JPS5926539B2 - 剥離可能なライナ−を備えた容器蓋 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は剥離可能なライナーを備えた容器蓋に関し、よ
り詳細には、熱可塑性樹脂の押圧成形により形成された
ライナー（パッキング）が容器蓋殻体内に通常の取扱い
時には剥離しない程度に接着されていながら、容器の購
入者がライナーを剥離しようとするときは、格別の器具
を使用することなしに容易に指でライナーの剥離が行え
るような構成の容器蓋に関する。

従来、容器蓋殻体とライナーとが剥離し得る程度に密着
された容器蓋は、ピン結晶等の懸賞販売の場合に必要と
なる。

即ち、王冠、その他の容器蓋等の密封材料としては、金
属シートに表面保護塗料を塗布したものを、王冠シェル
、キャップシェル等の形状に成形し、この成形物の内面
にパッキングを接着させたものが広く使用されているが
、ピン詰飲料等の懸賞付販売に際しては、ピン詰の購入
者等が所定枚数のパッキング或いは当りくじであること
が明らかなパッキング郵送した場合、或いは当りくじで
あることが明らかな内面印刷王冠シェル乃至はキャップ
シェルを販売店頭に持参した場合に、これと引換に賞品
を発送し或いは手渡するシステムが一般に採用されてい
る。

このような懸賞付販売用の王冠或いはキャップ等の製造
には、パッキングが王冠シェル或いはキャップ等から容
易に剥離し得ることが必要な条件となるが、これと同時
に王冠或いはキャップ等の製造工程、輸送時或いはピン
詰の打栓工程において、パッキングが王冠シェル或いは
キャップ・シェルから離脱しない程度に接着しているこ
と、及び王冠シェル或いはギヤツプ等が腐食傾向の強い
内容飲料等に対して十分な耐腐食性を有し、しかもクリ
ッピング、ロール・オン等の加工に耐え得ることが必要
となる。更に、内容飲料等が直接接触するパツキング表
面に印刷することぱ衛生的な見地からみて、到定不可能
であると共に、パツキングそのものが一般に流動性のあ
る状態で王冠シエル或いはキヤツプ等の内面に施される
ことからみて、王冠シエル或いはキャツプの内面に施さ
れたインク層がパツキングの弓剥がしに際して、パツキ
ングに付着した状態で移行するか、或いはシエルにその
まま残るようにすることが望ましい。従来、このような
懸賞付販売用の王冠等としては、容器蓋殻体とライナー
とを、剥離可能な塗料−塗料界面、或いは塗料一ライナ
一界面を介して接合されたものが提案されているが、こ
のような従来の王冠は何れも蓋体の輸送乃至打栓操作中
の振動等によるライナーの脱落防止や不充分な密封性を
避けるという理由からある程度の接着力で接着されてい
るために、特に、指の爪で引き起し剥離する場合にはか
なりの困難を伴うことが屡々あり、また鋭利な器具で引
き起す場合、特に幼児にとつてはかなりの危険を伴い、
事実懸賞王冠のライナーを鋭利な器具で引き剥そうとし
てケガをしたという事故も生じている。

そのため当業界では、通常の取扱い時にはライナーの脱
落や密封不良等を生ぜず、一方必要なときには鋭利な器
具を使わず且つ困難なく指で容易に剥離し得るライナー
を備えた容器蓋に対する要望が強まつている。

従つて本発明の目的は、容器蓋殻体と樹脂の押圧成形に
よりその場で形成されたライナーとの偶発的な剥離が防
止され、しかも必要なときには、ライナーの容器蓋殻体
からの剥離が、格別の器具等を使用することなく、指で
容易に行い得るライナー付容器蓋を提供するにある。

本発明の他の目的は、新規なライナー構造と接着構造と
の組合せを有する剥離可能ライナー付き容器蓋を提供す
るにある。

本発明の更に他の目的は、ライナーの剥離がライナー中
央部分に設けられた比較的短かい巾のタブの一端縁から
開始され、指で撮むに十分なサイズのタブの引剥しが行
われた後、このタブを引張ることによりライナー外周縁
の引剥しが非接着性乃至は弱接着性の界面を介して再度
開始され、ライナー全面の剥離が有効に行われるような
構造のライナーを備えた容器蓋を提供するにある。

本発明によれば、容器蓋殻体と、前記殻体の頂板部に施
されたライナーとから成る容器蓋において、前記ライナ
ーは前記殻体内での熱可塑性樹脂の押圧成形により形成
された比較的薄肉の中央部分と厚肉の外周部分とを備え
、前記中央部分の一部には完全切断線乃至は破断可能な
弱化線を介して区画され且つ一端部がほぼ中心に位置し
他端部において厚肉の外周部分に連なる比較的細巾の剥
離用タブが一体に設けられ、前記容器蓋殻体の頂部と前
記ライナーとの間には剥離可能な少なくとも１個の界面
が設けられ、前記剥離性界面は、剥離可能なライナー最
外周部に非接着乃至弱接着域と、この最外周部の内側に
前記非接着乃至弱接着域よりも強接着された域とを有し
、ライナーの剥離に際しては剥離用タブの一端部から径
外方向に剥離を開始し、次いでタブの引張りにより剥離
可能なライナー最外周部から前記方向と逆方向にライナ
ー全面の剥離を行うことを特徴とする容器蓋が提供され
る。王冠の形の本発明の容器蓋の一例を示す第１乃至２
図において、本発明の容器蓋は、全体として１で示す容
器蓋殻体と全体として２で示すライナーとから構成され
る。

容器蓋殻体（シエノ（ハ）１は頂板部３とその周囲から
曲つて延びているスカート部４とを備えており、このス
カート部４にはそれ自体周知のコルゲーシヨンが設けら
れている。この殻体１はそれ自体公知の金属素材から成
つており、その少なくとも内面には、防食性の保護塗料
下塗り層５が塗布されており、必要により懸賞の印を示
す印刷層６が形成されている。保護塗料層５及び印刷層
６の上には、押圧成形されるライナーを接着させるため
の接着剤層７が塗布されている。本発明の容器蓋におい
て、ライナー２は、殻体１内で熱可塑性樹脂を押圧成形
することにより殻体１と一体に成形されており、このラ
イナー２は前記接着剤層７を介して殼体１に結合してい
る。

このライナー２は、比較的薄肉の中央部分８と、厚肉の
外周部分９とから成つている。この厚肉の外周部分の少
なくとも一部はびん口のような容器口部Ｓと係合する密
封用の環状突起であることが好都合であり、この具体例
において、この厚肉の外周部分９は、容器口部内周縁と
係合する内周側突起１０、容器口部外周縁と係合する外
周側突起１１及び容器口部土面と係合する凹状溝１２と
から成つている。本発明においては、このライナー中央
部分８に、完全切断線乃至は破断可能な弱化線１３を介
して区画され且つ厚肉の外周部分９に連なる剥離用タブ
１４を設ける。

この明細書において、完全切断線とはタブ１４とその他
の中央部分８とを区画する線が接着剤７乃至は塗料層５
に至るように完全に切込まれた線を意味し、弱化線とは
、この区画線に沿つて容易に破断が生じるように、スコ
ア或いはミシン目乃至はこれらの組合せ等によつて、区
画線が弱化された線を意味する。剥離タブ１４は、ライ
ナー中央部分に比べて比較的短かい巾での剥離が可能で
且つライナー全体の剥離に際して指で撮むに十分な大き
さを有するようなものであればよい。

かくして、剥離タブ１４を区画する線１３は、Ｖ字型、
Ｕ字型、コの字型、ｓ字型、Ｚ字型等の任意の形態をと
りうる。本発明の容器蓋において、タブ１４の最初の剥
離開始を有効に行なうためにタブ１４の先端部に、頂板
に対して直角方向に突出したノブ１５を設けることが好
ましい。即ち、このノプ１５を指先乃至は爪で、タブ１
４の引剥し方向（第１図における矢印１６の方向）に押
込むと、このノブ１５が一種のテコとなつて、後述する
接着界面での剥離が容易に進行するようになる。ノブ１
５の形状は、円柱状、半円柱状、角柱状等の任意の形状
でもよいが、成形作業性（離型性）の点では切頭円錐状
の形状を有することが望ましい。タブ１４がちぎれるこ
となしに、その剥離を有効に行い得るように、前記区画
線１３の内側には、厚肉の外周部分９の方に延びている
比較的厚肉の補強リブを設けることができる。

