JPS5821929B2 - 偏光フィルムの製造法 - Google Patents

偏光フィルムの製造法

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JPS5821929B2
JPS5821929B2 JP3152377A JP3152377A JPS5821929B2 JP S5821929 B2 JPS5821929 B2 JP S5821929B2 JP 3152377 A JP3152377 A JP 3152377A JP 3152377 A JP3152377 A JP 3152377A JP S5821929 B2 JPS5821929 B2 JP S5821929B2
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JP
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film
polymer
reaction
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polyene
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市川林次郎
人見千代次
福田信宏
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、共役2事納合連鎖(以下ポリエンという)を
偏光素子とする偏光フィルムの製造方法に関するもので
ある。
ハロゲン化ビニル系(又はハロゲン化ビニリデン系)重
合体の部分脱ハロゲン化水素反応によって形成されたポ
リエンを偏光素子とする偏光フィルムは、二色性染料や
ヨウ素を偏光素子としポリビニルアルコールをフィルム
基材とする周知の偏光フィルムに比べると、耐水性及び
耐熱性がよく、また可視光線の広い範囲にわたってより
高い偏光能を示す点ですぐれている。
このようなポリエン系偏光フィルムの特性及び製造法は
、本発明者らによる一連の特許の明細書中に詳細に開示
されている(特公昭46−19196号、同46−19
199号、同46−19317〜19320号同46−
24559号、同46−24560号、同48−463
8号、同48−29620号、同49−14856号、
同49−14857号、同50−11941号、同50
−19303号各公報等)。
これらの特許発明によるポリエン系偏光フィルムの製造
法は、プロセスとしては多種多様であるが、原理的には
共通する部分を持つ。
すなわち、いずれの方法においても、ハロゲン化ビニル
系重合体又はハロゲン化ビニリデン系重合体をまず脱ハ
ロゲン化水素剤で処理して部分的に脱ハロゲン化水素し
く重合体中のハロゲン原子と、該ハロゲン原子が結合し
ている炭素原子に隣接する炭素原子上の水素原子がハロ
ゲン化水素として引抜かれて2重結合が形成される。
)、次いで脱ハロゲン化水素剤が実質的に存在しない状
態で、部分脱ハロゲン化水素生成物を加熱して脱ハロゲ
ン化水素を進めて重合体分子中にポリエンを形成させ、
該ポリエンを、プラスチックフィルム中、フィルム面に
沿う一方向に配向させて偏光フィルムを得るのである。
これらの方法において、脱ハロゲン化水素剤としては、
脂肪族三級アミン(例えばトリエチルアミン)、脂環式
アミン(例えばシクロヘキシルアミン)、窒素含有複素
環化合物(例えばピリジン)、N、N−ジアルキルアミ
ド、アミノアルコール、N、N−ジアルキルアミド、ア
ルカリ金属アルコラード、第4級アンモニウム塩等が用
いられる。
