JPH116174A - 建設車両のアクチュエータ作動回路 - Google Patents

建設車両のアクチュエータ作動回路

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JPH116174A
JPH116174A JP16137397A JP16137397A JPH116174A JP H116174 A JPH116174 A JP H116174A JP 16137397 A JP16137397 A JP 16137397A JP 16137397 A JP16137397 A JP 16137397A JP H116174 A JPH116174 A JP H116174A
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Fumio Tsuzuki
文雄 都築
Tomoyuki Shirata
朋行 白田
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行雄 山崎
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Kato Seisakusho Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】直進走行を確保しつつ簡単且つ安価な構成で、
しかも、走行直進弁を有効に利用しつつ安全に、オプシ
ョンを含む作業機用のアクチュエータを増速させること
ができる、建設車両のアクチュエータ作動回路の提供を
目的としている。 【解決手段】本発明のアクチュエータ作動回路1は、一
般に走行時以外に行なわれるアクチュエータ36の増速
を、走行時以外は遊んでいる走行直進弁40によって行
なうように構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パワーショベル等
の建設車両に設けられたアクチュエータを作動させるた
めのアクチュエータ作動回路に関し、特に、アクチュエ
ータを増速するための増速回路を有するアクチュエータ
作動回路に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、建設車両はその用途に応じた作
業を行なうための様々な機構を備えており、これらの機
構は油圧作動のアクチュエータを介して動作される。例
えば、掘削作業を行なうパワーショベルは、台車と、台
車の上部に回転自在に搭載された旋回体とを備えてい
る。旋回体にはブームが起伏可能に取り付けられ、ブー
ムの先端にはアームが回動自在に取り付けられ、アーム
の先端にはバケットが傾動自在に取り付けられている。
そして、ブームはアクチュエータとしてのブームシリン
ダによって起伏動作され、アームはアクチュエータとし
てのアームシリンダによって回動され、バケットはアク
チュエータとしての傾動シリンダによって傾動される。
さらに、旋回体と台車はそれぞれ、アクチュエータとし
ての油圧モータを介して、旋回動作または走行駆動され
る。
【0003】また、一部の建設車両では、それ1台で多
岐にわたる作業を行なうことができるように、別個のア
クチュエータをオプションで取り付けることができるよ
うになっている。例えば、パワーショベルでは、掘削作
業の他にコンクリート破砕作業をも行なうことができる
ように、バケットの代わりにクラッシャーを取り付ける
とともに、このクラッシャーの開閉用のシリンダをオプ
ションとして取り付けることができるようになってい
る。
【0004】さらに、建設車両は、作業効率を上げるた
め、各種アクチュエータの速度を増大させる増速回路を
備えている。このような増速回路は、例えば2つの油圧
ポンプからの圧油を合流させてアクチュエータに導くこ
とにより、アクチュエータの増速を実現している。
【0005】図4は、パワーショベルの各アクチュエー
タの動作を制御するとともに、アクチュエータの増速と
オプションアタッチメントとに対応できる油圧回路の一
例を示している。図示のように、この油圧回路は、同一
の原動機190によって駆動される2つの油圧ポンプP
1 ,P2 と9個の方向制御弁100〜108とを有して
おり、9個の方向制御弁100〜108は、2つのバル
ブブロックB1,B2に区分けされて一体に形成された
弁ユニットとして構成されている。
【0006】この油圧回路において、第1の油圧ポンプ
1 から吐出される圧油は、通常、各種アクチュエータ
への圧油の流れを制御する4つの方向制御弁100,1
01,102,103を有する図中左側の第1の回路系
を経て、戻し管路120からタンクTへと流れるように
なっている。具体的には、第1の回路系には、その上流
側から順次、台車の左側の走行駆動を担う油圧モータ1
10への圧油の流れを制御する第1の方向制御弁100
と、旋回体の旋回動作を担う油圧モータ111への圧油
の流れを制御する第2の方向制御弁101と、オプショ
ンとして設けられるアクチュエータ116(例えばクラ
ッシャー開閉用のシリンダ)の増速用とブームシリンダ
113,114の増速用とを兼ねる第3の方向制御弁1
02と、アームを回動させるアームシリンダ112への
圧油の流れを制御する第4の方向制御弁103とが設け
られており、これらの弁100〜103は第1のバルブ
ブロックB1に一体に形成されている。すなわち、第1
の油圧ポンプP1 からの圧油によって、油圧モータ11
0,111およびアームシリンダ112が駆動され、ま
た、オプションのアクチュエータ116およびブームシ
リンダ113,114の増速が可能となる。
【0007】一方、第2の油圧ポンプP2 から吐出され
る圧油は、通常、各種アクチュエータへの圧油の流れを