図面に示す具体例にぉいて、前記ノブ１５や矢印１６は
補強リブとしての役目を有する。尚、区画線１３が弱化
線である場合、タブ１４の引剥しに伴なうライナーの破
断が弱化線の部分のみで生じ、この弱化線の部分を外れ
たタブの部分で破断が生じないように、弱化線の内側に
は、これに沿つて相対的に厚肉の補強リブ１７を設ける
ことができ、また、この内側リブ１７と協動して偶発的
な破断から弱化線を保護し且つ剥離時において弱化線の
部分での破断を確実にするように、弱化線の外側にも、
これに沿つて厚肉の補強リブ１８を設けることができる
。本発明の容器蓋においては、上述した新規なライナー
形状を採用すると共に、殻体１とライナー２とを剥離可
能な少なくとも１個の界面を介して接合し、この剥離性
界面において、剥離可能なライナー最外周部に対応して
非接着乃至は弱接着域と、この最外周部の内側に前記非
接着乃至は弱接着域よりも強接着された域とが形成され
るようにする。第１乃至２図に示す具体例において、こ
の剥離性界面は、ライナー２と接着剤層７との間に形成
され、この剥離性界面には、例えば後述する第５図に示
すとおり最外周部に非接着乃至は弱接着域１９、及びそ
の内周側に、上記非接着乃至は弱接着域よりも強接着さ
れた域２０を設ける。

しかして、本発明において、この剥離性界面の最外周部
に非接着乃至は弱接着域１９を形成し、その内周側にこ
れよりも強接着された域２０を形成するのは次の理由に
よる。

即ち、先ずライナー２は殻体１に対してその何れかの部
分において、蓋の輸送乃至は打栓操作中は勿論のこと、
容器の密封中においても、偶発的に剥離しない程度に強
固に接合されていることが必要である。一方、ライナー
を殻体から引剥す場合には、この引剥し開始に際して先
ずライナーと殻体との間にある界面に割れ目乃至ほ裂け
目を形成させることが引剥し操作の容易性の点で重要で
ある。本発明においては、ライナー中央部分に切断線乃
至は弱化線を介して短い巾の剥離用タブを設けたことに
より、先ずライナーの中央部分乃至はこれに近接した部
分において、ライナー２と殻体１とを強接着させた場合
にも、ライナーの剥離が比較的短かい巾のタブの一端縁
から容易に開始され、指で撮むに十分なサイズのタブの
引剥しが先ず行われる。

次いでこのタブを引張ると、前記界面の最外周縁が非接
着乃至は弱接着域となつているため、ライナー全体の外
周縁からの剥離開始が容易に行われ、全面にわたる引剥
しが円滑に行われる。この場合、ライナーの外周縁は厚
肉の補強部となつているため、タブを強く引張る場合に
もタブの破断が防止され、ライナーの外周縁からの剥離
が容易に行われるという利点がある。本発明のライナー
の引剥し操作を説明するための第３−Ａ乃至３−Ｃ図に
おいて、先ず、ノブ１５を指先でタブ１４の引剥し方向
（図で左方向）に押すと、このノブ１５がテコとなつて
、接着剤層とライナーとの界面での剥離が容易に生じる
（第３−Ａ図）。

次いで、第３−Ｂ図に示す通り、ノブ１５乃至はタブ１
４の先端を指先で把持して引剥し方向乃至は上方向に引
張ると、弱化線１３の破断とタブ１４の剥離とが、ライ
ナー２の厚肉外周部分９に達する迄行われる。

最後に、第３−Ｃ図に示す通り、タブ１４を指先で把持
して上方向乃至はタブ１４の引剥し方向とは逆方向に引
張ると、ライナー２の外周部と殻体との間で先ず剥離が
生じ、ライナー全体の剥離が容易に行われる。

このように、本発明のライナー付容器蓋におぃては、中
心から外周に至るタブの引剥し方向とライナー全体の引
剥し方向とが逆になつており、ライナーの引剥しが格別
の器具を使用することなしに、容易に行われるのが特徴
である。また、厚肉の外周部分９は、密封用クツシヨン
としての役目と剥離用補強部分としての役目との二重の
役目を有することも大きな特徴である。本発明において
、剥離可能な界面は、第１乃至２図に示した通り、ライ
ナーと接着剤層との間に形成させることができ、或いは
接着剤層と塗料層との間や、２種類の塗料層との間に形
成させることができる。また、上述した剥離可能な界面
の２種類以上を設け・非接着乃至は弱接着域と、それよ
りも強接着された域とでは、別の界面で剥離が生ずるよ
うにすることもできる。剥離性界面がライナーと接着剤
層との間に形成されている場合、各部分での接着強度の
調節は種種の手段で行い得る。

例えば、ライナー最外周部に対応する殻体の内面部分に
は接着剤を塗布せず、一方この内側に接着剤を塗布する
ことにより、最も簡単に非接着域と接着域とを形成する
ことができる。勿論、用いる接着剤は、所謂剥離性接着
、即ちオーバー・オールでの剥離強度が０．０２乃至５
ｋ９／Ｃｌｎｌ特に０．０５乃至３ｋｇ／ＣＴｆＬの範
囲にある接着を形成するものでなければならない。或い
は、逆に、殻体の内面全体に接着剤を塗布し、ライナー
最外周部に対応する部分にのみ、ライナーに対して接着
性のないマスキング層を設けてもよい。これらの思想を
組合せて、任意の接着強度を有する多数の域を形成させ
ることもできる。即ち、接着剤層を印刷等の手段で網点
状に設け、強接着域では弱接着域よりも、この網点が濃
密に分布するようにして、接着強度の調節をする。勿論
、接着剤層を一様に塗布し、この上にマスキング層を網
点として施こして接着強度の調節を行なうようにしても
よい。接着性の網点の密度、即ち接着性域の全体に対す
る面積比は、非接着域のゼロから強接着域の１００％迄
変化し得るが、一例として、強接着域で８０％以上、弱
接着域での３０％以下、中接着域での３０乃至８０％の
ように、所望とする接着強度に応じて適当なものを選択
するのがよい本発明において、接着剤層を網点状に分布
させて使用すると、ライナーが〒様な接着剤層を介して
接合されている場合に比して、剥離に必要な力を所定値
に制御しやすい等剥離作業性の点で顕著な利点が達成さ
れる。

本発明において、厚肉のライナ―外周部分が、容器口部
と係合する密封用の環状突起を形成している場合には、
この外周部分乃至はこれに近接する部分に対応する剥離
性接着界面で、ライナーを強接着させておくことが持続
密封性の点で望ましく、このような見地から、ライナー
最外周部の非接着乃至は弱接着域の内周側輪カクは環状
突起の内周縁よりも外側に位置するようにするのがよい
。

また、ライナー最外周部に、非接着域を設けた場合には
、この内側に隣接して、中央部よりもむしろ接着強度の
高い域を設けるのが持続密封性の点で好都合である。接
着剤層を網点状に分布させるパターンの数例として、第
４−Ａ乃至４−Ｎ図に示す。

図中の記号よ接着強度の相対的値を次の基準で示す。Ａ
・・・・・・非接着域Ｂ・・・・・・弱接着域 ｃ・・・・・・中接着域 Ｄ・・・・・・強接着域。

即ち、本発明の接着域は、最外周部に非接着乃至弱接着
域があり、その内側にこれよりも強接着された域が存在
するという要件を満す限り、任意の配置をとることがで
きる。

第４−Ａ乃至４−Ｎ図において、最外周の非接着乃至弱
接着域ＡまたはＢは、一般にライナー最外周の厚肉部分
の内径よりも大きいか或いはこれに略等しい内径を有す
るような寸法で設けることが、王冠等の経時密封性の点
て野ましい。この非接着乃至弱接着域の内側に設けるこ
れよりも強接着の域は、第４−Ｄ図第４−Ｅ図に示すよ
うに、円の形で設けても或いは第４−Ａ，４−Ｂ，４−
Ｃ，４−Ｆ，４−Ｇ，４−Ｈ，４−■，４−Ｊ及び４−
Ｋに示すように、リング状に設けてもよい。この後者の
場合、第４−Ａ，４−Ｂ，４−Ｇ及び４−１図に示す如
く、外周部よりも強接着された域の内側には剥離操作を
容易にするために更に非接着域乃至は弱接着域を配置す
ることができる。第４−Ｃ，４−Ｊ，４ーＦ及び４−Ｋ
図に示す通り、ノブ１５に対応する中心部を非接着域乃
至は弱接着域として、ノブ１５の押倒しによるタブの引
剥しを容易にすることができ、また第４−Ｂ図に示す通
り、中心部に強接着域を形成して、シエル内に供給され
るライナー形成用樹脂との仮接着性を向上させるように
することもできる。この場合には、この強接着域の外周
に、タブの引剥しを容易にするための小径の非接着域を
設けることもできる。第４−Ｌ，４−Ｍ及び４−Ｎ図に
示す通り、最外周の非接着乃至は弱接着域の内側に設け
る強接着域は、円乃至はリングである必要はなく、間隔
をおいて点状に設けることもできる。