脱ハロゲン化水素反応を上述のごとく2段に分けて行な
う方法は、原料重合体の物理的及び化学的性質を著しく
劣化させることなく、効果的にポリエンを形成させるこ
とができる。
しかしながら、脱ハロゲン化水素反応、特にポリエンが
形成される第2段の脱ハロゲン化水素反応がかなり緩慢
であって、温度によっても異なるが、例えば90℃にお
いては通常10〜15時間という長時間を要し、しかも
ポリエン鎖の生長をそこなうおそれがある。
ポリエン鎖長は製品の偏光能ばかりでなく色調にも関係
があり、短いときは赤紫〜青紫色の製品を与えるが、充
分長くなると、透明性のよい純粋な青色の製品を与える
本発明は、このような事実を背景にして、充分な鎖長を
有するポリエンをより短時間で形成させることのできる
方法を提供すべく行なわれた研究の結果完成されたもの
である。
本発明においては、ハロゲン化ビニル系重合体又はハロ
ゲン化ビニリデン系重合体の第1段の脱ハロゲン化水素
反応を、脱ハロゲン化水素剤として下記の一般式囚又は
(6)で表わされる化合物を用いて行う。
(但し両式において、m、p及びrは2〜12の整数を
、n及びqは1〜12の整数を、それぞれ示す各メチレ
ン基の水素原子の一部又は全部は、水酸基又は炭素原子
数1〜20好ましくは1〜8のアルキル基もしくはアル
コキシ基で置換されていてもよい。
)この反応は、脱ハロゲン開本素度(反応開始前のハロ
ゲン化ビニル系又はハロゲン化ビニリデン系重合体中の
ハロゲン原子のうち、ハロゲン化水素として除去された
ものの割合)が0.1〜20モル%に達した段階で打切
る。
次いで反応生成物を固体状で加熱する。
これにより更に脱ハロゲン化水素が起こり、ポリエンの
生長が行なわれる。
任意の方法によって、このポリエンがプラスチックフィ
ルム中、該フィルムの表面に沿う一方向に配向するよう
にすれば、偏光能と色調のすぐれた偏光フィルムが得ら
れる。
上述のような、本発明の方法(こおいて用いる脱ハロゲ
ン化水素剤は、まずそれを用いた第1段の脱ハロゲン化
水素反応において、他の公知の脱ハロゲン化水素剤より
も低い温度で有効に作用するばかりでなく、分子間脱ハ
ロゲン化水素反応による架橋のような好ましからざる反
応を起こしにくい。
したがって、第2段の脱ハロゲン化水素反応によるポリ
エン形成反応が阻害されず(架橋が起こっていると架橋
点でポリエンの生長は停止してしまう)、そのためか反
応時間も短くてすみ、更にフィルムの延伸性が悪化せず
、充分な分子配向が可能である。
このような特異かつ好ましい作用は、上記脱ハロゲン化
水素剤の崇高な分子構造と、適度に強い塩基性とに伺ら
かの関係があるものと思われる。
特に好ましい脱ハロゲン化水素剤は、上記一般式囚及び
(lにおいて、各メチレン基が置換されていないもの、
例えば1,8−ジアザビシクロ〔5゜4.0〕ウンデセ
ン−7,1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン
−5,1,4−ジアザビシクロ(2,2,2)オクタン
などである。
本発明の方法においてポリエン形成反応の出発物質とな
るハロゲン化ビニル系重合体及びハロゲン化ビニリデン
系重合体とは、塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデ
ン等のハロゲン化ビニル又はハロゲン化ビニリデンの単
独重合体又は共重合体のほかに、ハロゲン化ビニルもし
くはハロゲン化ビニリデンとこれら以外の(これらと共
重合可能な)化合物との共重合体、又はこれらの重合体
もしくは共重合体をポリエン形成を阻害しない範囲で変
性したもの(例えば塩素化物)を含むものである。
