JP3764249B2 - 建設車両のアクチュエータ作動回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パワーショベル等の建設車両に設けられたアクチュエータを作動させるためのアクチュエータ作動回路に関し、特に、アクチュエータを増速するための増速回路を有するアクチュエータ作動回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、建設車両はその用途に応じた作業を行なうための様々な機構を備えており、これらの機構は油圧作動のアクチュエータを介して動作される。例えば、掘削作業を行なうパワーショベルは、台車と、台車の上部に回転自在に搭載された旋回体とを備えている。旋回体にはブームが起伏可能に取り付けられ、ブームの先端にはアームが回動自在に取り付けられ、アームの先端にはバケットが傾動自在に取り付けられている。そして、ブームはアクチュエータとしてのブームシリンダによって起伏動作され、アームはアクチュエータとしてのアームシリンダによって回動され、バケットはアクチュエータとしての傾動シリンダによって傾動される。さらに、旋回体と台車はそれぞれ、アクチュエータとしての油圧モータを介して、旋回動作または走行駆動される。
【0003】
また、一部の建設車両では、それ1台で多岐にわたる作業を行なうことができるように、別個のアクチュエータをオプションで取り付けることができるようになっている。例えば、パワーショベルでは、掘削作業の他にコンクリート破砕作業をも行なうことができるように、バケットの代わりにクラッシャーを取り付けるとともに、このクラッシャーの開閉用のシリンダをオプションとして取り付けることができるようになっている。
【0004】
さらに、建設車両は、作業効率を上げるため、各種アクチュエータの速度を増大させる増速回路を備えている。このような増速回路は、例えば2つの油圧ポンプからの圧油を合流させてアクチュエータに導くことにより、アクチュエータの増速を実現している。
【0005】
図4は、パワーショベルの各アクチュエータの動作を制御するとともに、アクチュエータの増速とオプションアタッチメントとに対応できる油圧回路の一例を示している。図示のように、この油圧回路は、同一の原動機190によって駆動される2つの油圧ポンプP1 ,P2 と9個の方向制御弁100〜108とを有しており、9個の方向制御弁100〜108は、2つのバルブブロックB1,B2に区分けされて一体に形成された弁ユニットとして構成されている。
【0006】
この油圧回路において、第1の油圧ポンプP1 から吐出される圧油は、通常、各種アクチュエータへの圧油の流れを制御する4つの方向制御弁100,101,102,103を有する図中左側の第1の回路系を経て、戻し管路120からタンクTへと流れるようになっている。具体的には、第1の回路系には、その上流側から順次、台車の左側の走行駆動を担う油圧モータ110への圧油の流れを制御する第1の方向制御弁100と、旋回体の旋回動作を担う油圧モータ111への圧油の流れを制御する第2の方向制御弁101と、オプションとして設けられるアクチュエータ116(例えばクラッシャー開閉用のシリンダ)の増速用とブームシリンダ113,114の増速用とを兼ねる第3の方向制御弁102と、アームを回動させるアームシリンダ112への圧油の流れを制御する第4の方向制御弁103とが設けられており、これらの弁100〜103は第1のバルブブロックB1に一体に形成されている。すなわち、第1の油圧ポンプP1 からの圧油によって、油圧モータ110,111およびアームシリンダ112が駆動され、また、オプションのアクチュエータ116およびブームシリンダ113,114の増速が可能となる。
【0007】
一方、第2の油圧ポンプP2 から吐出される圧油は、通常、各種アクチュエータへの圧油の流れを制御する5つの方向制御弁104,105,106,107,108を有する図中右側の第2の回路系を経て、戻し管路120からタンクTへと流れるようになっている。具体的には、第2の回路系には、その上流側から順次、台車の右側の走行駆動を担う油圧モータ117への圧油の流れを制御する第5の方向制御弁104と、オプションとして設けられるアクチュエータ116への圧油の流れを制御する第6の方向制御弁105と、バケットを傾動させる傾動シリンダ115への圧油の流れを制御する第7の方向制御弁106と、ブームを起伏させるブームシリンダ113,114への圧油の流れを制御する第8の方向制御弁107と、アームシリンダ112の増速のための第9の方向制御弁108とが設けられ、これらの弁104〜108は第2のバルブブロックB2に一体に形成されている。すなわち、第2の油圧ポンプP2 からの圧油によって、シリンダ113〜116および油圧モータ117が駆動され、また、アームシリンダ112の増速が可能となる。
【0008】
増速のための油路についてさらに詳細に説明すると、ブームシリンダ113,114の増速のための油路を形成するために、第3の方向制御弁102が、接続管路130を介して、第8の方向制御弁107とブームシリンダ113,114のヘッド側チャンバとを接続する供給管路150に接続されている。この回路構成では、第3の方向制御弁102がパイロット圧によって第1の切換位置イに切換えられると、第3の方向制御弁102へと供給される第1の油圧ポンプP1 からの圧油が、この第3の方向制御弁102を介して接続管路130に流れるとともに、第8の方向制御弁107を介して供給管路150に流れる第2の油圧ポンプP2 からの圧油と合流して、ブームシリンダ113,114へと供給される。したがって、ブームシリンダ113,114が増速される(図示の回路ではブームシリンダ113,114の伸長動作が増速される)。