殻体用金属素材 本発明において、容器蓋殻体を構成する金属素材として
は、表面にリン酸処理、クロム酸処理或いは電解クロム
酸処理を行つた鋼板、或いは表面に錫、亜鉛等を電解乃
至熔融メツキした鋼板、或いはアルミニウム板乃至は箔
等を挙げることができる。

これらの金属基体上には、防食の目的で予じめ表面に、
フエノ一ルーエポキシ塗料、エポキシーウリア塗料、エ
ポキシ−メラミン塗料、フエノールーエポキシービニル
塗料、エポキシービニル塗料、塩化ビニルー酢酸ビニル
共重合体塗料、塩化ビールー酢酸ビニルー無水マレイン
酸共重合体塗料、アクリル系塗料、不飽和ポリエステル
塗料、飽和ポリエステル塗料等の１種又は２種以上の組
合せから成る公知の下塗り塗料を塗布されていてもよい
。

ライナー ライナーとしては、押圧成形が可能であり且つライナー
として必要なクツシヨン性を有する任意の熱可塑性樹脂
が使用される。

かかる熱可塑性樹脂の最も適当な例として、オレフイン
系樹脂、特に低密度、中密度のポリ壬チレン、エチレン
ーブテン−１共重合体、エチレンーヘキセン共重合体、
エチレンープロピレン共重合体、エチレンープロピレン
ー非共役ジエンターポリマー等のポリォレフインや、或
いはオレフインを主成分としてオレフイン以外のエチレ
ン系不飽和単量体を少量含有するオレフイン共重合体乃
至は変性ポリオレフィンを用いることができる。このよ
うなオレフイン共重合体或いは変性ポリオレフインとし
ては、エチレンー酢酸ビニル共重合体（ＥＶＡ）、エチ
レンー酢酸ビニル共重合体ケン化物（ＥＶＡＬ）、エチ
レンーアクリル酸武重合体、エチレンーメチルメタクリ
レート共重合体、不飽和カルボン酸変性ポリエチレン（
例えば、不飽和カルボン酸としてマレイン酸、アクリル
酸、メタアクリル酸及びそれ等のエステルなど）、不飽
和カルボン酸変囲ポリプロピレン（不飽和カルボン酸と
しては、マレイン酸、アクリル酸及びそれ等のエステル
など）アイオノマー、クロロスルホン化ポリエチレン等
を挙げることができる。これらのオレフイン樹脂は単独
で、或いは２種以上の組合せで使用でき、またポリエチ
レン、ポリプロピレン或いはＥＶＡに、エチレン−プロ
ピレンゴム（ＥＰＲ）、エチレンープロピレンージエン
ゴム（ＥＰＤＭ）、ポリイソブチレン（ＰＩＢ）、ブチ
ルゴム（ＩＩＲ）、ポリブタジエン（ＰＢ）、天然ゴム
（ＮＲ）、立体特異性ポリイソプレン、ニトリルゴム（
ＮＢＲ）、（スチレンーブタジエン共重合体又はブロツ
ク共重合体、スチレンーイソプレン共重合体又はブロツ
ク共重合体）、ポリクロロプレン（ＣＲ）等のエラスト
マーの１種又は２種以上を例えば１乃至６０重量％の量
で配合して、ライナー、即ちパツキング或いはシーラン
トに必要な弾囲的性質を改善することができる。

これらのポリオレフインには、それ自体公知の処方に従
つて、フエノ一ル系、有機硫黄系、有機窒素系、有機リ
ン系等の酸化防止剤乃至は熱安定剤や、金属石ケンや他
の脂肪酸誘導体等の滑剤や、炭酸カルシウム、ホワイト
カーボン、チタンホワイト、炭酸マグネシウム、ケイ酸
マグネシウム、カーボンブラツク、各種クレイ等の充填
剤或いは他の着色料等の配合剤を配合することができる
。本発明に使用するオレフイン樹脂には、また架橋剤或
いは発泡剤を単独又は組合せで配合して、架橋、発泡或
いは架橋発泡されたオレフイン樹脂層とすることができ
る。例えば、金属基質上に耐熱ｈや耐久性或いは弾性等
の機械的性質に優れたオレフイン樹脂の被覆を形成する
場合には、樹脂中に架橋剤を含有せしめるのがよく、一
方パツキング、シーラント等ｋ必要なクツシヨン性を有
する被覆を形成する場合には、樹脂中に発泡剤を必要に
より架橋剤と共に含有せしめるのがよい。このような架
橋剤及び発泡剤としては、用いる樹脂の加工温度（軟化
温度）附近の温度で分解する架橋剤、例えばジクミルパ
ーオキシド、ジ一ｔ−ブチルパーオキシド、クミルハイ
ドロパーオキシド、２・５−ジメチル−２・５−ジ（ｔ
−ブチルパーオキシ）へキサン−３等の如き有機過酸化
物や、やはり用いる樹脂の加工温度附近の温度で分解す
る発泡剤、例えば２・２′−アゾビスイソブチロニトリ
ル、アゾジカーボンアミド類、或いは４・４−オキシビ
スベンゼンスルホニルヒドラジド等が使用される。これ
らの架橋剤は樹脂当り０．１乃至５重量％の量で、また
発泡剤は樹脂当り０．２乃至１０重量％の量で使用され
る。ライナーとして使用可能な熱可塑性樹脂の他の例と
しては、軟質の塩化ビニル系樹脂組成物を挙げることが
できる。

接着剤層 本発明において、接着剤としては、土述したライナーを
容器蓋殻体に接着し得るものであれば、任意のものを用
いることができる。

例えば、ライナー用樹脂がオレフイン系樹脂である場合
には、酸化ポリエチレンや酸変囲オレフィン樹脂を塗膜
形成性ベース樹脂中に分散させた塗料を用いることがで
き、一方このライナー用樹脂が塩化ビニル系樹脂である
場合には、塩化ビニル系樹脂乃至はアクリル系樹脂と、
エポキシ樹脂、フエノール樹脂、アルキド樹脂等の熱硬
化性樹脂とを組合せた塗料を用いることができる。

オレフイン系樹脂ライナーの接着用塗料においては、オ
レフイン系樹脂との接着に役立つ酸化ポリエチレンや酸
変性オレフイン樹脂を、ライナーと塗料との界面へ有効
に分布させ、しかも前述した剥離性接着結合を形成させ
るという目的には、酸化ポリエチレンや酸変性オレフイ
ン樹脂としてカルボニル（−Ｃ−）基を０．０１乃至２
００ｍｅｑ／１００７重合体の濃度、好適には０．１乃
至７０ｍｅ（１／１００ｙ重合体の濃度で含有し、且つ
一層好適には結晶化度が少なくとも５０％、好適には７
０％以上であるものを用いるのが好ましい。

このような酸変性オレフィン樹脂としては、それ自体公
知のエチレン系不飽和カルボン酸乃至はその無水物を、
グラフト共重合、プロツク共重合或いは末端処理等の手
段でオレフイン樹脂の主鎖叉は側鎖に導入したものの内
、前記条件を満足するものが使用される。かかる単量体
としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フ
マル酸、クロトン酸、イタコン酸、シトラコン酸、５−
ノルボルネン−２・３−ジカルボン酸、無水マレイン酸
、無水シトラコン酸、５−ノルボルネン−２・３−ジカ
ルボン酸無水物、テトラヒドロ無水フタル酸等を挙げる
ことができる。本発明に使用する酸化ポリエチレンとし
ては、ポリエチレン或いはエチレンを主体とする共重合
体を、所望により熔融或いは溶融状態で酸化することに
より得られる所謂酸化ポリエチレンの内、上述した要件
を満足するものが使用される。