但し充分な鎖長のポリエンを形成させる必要上、ハロゲ
ン化ビニル又はハロゲン化ビニリデンとこれら以外の化
合物との共重合体はブロック共重合体又はグラフト共重
合体でなければならず、共重合体中のポリハロゲン化ビ
ニルブロック又はポリハロゲン化ビニリデンブロックの
平均鎖長(重合度)は20以上であることが望ましい。
そして、ハロゲン化ビニル又はハロゲン化ビニリデンの
他のモノマーに対するモル比はo、 1/1以上である
ことが望ましい。
使用可能なブロック共重合体の具体例としては次のよう
なものがある(原料モノマーの構成を示す。
但しVCは塩化ビニル、VBは臭化ビニルを、それぞれ
意味する。
)。■C/酢酸ビニル、VC/アクリロニトリル。
VC/エチレン、VC/プロピレン、■C/スチレン、
vC/ブタジェン、VC/イソプレン。
VC/塩化ビニリデン、VC/アクリル酸、VC/アク
リル酸メチル、VC/メタクリル酸メチル。
VO/三弗化エチレン、VB/酢酸ビニル、 VB/ア
クリロニトリル、VB/エチレン、VB/プロピレン、
VB/塩化ビニリデン、VB/ヌチレン、VB/アクリ
ル酸、VB/アクリル酸メチル。
VB/メタクリル酸メチル、VC/酢酸ビニル/ビニル
アルコール、 VC!/塩化ビニリデン/アクリル酸メ
チル、VC/フッ化ビニル/四フッ化エチレン、VB/
スチレン/アクリル酸メチルまた、使用可能なグラフト
共重合体の具体例としては、メタクリル酸メチル又はス
チレンをグラフト共重合させたポリ塩化ビニル、スチレ
ンをグラフト共重合させたポリ臭化ビニル等がある。
これらのポリエン形成可能な重合体又は共重合体は、単
独で使用するほか、2種以上の混合物として用いてもよ
い。
通常、上記重合体は、ポリエン形成原料であると共に偏
光フィルムb膜基材の原料でもあるから、脱ハロゲン化
水素反応後においても実用的な偏光フィルムとして必要
な物性を保持するものを選ぶことが望ましい。
但し、出発原料中ζこは、ポリメタクリル酸メチル、ポ
リ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレ
ート等の、フィルム形成能はあるがポリエン形成能のな
い重合体を混合することができ、また、ポリエン形成の
反応中又は反応後、反応生成物の製膜前に、上記ポリエ
ン形成能のない重合体を混合することもできるから、こ
れらの補助的に混合された重合体が膜基材としての役割
を果たす場合は、ポリエン形成用原料に対する物性上の
要求は厳格なものではない。
脱ハロゲン化水素剤による第1段の脱ハロゲン化水素反
応を行なう場合、出発原料は溶液状であることが望まし
いが、粉末状、フィルム状又はシート状であってもよい
溶液状で反応を行なう場合、溶媒としては環状エーテル
(例えばジオキサン、テトラヒドロフラン)、ジアルキ
ルホルムアミド(例えばジメチルホルムアミド、ジエチ
ルホルムアミド)、ジアルキルスルホキシド(例えばジ
メチルスルホキシド、ジメチルスルホキシド)等が好ま
しい。
これらの溶媒を用いた溶液中に、脱ハロゲン化水素剤を
、原料重合体中のハロゲン化ビニル単位又はハロゲン化
ビニリデン単位の量に対して0.00001〜1モル%
、望ましくは0.00002〜0.4モル%、添加する
被処理原料がフィルムのような固体の場合は、その原料
を溶解しない脱ハロゲン化水素剤の良溶媒(通常n−ヘ
キサン、n−へブタン、イソプロピルエーテル等を使用
することができる)に脱ハロゲン化水素剤を溶解した溶
液(濃度1〜50重量%)で処理する。
脱ハロゲン化水素剤による処理は通常5〜150℃、望
ましくは20〜100℃で、脱ハロゲン死水素度が0.