制御する5つの方向制御弁104,105,106,1
07,108を有する図中右側の第2の回路系を経て、
戻し管路120からタンクTへと流れるようになってい
る。具体的には、第2の回路系には、その上流側から順
次、台車の右側の走行駆動を担う油圧モータ117への
圧油の流れを制御する第5の方向制御弁104と、オプ
ションとして設けられるアクチュエータ116への圧油
の流れを制御する第6の方向制御弁105と、バケット
を傾動させる傾動シリンダ115への圧油の流れを制御
する第7の方向制御弁106と、ブームを起伏させるブ
ームシリンダ113,114への圧油の流れを制御する
第8の方向制御弁107と、アームシリンダ112の増
速のための第9の方向制御弁108とが設けられ、これ
らの弁104〜108は第2のバルブブロックB2に一
体に形成されている。すなわち、第2の油圧ポンプP2
からの圧油によって、シリンダ113〜116および油
圧モータ117が駆動され、また、アームシリンダ11
2の増速が可能となる。
【0008】増速のための油路についてさらに詳細に説
明すると、ブームシリンダ113,114の増速のため
の油路を形成するために、第3の方向制御弁102が、
接続管路130を介して、第8の方向制御弁107とブ
ームシリンダ113,114のヘッド側チャンバとを接
続する供給管路150に接続されている。この回路構成
では、第3の方向制御弁102がパイロット圧によって
第1の切換位置イに切換えられると、第3の方向制御弁
102へと供給される第1の油圧ポンプP1 からの圧油
が、この第3の方向制御弁102を介して接続管路13
0に流れるとともに、第8の方向制御弁107を介して
供給管路150に流れる第2の油圧ポンプP2 からの圧
油と合流して、ブームシリンダ113,114へと供給
される。したがって、ブームシリンダ113,114が
増速される(図示の回路ではブームシリンダ113,1
14の伸長動作が増速される)。
【0009】また、アームシリンダ112の増速のため
の油路を形成するために、第9の方向制御弁108は、
接続管路131,132を介して、第4の方向制御弁1
03とアームシリンダ112とを接続する供給管路15
1 ,152に接続されている。この回路構成では、第
9の方向制御弁108がパイロット圧によって切換位置
ハ,ニに切換えられると、第9の方向制御弁108へと
供給される第2の油圧ポンプP2 からの圧油が、この第
9の方向制御弁108を介して接続管路131,132
に流れるとともに、第4の方向制御弁103を介して供
給管路151,152に流れる第1の油圧ポンプP1
らの圧油と合流して、アームシリンダ112へと供給さ
れる。したがって、アームシリンダ112が増速され
る。
【0010】さらに、オプションとして設けられるアク
チュエータ116の増速のための油路を形成するため
に、第3の方向制御弁102(具体的には、アクチュエ
ータ116がオプションとして取り付けられない場合に
おいて使用されない第3の方向制御弁102のポート)
は、第1の回路系とは別個の外部配管160を介して、
第6の方向制御弁105に接続されている。また、オプ
ション用の操作レバー(パイロット弁)170を操作す
ると、それに応じてパイロットポンプP3 からのパイロ
ット圧がパイロット圧管路171a,171bを介して
第6の方向制御弁105に作用し、第6の方向制御弁1
05が2つの切換位置ホ,ヘのいずれかに切換わるよう
になっている。さらに、操作レバー170の例えば操作
量が所定量を越えると、それに応じてパイロットポンプ
3 からのパイロット圧がシャトルバルブ175とパイ
ロット圧管路172とを介して第3の方向制御弁102
に作用し、第3の方向制御弁102が切換位置ロに切換
わるようになっている。
【0011】この回路構成では、パイロット圧管路17
2からのパイロット圧によって第3の方向制御弁102
が切換位置ロに切換わると、第3の方向制御弁102へ
と供給される第1の油圧ポンプP1 からの圧油が、この
第3の方向制御弁102を介して外部配管160に流れ
るとともに、第6の方向制御弁105へと供給される第
2の油圧ポンプP2 からの圧油と合流し、第6の方向制
御弁105からアクチュエータ116へと供給される。
したがって、アクチュエータ116が増速される。
【0012】図5は、オプションのアクチュエータ11
6を増速するための他の回路構成を示している。なお、
この回路において、アクチュエータ116を増速するた
めの増速回路以外の構成は図4と同一であるため、同一
部分については同一符号を付してその説明を省略する。
【0013】図4の回路構成においても同様であるが、
図5の回路構成には、第1の油圧ポンプP1 と戻し管路
120とを直接に接続するセンタバイパス通路181が
設けられている(第2の回路系においても同様)。 こ
のセンタバイパス通路181は、第1の回路系の4つの
方向制御弁100〜103の全てがその中立位置にある
時にのみ、第1の油圧ポンプP1 からの圧油を全量、常
時開の開閉弁182(この開閉弁182は、最も下流側
に設けられた第4の方向制御弁103の下流側で、セン
タバイパス通路181に設けられている)を介して直接
にタンクT側に戻す。
【0014】また、オプションとして設けられるアクチ
ュエータ116の増速のための油路を形成するために、
第4の方向制御弁103と開閉弁182との間のセンタ
バイパス通路181の部位が外部配管160を介して第
6の方向制御弁105に接続されている。
【0015】また、開閉弁182には、オプション用操
作レバー(パイロット弁)170からパイロット圧管路
172を介してパイロット圧が作用するようになってお