塗膜形成性ベース樹脂としては、それ自体公知の耐腐食
性のプライマー層形成用のベース樹脂が使用される。し
かしながら、一般的に言つて用いる塗膜形成性ベース樹
脂は、前記変性オレフィン樹脂等よりも少なくとも０．
１大きい密度、好適には１．２乃至１，３の範囲内の密
度を有し且つ水酸基及びカルボニル基から成る群より選
択された官能基を少なくとも１ｍｅｑ／Ｆ７の濃度、好
適には３ｍｅｑ／ｙ乃至２０ｍｅｑ／Ｖの濃度で含有す
るものを使用することが、前述した変性オレフイン樹脂
等の分布制御の点で望ましい。用いるベース樹脂は、塗
膜の分野で広く使用されている熱硬化性或いは熱可塑性
の樹脂ビヒクルの内、上述した要件を満足するものであ
ればよく、例えばフエノール・ホルムアルデヒド樹脂、
尿素・ホルムアルデヒド樹脂、メラミン・ホルムアルデ
ヒド朔臥キシレン・ホルムアルデヒド樹脂、エポキシ樹
脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、熱硬化型アクリ
ル樹脂、ウレタン樹脂の単独又は２種以上の組合せから
成る熱硬化性樹脂；或いはアクリル樹脂、塩化ビニル一
酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル一酢酸ビニルマレイン
酸共重合体、ビニルブチラール樹脂等のビニル樹脂、ス
チレンブタジエン−アクリル酸エステル共重合体、ポリ
アミド樹脂、石油樹脂等の熱可塑性樹脂の内、上述した
要件を満足するものが何れも本発明に使用し得る。

上述した酸化ポリエチレン乃至は酸変性オレフイン樹脂
囚と塗膜形成性ベース樹脂（Ｂ）とは、の重量比で変化
させ得る。

また、ライナー用樹脂が塩化ビニル系樹脂である場合に
使用する剥離性接着用の塗料としては、塩化ビニル樹脂
、塩化ビニル一酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル一酢酸
ビニル共重合体部分ケン化物乃至はそのアセタール化物
、塩化ビニル一酢酸ビニル一無水マレィ７酸共重合体等
の塩化ビニル系樹脂乃至はアクリル樹扁Ａと、エポキシ
樹脂、フエノール樹脂、アミノ樹脂、アルキド樹脂等の
熱硬化性樹脂（ト）とを、の重量比でブレンド乃至予備
縮合せしめたものが使用される。

これらの接着用塗料において、熱硬化性樹脂の含有量を
多くすることにより、塩化ビニル系樹脂ライナーとの接
着強度を弱めることができる。これらの接着剤層は、所
謂塗料の形でそれ自体公知の塗装手段、例えば浸漬塗布
、スプレー塗布、ロールコーター、バーコータ一、静電
塗装、電着塗装等の手段で施こすことができ、或いは印
刷可能なインキの形で、凸版印刷、凹版印刷、スクリー
ン印届１Ｌ平版乃至オフセツト印刷等により施こすこと
ができるｏこれらの接着剤を溶解乃至分散させる溶媒と
しては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトン、シクロヘキサノン、イソボロン等のケトン
類；ジアセトンアルコール、ｎ−ブタノール、メチルセ
ロソルブ、ブチルセロソルブ等のアルコール類；トルエ
ン、キシレン、デカリン等の芳香族炭化水素類等の１種
又は２種以上Ｑ組合せを挙げることができ、この塗料乃
至インク中の樹脂固形分濃度は５乃至５０％の範囲とす
るのがよい。

接着剤の塗布量は樹脂固形分として、１乃至５００ｍク
／Ｄｒｒｌ、特に１０乃至１００ｍク／Ｄｍ２の範囲と
するのがよく、酸化ポリエチレンや変性オレフイン樹脂
を含有する接着剤の場合には、酸化ポリエチレンや変性
オレフイン樹脂が０．０１乃至１００ｍク／Ｄｍ２、特
に０．１乃至１０ｍ９／Ｄｍ２となる量で塗布されるよ
うにするのがよい。

本発明において、剥離性界面となる接着層を複数の接着
剤層で構成することにより、接着強度を変化させること
もできる。

例えば接着剤層とオレフィン系樹脂ライナーとの界面で
の接着強度を変えるために、例えば剥離可能なライナー
最外周部に対応する部分に、酸化ポリエチレン乃至は酸
変性オレフイン樹脂の含有量の比較的少ない接着用塗料
を塗布し、一方この最外周部に対応する部分の内側に、
酸化ポリエチレン乃至は酸変性オレフイン樹脂の含有量
の比較的多い接着用塗料を塗布し、接着剤層の表面にお
ける酸化ポリエチレンや酸変囲オレフイン樹脂の分布量
を前述した各部分で変化させることにより、前記最外周
部に対応する部分に非接着乃至は弱接着域とその内側に
これよりも強い接着域とを形成させることができる。ま
た、同様の目的に、ライナー最外周部に対応する部分に
熱硬化性樹脂含有量の比較的多いビニル塗料、それより
内側に熱硬化性樹脂含有量の比較的少ないビニル塗料を
設けてもよい。しかしながら、本発明において、非接着
乃至は弱接着域と、強接着域とで、接着剤中のライナー
との接着に寄与する成分、例えば酸化ポリエチレン乃至
は酸変性オレフイン樹脂の表面部分への分布を変化させ
、前記強接着域では非接着乃至は弱接着域よりも濃密に
分布せしめるようにすることが、容器蓋製造の作業性や
工程の点で有利である。

このような酸化ポリエチレン乃至は酸変性オレフイン樹
脂０接着層表面への分布制御Ｇζ接着剤層と容器蓋殻体
との間に、油性樹脂のような分布制御剤を含有する少な
くとも１個のマスキング層を設けることにより最も容易
に行われる。本発明のかかる態様を示す第５図において
、金属製殻体１の内面保護塗料層５上には、印刷層６が
形成され、更に油性樹脂のような分布制御剤を含有する
マスキング層２１が設けられている。

このマスキング層２１の上に、酸化ポリエチレン乃至は
酸変性オレフイン樹脂を含有する接着塗料層７が塗布さ
れ、この接着層７を介して全体として２で示すオレフイ
ン系樹脂ライナ―が熱接着されている。マスキング層２
１は、ライナーの外周厚肉部９に対応する部分では、一
様な層として設けられ、一方それよりも内側では網点の
形で設けられている。

マスキング層２１に含有される油性樹脂の如き分布制御
剤は、或る未知の理由により、接着塗料層中の酸化ポリ
エチレンや酸変性オレフイン樹脂が層表面部分に分布す
るのを抑制する。かくして、マスキング層２１が全体に
設けられたライナー最外周部に対応する部分では、接着
剤層７の表面に酸化ポリエチレンや変性オレフイン樹脂
が殆んど分布しないため、ライナー２と接着剤層７との
間には非接着乃至は弱接着域１９が形成され、一方これ
よりも内側ではミ酸化ポリエチレンや酸変性オレフイン
樹脂が、網点状のマスキング層とは逆像の形で表面に分
布するため、ライナー２と接着剤層７との間に強接着域
が形成されることになるのである。マスキング層 本発明のこの態様において、変性オレフイン樹脂に対す
る分布制御剤としては、プライマー塗料中の変性オレフ
イン樹脂がプライマー層の表面に優先的に分布するのを
妨げる作用を有するものであればよい。

かかる分布制御剤は、一般に変囲オレフイン樹脂に対し
て化学的或いは物理的に相互作用を示す物質である。か
かる物質の例は、これに限定するものではないが、次の
ものを挙げることができる。（１）油性樹脂乃至は油変
性樹脂。

アマニ油、キリ油、エノ油、脱水ヒマシ油等の乾性油：
ゴマ油、大豆油、ナタネ油、綿実油等の半乾性油；或い
はツバキ油、オリーブ油、ヒマシ油、アン油等の不乾性
油を構成成分の少なくとも＝部として含有し、或いはこ
れらの油で変囲された樹脂。例えば、油変性アルキド樹
脂、油変性エポキシ樹脂、油変性フエノール樹脂、油変
性アミノ樹脂、オレオレジナス塗料、油変性ポリアミド
樹脂、油変性アクリル樹脂、油変性ビニル樹脂の単独又
は２種以上の組合せ。油の変性の程度は特に制限はない
が、上述した乾性油、半乾性油或いは不乾性油を、全樹
脂分当り１５乃至８５重量％の量で含有するものが好都
合である。

