JPS597409Y2 - 油圧式掘削積込機の油圧回路 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、走行体にフロントアタッチメントを取付け
た旋回台を装架した油圧式掘削積込機の油圧回路に関す
るものである。

まず、この種の掘削積込機の一例を第１図により説明す
る。

走行用の第一油圧モータＭ１、第二油圧モータＭ２をそ
なえた走行体１の上部には、旋回用油圧モータＭ３を介
して旋回させる旋回台２が装架されており、旋回台２に
はフロントアタッチメントが取付けられている。

フロントアタッチメントは、旋回台２に俯仰できるよう
に支持させたブーム３、ブーム３に連結したアーム４、
アーム４に連結したパケット５、ブーム３を俯仰させる
二個のブームシリンダ６、アーム４を揺動させるアーム
シリンダ７、パケット５を揺動させる二個のパケットシ
リンダ８、パケット５を矢印ｂ，ａ方向に開閉させる二
個のパケット開閉シリンダ９からなる。

つぎに、上述した油圧式掘削積込機の従来の油圧回路の
一例を第２図により説明する。

並列させた一体の第一切換弁Ｖ１、第二切換弁Ｖ２、第
三切換弁Ｖ３、第四切換弁■４からなる第一多連弁Ａは
、第一油圧ポンプＰ１の吐出側と油タンクとに接続され
、並列させた一体の第五切換弁ｖ５、第六切換弁■６、
第七切換弁ｖ７、第八切換弁■８からなる第二多連弁Ｂ
は、第一油圧ポンプＰ１と等容量の第二油圧ポンプＰ２
と油タンクとに接続されている。

第一切換弁Ｖ１の切換口は旋回用油圧モータＭ３につら
ねられ、第二切換弁Ｖ２の切換口は二個のバケット開閉
シリンダ９につらねられ、第三切換弁Ｖ３の切換口はア
ームシリンダ７につらねられ、第四切換弁■４の切換口
は一方の走行用油圧モータ（第二油圧モータ）Ｍ２につ
らねられ、第五切換弁■５の切換口は二個のブームシリ
ンダ６につらねられ、第六切換弁■６の切換口はアーム
シリンダ７につらねられ、第七切換弁７の切換口は二個
のパケットシリンダ８につらねられ、第八切換弁■８の
切換口は他方の走行用油圧モータ（第一油圧モータ）Ｍ
ｌにつらねられている。

また、第一切換弁Ｖ１は旋回操作圧油路１０．１１によ
り、第二切換弁■２はパケット開き操作圧油路１２、パ
ケット閉じ操作圧油路１３により、第三切換弁■３はア
ーム操作圧油路１４．１５により、第四切換弁■４は油
圧モータ操作圧油路１６．１７により、第五切換弁■５
はブーム下げ操作圧油路１８、ブーム上げ操作圧油路１
９により、第六切換弁■６はアーム操作圧油路２０．２
１により、第七切換弁■７はパケット操作圧油路２２
．２３により、第八切換弁Ｖ８は油圧モータ操作圧油路
２４ ．２５により、切換えを行うことができるように
なっている。

パケット開閉シリンダ９の閉じ作動を行うパケット閉じ
圧油路２９には、途中に逆止弁Ｖ９を設けたブーム上げ
補助圧油供給路２６の一端かつらねられており、その圧
油供給路２６の他端は第九切換弁Ｃの切換口につらねら
れている。

第九切換弁Ｃの切換口はブーム上げ圧油供給路２８を介
してブーム上げ圧油路２７につらねられ、第九切換弁Ｃ
の操作圧油路３０はブーム上げ操作圧油路１９につらね
られている。

パケット５の閉じ動作を単独に行う場合には第九切換弁
Ｃは作動せず、ブーム３の上げ動作を単独に行う場合に
は逆止弁■９によりパケット閉じ圧油路２９への圧油の
供給が阻止される。

すなわち、パケット５の閉じがわ回路に影響を及ぼすこ
とはない。

パケット５の閉じ動作とブーム３の上げ動作とを同時に
行う場合には、第一油圧ポンプＰ１ならびに第二油圧ポ
ンプＰ２が働く。

第五切換弁■５を切換えさせるためのブーム上げ操作圧
油路１９を作動させると、操作圧油路３０を介して第九
切換弁Ｃが右位置に切換えられる。

一方、パケット閉じ操作圧油路１３を作動させると、パ
ケット閉じ圧油路２９が働くとともに、圧油はブーム上
げ補助圧油供給路２６、逆止弁■９、第九切換弁Ｃ、ブ
ーム上げ圧油供給路２８を通ってブーム上げ圧油路２７
に合流する。