り、このパイロット圧によって開閉弁182が閉じられ
るようになっている。
【0016】この回路構成では、パイロット圧管路17
2からのパイロット圧によって開閉弁182が閉じられ
ると、第1の油圧ポンプP1 からセンタバイパス通路1
81を通じて流れる圧油が、戻し管路120に戻される
ことなく、外部配管160に導入されるようになる。そ
して、外部配管160に流れた圧油は、第6の方向制御
弁105へと供給される第2の油圧ポンプP2 からの圧
油と合流し、第6の方向制御弁105からアクチュエー
タ116へと供給される。したがって、アクチュエータ
116が増速される。
【0017】ところで、図4および図5の従来の回路構
成において、両ポンプP1 ,P2 は同一の原動機190
で駆動されるため、両ポンプP1 ,P2 の回転数は同一
となる。そのため、ポンプP1 ,P2 の傾転角が等しく
設定されれば、両ポンプP1,P2 の吐出量は等しくな
る。したがって、両ポンプP1 ,P2 の傾転角を等しく
設定した状態で、第1および第5の方向制御弁100,
104を同時に切換えると、走行モータ110,117
が駆動するとともに、この時の両ポンプP1 ,P2 の吐
出量は等しいため、車両は直進走行を行なう。
【0018】しかし、直進走行状態で、例えば第1の回
路系のアクチュエータの少なくとも1つが駆動される
と、左側走行モータ110に対する供給流量の一部がそ
のアクチュエータに供給される結果となり、両走行モー
タ110,117に対する供給流量が互いに相違するこ
ととなる。そのため、車両の直進走行が保証されなくな
る。
【0019】そこで、図4および図5の回路構成では、
走行時に作業機系のアクチュエータが駆動された場合
(走行と作業とを同時に行なう場合)でも走行の直進性
が確保されるように、セレクタバルブ200(以下、走
行直進弁という。)が設けられている。
【0020】この走行直進弁200は、通常は図示のノ
ーマル位置aに保持されて前述したような圧油の流れを
実現するが、走行時に作業機系のアクチュエータが駆動
されると、パイロット圧によって切換位置bに切換えら
れるようになっている。そして、走行直進弁200が切
換位置bに切換えられると、第2の油圧ポンプP2 から
の圧油の全てが走行モータ110,117に対応する第
1および第5の方向制御弁100,104のみに流れる
とともに、第1の油圧ポンプP1 からの圧油の全てが作
業機系のアクチュエータ111〜116に対応する方向
制御弁101〜103,105〜108のみに流れるよ
うになっている。したがって、走行用のアクチュエータ
110,117のみが駆動している時には、走行直進弁
200がノーマル位置aに保持されているため、両ポン
プP1 ,P2 からの圧油のそれぞれが、対応する回路系
の走行用アクチュエータ110 ,117に個別に供給
され、その結果、車両は直進走行を行なう。一方、走行
用のアクチュエータ110,117を駆動しながら同時
に作業機系のアクチュエータ111〜116の少なくと
も1つを駆動させた時には、走行直進弁200が切換位
置bに切換わり、第1の油圧ポンプP1 が作業機系のア
クチュエータ111〜116に作動油を供給するポンプ
として機能し、第2の油圧ポンプP2 が走行用のアクチ
ュエータ110,117に作動油を供給するポンプとし
て機能するようになる。したがって、両走行モータ11
0,117に対する供給流量は、アクチュエータ111
〜116の作動状態とは無関係に、共通の油圧ポンプP
2 により常に等量に確保され、その結果、車両の直進走
行が確保される。つまり、どのような作業形態であって
も、走行直進弁200によって常に車両の直進走行が確
保されることとなる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図4および
図5に示した従来の油圧回路では、オプションのアクチ
ュエータ116を増速させるための油路が外部配管16
0として外部に露出して設けられている。したがって、
障害物との干渉等によって外部配管160が破損する可
能性があり、保安上、好ましくない。また、外部配管1
60は高圧配管であることから、その施工も容易ではな
く、コストの増大をもたらす。 したがって、外部配管
等の手段によることなく、例えば既存の装置を有効に利
用してオプションのアクチュエータ116の増速を可能
ならしめることが望まれる。なお、前述した従来の回路
構成において、走行直進弁200は車両走行時を除いて
遊んだままの状態となっており、 また、オプションの
アクチュエータ116の駆動は、通常、車両走行時以外
に行なわれることが多く、これらの点は前記問題を解決
するために注目すべき点である。
【0022】本発明は上記事情に着目してなされたもの
であり、その目的とするところは、直進走行を確保しつ
つ簡単且つ安価な構成で、しかも、走行直進弁を有効に
利用しつつ安全に、オプションを含む作業機用のアクチ
ュエータを増速させることができる、建設車両のアクチ
ュエータ作動回路を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明に係る建設車両のアクチュエータ作動回路
は、第1の油圧ポンプの吐出側にその一端が接続された
第1の吐出管路と、第2の油圧ポンプの吐出側と、車両
の左右一方側の走行用モータへの圧油の流れを制御する
第1の方向制御弁とを接続する第2の吐出管路と、車両
の左右他方側の走行用モータへの圧油の流れを制御する
第2の方向制御弁にその一端が接続された第1の接続管
路と、作業機用のアクチュエータへの圧油の流れを制御
する第3の方向制御弁にその一端が接続された第2の接