（２）脂肪酸或いは重合脂肪酸を構成成分とする樹脂。

例えば重合脂肪酸を酸成分とするポリアミド樹脂。リノ
ール酸、リノレイン酸、脱水ヒマシ油脂肪酸で変ｈされ
た各種樹脂。（３）ポリアルキレンポリオール。

例えばポリエチレングリコール；ポリプロピレングリコ
ール；多価アルコール、脂肪族アミン、脂肪酸アミド等
へのエチレンオキサイド付加物。

（４）脂肪酸金属石ケン。

例えばステアリン酸カルシウム。

（５）オルガノシロキサン類。

例えばジメチルポリシロキサン。

（６） ブタジエン系塗料 ポール化変性ポリプタジエングリコール。

本発明に使用し得る分布制御剤は、上に例示したものに
限定されるものではない。

例えば、エポキシ化大豆油の如きエポキシ系可塑剤、Ｄ
ＯＰの如きフタル酸エステル系可塑剤、ポリエステル系
可塑剤等を、分布制御剤としてマスキング層中に含有せ
しめると、プライマー層中の変性オレフイン樹脂の多層
分布構造の発現を阻止するように作用することが実験的
に確認されている。これは、マスキング層中の可塑剤が
プライマー層中に移行し、変性オレフィン樹脂をプライ
マー層中に均質に分布せしめるためであると思われる。
かくして、本発明において、分布制徊済１としては、変
性オレフイン樹脂との化学的親和性乃至は反応性や、静
電的吸引力により、変性オレフイン樹脂の多層分布を阻
止するものの他に、変性オレフィン樹脂のベース樹脂へ
の分散性を変えるものも包含されることが理解されるべ
きである。

本発明において、分布制御剤がそれ自体塗膜形成能を有
する場合には、それ単独で金属基体にマスキング層とし
て施こすことができ、或いは他の塗膜形成性ベース樹脂
との組合せで金属基体に塗布することができる。また、
分布詣ｕ御剤がそれ自体塗膜形成能を有しない場合には
、塗膜形成性ベース樹脂中に含有させた状態でマスキン
グ層として施こす。分布制御剤の塗工量は、その種類に
よつても相達するが、一般に１乃至３００ヮ／Ｄｍ２、
特に２乃至１５０Ｔｒ１９／Ｄｍ”の範囲とすることが
、本発明の目的に好都合である。

また塗膜形成性ベース樹脂との組合せで施こす場合には
、全体として１０乃至５００η／ＤＴｒＩ、特に２０乃
至２００η／ＤＴＩの量で施こすのがよい。これらのマ
スキング層哄一般に、適当な有機溶媒に溶解した塗料又
はインクの形で、各種コーター或いは印刷機により、金
属基体上に施こす。

これらのマスキング層は、例えば網目状、網点状、帯状
、リング状、放射状、同心円状、円、正方形、三角形等
の任意の幾何学的形状、或いはこれらの組合せ形状に、
金属基体上に施こすことができる。これらのマスキング
層！丸塗装乃至は印刷されたまＸのウエツトの状態で、
或いは乾燥乃至は焼付した状態で次の接着用塗料の塗布
に用いる。

第１乃至２図及び第５図に示す具体例では懸賞の印等を
表示する印刷層６が容器蓋殻体と剥離性接着剤層との間
に設けられており、ライナー２を剥離したとき、この印
刷層６が容器蓋殻体の側に残るようになつている。しか
しながら、それ自体？浚呻手法に従い、剥離性接着剤層
７とライナー２との間に懸賞の印等を表示する印刷層６
を設け、この印刷層６として接着剤層７へ大きな親和性
を示すものを使用して、ライナーを剥離したとき、印刷
層６が容器蓋殻体の側に残るようにすることも、或いは
この印刷層６として接着剤層よりもライナー２に対して
大きな親和性を有するものを使用し、ライナーを剥離し
たとき、印刷層６がライナーの側に残るようにすること
もできる。

また、接着剤層７と下塗り塗料層５との間に剥離性界面
を設ける場合、或いは２種類の塗料層間に剥離性界面を
設ける場合には、この剥離性界面よりも上側或いは下側
に印刷層６を設けることにより、ライナーを剥離したと
き、この印刷層がライナー側に残るようにしたり、或い
は容器蓋殻体側に残るようにすることができる。

本発明の容器蓋は、開封後の蓋を、容器口部に被蓋させ
て再密封に使用し得るキャツプにも適用し得る。

この容器蓋のライナーにおいて頃厚肉の外周部分が容器
口部Ｓと系合する密封用の環状突起と、該環状突起の内
側に完全切断線乃至は破断可能な弱化線を介して設けら
れた周状の補強リブとから構成され、ライナーの引剥し
は、周状の完全切断線乃至は弱化線よりも内側の部分で
のみ行われ、容器口部と係合する密封用の環状突起は容
器蓋殻体に密着した状態で残るようになつている。この
ようなキヤツプの一具体例を示す第６図において、例え
ば軟質塩化ビニル樹脂からなるライナー２の外周厚肉部
分は、容器口部と係合する密封用の環状突起１０，１１
及び凹状溝１２と、この環状突起の内側に周状の弱化線
２２を介して設けられた周状の補強リブ２３とから成つ
ている。

ライナーの密封用環状突起１０，１１及び凹状溝１２は
、キヤツプシエル１内面の接着剤層（例えば塩化ビニル
系樹脂塗料）７に剥離不能に強固に接着されている。剥
離可能なライナー最外周部９、即ち周状の補強リブ２３
に対応する接着剤層７の部分には、ライナー２に対して
接着性のないまたは接着性の弱いマスキング層（例えば
アルキド樹脂層）２４がベタ塗りされており、非接着乃
至は弱接着域１９を形成している。この非接着乃至は弱
接着域１９の内側には、接着剤層７の上にマスキング層
２４が網点状に施され、前記載よりも強接着された域２
０が形成されている。懸賞の印を示す印刷層６はマスキ
ング層２４の上に施されており、この印刷層６はマスキ
ング層２４には接着せず、ライナー２には接着するとい
う性質を有している。尚、補強リブ２３は密封用厚肉部
の内側に全周にわたつて環伏に設けてもよく、またタブ
の付根附近にのみ周状に設けてもよい。ライナー２の剥
離は第３−Ａ乃至３−Ｃ図に示す操作で行われるが、先
ずノブ１５の押倒しによるタブ１４の引剥し開始に続い
て、タブ１４を中心上方向に引張ることにより、周状弱
化線２２の部分的破断と、非接着乃至弱接着域１９での
ライナー２の剥離開始が行われ、ライナーの密封用環状
突起１０，１１及び凹状溝１２のみがキヤツプシエル１
内に残る。本発明の容器蓋の更に他の具体例を示す第７
図におい゛て、金属製容器蓋殻体１の内面には、前述し
た保護塗料下塗り層５が設けられている。

この下塗り層５の上には、酸化ポリエチレン或いは酸変
性オレフイン樹脂を塗膜形成性ベース樹脂中に分散させ
た第１の塗膜層２５が設けられる。この第１の塗膜層２
５は剥離すべきオレフイン系樹脂ライナー２に対応する
殻体内表面の全面にわたつて、但しライナー２を強接着
さすべき部分２０を除いて設けられる。この第１の塗膜
層２５上のライナーのノブ１５に対応する部分には、前
述した油性樹脂等の分布制御剤を含有するマスキング層
２１が設けられ、更に懸賞の印を表示する印刷層６が設
けられる。この第１の塗膜層を塗布し焼付けると、塗料
中に含有される酸化ポリエチレン乃至は変性オレフイン
樹脂は、その表面に優先的に分布する。次いで、この上
に、酸化ポリエチレン或いは酸変性オレフイン樹脂を塗
膜形成性ベース樹脂中に分散させた第２の塗膜層、即ち
接着剤層７を塗布し、焼付ける。

この上にオレフイン系樹脂の熔融物を押出し、押圧成形
してライナー２を形成させる。この接着構造のライナー
付容器蓋においては、第１の塗膜層２５及び第２の塗膜
層（接着剤層）７の表面に酸化ポリエチレンや酸変性オ
レフイン樹脂が優先的に分布することに関連して、第１
の塗膜層２５と第２の塗膜層（接着剤層）７との間では
剥離性の弱い接着が行われ、第２の塗膜層（接着剤層）
７とオレフイン系樹脂ライナー２との間ではかなり強固
な接着が行われる。

また、外周側の弱接着域１９よりも内側に位置する第２
の塗膜層７と下塗り層５との界面には、酸化ポリエチレ
ンや酸変性オレフィン樹脂が介在しな（・ため剥離性の
強接着域２０が形成され、更に、ライナーのノブ１５に
対応する第２の塗膜層（接着剤層）７の部分では、マス
キング層２１によりこの塗膜層７の表面に酸化ポリエチ
レンや酸変性オレフィン樹脂が分布するのが抑制される
ため、オレフイン系樹脂ライナー２と層７との間には非
接着乃至は弱接着性の域が形成される。かくして、この
容器蓋のライナーの剥離に際して、ノブ１５を横に倒す
と、先ずライナー２と接着塗料層７との間で剥離が生じ
、次いでノブ１５を外周向きの径方向に引張ると、接着
塗料層７の破断、次いで接着塗料層７との第１の塗膜層
２５との間で層間剥離が生じ、タブ１４の引剥しが行わ
れる。