【0009】
また、アームシリンダ112の増速のための油路を形成するために、第9の方向制御弁108は、接続管路131,132を介して、第4の方向制御弁103とアームシリンダ112とを接続する供給管路151 ,152に接続されている。この回路構成では、第9の方向制御弁108がパイロット圧によって切換位置ハ,ニに切換えられると、第9の方向制御弁108へと供給される第2の油圧ポンプP2 からの圧油が、この第9の方向制御弁108を介して接続管路131,132に流れるとともに、第4の方向制御弁103を介して供給管路151,152に流れる第1の油圧ポンプP1 からの圧油と合流して、アームシリンダ112へと供給される。したがって、アームシリンダ112が増速される。
【0010】
さらに、オプションとして設けられるアクチュエータ116の増速のための油路を形成するために、第3の方向制御弁102(具体的には、アクチュエータ116がオプションとして取り付けられない場合において使用されない第3の方向制御弁102のポート)は、第1の回路系とは別個の外部配管160を介して、第6の方向制御弁105に接続されている。また、オプション用の操作レバー (パイロット弁)170を操作すると、それに応じてパイロットポンプP3 からのパイロット圧がパイロット圧管路171a,171bを介して第6の方向制御弁105に作用し、第6の方向制御弁105が2つの切換位置ホ,ヘのいずれかに切換わるようになっている。さらに、操作レバー170の例えば操作量が所定量を越えると、それに応じてパイロットポンプP3 からのパイロット圧がシャトルバルブ175とパイロット圧管路172とを介して第3の方向制御弁102に作用し、第3の方向制御弁102が切換位置ロに切換わるようになっている。
【0011】
この回路構成では、パイロット圧管路172からのパイロット圧によって第3の方向制御弁102が切換位置ロに切換わると、第3の方向制御弁102へと供給される第1の油圧ポンプP1 からの圧油が、この第3の方向制御弁102を介して外部配管160に流れるとともに、第6の方向制御弁105へと供給される第2の油圧ポンプP2 からの圧油と合流し、第6の方向制御弁105からアクチュエータ116へと供給される。したがって、アクチュエータ116が増速される。
【0012】
図5は、オプションのアクチュエータ116を増速するための他の回路構成を示している。なお、この回路において、アクチュエータ116を増速するための増速回路以外の構成は図4と同一であるため、同一部分については同一符号を付してその説明を省略する。
【0013】
図4の回路構成においても同様であるが、図5の回路構成には、第1の油圧ポンプP1 と戻し管路120とを直接に接続するセンタバイパス通路181が設けられている(第2の回路系においても同様)。 このセンタバイパス通路181は、第1の回路系の4つの方向制御弁100〜103の全てがその中立位置にある時にのみ、第1の油圧ポンプP1 からの圧油を全量、常時開の開閉弁182 (この開閉弁182は、最も下流側に設けられた第4の方向制御弁103の下流側で、センタバイパス通路181に設けられている)を介して直接にタンクT側に戻す。
【0014】
また、オプションとして設けられるアクチュエータ116の増速のための油路を形成するために、第4の方向制御弁103と開閉弁182との間のセンタバイパス通路181の部位が外部配管160を介して第6の方向制御弁105に接続されている。
【0015】
また、開閉弁182には、オプション用操作レバー(パイロット弁)170からパイロット圧管路172を介してパイロット圧が作用するようになっており、このパイロット圧によって開閉弁182が閉じられるようになっている。
【0016】
この回路構成では、パイロット圧管路172からのパイロット圧によって開閉弁182が閉じられると、第1の油圧ポンプP1 からセンタバイパス通路181を通じて流れる圧油が、戻し管路120に戻されることなく、外部配管160に導入されるようになる。そして、外部配管160に流れた圧油は、第6の方向制御弁105へと供給される第2の油圧ポンプP2 からの圧油と合流し、第6の方向制御弁105からアクチュエータ116へと供給される。したがって、アクチュエータ116が増速される。
【0017】
ところで、図4および図5の従来の回路構成において、両ポンプP1 ,P2 は同一の原動機190で駆動されるため、両ポンプP1 ,P2 の回転数は同一となる。そのため、ポンプP1 ,P2 の傾転角が等しく設定されれば、両ポンプP1 ,P2 の吐出量は等しくなる。したがって、両ポンプP1 ,P2 の傾転角を等しく設定した状態で、第1および第5の方向制御弁100,104を同時に切換えると、走行モータ110,117が駆動するとともに、この時の両ポンプP1 ,P2 の吐出量は等しいため、車両は直進走行を行なう。
【0018】