続管路と、第1の方向制御弁よりも上流側の第2の吐出
管路の部位にその一端が接続された第3の接続管路と、
第1の吐出管路と、第1の接続管路の他端と、第2の接
続管路の他端と、第3の接続管路の他端とがそれぞれ接
続され、これら4つの管路の接続状態を制御するセレク
タバルブと、第1の方向制御弁と第2の接続管路とを接
続し、第1の方向制御弁が中立位置にある時にのみ第1
の方向制御弁を介して第2の吐出管路に接続されるバイ
パス管路と、前記作業機用のアクチュエータを増速する
ためのパイロット圧を生起させる第1のパイロット圧発
生手段と、第1および第3の方向制御弁がその中立位置
から切り換えられている状態で、第3の方向制御弁がそ
の中立位置から切り換えられると、パイロット圧を生起
させる第2のパイロット圧発生手段とを具備し、前記セ
レクタバルブは、そのノーマル位置で、第1の吐出管路
と第1の接続管路とを接続するとともに第2の接続管路
と第3の接続管路とを接続し、また、その切換位置で、
第1の吐出管路と第2の接続管路とを接続するとともに
第1の接続管路と第3の接続管路とを接続し、 また、
前記セレクタバルブは、前記第1または第2のパイロッ
ト圧発生手段からのパイロット圧が作用した時にのみ、
ノーマル位置から切換位置へと切換えられることを特徴
とする。
【0024】上記構成のアクチュエータ作動回路の場
合、車両走行が行なわれず(第1および第2の方向制御
弁が中立位置に位置され)且つ増速用の第1のパイロッ
ト圧発生手段によりパイロット圧が発生されない状態で
は、第2の油圧ポンプからの圧油のみによって作業機用
のアクチュエータが駆動される。すなわち、第2の油圧
ポンプからの圧油は、第2の吐出管路と第1の方向制御
弁とバイパス管路と第2の接続管路とを経由し又は第2
の吐出管路と第3の接続管路とセレクタバルブと第2の
接続管路とを経由して第3の方向制御弁に流れる。
【0025】また、車両走行が行なわれない状態で、作
業機用のアクチュエータを増速させる場合には、第1の
パイロット圧発生手段によりパイロット圧が発生され、
セレクタバルブが切換位置に切り換えられる。したがっ
て、この状態では、第2の油圧ポンプからの圧油は、第
2の吐出管路と第1の方向制御弁とバイパス管路と第2
の接続管路とを介して第3の方向制御弁に導入される。
また、この時、第1の油圧ポンプからの圧油も第2の油
圧ポンプからの圧油と合流して第3の方向制御弁に導入
される。すなわち、第1の油圧ポンプからの圧油は、第
1の吐出管路3とセレクタバルブと第2の接続管路とを
経由して、この第2の接続管路に導入される第2の油圧
ポンプからの圧油と合流し、第3の方向制御弁に導入さ
れる。したがって、作業機用のアクチュエータが増速さ
れる。
【0026】一方、車両走行時に作業機用のアクチュエ
ータが駆動されると、第2のパイロット圧発生手段によ
りパイロット圧が発生され、セレクタバルブが切換位置
に切り換えられる。したがって、この状態では、第1の
油圧ポンプからの圧油は、第1の吐出管路とセレクタバ
ルブと第2の接続管路とを介して第3の方向制御弁に流
れ、また、第2の油圧ポンプからの圧油は、第2の吐出
管路を介して第1の方向制御弁に流れるとともに、第2
の吐出管路と第3の接続管路とセレクタバルブと第1の
接続管路とを介して第2の方向制御弁に流れる。すなわ
ち、第1の油圧ポンプは、作業機用のアクチュエータに
作動油を供給するポンプとして機能し、第2の油圧ポン
プは、走行用モータに作動油を供給するポンプとして機
能する。したがって、左右両側の走行用モータに対する
供給流量は、作業機用のアクチュエータの作動状態とは
無関係に、常に等量に確保され、その結果、車両の直進
走行が確保される。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施形態について説明する。図1および図2は、本発
明の第1の実施形態に係わり、建設車両の一例であるパ
ワーショベルの各アクチュエータの動作を制御する油圧
回路1を示している。図示のように、この油圧回路1
は、同一の原動機2によって駆動される2つの油圧ポン
プP1 ,P2 と9個の方向制御弁20〜28とを有して
おり、9個の方向制御弁20〜28は、2つのバルブブ
ロックB1,B2に区分けされて一体に形成された弁ユ
ニットとして構成されている。
【0028】この油圧回路1において、第1の油圧ポン
プP1 から吐出される圧油は、 通常、各種アクチュエ
ータへの圧油の流れを制御する4つの方向制御弁20,
21,22,23を有する図中左側の第1の回路系を経
て、戻し管路12からタンクTへと流れるようになって
いる。具体的には、第1の回路系には、その上流側から
順次、台車の左側の走行駆動を担う油圧モータ30への
圧油の流れを制御する第1の方向制御弁20と、旋回体
の旋回動作を担う油圧モータ31への圧油の流れを制御
する第2の方向制御弁21と、ブームシリンダ33,3
4の増速のための第3の方向制御弁22と、アームを回
動させるアームシリンダ32への圧油の流れを制御する
第4の方向制御弁23とが設けられており、これらの弁
20〜23は第1のバルブブロックB1に一体に形成さ
れている。すなわち、第1の油圧ポンプP1 からの圧油
によって、油圧モータ30,31およびアームシリンダ
32が駆動され、また、ブームシリンダ33,34の増
速が可能となる。
【0029】一方、第2の油圧ポンプP2 から吐出され
る圧油は、通常、各種アクチュエータへの圧油の流れを
制御する5つの方向制御弁24,25,26,27,2
8を有する図中右側の第2の回路系を経て、戻し管路1
2からタンクTへと流れるようになっている。具体的に
は、第2の回路系には、その上流側から順次、台車の右