続いて、タブ１４を把持してライナー全体を引張ると、
剥離すべきライナー最外周部に対応する層７と層２５と
の界面における非接着乃至弱接着域１９での層間剥離、
及び接着塗料層７とプライマー層５との界面における強
接着域２０での剥離乃至破断を通して、ライナー全体の
剥離が行ねｈる。

印刷層６は第２の塗膜層（接着剤層）７と共にライナー
側に移行する。第７図のように第１の塗膜層（上塗り層
）を一部欠如した形で施こし、第２の塗膜層（接着剤層
）を連続した形で施こす代りに、第８図に示すように、
第１の塗膜層（上塗り層）を連続した形で施こし、第２
の塗膜層（接着剤層）を一部欠如した形で施こすことも
できる。

この場合、第２の塗膜層７は強接着域２０に対応する部
分で欠如されており、ライナー２を構成するオレフィン
樹脂が、表面部分に酸化ポリエチレンや変性オレフイン
樹脂が優先的に分布した第１の塗膜層２５に直接結合し
て強接着域を形成し、一方第１の塗膜層２５と第２の塗
膜層７との界面には、第７図の場合と同様に非接着乃至
は弱接着域１９が形成されることになる。

本発明において、塗料中の酸化ポリエチレン乃至は酸変
性オレフイン樹脂を塗膜層表面に優先的に分布させるた
めには、それ自体公知の手段、例えば米国特許第４０６
２９９７号明細書開示の手段を用いることができる。

容器蓋殻体の成形は、予め金属素材の表面に、下塗り塗
料、印刷層及び接着塗料層等を設けたシートを、プレス
成形、絞り加工、しごき加工等に賦すことにより容易に
行い得る。

ライナーの成形は、オレフイン系樹脂或いは塩化ビニル
樹月ｗ浄の熔融された塊を、殻体内面側に供給し、スタ
ンパ一（押型）等により冷却下に押圧することにより容
易に行い得る。

熔融された塊を供給する代りに、冷却された樹脂を殻体
内面側に供給し、その場で加熱融解してもよい。また塩
化ビニル樹脂は所謂プラスチゾルの形で殻体内面側に供
給し、加熱されたスタンパ一で押圧し、成形と同時にゲ
ル化を行つてもよい。本発明を次の例で説明する。

実施例 １ １乙１ 厚さ０．２５ｍｍの表面処理鋼板（東洋鋼板製ハイトツ
プ８）の片面（王冠の外面になる面）にベースコート層
（エポキシアミノ系塗料）、印刷、オーバーコート層（
エポキシエステル系塗料）を形成した後、他方の面（王
冠の内面になる面）に防錆用下塗りラツカ一として塩化
ビニル酢酸ビニル共重合体７０重量部、分子量３７０の
ビスフエノール型エポキシ樹脂２５重量部及びアミノ樹
脂（ブチル化尿素樹脂）５重量部と有機溶剤とからなる
塗料を硬化乾燥後の厚さが３μとなるようにロールコー
トした後、１９０℃・１０分の加熱を行つた。

この防錆用下塗りラツカ一層の上にマスキング層とし−
て、アマニ油変性アルキツド樹脂８０重量部、ナフテン
酸マンガン２重量部、アルミナ３０重量部及びケロシン
１０重量部からなるマスキング剤組成物を同心円状に区
分された６個の領域；直径が２５ｍｍから２０ｍｍまで
の領域（以後、第１の領域と呼ぶ）、２０ｍｍから１５
ｍｍまでの領域（以後、第２の領域と呼ぶ）、１５ｍ紗
・ら１０ｍ７１Ｌまでの領域（以後、第３の領域と呼）
、１０鼎から５ｍｍまでの領域（以後、第４の領域と呼
ぶ）、及び５關から２ｍ１Ｌまでの領域（以後、第５の
領域と呼ふ）及び直径２ｍ７！Ｌの円状領域（以後、第
６の域と呼ぶ）のそれぞれに厚さ２μとなるように網点
状に塗布（隣接する網点の中心間距離が０．５ｍｍであ
り、網点状に塗布された領域全体に対する塗布面積の比
で表される各種マスキング濃度に塗布）又は、全面に塗
布し、或いは塗布しないで、表１に示した各種形態のマ
スキング層を形成した。次に、この防錆用下塗りラツカ
一層及びマスキング層の上にプライマー層としてＰ−ク
レゾール１．０モル、ホルムアルデヒド１．２モル及び
アンモニア０．２モルを反応させて製造したフエノール
樹脂４０重量部、ビスフエノールＡ型エポキシ樹脂（シ
エル化学製、エピコート９１００７）６０重量部、無水
マレイン酸変性ポリエチレン（結晶化度７４．９％、変
性量３０．５ｍｅｑ／１００７）８重量部及び有機溶剤
（メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、キシ
レンの混合溶剤）とからなる全固形分が３０重量％のプ
ライマー塗料を、硬化乾燥後の厚さが６μとなるように
ロールコートした後、１９『ＣｌＯ分の加熱を行つた。

この塗装板をプライマー層の面が王冠の内側になり且つ
、同心円状に施したマスキング層の中心と王冠の中心と
が同一になるように王冠成形用プレスで成形し、内面に
各種種形態のマスキング層をもつた王冠シエル（内径２
６ｍｍ）をつくつた。この王冠シエルの予備加熱した状
態の内面に、低密度ポリエチレン（メルトインデツクス
７、密度０．９２）を直径５韮のノズルを有する直径４
０ｍｍ押出機から押出した溶融物をノズル先端部で切断
刃により約２５０〜切り落し、直ちに冷却されたパンチ
でパンチングして、外径が２４ｍｕで且つ、直径２４ｍ
ｍのところから１９ｍｍまでのところに密封用の連続し
た山形環状突起（高さ１．５ｍｍ）を２個有し、２個の
環状突起の間（谷）の厚さが０．３ｍ７７！であり、直
径１９ｍＩ・ら内側は０．２ｍｍの厚さの薄肉部であり
、この薄肉部の中央部から内側環状突起につながるよう
に弱化線（幅０．５龍、厚さ０．０１ｍｍ）で区画され
た１個のタブ（薄肉部と中心を同じくする切頭円錐状の
ノブ（底面直径３ｍｍ、高さ４ｍｕ、上面直径２ＴＩｔ
ｍ）を有し、このノブの底面外周上から接線を内側環状
突起の内側円周上の６重の間隔の両端に延長したように
設けられている）を有し、さらにこの弱化線の両側には
幅０．５韮高さ１ｍｍの補強リブを有する形状のポリエ
チレンライナーをライニングした王冠を作成した。これ
らの王冠について、生産性（パンチング作業時の異常有
無）、ライナー接着保持性（室温放置１ケ月後のホツパ
ーリングによるライナー脱落の有無）、密封性（ＪＩＳ
−Ｓ−９０１７の持続耐圧試験及びライナー剥離性（ガ
ラス壜に打栓した後、開栓した王冠からのライナーの剥
がし易さ）について評価し、結果を表１に示した。その
結果、本発明による王冠（試料６乃至１３）はいずれも
ライナーの最外周部が弱接着しているため、その内側が
強接着しているにもかかわらず指でノブを押し倒してか
らタブをつかんで引き上げることによりライナー全体を
王冠シエルから容易に剥ぎ取ることができたが、従来の
技術による王冠（試料１乃至５）はライナーの最外周部
が強接着している場合には王冠シエルからライナー全体
を剥ぎ取ることが困難であり又容易に剥ぎ取ることが出
来る程度に弱接着させた場合には密封性が不完全になる
ことが確認された。

実施例 ２ 前記実施例１と同様にして得られた厚さ０．２５ｍｍの
表面処理鋼板上に形成された防錆用下塗りラツカ一層の
上に第１塗膜層として、エポキシ樹脂（エピコート８１
００７）７０重量部、フエノール樹脂（日立化成製ヒタ
ノーノＫｗ＃２０８０）２０重量部、酸化ポリエチレン
（密度１．０、軟化点１３５℃、全酸素濃度４．３％）
１０重量部及び有機溶剤（キシレン、ブチルセロソルブ
等量混合溶剤）とからなる塗料組成物（全固形分３０ｗ
ｔ％）を硬化乾燥後の厚さが５μとなるように直径２６
ｍ７７！の円状部分に塗布（ただし、直径２６ｍｍの円
状部分の中心から半径１０ｍｍの円周上に等間隔をへだ
てて位置する直径１ｍｍの３個の円状部分は塗布しない
）した後、２００′Ｃ・１０分の加熱を行つた。