1〜20モル%、望ましくは0.2〜10モル%に達す
る迄行なう。
架橋や酸化などの副反応が起こるのを避けるため、反応
温度は90℃を越えないことが特に望ましい。
脱ハロゲン死水素度は原料重合体のハロゲン含有量の変
化から計算することができるが、脱ハロゲン化水素反応
の進行度は重合体又はその溶液の色の変化からもかなり
正確に知ることができる。
すなわち、脱ハロゲン化水素が適度に起こったものは黄
色であり、これが過度になると橙色ないし赤色から黒色
になる。
したがって、通常は反応生成物の可視光線透過率曲線の
変化(近紫外部から始まって次第に長波長側に吸収を持
つようになる。
)を追跡することにより反応度を知り、反応を停止すべ
き時期を決定することができる。
脱ハロゲン化水素剤によって上記程度迄脱ハロゲン化水
素された原料重合体分子中には、2重結合がランダムに
分布しており、部分的に比較的短いポリエンも形成され
ている。
これらの2重結合は、次に行なわれる加熱による脱ハロ
ゲン化水素反応の開始点となる。
上述のような脱ハロゲン化水素剤による第1段脱ハロゲ
ン化水素反応の生成物は、次いで固体状で熱処理して第
2段の脱ハロゲン化水素を進める。
この熱処理は、いろいろな状態の第1段反応生成物に対
して施すことができる。
例えば、■ 溶液状で行なわれた第1段反応の反応混合
物をそのまま流延法によってフィルム状に成形し、溶媒
等を揮発させて得られたフィルム。
■ 溶液状で行なわれた第1段反応の反応混合物から、
水、アルコール、エーテル等の非溶剤を用いて単離した
粉末状第1段反応生成物。
■ フィルム状又は粉末状で第1段反応に付された重合
体から処理液を分離したもの。
■ 上記■又は■のフィルムを一方向に延伸したもの。
など、いずれを熱処理してもよい。
但し、被処理物は上側のように固体状のものでなければ
ならず、その溶液を加熱しても有効ではない。
熱処理は、空気中又は不活性液体中、温度50〜150
℃、望ましくは60〜130℃で行なう。
熱処理による脱ハロゲン化水素は、既に分子中にある2
重結合を開始点として連鎖反応的に起こるから、処理を
進めるとポリエンが生長する。
これに伴い、被処理物は可視光線領域で大きな吸収を示
すようになり、その色は紫色を経て青色へと変化する。
色調が青色に近づく頃、可視光線透過率曲線は波長56
5〜600mμ付近に極太吸収を示すようになるから、
極大吸収波長がこの範囲に入るか、少なくとも接近し、
更に極太吸収波長における透過率が0〜60%、望まし
くは0.01〜45%になった段階で、熱処理をやめる
(透過率の測定法については後述)。
この段階で、ポリエンの2重結合連鎖数は10〜25個
に達している。
充分なポリエン形成のために必要な熱処理の時間は、被
処理物の脱ハロゲン死水素度(第1段反応による)や処
理条件によっても異なるが、通常2分〜10時間である
上述のような2段階の脱ハロゲン化水素反応によってハ
ロゲン化ビニル系重合体又はハロゲン化ビニリデン系重
合体中に形成されたポリエンを、プラスチックフィルム
中において一方向に配向させれば偏光フィルムが得られ
る。
ポリエンの一方向への配向は、通常、ポリエンを有する
重合体又は該重合体と他のフィルム形成性重合体との混
合物からなるフィルムを一方向に延伸して、ポリエンを
有する重合体分子鎖を延伸方向に配向させることにより
行なわれる(但し、ポリエンの形成が、既に一方向に延
伸されたフィルム中の重合体内で行なわれた場合は、該
重合体分子鎖がフィルムの延伸方向に配向しており、し
たがって形成されたポリエンもこれと同じ方向に配向し
ているから、ポリエン形成後の延伸は行なわなくてもよ
い。
)。したがって、ポリエンを有・する重合体が未だ粉末
状態であるときは、これをフィルム状に成形する。
成形法としては、溶剤流延法が適当である。
特殊な方法として、ポリエンを有する重合体を溶液状で
ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフ
タレート等からなるフィルムの表面にコーティングして
積層フィルムとしてもよい。
フィルムの延伸は、80〜150℃、望ましくは85〜
140℃で行なう。
延伸倍率は、1.2倍以上、そのフィルムの破断に至ら
ない範囲で、望ましくは2〜8.5倍とする(これらの
延伸条件は、前記フィルム状の第1段反応生成物を熱処
理するに先立って延伸する場合にも適用できる。
)。なお上記の延伸の前又は後に、あるいは上記延伸と
同時に、1.1〜2倍程度の、上記延伸の方向と直角の
方向への延伸を行なうことにより、フィルムの機械的性
質の向上を図ってもよい。
以上のような本発明の方法によるときは、直鎖脂肪族三
級アミン等を脱ハロゲン化水素剤として用いる従来法に
比べて低温かつ短時間で、前記2段の脱ハロゲン化水素
反応を行なうことができる。
このため、架橋や酸化などの好ましくない副反応による
色調やフィルムの延伸性の悪化がなく、シかもポリエン
の生長度が犬である。
したがって、従来法による場合よりも偏光能や透明性に
おいてはるかにすぐれた偏光フィルムを容易に得ること
ができる。
本発明の方法による偏光フィルムは、上述のようなすぐ
れた光学的性質のほかに、ポリエン系偏光フィルム固有
の、優秀な耐水性と耐熱性とを備えているから、液晶表
示装置その他各種光学機器、パネル写真のフィルター、
サングラス、窓、自動車のフロントガラス等、種々の分
野で使用することができる。
以下実施例を示して本発明を説明する。
なお可視光線透過率め測定には高滓製作所製分光光度計
IV−50AL型を用い、測定試料がフィルム状の場合
はそのまま、また粉末状の場合はテトラハイドロフラン
に溶解してから厚さ40〜50μのフィルムに成形した
上で、それぞれ測定に供した。
実施例 1 市販ポリ塩化ビニル(平均重合度1800)15部をテ
トラヒドロフラン50部とジメチルホルムアミド50部
とから成る溶媒に溶解し、この溶液に1,8−ジアザビ
シクロ(5,4,0)ウンデセン−7(0,1部)を添
加して65℃で20分間、第1段の脱塩化水素反応をさ
せた。
次いで反応溶液に250部のテトラヒドロフランを加え
て5重量%濃度の溶液にした上、この溶液をガラス板上
に流延し、70℃で3時間処理して溶媒を揮発させ、厚
さ40μの黄色透明フィルム(脱塩開本素度2.5モル
%)を得た。
このようにして得た黄色透明フィルムについて90℃の
乾熱処理を行ない、1時間で青色透明フィルムを得た。
このフィルムを100℃で一方向に5倍延伸して分子配
向せしめ、偏光フィルムを得た。
本例によって製造された各種フィルムの可視光線透過率
曲線を第1図、および第2図にそれぞれ示す。
第1図の曲線1は第1段反応生成物から成形した黄色透
明フィルム、曲線2は熱処理後延伸前の青色透明フィル
ムの場合を示すものである。
第1図によれば、黄色透明フィルムは波長363mμ、
3.92mμ、419mμ、438mμ等に極大吸収を
示し、2重結合連鎖数6〜11個のポリエンの存在が推
定され、青色透明フィルムは波長600mμ付近に極大
吸収を示し、2重結合連鎖数20個以上のポリエンの存
在が推定される。
第2図は青色透明フィルムを延伸して得た偏光フィルム
の場合を示し、曲線4は該偏光フィルム単独の場合、曲
線5および曲線6は、該偏光フィルム2枚を、延伸方向
(すなわちポリエンの配向方向)が互に平行になるよう
に重ねた場合(平向位)、及び延伸方向が互に直角にな
るように重ねた場合(直交位)を、それぞれ示すもので
ある。
第2図の曲線4,5及び6から、本発明の方法による偏
光フィルムがすぐれた偏光能を有することがわかる。
比較例 1 市販ポリ塩化ビニル(平均重合度1800 ’)15部
をテトラヒドロフラン50部とジメチルホルムアミド5
0部とから成る溶媒に溶解し、この溶液にトリエチルア
ミン2部を添加して80℃で3時間第1段反応をさせた