側の走行駆動を担う油圧モータ37への圧油の流れを制
御する第5の方向制御弁24と、オプションとして設け
られるアクチュエータ(例えばクラッシャー開閉用のシ
リンダ)36への圧油の流れを制御する第6の方向制御
弁25と、バケットを傾動させる傾動シリンダ35への
圧油の流れを制御する第7の方向制御弁26と、ブーム
を起伏させるブームシリンダ33,34への圧油の流れ
を制御する第8の方向制御弁27と、アームシリンダ3
2の増速のための第9の方向制御弁28とが設けられ、
これらの弁24〜28は第2のバルブブロックB2に一
体に形成されている。すなわち、第2の油圧ポンプP2
からの圧油によって、シリンダ33〜36および油圧モ
ータ37が駆動され、また、アームシリンダ32の増速
が可能となる。
【0030】回路構成をさらに具体的に説明すると、第
1の油圧ポンプP1 から延びる吐出管路3は、各方向制
御弁20〜23のバイパスポートに接続され且つ戻し管
路12に直接に通じるセンタバイパス通路6に接続され
ている。このセンタバイパス通路6は、第1の回路系の
4つの方向制御弁20〜23の全てがその中立位置にあ
る時にのみ、第1の油圧ポンプP1 からの圧油を全量、
常時開の開閉弁29(図では閉位置に切換えられてい
る)を介して直接にタンクT側に戻す。この場合、開閉
弁29は、最も下流側に設けられた第4の方向制御弁2
3の下流側で、センタバイパス通路6に設けられてい
る。また、同様に、第2の油圧ポンプP2から延びる吐
出管路13も、各方向制御弁24〜28のバイパスポー
トに接続され且つ戻し管路12に直接に通じるセンタバ
イパス通路16に接続されている。このセンタバイパス
通路16も、第2の回路系の5つの方向制御弁24〜2
8の全てがその中立位置にある時にのみ、第2の油圧ポ
ンプP2 からの圧油の全量を直接にタンクT側に戻す。
【0031】第1の方向制御弁20よりも上流側の吐出
管路3からは、3つの方向制御弁21〜23にパラレル
に接続されたパラレル管路4が分岐している。また、第
5の方向制御弁24よりも上流側の吐出管路13から
は、第5の方向制御弁24の供給ポートに接続される供
給管路8が逆止弁を介して分岐している。第5の方向制
御弁24と第6の方向制御弁25との間に位置するセン
タバイパス通路16の部位からは分岐管路(バイパス管
路)19が分岐しており、この分岐管路19には4つの
方向制御弁25〜28にパラレルに接続されたパラレル
管路18が接続されている。なお、分岐管路19には、
パラレル管路18側に向けて開の逆止弁17が設けられ
ている。また、各方向制御弁20〜28には、パラレル
管路4(18)およびセンタバイパス通路6(16)の
他に、 戻し管路12に通じる管路と、対応するアクチ
ュエータに圧油を導入する導入管路とが接続されてい
る。
【0032】図示のように、この回路1は、オプション
のアクチュエータ36を動作させるパイロット弁として
の操作レバー(第1のパイロット圧発生手段)50を備
えている。操作レバー50が所定方向に操作されると、
それに応じてパイロットポンプP3 からのパイロット圧
がパイロット圧管路51a,51bを介して第6の制御
弁25に作用し、第6の制御弁25が2つの切換位置
イ,ロのいずれかに切換わるようになっている。
【0033】また、本構成の油圧回路1は、走行時に作
業機系のアクチュエータ31〜36が駆動された場合
(走行と作業とを同時に行なう場合)でも走行の直進性
が確保されるように、走行直進弁(セレクタバルブ)4
0を有している。走行直進弁40の4つのポートにはそ
れぞれ4つの管路41〜44が接続されている。この場
合、第1の管路41は、第1の方向制御弁20の上流側
で、第1の回路系の吐出管路3に接続されている。ま
た、第2の管路42は、第2の回路系の供給管路8に接
続されている。また、第3の管路43は第1の回路系の
パラレル管路4に接続されており、第3の管路43から
は第1の方向制御弁20の供給ポートに接続される供給
管路9が分岐している。なお、供給管路9が分岐する分
岐点よりも下流側の管路43部位には、パラレル管路4
側に向けて閉の逆止弁11が設けられている。また、第
4の管路44は第2の回路系のパラレル管路18に接続
されており、第4の管路44の途中にはパラレル管路1
8側に向けて開の逆止弁7が設けられている。
【0034】また、走行直進弁40は、通常、ノーマル
位置aに保持されており(図では切換位置bに切換わっ
た状態で示されている)、このノーマル位置aで、第1
の管路41と第3の管路43とを接続するとともに、第
2の管路42と第4の管路44とを接続する。したがっ
て、第1の油圧ポンプP1 から第1の管路41へと流れ
る圧油は、第3の管路43および供給管路9を通じて、
第1の方向制御弁20に導かれるとともに、第2の油圧
ポンプP2 から供給管路8および第2の管路42へと流
れる圧油は、第4の管路44およびパラレル管路18を
通じて、第2の回路系の方向制御弁25〜28に導かれ
る。
【0035】また、走行直進弁40は、走行時に作業機
系のアクチュエータ31〜36が駆動されると、 パイ
ロット圧によって切換位置bに切換えられるようになっ
ている。具体的には、各方向制御弁20〜28を経由し
て戻し管路12に接続するパイロット圧管路65と、パ
イロット圧管路65からのパイロット圧によって開かれ
てこのパイロット圧を走行直進弁40に作用させる常時
閉の開閉弁66とからなる第2のパイロット圧発生手段
が設けられている。この場合、パイロット圧管路65
は、走行のために第1および第5の方向制御弁20,2
4がその中立位置から切換えられた状態にあっても、作
業機系のアクチュエータ31〜36に対応する方向制御