しかし、直進走行状態で、例えば第1の回路系のアクチュエータの少なくとも1つが駆動されると、左側走行モータ110に対する供給流量の一部がそのアクチュエータに供給される結果となり、両走行モータ110,117に対する供給流量が互いに相違することとなる。そのため、車両の直進走行が保証されなくなる。
【0019】
そこで、図4および図5の回路構成では、走行時に作業機系のアクチュエータが駆動された場合(走行と作業とを同時に行なう場合)でも走行の直進性が確保されるように、セレクタバルブ200(以下、走行直進弁という。)が設けられている。
【0020】
この走行直進弁200は、通常は図示のノーマル位置aに保持されて前述したような圧油の流れを実現するが、走行時に作業機系のアクチュエータが駆動されると、パイロット圧によって切換位置bに切換えられるようになっている。そして、走行直進弁200が切換位置bに切換えられると、第2の油圧ポンプP2 からの圧油の全てが走行モータ110,117に対応する第1および第5の方向制御弁100,104のみに流れるとともに、第1の油圧ポンプP1 からの圧油の全てが作業機系のアクチュエータ111〜116に対応する方向制御弁101〜103,105〜108のみに流れるようになっている。したがって、走行用のアクチュエータ110,117のみが駆動している時には、走行直進弁200がノーマル位置aに保持されているため、両ポンプP1 ,P2 からの圧油のそれぞれが、対応する回路系の走行用アクチュエータ110 ,117に個別に供給され、その結果、車両は直進走行を行なう。一方、走行用のアクチュエータ110,117を駆動しながら同時に作業機系のアクチュエータ111〜116の少なくとも1つを駆動させた時には、走行直進弁200が切換位置bに切換わり、第1の油圧ポンプP1 が作業機系のアクチュエータ111〜116に作動油を供給するポンプとして機能し、第2の油圧ポンプP2 が走行用のアクチュエータ110,117に作動油を供給するポンプとして機能するようになる。したがって、両走行モータ110,117に対する供給流量は、アクチュエータ111〜116の作動状態とは無関係に、共通の油圧ポンプP2 により常に等量に確保され、その結果、車両の直進走行が確保される。つまり、どのような作業形態であっても、走行直進弁200によって常に車両の直進走行が確保されることとなる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図4および図5に示した従来の油圧回路では、オプションのアクチュエータ116を増速させるための油路が外部配管160として外部に露出して設けられている。したがって、障害物との干渉等によって外部配管160が破損する可能性があり、保安上、好ましくない。また、外部配管160は高圧配管であることから、その施工も容易ではなく、コストの増大をもたらす。 したがって、外部配管等の手段によることなく、例えば既存の装置を有効に利用してオプションのアクチュエータ116の増速を可能ならしめることが望まれる。なお、前述した従来の回路構成において、走行直進弁200は車両走行時を除いて遊んだままの状態となっており、 また、オプションのアクチュエータ116の駆動は、通常、車両走行時以外に行なわれることが多く、これらの点は前記問題を解決するために注目すべき点である。
【0022】
本発明は上記事情に着目してなされたものであり、その目的とするところは、直進走行を確保しつつ簡単且つ安価な構成で、しかも、走行直進弁を有効に利用しつつ安全に、オプションを含む作業機用のアクチュエータを増速させることができる、建設車両のアクチュエータ作動回路を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明に係る建設車両のアクチュエータ作動回路は、第1の油圧ポンプの吐出側にその一端が接続された第1の吐出管路と、第2の油圧ポンプの吐出側と、車両の左右一方側の走行用モータヘの圧油の流れを制御する第1の方向制御弁とを接続する第2の吐出管路と、車両の左右他方側の走行用モータヘの圧油の流れを制御する第2の方向制御弁にその一端が接続された第1の接続管路と、作業機用のアクチュエータへの圧油の流れを制御する第3の方向制御弁にその一端が接続された第2の接続管路と、第1の方向制御弁よりも上流側の第2の吐出管路の部位にその一端が接続された第3の接続管路と、第1の吐出管路と、第1の接続管路の他端と、第2の接続管路の他端と、第3の接続管路の他端とがそれぞれ接続され、これら4つの管路の接続状態を制御するセレクタバルブと、第1の方向制御弁と第2の接続管路とを接続し、第1の方向制御弁が中立位置にある時にのみ第1の方向制御弁を介して第2の吐出管路に接続されるバイパス管路と、前記作業機用のアクチュエータを増速する操作を行うための操作がなされた時にパイロットポンプからの圧油によるパイロット圧を生起させる第1のパイロット圧発生手段と、この第1のパイロット圧発生手段と前記セレクタバルブとを接続し、前記パイロット圧を前記セレクタバルブに供給するためのパイロット圧管路と、第1および第2の方向制御弁がその中立位置から切り換えられている状態で、第3の方向制御弁がその中立位置から切り換えられると、パイロット圧を生起させる第2のパイロット圧発生手段と、を具備し、前記セレクタバルブは、そのノーマル位置で、第1の吐出管路と第1の接続管路とを接続するとともに第2の接続管路と第3の接続管路とを接続し、また、その切換位置で、第1の吐出管路と第2の接続管路とを接続するとともに第1の接続管路と第3の接続管路とを接続し、また、前記セレクタバルブは、第1のパイロット圧発生手段または第2のパイロット圧発生手段からのパイロット圧が作用した時のみ、ノーマル位置から切換位置へと切り換えられる、ことを特徴とする。