この場合、パケット５が閉じられておれば、パケット閉
じに流れる全流量がブーム上げ回路に流れることになる
。

パケット５の閉じ動作を単独に行う場合には、第九切換
弁Ｃ、操作圧油路３０は閉じており、第九切換弁Ｃは作
動しないので、ブームの上げ回路には影響を及ぼさない
。

また、ブーム３の上げ動作を単独に行う場合には、逆止
弁■９により圧油が遮断され、パケット閉じ動作に影響
を及ぼさないようになっている。

上述の油圧回路では、ブーム３の上げ動作を二油圧ポン
プ操作式により行って速度を増大するには、必ずブーム
上げ操作圧油路１９とパケット閉じ操作圧油路１３とを
同時に作動させなければならず、また、旋回台２の旋回
とブーム３の上げとの調和を良好にするには、ブーム上
げ操作圧油路１９とパケット閉じ操作圧油路１３と旋回
操作圧油路１０もしくは１１との三つの油路を同時に作
動させなければならず、作業者の熟練が必要であり、作
業にわずらわしさが伴う欠点がある。

この考案は上記の欠点を除くためのもので、ブームの上
げ操作のみで、パケットの閉じ操作をも同時に行うこと
ができるようにしたものである。

この考案は、旋回台の旋回、パケットの開閉、アームの
起伏、走行体の走行の動作をそれぞれ行うための第一切
換弁、第二切換弁、第三切換弁、第四切換弁をそなえた
第一多連弁と、ブームの俯仰、アームの起伏、パケット
の揺動、走行体の走行の動作をそれぞれ行うための第五
切換弁、第六切換弁、第七切換弁、第八切換弁をそなえ
た第二多連弁とを設け、第一多連弁に第一油圧ポンプの
吐出側を連結するとともに第二多連弁に第二油圧ポンプ
の吐出側を連結した油圧式掘削積込機の油圧回路におい
て、ブーム上げ圧油路とパケット閉じ圧油路とを第九切
換弁を介して連結し、パケット閉じ圧油路には第一リリ
ーフ弁を設け、パケット開き圧油路に第十切換弁および
第二リリーフ弁を設け、ブーム上げ操作圧油路にシャト
ル弁、第十一切換弁および第九切換弁を接続するととも
に、パケット閉じ圧油路にシャトル弁および第十二切換
弁を接続し、パケット開き操作圧油路に第十二切換弁を
接続し、ブーム上げ操作圧油路の作動時にシャトル弁、
第十二切換弁、第十一切換弁を介して第九切換弁、第十
切換弁を切換えることにより、パケット閉じの動作をも
行い得るようにし、ブーム上げ動作を二油圧ポンプ操作
式にすることを特徴とする。

以下、この考案の一実施例を第３図により説明する。

同図において、第１図および第２図と同じ符号をつけた
ものは、同じもの、もしくは相当するものを表わす。

ブーム上げ操作圧油路１９を第五切換弁■５につらねら
れているとともにシャトル弁Ｈを介して第十二切換弁Ｆ
につらねられており、第十二切換弁Ｆの切換口は第二切
換弁■２につらねられている。

ブーム上げ補助圧油供給路２６は第九切換弁Ｃに接続さ
れ、第九切換弁Ｃの作動操作圧油路３２は第十一切換弁
Ｇにつらねられており、第十一切換弁Ｇはブーム上げ操
作圧油路１９につらねられている。

パケット閉じ操作圧油路１３は、シャトル弁Ｈおよび第
十二切換弁Ｆを介して第二切換弁■２につらねられてい
る。

ブーム上げ補助圧油供給路２６は第九切換弁Ｃにつらね
られており、パケット閉じ圧油路２９はパケット開閉シ
リンダ９につらねられており、パケット閉じ圧油路２９
には第一リリーフ弁Ｅ１が取付けられている。

パケット開き操作圧油路１２は第十二切換弁Ｆを介して
第二切換弁ｖ２に接続され、パケット開き圧油路３１に
は第十切換弁Ｄが設けられているとともに、第二リリー
フ弁Ｅ２が取付けられている。

第十切換弁Ｄの作動操作圧油路３３は第九切換弁Ｃの作
動操作圧油路３２に接続されている。

また、パケット開き操作圧油路１２は第十二切換弁Ｆを
もつらねられており、第九切換弁Ｃの作動操作圧油路３
２と第十切換弁Ｄの作動操作圧油路３３とを遮断できる
ようにしてある。

