JPH0775863B2 - 偏光フイルムの製造法 - Google Patents

偏光フイルムの製造法

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JPH0775863B2
JPH0775863B2 JP2298538A JP29853890A JPH0775863B2 JP H0775863 B2 JPH0775863 B2 JP H0775863B2 JP 2298538 A JP2298538 A JP 2298538A JP 29853890 A JP29853890 A JP 29853890A JP H0775863 B2 JPH0775863 B2 JP H0775863B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は耐久性に優れ且つ高偏光度を有する偏光フイル
ムの製造法に関する。
[従来の技術] 近年、卓上電子計算機、電子時計、ワープロ、自動車や
機械類の計器類等に液晶表示装置が用いられ、これに伴
い偏光板の需要も増大している。特に、計器類や台所ま
わりの家庭電化製品においては苛酷な条件下で使用され
る場合が多いので高耐久性及び高偏光度のフイルムが要
請されるのである。
現在、知られている代表的な偏光フイルムの一つにポリ
ビニルアルコール系フイルムにヨウ素を染色させたもの
と染料を染色させたものがあり、これはポリビニルアル
コールの水溶液を製膜し、これを一軸延伸させて染色す
るか、染色した後一軸延伸してから、好ましくはホウ素
化合物で耐久化処理を行うことによって製造されてい
る。
[発明が解決しようとする課題] しかし、上記のポリビニルアルコール系偏光フイルムの
場合、ヨウ素染色品は偏光性能は良好であるが耐湿性や
耐熱性が劣り、高湿度雰囲気下や高熱雰囲気下にさらさ
れると偏光度の低下いわゆる耐久性が劣る難点があり、
一方染料染色品は逆に偏光性能は劣るが耐久性は優れて
いるという利点を持っている。
このようにポリビニルアルコール系偏光フイルムは一長
一短があるので、その最終用途の必要性能に応じて適宜
使い分けることが余儀なくされるのが実情である。
従って、偏光性能と耐久性のいずれもが優れたポリビニ
ルアルコール系偏光フイルムが開発出来れば、その用途
の拡大を含めて産業上極めて有用であると言える。
[課題を解決するための手段] 本発明者等はかかる問題を解決すべく鋭意研究を重ねた
結果、ポリビニルアルコール系原反フイルムを染色工程
及びホウ素化合物処理工程の少なくとも一方の工程にお
いて、一軸延伸して偏光フイルムを製造する際に、原反
フイルムとして厚みが30〜100μであり、且つ熱水中で
の完溶温度が65〜90℃のポリビニルアルコール系フイル
ム、特に平均重合度が2600以上のポリビニルアルコール
系フイルムを用いる場合、目的が達成できることを見い
だし本発明を完成するに到った。
本発明のかかる効果は上記したようにポリビニルアルコ
ール系フイルムとして特定の厚み、完溶温度を有し、好
ましくは高重合度品を用いること、特定の延伸条件を採
用することによって得られるものである。以下本発明を
具体的に説明する。
本発明の偏光フイルムは、ポリビニルアルコール系樹脂
フイルムの一軸延伸フイルムである。ポリビニルアルコ
ールは通常、酢酸ビニルを重合したポリ酢酸ビニルをケ
ン化して製造されるが、本発明では必ずしもこれに限定
されるものではなく、少量の不飽和カルボン酸(塩、エ
ステル、アミド、ニトリル等を含む)、オレフィン類、
ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸塩等、酢酸ビニル
と共重合可能な成分を含有していても良い。ポリビニル
アルコールにおける平均ケン化度は85〜100モル%好ま
しくは98〜100モル%が実用的である。
本発明の効果を得るためには平均重合度が2600以上、好
ましくは3500〜5000が有利である。2600未満では顕著な
効果は得難い。該ポリビニルアルコールは公知の方法に
従って製膜される。ポリビニルアルコールを水、有機溶
剤、水/有機溶剤混合溶剤等に溶解し流延する方法が一
般的である。溶解の濃度は5〜20重量%程度が実用的で