後、実施例1と同様にして溶液流延法により黄色フィル
ム(脱塩開本素度2.1モル%)を得た。
該黄色フィルムを90℃で乾熱処理して16時間で青紫
色フィルムを得、引続いて100℃で一方向に5倍延伸
して分子配向せしめ、偏光フィルムを得た。
本例の熱処理により作成された青紫色の未延伸フィルム
の可視光線透過率曲線を第1図の曲線3に示す。
また延伸して得られた偏光フィルムの可視光線透過率曲
線を、第3図の曲線7(単独の場合)、8(平行位に重
ねた場合)、及び9(直交位に重ねた場合)に示す。
本比較例と実施例1との相違点を第1表にまとめて示す
第1表にみられる如く、2段の脱塩化水素反応に要する
反応時間が飛躍的に短縮され、また可視光線透過率曲線
の極大吸収位置が長波長側へ移行し、従来得難かった青
色の色調を有するフィルムを得ることができる。
実施例 2 市販ポリ塩化ビニル(平均重合度2500 )15部を
テトラヒドロフラン100部に溶解し、この溶液に1,
5−ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン−5(0,2
5部)を添加して60℃で1時間、第1段反応をさせた
後、以下実施例1と、同様に処理して黄色透明フィルム
(脱塩開本素度3,6モル%)を得た。
このようにして得た黄色透明フィルムを80℃で乾熱処
理し、約1時間で青色透明フィルムを得た。
このフィルムを95℃で一方向に5.5倍延伸して分子
配向させ、偏光フィルムを得た。
この偏光フィルムの可視光線領域(波長450〜700
mμ)における単体平均透過率は40%、平行位平均透
過率は28%、直交位平均透過率は2%であった。
実施例 3 市販ポリ塩化ビニル(平均重合度1800)30部をテ
トラヒドロフラン80部とヅメナルホルムアミド80部
とから成る溶媒に溶解し、この溶液に1.8−ジアザビ
シクロ(5,4,0)ウンデセン−7を0.4部添加し
て、70℃で1時間、第1段脱塩化水素反応させた。
反応後の溶液は黄橙色で、脱塩開本素度は8.3モル%
であった。
この溶液100部に対してテトラハイドロフラン150
部、ジメチルホルムアミド150部とポリ塩化ビニル(
平均重合度2500)15部を添加溶解して、常法によ
りガラス板上に流延乾燥して50μの黄色透明フィルム
を得た。
このフィルムを100℃で20分間乾熱処理して青色透
明フィルムを得た。
次いで該フィルムを110℃で一方向に5.75倍延伸
すると、実施例1と同様の偏光フィルムが得られた。
実施例 4 市販のポリ臭化ビニル(平均重合度900)10部をテ
トラヒドロフラン100部に溶解し、1.5−ジアザビ
シクロ(4,3,0)ノネン−5(1部)を添加して6
5℃で1時間、第1段反応をさせた後、反応溶液を実施
例1と同様の方法で製膜し黄色を帯びた透明フィルム(
脱臭開本素度4.2モル%)を得た。
該フィルムを85℃で乾熱処理し、約30分で青色を帯
びた透明フィルムを得た。
引き続き、該フィルムを100℃で一方向に4.5倍延
伸して分子配向せしめ、実施例1とほぼ同等な偏光フィ
ルムを得た。
実施例 5 厚さ50μの市販ポリ塩化ビニルフィルムをスフ−7レ
ス製枠に保持し、n−へブタン180部に1.8−ジア
ザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7を20部溶解
した浴中に室温で約1時間浸漬して、第1段反応を行な
い、黄色の表面層を有する透明フィルムを得た。
該フィルムを、メチルアルコール中に浸漬し、フィルム
に付着している第1段反応溶液を取り除いた後、85℃
の乾熱処理を約2時間行ない、青色の表面層を有する透
明フィルムを得た。
引き続いて、該青色フィルムを、100℃の乾熱下、一
方向に5.5倍延伸して実施例1とほぼ同等な偏光フィ
ルムを得た。
実施例 6 実施例1の第1段反応で得た黄色透明フィルムを約10
0℃のシリコーンオイル浴中で一方向に5倍延伸した後