【0024】
上記構成のアクチュエータ作動回路の場合、車両走行が行なわれず(第1および第2の方向制御弁が中立位置に位置され)且つ増速用の第1のパイロット圧発生手段によりパイロット圧が発生されない状態では、第2の油圧ポンプからの圧油のみによって作業機用のアクチュエータが駆動される。すなわち、第2の油圧ポンプからの圧油は、第2の吐出管路と第1の方向制御弁とバイパス管路と第2の接続管路とを経由し又は第2の吐出管路と第3の接続管路とセレクタバルブと第2の接続管路とを経由して第3の方向制御弁に流れる。
【0025】
また、車両走行が行なわれない状態で、作業機用のアクチュエータを増速させる場合には、第1のパイロット圧発生手段によりパイロット圧が発生され、セレクタバルブが切換位置に切り換えられる。したがって、この状態では、第2の油圧ポンプからの圧油は、第2の吐出管路と第1の方向制御弁とバイパス管路と第2の接続管路とを介して第3の方向制御弁に導入される。また、この時、第1の油圧ポンプからの圧油も第2の油圧ポンプからの圧油と合流して第3の方向制御弁に導入される。すなわち、第1の油圧ポンプからの圧油は、第1の吐出管路3とセレクタバルブと第2の接続管路とを経由して、この第2の接続管路に導入される第2の油圧ポンプからの圧油と合流し、第3の方向制御弁に導入される。したがって、作業機用のアクチュエータが増速される。
【0026】
一方、車両走行時に作業機用のアクチュエータが駆動されると、第2のパイロット圧発生手段によりパイロット圧が発生され、セレクタバルブが切換位置に切り換えられる。したがって、この状態では、第1の油圧ポンプからの圧油は、第1の吐出管路とセレクタバルブと第2の接続管路とを介して第3の方向制御弁に流れ、また、第2の油圧ポンプからの圧油は、第2の吐出管路を介して第1の方向制御弁に流れるとともに、第2の吐出管路と第3の接続管路とセレクタバルブと第1の接続管路とを介して第2の方向制御弁に流れる。すなわち、第1の油圧ポンプは、作業機用のアクチュエータに作動油を供給するポンプとして機能し、第2の油圧ポンプは、走行用モータに作動油を供給するポンプとして機能する。したがって、左右両側の走行用モータに対する供給流量は、作業機用のアクチュエータの作動状態とは無関係に、常に等量に確保され、その結果、車両の直進走行が確保される。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1および図2は、本発明の第1の実施形態に係わり、建設車両の一例であるパワーショベルの各アクチュエータの動作を制御する油圧回路1を示している。図示のように、この油圧回路1は、同一の原動機2によって駆動される2つの油圧ポンプP1 ,P2 と9個の方向制御弁20〜28とを有しており、9個の方向制御弁20〜28は、2つのバルブブロックB1,B2に区分けされて一体に形成された弁ユニットとして構成されている。
【0028】
この油圧回路1において、第1の油圧ポンプP1 から吐出される圧油は、 通常、各種アクチュエータへの圧油の流れを制御する4つの方向制御弁20,21,22,23を有する図中左側の第1の回路系を経て、戻し管路12からタンクTへと流れるようになっている。具体的には、第1の回路系には、その上流側から順次、台車の左側の走行駆動を担う油圧モータ30への圧油の流れを制御する第1の方向制御弁20と、旋回体の旋回動作を担う油圧モータ31への圧油の流れを制御する第2の方向制御弁21と、ブームシリンダ33,34の増速のための第3の方向制御弁22と、アームを回動させるアームシリンダ32への圧油の流れを制御する第4の方向制御弁23とが設けられており、これらの弁20〜23は第1のバルブブロックB1に一体に形成されている。すなわち、第1の油圧ポンプP1 からの圧油によって、油圧モータ30,31およびアームシリンダ32が駆動され、また、ブームシリンダ33,34の増速が可能となる。
【0029】
一方、第2の油圧ポンプP2 から吐出される圧油は、通常、各種アクチュエータへの圧油の流れを制御する5つの方向制御弁24,25,26,27,28を有する図中右側の第2の回路系を経て、戻し管路12からタンクTへと流れるようになっている。具体的には、第2の回路系には、その上流側から順次、台車の右側の走行駆動を担う油圧モータ37への圧油の流れを制御する第5の方向制御弁24と、オプションとして設けられるアクチュエータ(例えばクラッシャー開閉用のシリンダ)36への圧油の流れを制御する第6の方向制御弁25と、バケットを傾動させる傾動シリンダ35への圧油の流れを制御する第7の方向制御弁26と、ブームを起伏させるブームシリンダ33,34への圧油の流れを制御する第8の方向制御弁27と、アームシリンダ32の増速のための第9の方向制御弁28とが設けられ、これらの弁24〜28は第2のバルブブロックB2に一体に形成されている。すなわち、第2の油圧ポンプP2 からの圧油によって、シリンダ33〜36および油圧モータ37が駆動され、また、アームシリンダ32の増速が可能となる。