ある。その他ポリビニルアルコールの溶液を凝固浴中に
導入してフイルム化するいわゆるゲル製膜法等も実施可
能である。原反フイルムとしてその膜厚は30〜100μ、
好ましくは50〜90μが必要である。30μ以下では延伸不
能となり100μ以上では膜厚精度が低下し不適当であ
る。かつ該フイルムは熱水中での完溶温度が65〜90℃、
好ましくは71〜80℃でなければならない。
かかる特定のフイルムはポリビニルアルコール系フイル
ムを熱処理すること等により容易に調整できるが、いず
れにしてもかかる性質をもつフイルムを用いることによ
ってのみ、染色工程中あるいはホウ素化合物処理工程中
に一軸延伸が実施可能となるのである。即ち、完溶温度
が65℃以上のフイルムでは延伸時にフイルムが一部溶解
したり劣化がおこったりして実用にならず、一方90℃以
上のフイルムでは充分な延伸が行われなかったり、延伸
時のトラブルが発生し易く、目的とする偏光フイルムは
得難い。
尚、本発明でいう完溶温度は2lビーカーに2000mlの水を
入れ、30℃に昇温した後2cm×2cmのフイルム片を投入
し、撹拌しながら3℃/分の速度で水温を上昇させ、フ
イルムが完全に溶解する温度で定義される。
上記の原反フイルムを延伸及び染色、ホウ素化合物処理
して偏光フイルムを製造するのであるが、本発明では染
色工程、ホウ素化合物処理工程の少なくとも一方の工
程、好ましくは両工程中に一軸延伸を実施することが必
須である。一旦延伸したフイルムを染色あるいはホウ素
処理したり、染色あるいはホウ素化合物処理が終了して
後、一軸延伸しても耐久性のある偏光フイルムは得難い
のである。
フイルムへのヨウ素染色つまり偏光素子の吸着はフイル
ムに偏光素子を含有する液体を接触させることによって
行なわれる。通常はヨウ素−ヨウ化カリの水溶液が用い
られ、ヨウ素の濃度は0.1〜2g/l、ヨウ化カリの濃度は1
0〜50g/l、ヨウ素/ヨウ化カリの重量比は20〜100が適
当である。染色時間は30〜500秒程度が実用的である。
処理浴の温度は30〜80℃が好ましい。水溶媒以外に水と
相溶性のある有機溶媒を少量含有させても差し支えな
い。
接触手段としては浸漬が好ましいが、塗布、噴霧の任意
の手段も適用出来る。
染色の終了したフイルムは次いでホウ素化合物によって
処理される。ホウ素化合物としてはホウ酸、ホウ砂が実
用的である。ホウ素化合物は水溶液又は水−有機溶媒混
合液の形で濃度0.5〜2モル/l程度で用いられ、液中に
は少量のヨウ化カリを共存させるのが実用上望ましい。
処理法は浸漬法が望ましいが勿論塗布法、噴霧法も実施
可能である。処理時の温度は50〜70℃程度、処理時間は
5〜20分程度が好ましい。
本発明では前述した如く染色処理工程又はホウ素化合物
処理工程の少なくとも一方の工程中に一軸延伸を実施し
なければならない。
本発明の偏光フイルムは最終的には2〜8倍、好ましく
は3〜6倍に一軸延伸するのであるが、この延伸は両工
程にわたって実施するのが実用的である。両工程におい
て延伸する場合、染色工程で1.2〜2倍、好ましくは1.2
〜1.5倍、ホウ素化合物処理工程で2〜6倍、好ましく
は、2〜4倍が望ましい。
かかる範囲に延伸するにはロール延伸、テンター延伸等
が任意に実施されるが、通常は前者が行われる。ロール
延伸は一段式、多段式のいずれも実施可能である。
このようにして得られた偏光フイルムは、その両面ある
いは片面に光学的透明度と機械的強度に優れた保護膜を
貼合、乾燥して偏光板として使用される。保護膜として
は従来から知られているセルロースアセテート系フイル
ム、アクリル系フイルム、ポリエステル系樹脂フイル
ム、ポリオレフィン系樹脂フイルム、ポリカーボネート
系フイルム、ポリエーテルエーテルケトン系フイルム、
ポリスルホン系フイルムが挙げられる。
[作用] 本発明の偏光フイルムは高温、高湿状態での耐久性が改
善され長期間放置してもその偏光度が低下しない。かか
る特性を利用して液晶表示体の用途に用いられ、特に車
両用途、各種工業計器類、家庭用電化製品の表示等に有
用である。
[実施例] 次に実例をあげて本発明の偏光フイルムを更に詳しく説
明する。
尚、本発明で言う偏光度は で示され、H11は2枚の偏光フイルムサンプルの重ね合