弁21〜23,25〜28が全て中立位置にある場合に
は、戻し管路12との連通状態が維持され、その内圧が
タンク圧と等しく保たれるようになっている。また、パ
イロット圧管路65は、方向制御弁21〜23,25〜
28の少なくとも1つがその中立位置から切り換えられ
た状態にあっても、第1および第5の方向制御弁20,
24がその中立位置にある場合には、戻し管路12との
連通状態が維持され、その内圧がタンク圧と等しく保た
れるようになっている。しかし、第1および第5の方向
制御弁20,24がその中立位置から切換えられた状態
で、方向制御弁21〜23,25〜28の少なくとも1
つがその中立位置から切換えられる(走行時に作業機系
のアクチュエータ31〜36が駆動される)と、パイロ
ット圧管路65は、戻し管路12との接続状態が絶た
れ、その内圧がタンク圧よりも高くなるようになってい
る。 一方、常時閉の開閉弁66は、パイロット圧管路
65の内圧がタンク圧を越えて上昇すると、圧力バラン
スによって開かれるようになっている。そして、開閉弁
66が開位置に切り換えられると、パイロット圧管路6
5を通じたパイロット圧が走行直進弁40に作用して、
走行直進弁40が切換位置bに切換わるようになってい
る。
【0036】この切換位置bでは、第1の管路41と第
4の管路44とが接続されるとともに、第2の管路42
と第3の管路43とが接続される。したがって、第1の
油圧ポンプP1 から第1の管路41へと流れる圧油は、
第4の管路44およびパラレル管路18を通じて、第2
の回路系の方向制御弁25〜28に導かれるとともに、
第2の油圧ポンプP2 から供給管路8および第2の管路
42へと流れる圧油は、第3の管路43および供給管路
9を通じて第1の方向制御弁20に導かれる。
【0037】さらに、走行直進弁40は、そのパイロッ
トポートに操作レバー50の操作に伴うパイロット圧が
作用することによっても、切換位置bに切換えられるよ
うになっている。具体的には、操作レバー50の例えば
操作量が所定量を越えると、それに応じてパイロットポ
ンプP3 からのパイロット圧がシャトルバルブ52とパ
イロット圧管路53とを介して走行直進弁40に作用
し、走行直進弁40が切換位置bに切換えられる。
【0038】また、パイロット圧管路53は、第1の回
路系のセンタバイパス通路6に設けられた開閉弁29の
パイロットポートにも接続されている。そして、操作レ
バー50の操作に伴うパイロット圧をパイロット圧管路
53を介して開閉弁29に作用させることにより、開閉
弁29を閉じることができるようになっている。
【0039】なお、本回路1では、ブームシリンダ3
3,34の増速のための油路を形成するために、第3の
方向制御弁22が、接続管路55を介して、第8の制御
弁27とブームシリンダ33,34のヘッド側チャンバ
とを接続する導入管路56に接続されている。この回路
構成では、第3の方向制御弁22がパイロット圧によっ
て第1の切換位置ハに切換えられると、第3の方向制御
弁22へと供給される第1の油圧ポンプP1 からの圧油
が、この第3の方向制御弁22を介して接続管路55に
流れるとともに、第8の制御弁27を介して導入管路5
6に流れる第2の油圧ポンプP2 からの圧油と合流し
て、ブームシリンダ33,34へと供給される。したが
って、ブームシリンダ33,34が増速される(図示の
回路ではブームシリンダ33,34の伸長動作が増速さ
れる)。
【0040】また、アームシリンダ32の増速のための
油路を形成するために、第9の制御弁28は、接続管路
57,58を介して、第4の制御弁23とアームシリン
ダ32とを接続する導入管路59,60に接続されてい
る。この回路構成では、第9の方向制御弁28がパイロ
ット圧によって切換位置ニ,ホに切換えられると、第9
の方向制御弁28へと供給される第2の油圧ポンプP2
からの圧油が、この第9の方向制御弁28を介して接続
管路57,58に流れるとともに、第4の制御弁23を
介して導入管路59,60に流れる第1の油圧ポンプP
1 からの圧油と合流して、アームシリンダ32へと供給
される。したがって、アームシリンダ32が増速され
る。
【0041】次に、上記構成の油圧回路1の特徴的な動
作形態について説明する。まず、車両走行が行なわれな
い作業時のみの場合、第1および第5の方向制御弁2
0,24はその中立位置を保持している。したがって、
この状態では、パイロット圧管路65の内圧がタンク圧
に維持されるため、作業機系のアクチュエータ31〜3
6を動作させても、走行直進弁40はそのノーマル位置
aを保持している(遊んだままの状態となっている)。
【0042】この状態で、操作レバー50を操作する
と、第6の方向制御弁25が切換位置イまたはロに切換
わる。この場合、第2の油圧ポンプP2 からの圧油は、
吐出管路13→第5の方向制御弁24→センタバイパス
通路16→分岐管路19→パラレル管路18aの一連の
経路、および、吐出管路13→供給管路8→第2の管路
42→走行直進弁40→第4の管路44→パラレル管路
18aの一連の経路を経て、第6の方向制御弁25に導
入され、この第6の方向制御弁25を通じてオプション
のアクチュエータ36に供給される。したがって、アク
チュエータ36が駆動される。なお、第2の回路系の他
のアクチュエータ33,34,35が駆動される場合に
も、第2の油圧ポンプP2 からの圧油は、同一の経路を
経てパラレル管路18b,18cに導入され、対応する
方向制御弁26,27を介して各アクチュエータ33,
34,35に供給される。また、第1の回路系のアクチ
ュエータ31,32が駆動される場合には、第1の油圧
ポンプP1 からの圧油が、吐出管路3とパラレル管路4