【0030】
回路構成をさらに具体的に説明すると、第1の油圧ポンプP1 から延びる吐出管路3は、各方向制御弁20〜23のバイパスポートに接続され且つ戻し管路12に直接に通じるセンタバイパス通路6に接続されている。このセンタバイパス通路6は、第1の回路系の4つの方向制御弁20〜23の全てがその中立位置にある時にのみ、第1の油圧ポンプP1 からの圧油を全量、常時開の開閉弁29 (図では閉位置に切換えられている)を介して直接にタンクT側に戻す。この場合、開閉弁29は、最も下流側に設けられた第4の方向制御弁23の下流側で、センタバイパス通路6に設けられている。また、同様に、第2の油圧ポンプP2 から延びる吐出管路13も、各方向制御弁24〜28のバイパスポートに接続され且つ戻し管路12に直接に通じるセンタバイパス通路16に接続されている。このセンタバイパス通路16も、第2の回路系の5つの方向制御弁24〜28の全てがその中立位置にある時にのみ、第2の油圧ポンプP2 からの圧油の全量を直接にタンクT側に戻す。
【0031】
第1の方向制御弁20よりも上流側の吐出管路3からは、3つの方向制御弁21〜23にパラレルに接続されたパラレル管路4が分岐している。また、第5の方向制御弁24よりも上流側の吐出管路13からは、第5の方向制御弁24の供給ポートに接続される供給管路8が逆止弁を介して分岐している。第5の方向制御弁24と第6の方向制御弁25との間に位置するセンタバイパス通路16の部位からは分岐管路(バイパス管路)19が分岐しており、この分岐管路19には4つの方向制御弁25〜28にパラレルに接続されたパラレル管路18が接続されている。なお、分岐管路19には、パラレル管路18側に向けて開の逆止弁17が設けられている。また、各方向制御弁20〜28には、パラレル管路4(18)およびセンタバイパス通路6(16)の他に、 戻し管路12に通じる管路と、対応するアクチュエータに圧油を導入する導入管路とが接続されている。
【0032】
図示のように、この回路1は、オプションのアクチュエータ36を動作させるパイロット弁としての操作レバー(第1のパイロット圧発生手段)50を備えている。操作レバー50が所定方向に操作されると、それに応じてパイロットポンプP3 からのパイロット圧がパイロット圧管路51a,51bを介して第6の制御弁25に作用し、第6の制御弁25が2つの切換位置イ,ロのいずれかに切換わるようになっている。
【0033】
また、本構成の油圧回路1は、走行時に作業機系のアクチュエータ31〜36が駆動された場合(走行と作業とを同時に行なう場合)でも走行の直進性が確保されるように、走行直進弁(セレクタバルブ)40を有している。走行直進弁40の4つのポートにはそれぞれ4つの管路41〜44が接続されている。この場合、第1の管路41は、第1の方向制御弁20の上流側で、第1の回路系の吐出管路3に接続されている。また、第2の管路42は、第2の回路系の供給管路8に接続されている。また、第3の管路43は第1の回路系のパラレル管路4に接続されており、第3の管路43からは第1の方向制御弁20の供給ポートに接続される供給管路9が分岐している。なお、供給管路9が分岐する分岐点よりも下流側の管路43部位には、パラレル管路4側に向けて閉の逆止弁11が設けられている。また、第4の管路44は第2の回路系のパラレル管路18に接続されており、第4の管路44の途中にはパラレル管路18側に向けて開の逆止弁7が設けられている。
【0034】
また、走行直進弁40は、通常、ノーマル位置aに保持されており(図では切換位置bに切換わった状態で示されている)、このノーマル位置aで、第1の管路41と第3の管路43とを接続するとともに、第2の管路42と第4の管路44とを接続する。したがって、第1の油圧ポンプP1 から第1の管路41へと流れる圧油は、第3の管路43および供給管路9を通じて、第1の方向制御弁20に導かれるとともに、第2の油圧ポンプP2 から供給管路8および第2の管路42へと流れる圧油は、第4の管路44およびパラレル管路18を通じて、第2の回路系の方向制御弁25〜28に導かれる。
【0035】
また、走行直進弁40は、走行時に作業機系のアクチュエータ31〜36が駆動されると、 パイロット圧によって切換位置bに切換えられるようになっている。具体的には、各方向制御弁20〜28を経由して戻し管路12に接続するパイロット圧管路65と、パイロット圧管路65からのパイロット圧によって開かれてこのパイロット圧を走行直進弁40に作用させる常時閉の開閉弁66とからなる第2のパイロット圧発生手段が設けられている。この場合、パイロット圧管路65は、走行のために第1および第5の方向制御弁20,24がその中立位置から切換えられた状態にあっても、作業機系のアクチュエータ31〜36に対応する方向制御弁21〜23,25〜28が全て中立位置にある場合には、戻し管路12との連通状態が維持され、その内圧がタンク圧と等しく保たれるようになっている。また、パイロット圧管路65は、方向制御弁21〜23,25〜28の少なくとも1つがその中立位置から切り換えられた状態にあっても、第1および第5の方向制御弁20,24がその中立位置にある場合には、戻し管路12との連通状態が維持され、その内圧がタンク圧と等しく保たれるようになっている。しかし、第1および第5の方向制御弁20,24がその中立位置から切換えられた状態で、方向制御弁21〜23,25〜28の少なくとも1つがその中立位置から切換えられる(走行時に作業機系のアクチュエータ31〜36が駆動される)と、パイロット圧管路65は、戻し管路12との接続状態が絶たれ、その内圧がタンク圧よりも高くなるようになっている。 一方、常時閉の開閉弁66は、パイロット圧管路65の内圧がタンク圧を越えて上昇すると、圧力バランスによって開かれるようになっている。そして、開閉弁66が開位置に切り換えられると、パイロット圧管路65を通じたパイロット圧が走行直進弁40に作用して、走行直進弁40が切換位置bに切換わるようになっている。