ブーム上げ操作圧油路１０は、第五切換弁Ｖ５につらね
られているとともに、第十一切換弁Ｇを通した、第九切
換弁Ｃの作動操作圧油路３２と第十切換弁Ｄの作動操作
圧油路３３に接続されている。

その他の構或は第２図に示す従来の油圧回路と同様で゛
ある。

上述したこの考案の実施例の動作について述べる。

（１）ブーム３の上げ動作 ブーム上げ操作圧油路１９を作動させると、その油路１
９の圧油により第五切換弁Ｖ５が切換えられ、第二油圧
ポンプＰ２からの圧油が第五切換弁■５、ブーム上げ圧
油路２７を経てブームシリンダ６のヘッド室に供給され
、ブーム３の上げ動作が行われる。

この時、ブームシリンダ６のロツドがわ室の圧油は第五
切換弁■５を介して油タンクに排出させられる。

一方、第十一切換弁Ｇ、作動操作圧油路３２を通る圧油
により第九切換弁Ｃが切換えられるとともに、シャトル
弁Ｈ、第十二切換弁Ｆを通る圧油により第二切換弁■２
が切換えられる。

これにより第一油圧ポンプＰ１からの圧油が、第二切換
弁■２、ブーム上げ補助圧油路２６、第九切換弁Ｃ、ブ
ーム上げ圧油供給路２８を通してブーム上げ圧油路２７
に合流する。

すなわち、ブーム３の上げ動作時に、パケット閉じの圧
油をブーム上げに利用し、二油圧ポンプ操作式によるこ
とができる。

（２）パケット５の閉じの単独動作 パケット閉じ操作圧油路１３を作動させると、シャトル
弁Ｈ、第十二切換弁Ｆを経て圧油が供給され、第二切換
弁Ｖ２が切換えられ、第一油圧ポンプＰ１からの圧油が
第二切換弁■２、ブーム上げ補助圧油供給路２６、第九
切換弁Ｃ、パケット閉じ圧油路２９を通してパケット開
閉シリンダ９のヘッド室に供給され、その閉じ動作が行
われる。

（３）ブーム３の上げとパケット５の開きとの同時操作 ブーム上げ操作圧油路１９とパケット開き操作圧油路１
２とを作動させると、油路１９の圧油により．第五切換
弁ｖ５が切換えられ、油路１２の圧油により第二切換弁
■２が切換えられているとともに、第十二切換弁Ｆと第
十一切換弁Ｇとが図示の位置から右位置に切換えられる
。

すなわち、第九切換弁Ｃの作動操作圧油路３２と第十切
換弁Ｄの作動操作圧油路３３との連通が遮断される。

よって、第二油圧ポンプＰ２からの圧油が第五切換弁■
５、ブーム上げ圧油路２７を通してブームシノンダ６の
ヘッド室に供給されて、ブーム３の上げ動作が行われる
。

一方、第一油圧ポンプＰ１からの圧油が、第二切換弁■
２、パケット開き圧油路３１を通してパケット開閉シリ
ンダ９のロツドがわ室に供給され、パケット５の開き動
作が行われる。

（４）パケット５を開いた状態でのブーム３の上げ動作 この動作時には、第１図に示すように、パケット５に出
力Ｉ，Ｉ’が４動く。

よって、パケット開き圧油路３１およびパケット閉じ圧
油路２９が開放されていなければならない。

ブーム上げ操作圧油路１９が作動すると、第十一切換弁
Ｇ、作動操作圧油路３３を介して第十切換弁Ｄが切換え
られ、バケツＩ・開き圧油路３１を遮断し、また、作動
操作圧油路３２を介して第九切換弁Ｃが切換えられ、パ
ケット閉じ圧油路２９を遮断する。

これではパケット開閉シリンダ９の破損を招くので、パ
ケット開き圧油路３１に第二リリーフ弁Ｅ２を、パケッ
ト閉じ圧油路２９に第一リリーフ弁Ｅ１を取付け、圧油
を逃がすようにしてある。

以上説明したこの考案によれば下記の効果が得られる。

ブームの上げの速度を増大するため、パケットの閉じの
圧油を利用する場合、従来の油圧回路では、ブーム用の
レバーとパケット用のレバーとを同時に操作しなければ
ならないが、ブームの上げ操作（一つのレバーの操作）
のみで、パケットの閉じ動作をも行うことができる。