とを介して、対応する方向制御弁21,23に導入さ
れ、これら方向制御弁21,23を介して各アクチュエ
ータ31,32に供給される。
【0043】また、車両走行が行なわれない状態で、オ
プションのアクチュエータ36を増速させるために、操
作レバー50をさらに操作方向に操作すると、それに応
じてパイロットポンプP3 からのパイロット圧がシャト
ルバルブ52とパイロット圧管路53とを介して走行直
進弁40に作用し、走行直進弁40が切換位置bに切換
えられる。また、この時、第1の回路系のセンタバイパ
ス通路6に設けられた開閉弁29もパイロット圧管路5
3を通じたパイロット圧によって閉じられる。したがっ
て、この状態では、前述したと同様、第2の油圧ポンプ
2 からの圧油は、吐出管路13→第5の方向制御弁2
4→センタバイパス通路16→分岐管路19→パラレル
管路18aの一連の経路を経て第6の方向制御弁25に
導入される。この場合、第2の油圧ポンプP2 からの圧
油は、また、吐出管路13→供給管路8→第2の管路4
2→走行直進弁40→第3の管路43へと流れようとす
るが、第3の管路43に設けられた逆止弁11によって
ブロックされるため、結局、第2の油圧ポンプP2 から
の圧油の全量(オプションのアクチュエータ36のみが
駆動している場合)が、吐出管路13→第5の方向制御
弁24→センタバイパス通路16→分岐管路19→パラ
レル管路18aの一連の経路を経て第6の方向制御弁2
5に導入される。また、この状態では、同時に、第1の
油圧ポンプP1 からの圧油も第2の油圧ポンプP2 から
の圧油と合流して第6の方向制御弁25に導入される。
すなわち、第1の油圧ポンプP1 からの圧油は、吐出管
路3→第1の管路41→走行直進弁40→第4の管路4
4を経由して、分岐管路19に導入される第2の油圧ポ
ンプP2 からの圧油と合流し、パラレル管路18aを経
て第6の方向制御弁25に導入される。この場合、第1
の油圧ポンプP1 からの圧油は、また、吐出管路3→セ
ンタバイパス管路6へと流れようとする(オプションの
アクチュエータ36のみが駆動している場合)が、セン
タバイパス管路6に設けられた閉位置の開閉弁29によ
ってブロックされるため、結局、第1の油圧ポンプP1
からの圧油の全量(オプションのアクチュエータ36の
みが駆動している場合)が、吐出管路3→第1の管路4
1→走行直進弁40→第4の管路44を経由して、分岐
管路19に導入される第2の油圧ポンプP2 からの圧油
と合流する。したがって、オプションのアクチュエータ
36が増速される。
【0044】なお、オプションのアクチュエータ36と
ともに他のアクチュエータが駆動される場合には、2ポ
ンプ分の圧油全量が第6の方向制御弁25に導入される
ことはないが、いずれにしても、第1の油圧ポンプP1
からの圧油は、吐出管路3→第1の管路41→走行直進
弁40→第4の管路44を経由してパラレル管路18に
導かれるため、オプションのアクチュエータ36は増速
される。増速が必要なのは低圧時であり、圧力による流
量配分によりアクチュエータ36の増速は達成される。
【0045】一方、車両走行のみが行なわれ、作業機系
のアクチュエータ31〜36が駆動されていない場合に
は、パイロット圧管路65の内圧がタンク圧に維持され
るため、走行直進弁40はそのノーマル位置aを保持し
ている(遊んだままの状態となっている)。したがっ
て、第1の油圧ポンプP1 からの圧油のみによって台車
の左側の走行駆動を担う油圧モータ30が駆動され、第
2の油圧ポンプP2 からの圧油のみによって台車の右側
の走行駆動を担う油圧モータ37が駆動される。
【0046】この状態から作業機系のアクチュエータ3
1〜36の少なくとも1つを駆動させると、パイロット
圧管路65と戻し管路12との接続状態が絶たれ、パイ
ロット圧管路65の内圧がタンク圧よりも高くなる。し
たがって、開閉弁66が開かれ、走行直進弁40が切換
位置bに切換わる。この状態では、第1の油圧ポンプP
1 からの圧油は、吐出管路3とパラレル管路4とを介し
て第1の回路系の作業機系アクチュエータに対応する方
向制御弁21〜23に流れるとともに、吐出管路3→第
1の管路41→走行直進弁40→第4の管路44→パラ
レル管路18を経由して第2の回路系の作業機系アクチ
ュエータに対応する方向制御弁25〜28に流れる。つ
まり、第1の油圧ポンプP1 は、両回路系の作業機系ア
クチュエータに作動油を供給するポンプとして機能す
る。一方、第2の油圧ポンプP2 からの圧油は、吐出管
路13→供給管路8→第2の管路42→走行直進弁40
→第3の管路43→供給管路9を経由して第1の回路系
の走行用アクチュエータに対応する第1の方向制御弁2
0にながれるとともに、吐出管路13と供給管路8とを
介して第2の回路系の走行用アクチュエータに対応する
第5の方向制御弁24に流れる。つまり、第2の油圧ポ
ンプP2 は、両回路系の走行用アクチュエータに作動油
を供給するポンプとして機能する。したがって、両走行
モータ30,37に対する供給流量は、アクチュエータ
31〜36の作動状態とは無関係に、共通の油圧ポンプ
2 により常に等量に確保され、その結果、車両の直進
走行が確保される。なお、この走行状態では、オプショ
ンのアクチュエータ36の増速はできない。
【0047】以上説明したように、本実施形態の油圧回
路1は、一般に走行時以外に行なわれるオプションアク
チュエータ36の増速を、走行時以外は遊んでいる走行
直進弁40によって行なうように構成されている。した
がって、走行直進弁40にパイロット圧を導入するパイ
ロット圧管路53を、図4および図5に示す従来の構成
に付加するだけで、オプションアクチュエータ36の増