【0036】
この切換位置bでは、第1の管路41と第4の管路44とが接続されるとともに、第2の管路42と第3の管路43とが接続される。したがって、第1の油圧ポンプP1 から第1の管路41へと流れる圧油は、第4の管路44およびパラレル管路18を通じて、第2の回路系の方向制御弁25〜28に導かれるとともに、第2の油圧ポンプP2 から供給管路8および第2の管路42へと流れる圧油は、第3の管路43および供給管路9を通じて第1の方向制御弁20に導かれる。
【0037】
さらに、走行直進弁40は、そのパイロットポートに操作レバー50の操作に伴うパイロット圧が作用することによっても、切換位置bに切換えられるようになっている。具体的には、操作レバー50の例えば操作量が所定量を越えると、それに応じてパイロットポンプP3 からのパイロット圧がシャトルバルブ52とパイロット圧管路53とを介して走行直進弁40に作用し、走行直進弁40が切換位置bに切換えられる。
【0038】
また、パイロット圧管路53は、第1の回路系のセンタバイパス通路6に設けられた開閉弁29のパイロットポートにも接続されている。そして、操作レバー50の操作に伴うパイロット圧をパイロット圧管路53を介して開閉弁29に作用させることにより、開閉弁29を閉じることができるようになっている。
【0039】
なお、本回路1では、ブームシリンダ33,34の増速のための油路を形成するために、第3の方向制御弁22が、接続管路55を介して、第8の制御弁27とブームシリンダ33,34のヘッド側チャンバとを接続する導入管路56に接続されている。この回路構成では、第3の方向制御弁22がパイロット圧によって第1の切換位置ハに切換えられると、第3の方向制御弁22へと供給される第1の油圧ポンプP1 からの圧油が、この第3の方向制御弁22を介して接続管路55に流れるとともに、第8の制御弁27を介して導入管路56に流れる第2の油圧ポンプP2 からの圧油と合流して、ブームシリンダ33,34へと供給される。したがって、ブームシリンダ33,34が増速される(図示の回路ではブームシリンダ33,34の伸長動作が増速される)。
【0040】
また、アームシリンダ32の増速のための油路を形成するために、第9の制御弁28は、接続管路57,58を介して、第4の制御弁23とアームシリンダ32とを接続する導入管路59,60に接続されている。この回路構成では、第9の方向制御弁28がパイロット圧によって切換位置ニ,ホに切換えられると、第9の方向制御弁28へと供給される第2の油圧ポンプP2 からの圧油が、この第9の方向制御弁28を介して接続管路57,58に流れるとともに、第4の制御弁23を介して導入管路59,60に流れる第1の油圧ポンプP1 からの圧油と合流して、アームシリンダ32へと供給される。したがって、アームシリンダ32が増速される。
【0041】
次に、上記構成の油圧回路1の特徴的な動作形態について説明する。
まず、車両走行が行なわれない作業時のみの場合、第1および第5の方向制御弁20,24はその中立位置を保持している。したがって、この状態では、パイロット圧管路65の内圧がタンク圧に維持されるため、作業機系のアクチュエータ31〜36を動作させても、走行直進弁40はそのノーマル位置aを保持している(遊んだままの状態となっている)。
【0042】
この状態で、操作レバー50を操作すると、第6の方向制御弁25が切換位置イまたはロに切換わる。この場合、第2の油圧ポンプP2 からの圧油は、吐出管路13→第5の方向制御弁24→センタバイパス通路16→分岐管路19→パラレル管路18aの一連の経路、および、吐出管路13→供給管路8→第2の管路42→走行直進弁40→第4の管路44→パラレル管路18aの一連の経路を経て、第6の方向制御弁25に導入され、この第6の方向制御弁25を通じてオプションのアクチュエータ36に供給される。したがって、アクチュエータ36が駆動される。なお、第2の回路系の他のアクチュエータ33,34,35が駆動される場合にも、第2の油圧ポンプP2 からの圧油は、同一の経路を経てパラレル管路18b,18cに導入され、対応する方向制御弁26,27を介して各アクチュエータ33,34,35に供給される。また、第1の回路系のアクチュエータ31,32が駆動される場合には、第1の油圧ポンプP1 からの圧油が、吐出管路3とパラレル管路4とを介して、対応する方向制御弁21,23に導入され、これら方向制御弁21,23を介して各アクチュエータ31,32に供給される。
【0043】
