは、アンモニ
ア補償前の重合体のそれと完全に一致することがらも、
本発明による重合体がプロトン酸によりドーピングされ
ていることが確認される。更に、このように、上記重合
体がアンモニアで補償される事実及び熱起電力の符号か
ら、この重合体はp型である。
以上のようなアニリン酸化重合体は、その重合段階で既
にプロトン酸によってドーピングされているために、新
たなドーピング処理を要せずして高導電性を育し、しか
も、長期間にわたって空気中に放置しても、その導電性
は何ら変化せず、従来より知られているドーピングした
導電性有機重合体に比較して、特異的に高い安定性を有
しており、乾燥した粉末状態で通常、緑色乃至黒縁色を
呈し、一般に導電性が高いほど、鮮やかな緑色を呈して
いる。しかし、加圧成形した成形物は、通常、光沢のあ
る青色を示す。
本発明によれば、上記アニリン酸化重合体を化学的に再
処理することにより、その導電性を一層高めることがで
きる。即ち、上記のようにして得られたアニリン酸化重
合体を還元した後、アクセプターとして有効な酸化剤に
より酸化すると共にドーピングするのである。
本発明の方法においては、アニリン酸化11合体を還元
するに先立って、この重合体を塩基により補償するのが
好ましい。
この補償に使用する塩基としては、゛rンモニア水や炭
酸水素すトリウム等の無機塩基、I・リエナルアミン等
の低級脂肪族アミンのような有機塩基を用いることがで
きるが、好ましくはアンモニア水が用いられる。かかる
塩基によりアニリン酸化重合体を補償するには、何ら限
定されるものではないが、例えば、これら塩基の0. 
I N以上の〆8液中に重合体粉末を添加し、攪拌すれ
ばよい。補償反応に要する反応時間は数分乃至数時間で
あるが、通常、30分程度でよい。この後、重合体を濾
別し、乾燥することにより、通常、赤紫色の重合体を得
る。
次いで、このように補償された重合体は還元剤で還元さ
れる。その方法は特に制限されないが、通常、還元剤の
溶液に重合体粉末を懸濁させつつ、攪拌すればよい。還
元剤としては、ヒドラジン、抱水ヒドラジン、フェニル
ヒドラジン等のヒドラジン類、水素化リチウムアルミニ
ウム、水素化ホウ素ナトリウム等の水素化金属類等を用
いることができるが、水素化金属は一般に溶剤に不溶性
であって、還元効率に劣るので、好ましくは溶剤に溶解
するヒドラジン類、特にフェニルヒドラジンが好ましく
用いられる。
還元剤は、好ましくは重合体の含む窒素原子に対して当
量の水素を与える量以上、通常は、重合体の含む窒素原
子の1.5〜3倍当量であるように使用されるが、しか
し、これに限定されるものではない。この還元反応に要
する時間は、通常、数十分乃至数時間であり、多くの場
合、1時間反応させればよい。還元は室温で十分速やか
に進行するので、特に加熱を要しないが、必要に応じて
加熱下に還元反応を行なってもよいのは勿論である。
還元反応終了後、重合体粉末を濾別し、反応溶剤と同種
の溶剤で洗滌し、還元剤を除去した後に室温で乾燥させ
る。このようにして得られる還元重合体は、通常、灰色
を呈しており、非電に酸化されやすい特徴を有する。
この後、上記還元重合体は再酸化されると共に、ドーピ
ングされる。この1・−ピングに用いられるドーパント
は、還元された重合体を再酸化するに足る酸化力を有す
ると共に、ドーパントとじて自効な電子受容性試薬、即
ち、アクセプターとしての機能を有することが必要であ
るが、前記したように、還元された重合体は酸化に敏感
であり、空気中の酸素によってさえ酸化されるので、ド
ーパントとして要求される酸化力は小さくてよい。
従って、ドーパントとしては種々のものを用いることが
できるが、例えば、ヨウ素、臭素、塩素等のハロゲン、
五フフ化アンチモン、三塩化ホウ素、三塩化ホウ素、塩
化第二鉄、塩化第二スズ、塩化第二スズ、四塩化チタン
、塩化、コハル用・、塩化亜鉛等の無水物であるルイス
酸、硫酸、塩酸、硝酸、過塩素酸、ホウフッ化水素酸、
トリフルオロ酢酸等のプロトン酸及び三酸化イオウが好
適である。
還元された重合体のドーピングは、ドーパントの種類に
よって気相又は液相で行なわれる。室温で気体或いは蒸
気圧の高い固体であるドーパントを使用するときは、重
合体粉末を減圧した容器内におき、ここにドーパントを
導入することによりi・−ピングを行なうことができる
。室温で蒸気圧の低い固体ドーパントの場合は、ドーパ
ントを適宜の溶剤、例えばアセトニトリルやニトロメタ
ンに熔解し、このドーパント溶液中に重合体粉末を浸漬
すればよい。また、ドーパントとしてプロトン酸を用い
る場合は、その水溶液中に重合体粉末を浸漬することに
より、重合体のドーピングを行なうことができる。
前記したようなアニリン酸化重合体は、その酸化重合段
階で用いたプロトン酸、例えば、硫酸によりドーピング
されており、高い導電性を有するが、これを補償したと
き、その電導度は著しく低下すると共に、赤外線吸収ス
ペクトルにも顕著な変化が認められる。この補償重合体
を還元した後、例えば、ヨウ素でドーピングすると、得
られる重合体は、通常、当初のアニリン酸化重合体の数
倍の電導度を有し、また、その赤外線吸収スペクトルも
当初のアニリン酸化重合体と実質的に同一であるところ
から、アニリン酸化重合体に本発明による一連の化学処
理を施した後も当初と同様の構造を有するものとみられ
る。しかし、アニリン酸化重合体を補償した後、還元す
ることなく、これを再ドーピングしても、その電導度は
低い。その理由については明らかではないが、本発明の
方法によれば、ドーパントが還元後のアニリン酸化重合
体主鎖と直接に化学反応を行ないながらドーピングされ