次に、この第１塗膜層の上の中心部の直径６ｍｍの円状
部分を除く領域に懸賞マークとしてロジン変性アルキツ
ド樹脂（ベヒクル）、フタロシアニンフリー（顔料）、
塩化マンガン（ドライヤー）及びケロシン（溶剤）とか
らなる金属印刷用インキを用いて図柄を印刷し、１５０
℃・１０分の加熱を行なつた後、マスキング層として、
前記第１塗膜層と中心を同じくする直径５ｍｍの円状部
分に前記実施例１と同じマスキング剤組成物を厚さ３μ
となるように塗布した。

さらに、この防錆用下塗りラツカ一層、第１塗膜層、懸
賞マーク及びマスキング層の上に第２塗膜層として、前
記第１塗膜層と同じ塗料組成物を硬化乾燥後の厚さが２
μとなるように全面にロールコートした後、２００℃・
１０分の加熱を行い両面印刷塗装板を作成した。この印
刷塗装板を懸賞マーク印刷面が内側になり、円状に施し
た第１塗膜層の円周部が王冠内面の周縁部と一致するよ
うに王冠成形用プレスで王冠シエル（内径２６ｍｍ）に
成形した。

この王冠シエルの内面に該懸賞マークが透視出来ない程
度に酸化チタンとカーボンブラツクとで着色した低密度
ポリエチレン（メルトインデツクス３．５、密度０．９
２）を前記実施例１と同様にして、押出しパンチングし
て、前記実施例１と同じ形状を有するポリエチレンライ
ナーをライニングした王冠を作成した。得られた王冠か
らライナーを剥がした結果、ライナーの中心部にあるノ
ブの下部にはマスキング層があることにより、ライナー
と第２塗膜層とが弱く接着しているため、ノブを容易に
剥ぎ起こすことができ、さらに、ノブをつかんでタブを
引き上げることにより、マスキング層のない部分ではラ
イナーと第２塗膜層及び第２塗膜層と懸賞マークとが強
固に接着しているため、接着力の弱い第１塗膜層と第２
塗膜層及び懸賞マークとの間から容易に剥がすことがで
きた。

又、第１塗膜層が塗布されていない３個の円状部分では
ライナーと第２塗膜層及び第２塗膜層と防錆用下塗りと
が強固に接着していたが、接着面積が小さいため、容易
に第２塗膜層とライナーの接着界面を破壊することがで
き、王冠からライナーを剥ぎ取ることができた。剥ぎ取
つたライナーの裏側には懸賞マークが転移していた。

実施例 ３ 前記実施例１と同様にして得られた厚さ０．２５ｍｕの
表面処理鋼板上に形成された防錆用下塗りラツカ一層の
上に第１塗膜層として、前記実施例２の第１塗膜層とし
て用いた塗料組成物を硬化乾燥後の厚さが５μとなるよ
うに全面にロールコートした後、２００′Ｃ・１０分の
加熱を行つた。

この第１塗膜層の上のリング状領域（外径９ｍｍ、内径
６ｍｍ）に懸賞マークとして前記実施例１で用（・た金
属印刷用インキを用いて図柄を印刷し、１５０℃・１０
分の加熱を行つた。次に、この第１塗膜層の上の前記リ
ング状領域と中心を同じくする直径５ｍｍの円状部分に
前記実施例１と同じマスキング剤組成物を厚さ３μとな
るように塗布した。

さらに、この第１塗膜層、懸賞マーク及びマスキング層
の上のマスキング層とＺｌ中心を同じくする直径２６ｍ
ｍの円状部分（ただし、直径２６ｍｍの円状部分の中心
から半径１０ｍ７７！の円周上に等間隔をへだてて位置
する３個ｐ直径１ｍｍの円状部分を除く）に第２塗膜層
として、前記第１塗膜層として用いた塗料組成物を硬化
乾燥後の厚さが２μとなるように塗布した後２０『Ｃ・
１０分の加熱を行い両面印刷塗装板を作成した。

この印刷塗装板を懸賞マーク印刷面が内側になり、円状
に施した第２塗膜層の円周部が王冠内面の周縁部と一致
するように王冠成形用プレスで王冠シエル（内径２６ｍ
ｍ）に成型した。この王冠シエルの内面に前記実施例２
と同様にして不透明なポリエチレンライナーをライニン
グした王冠を作成した。得られた王冠からライナーを剥
がした結果、ライナーの中心部にぁるノブの下部にはマ
スキング層があることにより、ライナーと第２塗膜層と
が弱く接着しているため、ノブを容易に剥ぎ起こすこと
ができ、さらに、ノブをつかんでタブを引き上げること
によりマスキング層のない部分ではライナーと第２塗膜
層及び第２塗膜層と懸賞マークとが強固に接着している
ため、接着力の弱い第１塗膜層と第２塗膜層及び懸賞マ
ークとの間から容易に剥がすことができた。

又、第２塗膜層が塗布されていない３個の円状部分では
ライナーと第１塗膜層及び第１塗膜層と防錆用下塗りと
が強固に接着していたが、接着面積が小さいため、容易
に第１塗膜層とライナーの接着界面を破壊することがで
き、王冠からライナーを剥ぎ取ることができた。剥ぎ取
つたライナーの裏側には懸賞マークが転移していた。

実施例 ４ 前記実施例２と同様の操作を繰り返すことによって得ら
れた厚さ０．２５ｍｍ表面処理鋼板上に形成された防錆
用下塗りラツカ一層及び第１塗膜層の上に懸賞マークを
施すことなく、前記実施例２と同様にしてマスキング層
及び第２塗膜層を形成した。

この第２塗膜層の上の第１塗膜層に対応する部分で且つ
マスキング層に対応しない部分に懸賞マークとして、前
記実施例２と同じ金属印刷用インキを用いて文字を印刷
し、１７０℃・１０分の加熱を行い両面印刷塗装板を作
成した。この印刷塗装板を懸賞マーク印刷面が内側にな
ＺＯり、円状に施した第１塗膜層の円周が王冠内面の周
縁部と一致するように王冠シエル（内径２６ｍｍ）に成
形した。

この王冠シエルの内面に前記実施例２、と同様の操作を
繰り返すことによりポリエチレンライナーをライニング
した王冠を作成した。得られた王冠からライナーを剥が
した結果、前記実施例２と同様に王冠からライナーを容
易に剥ぎ取ることができた。又、剥ぎ取つたライナーの
裏側には懸賞マークが転移していた。実施例 ５ 前記実施例１と同様にして得られた前記実施例１の試料
Ｓ）．１２と同じ塗料層構成の塗装板のプライマー層の
上のマスキング層に対応する部分に懸賞マークとして前
記実施例２の懸賞マーク印刷用として用いた金属印刷用
インキを用いて文字を印刷し、１７『Ｃ・１０分の加熱
を行い両面印刷塗装板を作成した。

この印刷塗装板を前記実施例１と同様にして懸賞マーク
印刷面が内側になるように王冠シエルに成型した後、こ
の王冠シエルの内面に前記実施例２と同様にして不透明
なポリエチレンをライニングした王冠を作成した。得ら
れた王冠からライナーを剥がした結果、容易にライナー
を剥ぎ取ることができ、不透明ライナーによつて隠され
ていた王冠シエル内面の懸賞マークを読むことができた
。実施例 ６ 厚さ０．２７ｍｍのブリキ板の片面に懸賞マークを印刷
し乾燥した上に、マスキング層として、前記実施例１で
用いたと同じマスキング剤組成物を用いて前記実施例１
の試料滝１２と同じ形態のマスキング層を形成させた。

次に、この懸賞マーク及びマスキング層の上にプライマ
ー層として、前記実施例１のプライマー層として用いた
プライマー塗料を硬化乾燥後の厚さが６μとなるように
ロールコートした後、２００′Ｃ・１０分の加熱を行い
印刷塗装板を作成した。この印刷塗装板を懸賞マーク印
刷面が内側になり、円状に施したマスキング層の中心と
王冠の中心とが同一になるように王冠シエルに成型した
後、前記実施例２と同様にして不透明なポリエチレンラ
イナーをライニングした王冠を作成した。得られた王冠
からライナーを剥がした結果、王冠からライナーを容易
に剥ぎ取ることができ、不透明ライナーによつて隠され
ていた王冠シエル内面の懸賞マークをみることができた
。実施例 ７ 厚さ０．３ｍ７７！の表面処理鋼板の上に実施例１と同
様にして形成させた防錆用下塗りラツカ一層の上に懸賞
マークとして大豆油変性アルキツド樹脂６０重量部、ナ
フテン酸マンガン２重量部、アルミナ５重量部及びケロ
シン１２重量部からなるベース樹脂溶液に顔料として、
フタロシアニンブルー（青色）、フアナルカラ一（紅色
）及びベンジジンエロ一（黄色）を別々に２５重量部づ
つ配合して製造した３種類の印刷インキを用いてプロセ
ス平版（線数１５０線／インキの網版使用）により直径
２５ｍｍの円状範囲に、インキがほぼ全面に存在するよ
うな図柄をオフセツト印刷し、１５０℃゜１０分の加熱
を行つた。