また、車両走行が行なわれない状態で、オプションのアクチュエータ36を増速させるために、操作レバー50をさらに操作方向に操作すると、それに応じてパイロットポンプP3 からのパイロット圧がシャトルバルブ52とパイロット圧管路53とを介して走行直進弁40に作用し、走行直進弁40が切換位置bに切換えられる。また、この時、第1の回路系のセンタバイパス通路6に設けられた開閉弁29もパイロット圧管路53を通じたパイロット圧によって閉じられる。したがって、この状態では、前述したと同様、第2の油圧ポンプP2 からの圧油は、吐出管路13→第5の方向制御弁24→センタバイパス通路16→分岐管路19→パラレル管路18aの一連の経路を経て第6の方向制御弁25に導入される。この場合、第2の油圧ポンプP2 からの圧油は、また、吐出管路13→供給管路8→第2の管路42→走行直進弁40→第3の管路43へと流れようとするが、第3の管路43に設けられた逆止弁11によってブロックされるため、結局、第2の油圧ポンプP2 からの圧油の全量(オプションのアクチュエータ36のみが駆動している場合)が、吐出管路13→第5の方向制御弁24→センタバイパス通路16→分岐管路19→パラレル管路18aの一連の経路を経て第6の方向制御弁25に導入される。また、この状態では、同時に、第1の油圧ポンプP1 からの圧油も第2の油圧ポンプP2 からの圧油と合流して第6の方向制御弁25に導入される。すなわち、第1の油圧ポンプP1 からの圧油は、吐出管路3→第1の管路41→走行直進弁40→第4の管路44を経由して、分岐管路19に導入される第2の油圧ポンプP2 からの圧油と合流し、パラレル管路18aを経て第6の方向制御弁25に導入される。この場合、第1の油圧ポンプP1 からの圧油は、また、吐出管路3→センタバイパス管路6へと流れようとする(オプションのアクチュエータ36のみが駆動している場合)が、センタバイパス管路6に設けられた閉位置の開閉弁29によってブロックされるため、結局、第1の油圧ポンプP1 からの圧油の全量(オプションのアクチュエータ36のみが駆動している場合)が、吐出管路3→第1の管路41→走行直進弁40→第4の管路44を経由して、分岐管路19に導入される第2の油圧ポンプP2 からの圧油と合流する。したがって、オプションのアクチュエータ36が増速される。
【0044】
なお、オプションのアクチュエータ36とともに他のアクチュエータが駆動される場合には、2ポンプ分の圧油全量が第6の方向制御弁25に導入されることはないが、いずれにしても、第1の油圧ポンプP1 からの圧油は、吐出管路3→第1の管路41→走行直進弁40→第4の管路44を経由してパラレル管路18に導かれるため、オプションのアクチュエータ36は増速される。増速が必要なのは低圧時であり、圧力による流量配分によりアクチュエータ36の増速は達成される。
【0045】
一方、車両走行のみが行なわれ、作業機系のアクチュエータ31〜36が駆動されていない場合には、パイロット圧管路65の内圧がタンク圧に維持されるため、走行直進弁40はそのノーマル位置aを保持している(遊んだままの状態となっている)。したがって、第1の油圧ポンプP1 からの圧油のみによって台車の左側の走行駆動を担う油圧モータ30が駆動され、第2の油圧ポンプP2 からの圧油のみによって台車の右側の走行駆動を担う油圧モータ37が駆動される。
【0046】
この状態から作業機系のアクチュエータ31〜36の少なくとも1つを駆動させると、パイロット圧管路65と戻し管路12との接続状態が絶たれ、パイロット圧管路65の内圧がタンク圧よりも高くなる。したがって、開閉弁66が開かれ、走行直進弁40が切換位置bに切換わる。この状態では、第1の油圧ポンプP1 からの圧油は、吐出管路3とパラレル管路4とを介して第1の回路系の作業機系アクチュエータに対応する方向制御弁21〜23に流れるとともに、吐出管路3→第1の管路41→走行直進弁40→第4の管路44→パラレル管路18を経由して第2の回路系の作業機系アクチュエータに対応する方向制御弁25〜28に流れる。つまり、第1の油圧ポンプP1 は、両回路系の作業機系アクチュエータに作動油を供給するポンプとして機能する。一方、第2の油圧ポンプP2 からの圧油は、吐出管路13→供給管路8→第2の管路42→走行直進弁40→第3の管路43→供給管路9を経由して第1の回路系の走行用アクチュエータに対応する第1の方向制御弁20にながれるとともに、吐出管路13と供給管路8とを介して第2の回路系の走行用アクチュエータに対応する第5の方向制御弁24に流れる。つまり、第2の油圧ポンプP2 は、両回路系の走行用アクチュエータに作動油を供給するポンプとして機能する。したがって、両走行モータ30,37に対する供給流量は、アクチュエータ31〜36の作動状態とは無関係に、共通の油圧ポンプP2 により常に等量に確保され、その結果、車両の直進走行が確保される。なお、この走行状態では、オプションのアクチュエータ36の増速はできない。
【0047】