速が可能となり、外部配管160(図4および図5参
照)のような高圧配管を設けないで済む。すなわち、走
行直進弁40やオプションアクチュエータ36の増速の
ための他の回路は全てバルブブロックB1,B2内に組
み込まれており、しかも、これらは従来からの既存の構
成であるため、既存の構成要素を有効利用しつつ且つ従
来の構成に大幅な改良を加えることなく、オプションア
クチュエータ36の増速を簡単に達成することができ
る。無論、本構成においても、パイロット圧管路53が
外部配管となるが、パイロット圧管路53は外部配管1
60のような圧油供給管路ほど施工が大掛かりではない
ため、コストの低減を十分に図れ、また、外部に露出す
る管路容積を極めて小さくでき、安全性を十分に確保す
ることができる。なお、パイロット圧管路53はバルブ
ブロック内に組み込まれていても良い。
【0048】図3は、本発明の第2の実施形態を示して
いる。本実施形態の油圧回路では、パイロット圧管路5
3の開閉を行なう開閉弁70がパイロット圧管路53の
途中に設けられており、それ以外の構成は第1の実施形
態と同一である。 なお、開閉弁70はその弁位置が切
換スイッチ71によって切換えられるようになってお
り、また、開閉弁70はその閉位置でパイロット圧管路
53をタンクTに接続するようになっている。
【0049】したがって、このような構成によれば、例
えばキャビン内に設けられた切換スイッチ71を切換え
操作するだけで、操作レバー50を増速回路と切り離す
ことができる。すなわち、増速が不必要な時には、切換
スイッチ71を操作して開閉弁70を閉じれば、操作レ
バー50を一杯に操作してもオプションアクチュエータ
36が増速されず、操作レバー50を誤って過度に操作
した際のアクシデントを防止できる。なお、本構成で
は、パイロット弁である操作レバー50からパイロット
圧を開閉弁70に導いているが、パイロットポンプP3
から直接にパイロット圧を開閉弁70に導いても同様の
作用効果を得ることができる。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る建設
車両のアクチュエータ作動回路によれば、直進走行を確
保しつつ簡単且つ安価な構成で、しかも、走行直進弁を
有効に利用しつつ安全に、オプションを含む作業機用の
アクチュエータを増速させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るアクチュエータ
作動回路の全体図である。
【図2】図1の作動回路の要部拡大図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係るアクチュエータ
作動回路の全体図である。
【図4】従来のアクチュエータ作動回路の第1の例を示
す図である。
【図5】従来のアクチュエータ作動回路の第2の例を示
す図である。
【符号の説明】
1…油圧回路(アクチュエータ作動回路) 3…吐出管路(第1の吐出管路) 9…供給管路(第1の接続管路) 13…吐出管路(第2の吐出管路) 16…センタバイパス管路(バイパス管路) 18…パラレル管路(第2の接続管路) 19…分岐管路(バイパス管路) 20〜28…方向制御弁 41…第1の管路(第1の吐出管路) 42…第2の管路(第3の接続管路) 43…第3の管路(第1の接続管路) 44…第4の管路(第2の接続管路) P1 …第1の油圧ポンプ P2 …第2の油圧ポンプ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の油圧ポンプの吐出側にその一端が
    接続された第1の吐出管路と、 第2の油圧ポンプの吐出側と、車両の左右一方側の走行
    用モータへの圧油の流れを制御する第1の方向制御弁と
    を接続する第2の吐出管路と、 車両の左右他方側の走行用モータへの圧油の流れを制御
    する第2の方向制御弁にその一端が接続された第1の接
    続管路と、 作業機用のアクチュエータへの圧油の流れを制御する第
    3の方向制御弁にその一端が接続された第2の接続管路
    と、 第1の方向制御弁よりも上流側の第2の吐出管路の部位
    にその一端が接続された第3の接続管路と、 第1の吐出管路と、第1の接続管路の他端と、第2の接
    続管路の他端と、第3の接続管路の他端とがそれぞれ接
    続され、これら4つの管路の接続状態を制御するセレク
    タバルブと、 第1の方向制御弁と第2の接続管路とを接続し、第1の
    方向制御弁が中立位置にある時にのみ第1の方向制御弁
    を介して第2の吐出管路に接続されるバイパス管路と、 前記作業機用のアクチュエータを増速するためのパイロ
    ット圧を生起させる第1のパイロット圧発生手段と、 第1および第3の方向制御弁がその中立位置から切り換
    えられている状態で、第3の方向制御弁がその中立位置
    から切り換えられると、パイロット圧を生起させる第2
    のパイロット圧発生手段と、 を具備し、 前記セレクタバルブは、そのノーマル位置で、第1の吐
    出管路と第1の接続管路とを接続するとともに第2の接
    続管路と第3の接続管路とを接続し、また、その切換位
    置で、第1の吐出管路と第2の接続管路とを接続すると
    ともに第1の接続管路と第3の接続管路とを接続し、 また、前記セレクタバルブは、前記第1または第2のパ
    イロット圧発生手段からのパイロット圧が作用した時に
    のみ、ノーマル位置から切換位置へと切換えられる、 ことを特徴とする建設車両のアクチュエータ作動回路。
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