また、旋回台の旋回とブームの上げとの同時操作を行え
ば、従来の旋回とブームの上げおよびパケットの閉じと
の同時操作を行った場合と同じ動作が得られる。

かつ、作業者の熟練を要せず、操作が容易である。

【図面の簡単な説明】

第１図は油圧式掘削積込機の一例を示す側面図、第２図
は第１図の油圧式掘削積込機における従来の油圧回路の
一例を示す系統図、第３図はこの考案による油圧回路を
示す系統図である。 １・・・・・・走行体、２・・・・・・旋回体、３・・
・・・・ブーム、４・・・・・・アーム、５・・・・・
・パケット、６・・・・・・ブームシリンダ、７・・・
・・・アームシリンダ、８・・・・・・パケットシリン
ダ、９・・・・・・パケット開閉シリンダ、Ｍ１，Ｍ２
・・・・・・走行用油圧モータ、Ｍ３・・・・・・旋回
用油圧モータ、Ｐ１・・・・・・第一油圧ポンプ、Ｐ２
・・・・・・第二油圧ポンプ、、Ａ，Ｂ・・・・・・多
連弁、■１〜Ｖ８・・・・・・第一〜第八切換弁、１０
，１１・・・・・・旋回操作圧油路、１２・・・・・・
パケット開き操作圧油路、１３・・・・・・パケット閉
じ操作圧油路、１４，１５・・・・・・アーム操作圧油
路、１６．１７・・・・・・油圧モータ操作圧油路、１
８・・・・・・ブーム下げ操作圧油路、１９・・・・・
・ブーム上げ操作圧油路、２０．２１・・・・・・アー
ム操作圧油路、２２ ．２３・・・・・・パケット操作
圧油路、２４．２５・・・・・・油圧モータ操作圧油路
、２６・・・・・・ブーム上げ補助圧油供給路、２７・
・・・・・ブーム上げ圧油路、２８・・・・・・ブーム
上げ圧油供給路、２９・・・・・・パケット閉じ圧油路
、３０・・・・・・操作圧油路、３１・・・・・・パケ
ット開き圧油路、Ｃ・・・・・・第九切換弁、３２・・
・・・・第九切換弁Ｃの作動操作圧油路、Ｄ・・・・・
・第十切換弁、３３・・・・・・第十切換弁Ｄの作動操
作圧油路、Ｅ１・・・・・・第一リリーフ弁、Ｅ２・・
・・・・第二リリーフ弁、Ｆ・・・・・・第十二切換弁
、Ｇ・・・・・・第十一切換弁、Ｈ・・・・・・シャト
ル弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 旋回台２の旋回、パケット５の開閉、アーム４の起伏、
   走行体１の走行の動作をそれぞれ行うための第一切換弁
   Ｖ１、第二切換弁ｖ２、第三切換弁Ｖ３、前四切換弁Ｖ
   ４をそなえた第一多連弁Ａと、ブーム３の｛Ｉｆｆ 仰
   、アーム４の起伏、パケット５の揺動、走行体１の走行
   の動作をそれぞれ行うための第五切換弁Ｖ５、第六切換
   弁■６、前七切換弁■７、第八切換弁■８をそなえた第
   二多連弁Ｂとを設け、第一多連弁Ａに第一油圧ポンプＰ
   １の吐出側を連結するとともに第二多連弁Ｂに第二油圧
   ポンプＰ２の吐出側を連結した油圧式掘削積込機の油圧
   回路において、ブーム上げ圧油路２７とパケット閉じ圧
   油路２９とを第九切換弁Ｃを介して連結し、パケット閉
   じ圧油路２９には第一リリーフ弁Ｅ１を設け、パケット
   開き圧油路３１に第十切換弁Ｄおよび第二リリーフ弁Ｅ
   ２を設け、ブーム上げ操作圧油路１９にシャトル弁Ｈ、
   第十一切換弁Ｇおよび第九切換弁Ｃを接続するとともに
   、パケット閉じ圧油路１３にシャトル弁Ｈおよび第十二
   切換弁Ｆを接続し、パケット開き操作圧油路１２に第十
   二切換弁Ｆを接続し、ブーム上げ操作圧油路１９の作動
   時にシャトル弁Ｈ、第十二切換弁Ｆ、第十一切換弁Ｇを
   介して第九切換弁Ｃ、第十切換弁Ｄを切換えることによ
   り、パケット閉じの動作をも行い得るようにし、ブーム
   上げ動作を二油圧ポンプ操作式にすることを特徴とする
   油圧回路。