以上説明したように、本実施形態の油圧回路1は、一般に走行時以外に行なわれるオプションアクチュエータ36の増速を、走行時以外は遊んでいる走行直進弁40によって行なうように構成されている。したがって、走行直進弁40にパイロット圧を導入するパイロット圧管路53を、図4および図5に示す従来の構成に付加するだけで、オプションアクチュエータ36の増速が可能となり、外部配管160(図4および図5参照)のような高圧配管を設けないで済む。すなわち、走行直進弁40やオプションアクチュエータ36の増速のための他の回路は全てバルブブロックB1,B2内に組み込まれており、しかも、これらは従来からの既存の構成であるため、既存の構成要素を有効利用しつつ且つ従来の構成に大幅な改良を加えることなく、オプションアクチュエータ36の増速を簡単に達成することができる。無論、本構成においても、パイロット圧管路53が外部配管となるが、パイロット圧管路53は外部配管160のような圧油供給管路ほど施工が大掛かりではないため、コストの低減を十分に図れ、また、外部に露出する管路容積を極めて小さくでき、安全性を十分に確保することができる。なお、パイロット圧管路53はバルブブロック内に組み込まれていても良い。
【0048】
図3は、本発明の第2の実施形態を示している。本実施形態の油圧回路では、パイロット圧管路53の開閉を行なう開閉弁70がパイロット圧管路53の途中に設けられており、それ以外の構成は第1の実施形態と同一である。 なお、開閉弁70はその弁位置が切換スイッチ71によって切換えられるようになっており、また、開閉弁70はその閉位置でパイロット圧管路53をタンクTに接続するようになっている。
【0049】
したがって、このような構成によれば、例えばキャビン内に設けられた切換スイッチ71を切換え操作するだけで、操作レバー50を増速回路と切り離すことができる。すなわち、増速が不必要な時には、切換スイッチ71を操作して開閉弁70を閉じれば、操作レバー50を一杯に操作してもオプションアクチュエータ36が増速されず、操作レバー50を誤って過度に操作した際のアクシデントを防止できる。なお、本構成では、パイロット弁である操作レバー50からパイロット圧を開閉弁70に導いているが、パイロットポンプP3 から直接にパイロット圧を開閉弁70に導いても同様の作用効果を得ることができる。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る建設車両のアクチュエータ作動回路によれば、直進走行を確保しつつ簡単且つ安価な構成で、しかも、走行直進弁を有効に利用しつつ安全に、オプションを含む作業機用のアクチュエータを増速させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るアクチュエータ作動回路の全体図である。
【図2】図1の作動回路の要部拡大図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係るアクチュエータ作動回路の全体図である。
【図4】従来のアクチュエータ作動回路の第1の例を示す図である。
【図5】従来のアクチュエータ作動回路の第2の例を示す図である。
【符号の説明】
1…油圧回路(アクチュエータ作動回路)
3…吐出管路(第1の吐出管路)
9…供給管路(第1の接続管路)
13…吐出管路(第2の吐出管路)
16…センタバイパス管路(バイパス管路)
18…パラレル管路(第2の接続管路)
19…分岐管路(バイパス管路)
20〜28…方向制御弁
41…第1の管路(第1の吐出管路)
42…第2の管路(第3の接続管路)
43…第3の管路(第1の接続管路)
44…第4の管路(第2の接続管路)
P1 …第1の油圧ポンプ
P2 …第2の油圧ポンプ
Claims (1)
- 第1の油圧ポンプの吐出側にその一端が接続された第1の吐出管路と、
第2の油圧ポンプの吐出側と、車両の左右一方側の走行用モータヘの圧油の流れを制御する第1の方向制御弁とを接続する第2の吐出管路と、
車両の左右他方側の走行用モータヘの圧油の流れを制御する第2の方向制御弁にその一端が接続された第1の接続管路と、
作業機用のアクチュエータへの圧油の流れを制御する第3の方向制御弁にその一端が接続された第2の接続管路と、
第1の方向制御弁よりも上流側の第2の吐出管路の部位にその一端が接続された第3の接続管路と、
第1の吐出管路と、第1の接続管路の他端と、第2の接続管路の他端と、第3の接続管路の他端とがそれぞれ接続され、これら4つの管路の接続状態を制御するセレクタバルブと、
第1の方向制御弁と第2の接続管路とを接続し、第1の方向制御弁が中立位置にある時にのみ第1の方向制御弁を介して第2の吐出管路に接続されるバイパス管路と、
前記作業機用のアクチュエータを増速する操作を行うための操作がなされた時にパイロットポンプからの圧油によるパイロット圧を生起させる操作可能な第1のパイロット圧発生手段と、
この第1のパイロット圧発生手段と前記セレクタバルブとを接続し、前記パイロット圧を前記セレクタバルブに供給するためのパイロット圧管路と、
第1および第2の方向制御弁がその中立位置から切り換えられている状態で、第3の方向制御弁がその中立位置から切り換えられると、パイロット圧を生起させる第2のパイロット圧発生手段と、
を具備し、
前記セレクタバルブは、そのノーマル位置で、第1の吐出管路と第1の接続管路とを接続するとともに第2の接続管路と第3の接続管路とを接続し、また、その切換位置で、第1の吐出管路と第2の接続管路とを接続するとともに第1の接続管路と第3の接続管路とを接続し、
また、前記セレクタバルブは、第1のパイロット圧発生手段または第2のパイロット圧発生手段からのパイロット圧が作用した時のみ、ノーマル位置から切換位置へと切り換えられる、
ことを特徴とする建設車両のアクチュエータ作動回路。
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