、引き続き、90℃のシリコーンオイル浴中で熱処理を
行ない、約1時間で実施例1とほぼ同等な優れた偏光フ
ィルムを得た。
実施例 7 市販ポリ塩化ビニル(平均重合度1000)15部をテ
トラヒドロフラン50部とジメチルホルムアミド30部
とから成る溶媒に溶解し、この溶液に1,4−ジアザビ
シクロ(2,2,2)オクタン1部とジメチルホルムア
ミド20部とから成る溶液を添加して80℃で1時間3
0分反応させた後、以下実施例1と同様に処理して、脱
塩化水素塵3.5モル%の黄色透明フィルムを得た。
このようにして得た黄色透明フィルムを90℃で乾熱処
理し、約1時間で青色透明フィルムを得た。
このフィルムを100℃で一方向に5倍延伸して分子配
向させ、実施例1とほぼ同様な偏光能を有する偏光フィ
ルムを得た。
比較例 2 市販ポリ塩化ビニル(平均重合度1800)15部をテ
トラヒドロフラン50部とジメチルホルムアミド50部
とから成る溶媒に溶解し、この溶液にトリエチルアミン
20部を添加して80℃で3時間、第1段反応をさせた
後、実施例1と同様にして黄色透明フィルム(脱塩開本
素度4.5モル%)を得た。
該フィルムを比較例1と同様に90℃で乾熱処理を行な
うと青紫透明フィルムを得るのに9時間を要した。
引き続いて、該フィルムを100℃で一方向に5倍延伸
して分子配向せしめ、偏光フィルムを得た。
本例での乾熱処理を行なって得た青紫色の未延伸透明フ
ィルムは可視光線透過率曲線の極太吸収を比較例1と同
様に波長565mμに有した。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第3図は、本発明の実施例、及び比較例におけ
る種々のフィルムの可視光線透過率曲線図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ハロゲン化ビニル系重合体又はハロゲン化ビニリデ
    ン系重合体を下記一般式(ト)で表わされる2環式アミ
    ジン又は一般式■で表わされる三級アミンで処理して脱
    ハロゲン開本素度が0.1〜20モル%に達する迄脱ハ
    ロゲン化水素し、得られた生成物に対して、 ■ 固体状加熱により更に脱ハロゲン化水素する処理 及び ■ フィルム状で一方向に延伸する処理 を、■■又は■■の順序で行なうことを特徴とする偏光
    フィルムの製造法。 (但し両式において、m、p及びrは2〜12の整数を
    、n及びqは1〜12の整数を、それぞれ示す。 各メナレン基の水素原子の一部又は全部は、水酸基又は
    炭素原子数1〜20のアルキル基もしくはアルコキシ基
    で置換されていてもよい。 )2 一般式(ト)で表わされる化合物として、1,8
    −ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7を用い
    る特許請求の範囲第1項記載の方法。 3 一般式(4)で表わされる化合物として1,5−ジ
    アザビシクロ(43,0)ノネン−5を用いる特許請求
    の範囲第1項記載の方法。 4 一般式(8)で表わされる化合物として1,4−ジ
    アザビシクロ(2,2,2,)オクタンを用いる特許請
    求の範囲第1項記載の方法。 5 ハロゲン化ビニル系重合体又はハロゲン化ビニリデ
    ン系重合体が有機溶媒中に溶解しているものである特許
    請求の範囲第1項ないし第4項のいずれかに記載の方法
    。 6 ハロゲン化ビニル系重合体又はハロゲン化ビニリデ
    ン系重合体がフィルム状のものである特許請求の範囲第
    1項ないし第4項のいずれかに記載の方法。 7 ハロゲン化ビニル系重合体がポリ塩化ビニルである
    特許請求の範囲第1項ないし第6項のいずれかに記載の
    方法。
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