次に、この懸賞マークの上にマスキング層として実施例
１で用いたマスキング剤組成物を懸賞マークと中心を同
じくする同心円状に実施例１と同様にして網点状にマス
キング濃度が第１の領域は２０％、第２の領域は１０％
、第３、第４、及び第５の領域は２０％、第６の領域は
５％となるようにマスキング層を施した。次に、この防
錆用下塗りラツカ一層、懸賞マーク及びマスキング層の
上に実施例１で用いたプライマー塗料を硬化乾燥後の厚
さが６μとなるようにロールコートした後、２００℃・
１０分の加熱を行い印刷塗装板を作成した。

この印刷塗装板を実施例１と同様にして、懸賞マークが
内側となるように成形された王冠シエルの内面に実施例
２と同様にして不透明なポリエチレンライナーがライニ
ングされた王冠を作成した。

この王冠からライナーを剥がした結果、器具を用いるこ
となく容易に手でライナーを剥ぎ取ることができ、不透
明ライナーで隠されていた懸賞図柄をみることができた
。この王冠はマスキング剤組成物が変性ポリエチレンに
対する分布制御剤として働くことによりマスキング層が
存在する部分に対応するプライマー層表面のポリエチレ
ンライナーに対する接着力を弱くしているだけでなく、
印刷インキの層も変性ポリエチレンに対する分布制御剤
として働いている（マスキング剤組成物より分布制御効
果は小さい）ため、王冠シエル内表面に於ける変性ポリ
エチレンの分布状態が細かくコントロールされている。
このことは剥がしたライナーの裏側に白く転移している
変性ポリエチレンをみることからも確認できた。実施例
８ 予め一方の面に塗装（ビニル系塗料）を施した厚さ０．
２５關のアルミ板の他の面（塗装されていない面）に金
属印刷用インキを用いて直径３０ｍ７７！の領域内に懸
賞の方法を説明する文字を印刷した上に、塩化ビニルラ
イナー接着塗料層として実施例１で防錆用下塗りラツカ
一として用いた塗料を硬化乾燥後の厚さが５μとなるよ
うに全面にロールコートし、１９『Ｃ・１０分の加熱を
行つた。

次に、このライナー接着塗料層の上の前記印刷領域に対
応する部分に同心円状にマスキング層として、直径が３
０ｍｍから２３ｍｍまで、２１ｍｍから８ｍｍまで、及
び６ｍｍから２ｍｍまでの領域には全面に、又、直径が
２３ｍｍから２１ｍｍまで及び８ｍｍから６ｍｍまでの
領域と直径２ｍｍの内側には網点状（線数；１２０線／
インチ、マスキング濃度；８０％）に実施例１と同じマ
スキング剤組成物を厚さ３μとなるように塗布した後、
１５０℃・１０分の加熱を行つた。さらに、このマスキ
ング層の上に、エマルジヨンタイプ塩化ビニル樹脂５０
重量部、エポキシ化大豆油４５重量部、ロジンエステル
１５重量部及びフタロシアニンブルー２０重量部とから
なるインキを用いて、壜詰製品の講入証となる懸賞マー
クを印刷した後、１５０℃・５分の加熱を行い２個の印
刷層をもつ印刷塗装板を作成した。この印刷塗装板を印
刷面が内面になり印刷部の中心とキヤツプ頂部の中心と
が一致するように円筒状に打抜いた後、ミシン目切断加
工して、内径が３８ｍｎｓ高さが３０ｍｍのロールオン
ピルフアープルーフキヤツプシエルを作成した〜 このキャップシエルの内面にライナー材として塩化ビニ
ル樹脂１００重量部、フタル酸ジオクチル８０重量部及
びカーボンブラツク５重量部とからなるゾル組成物を加
熱型押成形して、外径が３５ｍ７７！で且つ、直径３５
ｍ１Ｌから３０ｍｍまでのところに密封用の環状突起（
高さ２ｍＴｆＬ）を有し、この環状突起の内側に第１弱
化線（幅１７Ｉｔｍ、厚さ０．００５ｍ７７！）を介し
て幅３ｍＴＬＳ高さ１ｍｍの環状厚肉部があり、この環
状厚肉部の内側は厚肉部があり、この環状厚肉部の内側
は厚さ０．３ｍ１Ｌの薄肉部であり、この薄肉部の中央
部から１環状厚肉部の内側につながるように第２弱化線
（幅１ｍ１Ｌ、厚さ０．０１ｍｍ）で区画された１個の
タブ（薄肉部と申心を同じくする直径４ｍ７７！、高さ
５ｍｍの円柱状ノブをもち、このノブの円周土から接線
を環状厚肉部の内側円周上７ｍｍの間隔の両端に延長し
たように設けられている）を有し、さらに、このタブは
第２弱化線の内側が幅１ｍｍｓ高さ１闘のリブによつて
補強されている形状の不透明な塩化ビニルライナーをラ
イニングしたキヤツプを作成した。

このキヤツプをガス入り飲料（１５℃に於いて４ｋ９／
Ｃｄのガス圧力を示す）を充填したガラスピンにロール
オン密栓してから開栓した。この開栓したキヤツプから
ライナーを剥がした結果、ライナーはノブを倒すことに
より第２弱化線の１部が切断され、このノブをつかんで
引つ張ることにより第２弱化線が全て切断され、続いて
タブにつながつている厚肉部が引き土げられることによ
り第１弱化線が切断され、密封用環状突起を残して第１
弱化線の内側だけが取りはずされた。剥がしたライナー
片の裏側には懸賞マークが転移してあり、ライナー片を
取り去つたキヤツプシエルの内面には懸賞方法が示され
ていた。

又、キヤツプシエルの内面にはライナーの密封用環状突
起が強固に接着していた。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の王冠型容器蓋の平面図であり、第２図
は第１図の容器蓋の断面構造を拡大して示す断面図であ
り、第３−Ａ、第３−Ｂ及び第３一Ｃ図は本発明の容器
蓋のライナーを引剥がす順序を説明する斜視図であり、
第４−Ａ、第４−Ｂ、第４−Ｃ、第４−Ｄ、第４−Ｅ、
第４−Ｆ、第４一Ｇ、第４−Ｈ１第４−１、第４−Ｊ１
第４−Ｋ、第４−Ｌ、第４−Ｍ及び第４−Ｎ図は本発明
の容器蓋におけるライナーの接着強度分布の各種態様を
示す分布図であり、第５図は本発明の第２図の態様にお
いて接着強度分布をマスキングで行なう一態様を示す部
分断面図であり、第６図は本発明の他の実施例を示すり
シール型キャップの断面図で且つ、印刷層がライナーに
転写する態様の断面図であり、第７図及び第８図は本発
明の容器蓋における塗膜構成の数例を示す図である。 １・・・・・・容器蓋、２・・・・・・ライナー、３・
・・・・・容器蓋頂板部、４・・・・・・スカート部、
６・・・・・・印刷層、７・・・・・・接着剤層、８・
・・・・・薄肉中央部分、９・・・・・・厚肉外周部分
。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 容器蓋殻体と、前記殻体の頂板部に施されたライナ
   ーとから成る容器蓋において、前記ライナーは前記殻体
   内での熱可塑性樹脂の押圧成形により形成された比較的
   薄肉の中央部分と厚肉の外周部分とを備え、前記中央部
   分の一部には完全切断線乃至は破断可能な弱化線を介し
   て区画され且つ一端部がほぼ中央に位置し他端部におい
   て厚肉の外周部分に連なる比較的細巾の剥離用タブが一
   体に設けられ、前記容器蓋殻体の頂部と前記ライナーと
   の間には剥離可能な少なくとも１個の界面が設けられ、
   前記剥離性界面は、剥離可能なライナー最外周部に非接
   着乃至弱接着域と、この最外周部の内側に前記非接着乃
   至弱接着域よりも強接着された域とを有し、ライナーの
   剥離に際しては剥離用タブの一端部から径外方向に剥離
   を開始し、次いでタブの引張りにより剥離可能なライナ
   ー最外周部から前記方向と逆方向にライナー全面の剥離
   を行うことを特徴とする容器蓋。