るので、単に1−一パントを重合体に拡散させるだけの
前者の方法に比べて、重合体主鎖とドーパントとの接触
がより効果的に生しる結果、導電性が著しく向上すると
みられる。
以上のように、本発明の方法によれば、導電性のアニリ
ン酸化重合体を好ましくは塩基にて補償した後、還元し
、アクセプターとして有効な酸化剤により酸化すると共
にドーピングすることにより、重合体の導電性を高める
ことができる。また、1・−バントを種々に選択するこ
とができる。
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこ
れら実施例により何ら限定されるものではない。
実施例1 (1) アニリン酸化重合体の製造 300m1容量のフラスコ中に蒸留水90gと濃塩酸9
.2mlを加え、更にアニリンLog(0,107モル
)を溶解させ、アニリン塩酸塩水溶液を調製した。
別に、蒸留水92.7 gに濃硫酸26.3g(0,2
68モル)と重クロム酸カリウム10.5g(0,03
57モル)を溶解させた酸化剤水溶液(プロトン酸/重
クロム酸カリウムモル比7.5)を調製し、これを上記
アニリンの塩酸塩水溶液中に攪拌下、室温で滴下ろうと
から30分間を要して滴下した。
滴下終了後、更に30分間攪拌し、この後、反応混合物
をアセトン1.21中に投じ、2時間攪拌し、次いで、
重合体を濾別した。得られた重合体を蒸留水中で攪拌洗
滌し、濾別し、このようにして濾液が中性になるまで洗
11−を繰り返した。次いで、濾別した重合体をアセト
ンにより濾液が無色透明になるまで洗滌を繰り返した。
濾別した重合体を五酸化リン上、、室温で10時間真空
乾燥し、導電性のアニリン酸化重合体を緑色粉末9.5
gとして得た。
この重合体は、対数粘度0.48であり、加圧成形した
青色試料の電導度ばO,8S / Cmであった。
尚、電導度測定は、錠剤成形機により圧力6000kg
/c−で直径131麿のディスクに加圧成形して試料と
し、これにディスクの四隅にグラファイトペーストで幅
約1龍の白金線を接着し、空気中、室温下にファン・デ
ル・ポウ法に従って行なった。
(2)物性の評価 (アンモニア補償) 上記+11で得られた重合体8gを10%アンモニア水
中で30分間攪拌した後、濾別し、中性になるまで水洗
し、次にアセトン洗浄した後、デシケータ−中で室温に
て8時間真空乾燥した。得られた粉末は紫色をしていた
。前記と同様に加圧成形−8 した試料は褐色であり、電導度は1.2X10 S/ 
ctaであった。
(還元処理) 上記(2)で得られた化学補償された試料7.2gをフ
ェニルヒドラジン(13g、0.12モル)のエチルエ
ーテル(138g)溶液中に添加し、攪拌下、室温で1
時間反応させた後、重合体を濾別し、未反応のフェニル
ヒドラジンをエチルエーテルで十分洗い、除去した後、
真空乾燥した。得られた粉末は灰色をしており、前記と
同様にして加圧成形した試料の電導度は1.5 X 1
0−7S 7cmであった。
(酸化及びドーピング) 上で得た還元された重合体を酸化性ドーパントにより酸
化とドーピングを行なった。方法的には、試料重合体粉
末をドーピングする方法と、試料重合体粉末をディスク
状に加圧成形した後にドーピングする方法とのいずれか
によった。また、ドーパントの性状に応して、気相又は
液相で行なった。
気相で行なう場合は真空系に接続された密閉可能なガラ
ス容器中に試料を入れ、真空に排気した後、ドーパント
気体を容器中に導入して行なった。液相で行なう場合は
、1S−パントを適当な溶剤に溶かし、この溶液中へ試
料を浸漬して行なった。I・−ピング後の重合体はいず
れも黒縁色を呈していた。
結果を表に示す。尚、得られた導電性有機重合体の繰返
し単位当りのドーパントの量を重量増加よりめ、(CI
I N ・ (ドーパント) 〕のX4 にて表わした。
また、(1)で得たアニリン酸化重合体及び、これのア
ンモニア補償後、フェニルヒドラジン還元後及びヨウ素
による酸化ドーピング後の重合体の赤外線吸収スペクト
ルをそれぞれ第1図、第2図、第3図及び第4図に示す
比較例 実施例において、アニリン酸化重合体を補償した後、還
元することなくドーピングした。結果を表に示す。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図、第3図及び第4図は、硫酸でドーピン
グされているアニリン酸化重合体、そのアンモニア補償
後、′ヒドラジン還元後及びヨウ素による酸化ビービッ
グ後のそれぞれの赤外線吸収スペクトルを示す。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1) アニリン又はアニリン水溶性塩をプロトン酸含
    有反応媒体中で酸化剤により酸化重合させて得られ、こ
    の酸化重合時にプロトン酸がドーピングされている電導
    度が10−6S 7cm以上である高分子量重合体であ
    って、濃硫酸の0.5g/di溶液が30°Cにおいて
    0.10以上の対数粘度を有するアニリン酸化重合体を
    還元した後、アクセプターとして有効な酸化剤により酸
    化すると共にドーピングすることを特徴とする導電性有
    機重合体の製造方法。
  2. (2)還元剤がヒドラジン類又は水素化金属類であるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の導電性有機
    重合体の製造方法。
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