わせ時において、偏光フイルムの配向方向が同一方向に
なる様に重ね合わせた状態で分光光度計を用いて測定し
た透過率(%)、H1は2枚のサンプルの重ね合わせ時に
おいて、偏光フイルムの配向方向が互いに直交する方向
になる様に重ね合わせた状態で測定した透過率(%)で
ある。
実施例1 平均重合度3800、平均ケン化度99.5モル%のポリビニル
アルコールを水に溶解し、8.0重量%濃度の水溶液を得
た。該液をポリエチレンテレフタレートフイルム上に流
延後、乾燥して膜厚80μのフイルムを得た。このフイル
ムを150℃で2分間熱処理して完溶温度72℃のフイルム
とした。該フイルムを10cm巾に切断しチャックに装着し
た。
フイルムをヨウ素0.2g/l、ヨウ化カリ60g/lよりなる水
溶液中に30℃にて240秒浸漬し、同時に1.2倍1軸延伸
し、ついでホウ酸60g/l、ヨウ化カリ30g/lの組成の水溶
液に浸漬すると共に、同時に6倍に一軸延伸しつつ5分
間にわたってホウ酸処理を行った。最後に室温で24時間
乾燥した。該フイルムの両面にポリビニルアルコール水
溶液を接着剤として用いて膜厚80μのトリアセチルセル
ロースを貼着し50℃で乾燥して偏光板を得た。この偏光
板の単体透過率は44.5%、偏光℃は99.5%であった。更
にこのフイルムを60℃、相対湿度90%の雰囲気中に40日
間放置した後同様の測定を行ったところ単体透過率は4
4.8%、偏光度は99.3%であった。
又、80℃でドライ雰囲気下で40日放置して、耐熱テスト
を行ったところ、単体透過率は44.4%、偏光度は99.5%
であった。
対照例1 平均重合度3800、平均ケン化度99.5モル%のポリビニル
アルコール(熱処理なし、完溶温度65℃)を用いて実施
例1と同一の実験を行った。
製造直後の偏光板の単体透過率は44.0%、偏光度は98.7
%であり、60℃、相対湿度90%、放置日数40日間後の単
体透過率は45.4%、偏光度は97.5%であった。
耐熱テスト後の単体透過率は45.1%、偏光度は97.8%で
あった。
対照例2 実施例1において熱処理条件を180℃で役0.5時間とし
て、完溶時間が100℃のフィルムとした以外は実施例1
と同じ実験をしたが染色が不可能であった。
実施例2 平均重合度4500、平均ケン度99.3モル%のポリビニルア
ルコールフイルム(完溶温度72℃、膜厚75μ)を用いた
以外は実施例1と同一の実験を行った。製造直後の偏光
板の単体透過率は44.5%、偏光度99.8%であり、60℃、
相対湿度90%、放置日数40日間後の単体透過率は44.6
%、偏光度は99.7%であった。耐熱テスト後の単体透過
率は44.5%、偏光度は99.8%であった。
対照例3〜4 実施例1で使用した原反フイルムを60℃にて5倍延伸し
た後、染色及びホウ素化合物処理を同例と同一の方法で
行った。(対照例3) 又、実施例1で使用した原反フイルムを同例と同じ条件
で染色及びホウ素化合物処理のみを行った後、5倍に延
伸した。
結果は次の通りであった。
[効果] 本発明では特定のポリビニルアルコール系フイルムを使
用し、かつ該樹脂フイルムを染色工程又はホウ素化合物
工程の少なくとも一方の工程中に延伸することによっ
て、耐久性の優れた偏光フイルムが得られる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリビニルアルコール系原反フイルムを染
    色工程及びホウ素化合物処理工程の少なくとも一方の工
    程において、一軸延伸して偏光フイルムを製造するに当
    たり、原反フイルムとして厚みが30〜100μであり、且
    つ熱水中での完溶温度が65〜90℃のポリビニルアルコー
    ル系フイルムを用いることを特徴とする偏光フイルムの
    製造法。
  2. 【請求項2】熱水中での完溶温度が71〜80℃のポリビニ
    ルアルコール系フイルムを用いることを特徴とする請求
    項1記載の製造法。
  3. 【請求項3】平均重合度が2600以上のポリビニルアルコ
    ール系原反フイルムを用いることを特徴とする請求項1
    記載の製造法。
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